おしゃれな賃貸オフィス物件の探し方!東京のおすすめエリア7選

おしゃれな賃貸オフィス物件の探し方!、東京のおすすめエリア7選

企業の顔ともいえるオフィス。近年、働き方の多様化とともに、オフィスのあり方も大きく変化しています。単なる「働く場所」から、企業の価値観を発信し、従業員のエンゲージメントを高め、イノベーションを創出する「戦略的な拠点」へとその役割は進化しているのです。この記事では、「おしゃれなオフィス」とは何かという定義から、それがもたらすメリット・デメリット、物件の種類、そして理想の物件を見つけるための具体的な探し方まで、網羅的に解説します。さらに、東京で特におすすめのエリアや、信頼できる仲介会社も紹介。これからオフィスの移転やリニューアルを検討している経営者や担当者の方にとって、必見の内容です。

そもそも「おしゃれなオフィス」とは?

そもそも「おしゃれなオフィス」とは?

「おしゃれなオフィス」という言葉には、華やかでデザイン性の高い空間というイメージが先行しがちですが、その本質はもっと深く、多面的なものです。企業の成長と従業員の働きがいを両立させる、戦略的な空間づくりの要点を探ります。

デザイン性が高いだけではない

「おしゃれなオフィス」と聞くと、多くの人がデザイナーズ家具が置かれ、洗練された内装が施された空間を思い浮かべるかもしれません。カフェのようなリラックスできるスペース、自然光が豊かに入る大きな窓、アートが飾られた壁面など、視覚的に訴えかける要素は確かにおしゃれなオフィスを構成する重要な一部です。

しかし、本当の意味での「おしゃれなオフィス」とは、単に見た目が美しい、デザイン性が高いというだけではありません。 それは、企業のアイデンティティや働き方に深く根ざした、多面的な価値を持つ空間を指します。

例えば、最新のトレンドを取り入れただけのオフィスは、最初は新鮮に感じるかもしれませんが、従業員の働き方や業務内容と乖離している場合、すぐに使いにくさを感じさせてしまいます。オープンすぎる空間が、集中を要する業務の妨げになったり、デザイン性を優先するあまり収納スペースが不足したりといった問題が生じかねません。

真の「おしゃれなオフィス」は、美しさと機能性が見事に融合し、そこで働く人々にとって最高のパフォーマンスを発揮できる環境を提供します。それは、訪れる人々に企業の魅力を伝え、従業員にとっては誇りとなり、日々の業務への活力を与える場所なのです。

つまり、デザインはあくまで手段であり、その先にある目的、すなわち「企業の成長」と「従業員の幸福」を達成するための空間こそが、本質的な「おしゃれなオフィス」といえるでしょう。

企業のコンセプトや理念が反映されている

おしゃれなオフィスの核心は、その空間が企業の「らしさ」、つまりビジョンやミッション、カルチャーといった独自のコンセプトを体現していることにあります。オフィスは、言葉以上に雄弁に企業の物語を語るメディアとなり得ます。

例えば、環境への配慮を重視する企業であれば、リサイクル素材や再生可能エネルギーを利用した内装、随所にグリーンを取り入れたバイオフィリックデザインなどを採用することで、その理念を具体的に示すことができます。来訪者はオフィスに足を踏み入れた瞬間に、その企業の価値観を直感的に理解するでしょう。

また、フラットでオープンな組織文化を大切にするIT企業であれば、役職によるデスクの固定化をなくし、フリーアドレス制を導入したり、部署間の壁を取り払った開放的なレイアウトにしたりすることで、コミュニケーションの活発化とアイデアの共有を促進できます。これは、企業のカルチャーを空間デザインによって強化する好例です。

オフィスデザインは、企業のアイデンティティを内外に示す強力なブランディングツールです。

  • 対外的には(アウターブランディング): 採用候補者や顧客、パートナー企業に対して、自社がどのような企業であるかを視覚的・体感的に伝えることができます。「この会社で働きたい」「この会社と取引したい」と思わせる魅力的な第一印象を形成します。
  • 対内的には(インナーブランディング): 従業員に対して、企業の理念や目指す方向性を日々意識させ、組織への帰属意識やエンゲージメントを高める効果があります。従業員は「自分たちはこういう価値観を持つ企業の一員なのだ」という誇りを持ち、理念に基づいた行動をとりやすくなります。

このように、企業のコンセプトをオフィスデザインに落とし込むプロセスは、自社の存在意義や強みを再確認する良い機会にもなります。どのような働き方を推奨し、どのような価値を社会に提供していきたいのか。その問いに対する答えを空間として表現することが、唯一無二の「おしゃれなオフィス」を創り出す第一歩なのです。

従業員が快適に働ける機能性も重要

どれほどデザイン性に優れていても、従業員がストレスを感じるような環境では、本末転倒です。真におしゃれなオフィスは、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、快適に働ける機能性を備えていることが絶対条件です。これは、従業員満足度(ES)の向上、ひいては生産性の向上に直結する重要な要素です。

快適なオフィス環境を構成する要素は多岐にわたります。

  • エルゴノミクス(人間工学)に基づいた家具: 長時間座っていても疲れにくいオフィスチェアや、高さ調整が可能なデスクは、従業員の身体的負担を軽減し、集中力の維持に貢献します。
  • 適切な照明計画: 自然光を最大限に取り入れつつ、タスクに応じて照度を調整できる照明システムは、目の疲れを防ぎ、快適な作業環境を作ります。色温度(光の色)を時間帯によって変化させることで、体内リズムを整える効果も期待できます。
  • 快適な温熱環境: 適切な室温・湿度の維持はもちろん、個々の従業員が体感温度をある程度調整できるような空調システムや、ブランケットの貸し出しといった配慮も重要です。
  • 音響環境のコントロール: オープンスペースでの会話や電話の声が気になる場合は、吸音パネルの設置や、集中ブース(フォンブース)の用意、BGMの導入などで音環境をコントロールする必要があります。逆に、静かすぎると些細な物音が気になってしまうこともあるため、適度な環境音(サウンドマスキング)が有効な場合もあります。
  • ABW(Activity Based Working)の導入: 「集中する」「協業する」「リラックスする」「Web会議をする」など、業務内容に合わせて最適な場所を選んで働けるABWの考え方を取り入れることも、機能性を高める上で非常に有効です。集中ブース、コラボレーションエリア、カフェスペース、リフレッシュルームなど、多様な機能を持つスペースを用意することで、従業員は自律的に働き方をデザインできるようになります。

これらの機能性は、単に「あれば良い」というものではなく、企業の生産性を左右する経営課題として捉えるべきです。従業員が「このオフィスは働きやすい」と感じることで、仕事へのモチベーションが高まり、創造性も発揮されやすくなります。デザインの美しさと、働く人への徹底した配慮。この二つが両立して初めて、企業と従業員の双方にとって価値のある「おしゃれなオフィス」が完成するのです。

おしゃれなオフィスがもたらす4つのメリット

従業員のモチベーションや生産性が向上する、優秀な人材の採用につながる、企業のブランディング効果が高まる、社内外のコミュニケーションが活性化する

おしゃれなオフィスへの投資は、単なるコストではなく、企業の未来を形作る戦略的な投資です。デザイン性と機能性を兼ね備えたオフィスは、企業に多岐にわたる具体的なメリットをもたらします。ここでは、その中でも特に重要な4つのメリットについて、深く掘り下げて解説します。

① 従業員のモチベーションや生産性が向上する

オフィス環境が従業員の心理や行動に与える影響は、決して小さくありません。快適で刺激的なオフィスは、従業員のエンゲージメントを高め、日々の業務に対するモチベーションを向上させる強力な触媒となります。

まず、物理的な快適性が生産性に直結します。前述の通り、人間工学に基づいた家具、適切な照明や空調は、従業員の身体的な疲労を軽減します。これにより、集中力が持続しやすくなり、作業効率の向上が期待できます。例えば、ある調査では、オフィス環境の改善によって生産性が10%以上向上したという報告もあります。これは、従業員が環境から受けるストレスが減り、本来の業務にエネルギーを注げるようになるためです。

次に、心理的な側面も重要です。自分が働く環境が「魅力的である」と感じることは、会社への帰属意識や誇りを育みます。 「こんな素敵なオフィスで働いている」という満足感は、仕事へのポジティブな感情を生み出し、エンゲージメントの向上につながります。従業員エンゲージメントが高い企業は、低い企業に比べて収益性や生産性が高いことが多くの調査で示されています。

さらに、ABW(Activity Based Working)の考え方を取り入れたオフィス設計は、従業員の自律性を促し、生産性を高めます。

  • 集中したい時: 個室のような集中ブースや、静かなエリアで作業に没頭できます。
  • アイデア出しをしたい時: ホワイトボードや大型モニターを備えたコラボレーションスペースで、チームメンバーと活発に議論できます。
  • リラックスしたい時: カフェのようなラウンジでコーヒーを片手に一息ついたり、同僚と雑談したりすることで、新たなインスピレーションが生まれることもあります。

このように、業務内容に応じて最適な場所を自ら選べる環境は、従業員のパフォーマンスを最大化させます。「やらされている感」が減り、主体的に仕事に取り組む姿勢が育まれるのです。おしゃれなオフィスは、従業員に「会社は私たちの働きやすさを真剣に考えてくれている」というメッセージを伝え、信頼関係を構築する上でも重要な役割を果たします。 結果として、従業員一人ひとりのパフォーマンスが向上し、組織全体の生産性向上へと繋がっていくのです。

② 優秀な人材の採用につながる

現代の採用市場、特に優秀な人材の獲得競争は激化しています。給与や福利厚生といった条件面だけでなく、「どのような環境で働くか」というワーキングエクスペリエンス(WX)が、企業選びの重要な判断基準となっています。 この文脈において、おしゃれなオフィスは極めて強力な採用ツールとなり得ます。

求職者、特にミレニアル世代やZ世代といった若い世代は、企業のビジョンやカルチャーへの共感を重視する傾向があります。オフィスは、そのビジョンやカルチャーを最も分かりやすく、かつ魅力的に伝える「生きた広告塔」です。
企業の採用サイトや求人情報に掲載されたオフィスの写真は、求職者が最初に目にする情報の一つです。魅力的で洗練されたオフィスの写真は、多くの候補者の中から自社に興味を持ってもらうための「フック」として機能します。

採用プロセスにおいて、オフィスは候補者の入社意欲を大きく左右します。

  1. 書類選考・一次面接(オンライン): この段階では、企業のウェブサイトやSNSで公開されているオフィスの情報が、候補者の企業イメージを形成します。デザイン性の高いオフィスは、「先進的」「従業員を大切にしている」「クリエイティブ」といったポジティブな印象を与え、応募への動機付けとなります。
  2. 最終面接(対面): 候補者が実際にオフィスを訪れる最終面接の段階では、その効果は絶大です。ウェブサイトで見た以上の魅力を実際に体感することで、候補者の志望度は一気に高まります。「こんな場所で働けるなら、ぜひ入社したい」という強い動機形成につながるのです。オフィスツアーを実施し、執務スペースだけでなく、リフレッシュエリアやカフェスペースなどを案内することも効果的です。

特に、ITエンジニアやクリエイターといった専門職の人材は、働く環境の質に敏感です。彼らにとって、創造性を刺激し、集中できる環境が提供されるかどうかは、企業選びの重要な要素です。おしゃれで機能的なオフィスは、優秀な人材に対して「私たちはあなたのパフォーマンスを最大限に引き出すための投資を惜しまない」という明確なメッセージを送ることになります。

結果として、おしゃれなオフィスは採用応募数の増加、内定承諾率の向上、そして採用ミスマッチの低減に貢献します。それは、単なる「飾り」ではなく、人材獲得戦略の根幹をなす重要な要素なのです。

③ 企業のブランディング効果が高まる

オフィスは、従業員や求職者だけでなく、顧客や取引先、投資家など、あらゆるステークホルダーに対する企業の「顔」です。洗練されたオフィスは、企業のブランドイメージを向上させ、信頼性や先進性を伝える強力なコミュニケーションツールとなります。

これを「オフィスブランディング」と呼びます。オフィスブランディングには、社外向けの「アウターブランディング」と、社内向けの「インナーブランディング」の二つの側面があります。

アウターブランディングの効果:

  • 信頼性の向上: 来訪した顧客やパートナー企業は、整理整頓され、デザイン性の高いオフィスを見ることで、「この会社は細部までこだわり、質の高い仕事をするだろう」という印象を抱きます。これがビジネス上の信頼関係構築の土台となります。
  • 企業理念の浸透: 前述の通り、企業の理念やビジョンを反映したオフィスデザインは、来訪者に企業の価値観を直感的に伝えます。例えば、サステナビリティを重視する企業がエコな素材を多用したオフィスであれば、言葉で説明する以上に説得力を持ちます。
  • メディア露出の機会創出: デザイン性の高いオフィスは、雑誌やウェブメディアで「ユニークなオフィス」として取り上げられることがあります。これは費用をかけずに企業の知名度を高める絶好のPR機会となります。

インナーブランディングの効果:

  • 理念の共有と浸透: 従業員は毎日オフィスで過ごす中で、無意識のうちに企業の理念や価値観を体感します。壁に掲げられたミッションステートメントや、企業カラーを効果的に使った内装は、従業員の行動指針となり、組織としての一体感を醸成します。
  • エンゲージメントの向上: 自分が働くオフィスに誇りを持つことは、会社への愛着、すなわちエンゲージメントを高めます。従業員が自社のオフィスを友人や家族に自慢したくなるような環境は、インナーブランディングが成功している証拠です。

例えば、あるクリエイティブ企業が、自社のロゴマークのモチーフをエントランスのデザインや会議室の名称に取り入れたとします。これは、訪れる人々に企業のアイデンティティを強く印象付けると同時に、従業員にも自社のブランドを常に意識させる効果があります。
おしゃれなオフィスは、もはや単なるワークスペースではなく、企業のブランドストーリーを語るための戦略的な空間なのです。

④ 社内外のコミュニケーションが活性化する

働き方が多様化し、リモートワークが普及する中で、オフィスに求められる役割は「集まることの価値」を最大化することへとシフトしています。偶発的な出会いや自発的な会話が生まれるように設計されたおしゃれなオフィスは、社内外のコミュニケーションを活性化させ、新たなイノベーションの土壌を育みます。

社内コミュニケーションの活性化:
固定席で部署ごとに島が分かれている従来のオフィスレイアウトでは、どうしてもコミュニケーションが部署内に限定されがちです。しかし、おしゃれなオフィスでよく採用される以下のような仕掛けは、部署の垣根を越えた交流を促進します。

  • マグネットスペースの設置: コーヒースタンド、カフェテリア、居心地の良いラウンジなど、人々が自然と集まりたくなる「マグネットスペース」を設けることで、偶発的な会話(カジュアル・コリジョン)が生まれやすくなります。ここで交わされる何気ない雑談から、新しいプロジェクトのヒントや問題解決の糸口が見つかることは少なくありません。
  • 動線の工夫: 執務エリアを通らないとリフレッシュスペースに行けないようにするなど、意図的に動線を設計することで、異なる部署の従業員が顔を合わせる機会を増やします。
  • 多様なコラボレーションスペース: 少人数での打ち合わせから大人数でのワークショップまで、目的に応じて使える多様なスペースを用意することで、形式にとらわれない柔軟なコミュニケーションが可能になります。

社外コミュニケーションの活性化:
オフィスは、社外の人々を招き入れ、関係性を深める場としても機能します。

  • イベントスペースの活用: 開放的なエントランスやラウンジを、セミナーやミートアップ、交流会などのイベントスペースとして活用できます。これにより、顧客やパートナー企業、地域のコミュニティとの新たな接点を生み出し、ビジネスチャンスを広げることができます。
  • コワーキング機能の付加: オフィスの一部を外部のフリーランサーやスタートアップに開放するコワーキングスペースとして提供することも一つの方法です。多様なバックグラウンドを持つ人々との交流は、社内に新たな視点や知識をもたらし、オープンイノベーションを促進します。

このように、戦略的にデザインされたオフィスは、人と人との繋がりを誘発する「触媒」として機能します。 活性化したコミュニケーションは、知識の共有を促し、組織の創造性を高め、最終的には企業の競争力強化へと結実するのです。

おしゃれなオフィスのデメリットと注意点

おしゃれなオフィスは多くのメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットや注意すべき点も存在します。理想のオフィスを実現するためには、これらの課題を事前に理解し、対策を講じることが不可欠です。ここでは、主なデメリットと、それらに対処するためのポイントを解説します。

移転や内装にコストがかかる

おしゃれなオフィスを実現するための最大のハードルは、やはりコストです。 一般的なオフィスに比べて、初期費用もランニングコストも高くなる傾向があります。

初期費用(イニシャルコスト):

  • 物件取得費: デザイン性の高いビルは、そもそも賃料が高めに設定されていることが多く、敷金や礼金などの初期費用もそれに比例して増加します。
  • 設計・デザイン費: こだわりの空間を実現するためには、専門のデザイナーや設計事務所に依頼する必要があります。その費用はプロジェクトの規模や複雑さによって大きく変動しますが、決して安価ではありません。
  • 内装工事費: 造作家具の製作、特殊な素材の使用、複雑な間仕切り壁の設置など、デザイン性を追求すればするほど工事費は高騰します。一般的な坪単価よりも大幅にコストが上乗せされることを覚悟しなければなりません。
  • オフィス家具・什器購入費: デザイナーズ家具や人間工学に基づいた高機能チェア、特注のテーブルなどは、汎用品に比べて価格が高くなります。

これらの費用は、企業の規模によっては大きな負担となります。移転を決断する前に、詳細な見積もりを取得し、慎重な資金計画を立てることが極めて重要です。 投資対効果(ROI)を明確にし、どの程度のコストまで許容できるのか、経営層を含めてコンセンサスを形成しておく必要があります。

ランニングコスト:

  • 賃料: 前述の通り、おしゃれなオフィスが入居するビルは賃料が高い傾向にあります。これは継続的に発生する固定費となるため、事業計画に大きな影響を与えます。
  • 光熱費: ガラス張りの壁面や吹き抜けなど、開放的なデザインは空調効率を低下させ、光熱費の増加につながる可能性があります。
  • 維持・管理費: 特殊な素材や設備は、清掃やメンテナンスに専門的な知識や特別な費用が必要になる場合があります。また、観葉植物を多く配置した場合は、その維持管理コストも考慮しなければなりません。

コストを抑えるための対策:

  • 優先順位の明確化: 「絶対に譲れない部分」と「妥協できる部分」を明確にし、予算を重点的に配分します。例えば、来客エリアはデザイン性を重視し、執務エリアは機能性を優先してコストを抑えるといったメリハリが重要です。
  • 居抜き・セットアップオフィスの活用: 後述する「居抜きオフィス」や「セットアップオフィス」は、内装工事費を大幅に削減できる可能性があるため、有力な選択肢となります。
  • 段階的な投資: 最初から完璧なオフィスを目指すのではなく、まずは必要最低限の改装を行い、将来的に会社の成長に合わせて追加投資していくという考え方もあります。
  • リースやレンタルの活用: 高価なデザイナーズ家具は購入するのではなく、リースやレンタルを利用することで初期費用を抑えることができます。

コストは重要な制約条件ですが、安さだけを追求するあまり、本来の目的である「企業の成長」や「従業員の満足度向上」が見失われては意味がありません。 予算内で最大の効果を発揮できる方法を、専門家と相談しながら見つけていくことが成功の鍵です。

デザインによっては集中しにくい場合がある

おしゃれなオフィスを目指すあまり、デザイン性を過度に優先してしまうと、かえって従業員の集中力を削ぎ、生産性を低下させてしまうリスクがあります。見た目の美しさと、実際に働く上での快適性・機能性のバランスを取ることが非常に重要です。

集中を妨げるデザインの具体例:

  • 過度にオープンな空間: 壁や仕切りが全くないフルオープンのレイアウトは、部署を超えたコミュニケーションを促進する一方で、周囲の会話や物音が気になり、集中を要する業務には不向きな場合があります。特に、電話応対が多い部署や、プログラマー、ライターなど深い思考を必要とする職種にとっては、大きなストレスとなり得ます。
  • 動線上の執務スペース: 人の往来が激しい通路のすぐそばにデスクを配置すると、常に人の動きが視界に入り、集中が途切れやすくなります。リフレッシュスペースへの動線などは特に注意が必要です。
  • 落ち着かない色使いや照明: 派手すぎる色使いや、チカチカする照明、暗すぎる空間などは、従業員に精神的な疲労感を与え、長時間の作業には適しません。企業のブランドカラーを取り入れる際も、壁一面に使うのではなく、アクセントとして部分的に使用するなどの工夫が求められます。
  • デザイン性の高すぎる家具: 見た目は美しいものの、座り心地が悪かったり、使い勝手が悪かったりする家具は、従業員の身体的な負担を増やし、作業効率を低下させます。

対策と解決策:
これらの問題を回避するためには、オフィス設計の段階で、従業員の働き方を徹底的に分析し、多様なニーズに応えられる空間を用意することが不可欠です。

  • ゾーニングの徹底: オフィス内を「集中ゾーン」「コラボレーションゾーン」「リフレッシュゾーン」など、目的別に明確にエリア分け(ゾーニング)します。集中ゾーンは静かな環境を保ち、コラボレーションゾーンは活発な議論ができるように音響設計を工夫します。
  • 集中ブースの設置: 一人で静かに集中したい時に利用できる、個室型の「集中ブース」や「フォンブース」を十分に用意します。これは、オープンな空間のデメリットを補う上で非常に効果的です。予約システムを導入し、公平に利用できるようにすることも大切です。
  • 可動式の間仕切りの活用: 可動式のホワイトボードやパーテーション、プランターなどを活用すれば、必要に応じて空間を柔軟に区切ることができます。これにより、オープンな状態とクローズドな状態を使い分けることが可能になります。
  • 従業員へのヒアリング: 設計段階で従業員にアンケートやヒアリングを実施し、現場の意見を積極的に取り入れることが、失敗を防ぐ最も確実な方法です。どのような環境で集中でき、どのような時にコミュニケーションを取りたいのか、具体的なニーズを把握することが重要です。

おしゃれなオフィスとは、全ての従業員がそれぞれの業務内容に合わせて、最もパフォーマンスを発揮できる場所を選べるオフィスです。画一的なデザインを押し付けるのではなく、多様な働き方を許容する「選択肢のある空間」を創り出すことが、真の機能性を実現する鍵となります。

おしゃれな賃貸オフィスの主な種類

「おしゃれなオフィス」を実現したいと考えたとき、賃貸オフィスにはいくつかの選択肢があります。それぞれに特徴、メリット、デメリットがあり、自社の予算や目的、移転までのスケジュールに合わせて最適な種類を選ぶことが重要です。ここでは、代表的な4つの種類について詳しく解説します。

オフィス種類 初期コスト 入居までの期間 内装の自由度 こんな企業におすすめ
セットアップオフィス 初期費用を抑えたい、スピーディーに移転したいスタートアップやベンチャー
居抜きオフィス 同業種の企業、とにかくコストを抑えたい企業
リノベーション可能なオフィス 独自のコンセプトを反映させたい、ブランディングを重視する企業
サービスオフィス・レンタルオフィス 最短 不可 少人数、プロジェクト単位での利用、柔軟な契約期間を求める企業

セットアップオフィス

セットアップオフィスとは、ビルのオーナー(貸主)側が、あらかじめ基本的な内装やオフィス家具、会議室などを設置した状態で貸し出すオフィス物件のことです。借主はPCなどの最低限の備品を持ち込むだけで、すぐに業務を開始できます。

メリット:

  • 初期費用の大幅な削減: 内装工事費やオフィス家具の購入費が不要なため、一般的なスケルトン(何もない状態)の物件からオフィスを構築する場合に比べて、初期投資を数百万円から数千万円単位で削減できる可能性があります。
  • スピーディーな移転: 内装のデザインや工事にかかる期間が一切不要なため、契約後、最短で数週間程度での入居が可能です。事業拡大や急な移転ニーズにも迅速に対応できます。
  • 退去時の原状回復義務の軽減: 退去時に内装を解体してスケルトン状態に戻す「原状回復」の費用や手間が、一般的な賃貸借契約に比べて軽減されることが多いです(契約内容によるため確認は必須)。

デメリット:

  • デザインの自由度が低い: 内装やレイアウトはあらかじめ決められているため、企業の独自性やブランドコンセプトを細部まで反映させることは困難です。用意されたデザインが自社のイメージと合わない場合は、選択肢から外れることになります。
  • 月額賃料が割高: 内装や家具の費用が月々の賃料に上乗せされているため、周辺の同規模のスケルトン物件に比べて賃料は高めに設定されています。
  • 物件数が少ない: まだ新しいオフィスの形態であるため、供給物件数は限られています。特に人気のエリアでは、希望の条件に合う物件を見つけるのが難しい場合があります。

どんな企業に向いているか?:
スタートアップやベンチャー企業など、初期費用を抑えつつ、スピーディーに質の高いオフィス環境を整えたい企業に最適です。また、数年後の再移転や人員増減の可能性を見越して、内装に大きな投資をしたくない企業にも向いています。

居抜きオフィス

居抜きオフィスとは、前の入居者(テナント)が使用していた内装や設備、什器などをそのまま引き継いで入居する形態のオフィス物件です。前のテナントが退去時に原状回復を行わず、次のテナントがその状態のまま入居することになります。

メリット:

  • 圧倒的なコスト削減: 内装工事や什器購入の費用をほぼゼロに抑えられる可能性があります。これは、おしゃれなオフィスを実現する上での最大のメリットと言えるでしょう。浮いた予算を他の事業投資に回すことができます。
  • 迅速な入居: セットアップオフィス同様、内装工事が不要なため、短期間での移転が可能です。
  • 設備の流用: 電話回線やLAN配線、空調設備などがそのまま使える場合も多く、インフラ整備の手間とコストを削減できます。

デメリット:

  • 希望通りの物件が見つかりにくい: 居抜き物件は、前のテナントの退去と次のテナントの入居のタイミングが合致する必要があるため、市場に出回る数は非常に少なく、希少です。「希望のエリアで、希望の広さで、希望のデザインの」居抜き物件を見つけるのは、運の要素も大きいと言えます。
  • デザインの制約が大きい: 前のテナントが作ったレイアウトやデザインを基本的にそのまま使うことになるため、自由度は極めて低いです。自社のカルチャーや働き方に合わない場合は、使い勝手が悪く、かえって生産性を下げてしまうリスクもあります。
  • 設備の老朽化リスク: 引き継いだ設備が古くなっている場合、修繕や交換に思わぬ費用が発生することがあります。入居前に設備の動作確認や状態を詳細にチェックすることが不可欠です。

どんな企業に向いているか?:
とにかく初期費用を徹底的に抑えたい企業や、前のテナントと業種が近く、内装やレイアウトをそのまま活用できる場合に適しています。ただし、デザインの妥協は必要になるため、企業のブランディングよりもコストメリットを優先する場合の選択肢となります。

リノベーション可能なオフィス

リノベーション可能なオフィスとは、築年数の古いビルなどを、現代のニーズに合わせて大規模に改修(リノベーション)して使用することが許可されている物件です。スケルトン状態から、あるいは既存の内装を活かしつつ、自社のコンセプトに合わせて自由に空間を創り上げることができます。

メリット:

  • デザインの自由度が非常に高い: 企業のビジョンやブランドコンセプトを空間に思う存分反映させることができます。 壁の素材から床材、照明、間取りに至るまで、細部にこだわった唯一無二のオリジナルオフィスを創ることが可能です。これは、オフィスブランディングを重視する企業にとって最大の魅力です。
  • 比較的安価な賃料: 物件自体は築古であることが多いため、周辺の新築ビルに比べて賃料が安価に設定されているケースが多く、ランニングコストを抑えられる可能性があります。
  • 個性的な空間の実現: 古いビルならではの躯体の味わい(コンクリートの打ちっぱなし、レンガ壁、高い天井など)を活かすことで、新築ビルにはないユニークで魅力的な空間を創出できます。

デメリット:

  • 高額な初期費用: 設計・デザイン費や内装工事費が全額自己負担となるため、初期費用は最も高額になります。大規模なリノベーションの場合、数千万円以上の投資が必要になることも珍しくありません。
  • 移転までに時間がかかる: コンセプトの策定から設計、施工会社選定、工事まで、入居までに半年から1年以上かかることもあります。長期的な視点での計画が必要です。
  • ビルの制約: リノベーション可能といっても、ビルの構造躯体や消防法、建築基準法などの制約は受けます。電気容量や空調、水回りの位置など、変更できない部分もあるため、設計の自由度には限界があります。事前に貸主や管理会社と改修範囲について詳細な協議が必要です。

どんな企業に向いているか?:
企業のブランディングを最重要視し、オフィスを通じて独自の価値観を発信したい企業に最適です。資金力と時間に余裕があり、長期的な視点でオフィスを「経営資産」として捉えることができる企業に向いています。

サービスオフィス・レンタルオフィス

サービスオフィスやレンタルオフィスは、デスクや椅子、インターネット環境、電話応対サービスなど、ビジネスに必要な設備やサービスがパッケージで提供されるオフィスです。契約期間も月単位など柔軟で、1名から利用できる小規模な個室が中心です。

メリット:

  • 圧倒的な手軽さとスピード: 敷金・礼金が不要な場合が多く、保証金を預けるだけで、契約後すぐに利用を開始できます。内装工事やインフラ整備の手間も一切かかりません。
  • 柔軟な契約形態: 月単位での契約や、利用人数の増減に合わせたプラン変更が容易なため、事業の状況に合わせて柔軟にオフィス規模を調整できます。
  • 充実した共用設備: 会議室、ラウンジ、コピー機、キッチンスペースなどの共用設備が充実しており、自社で全てを揃える必要がありません。受付サービスや郵便物管理サービスなどが付帯している場合も多く、本業に集中できます。

デメリット:

  • デザインの自由度はない: 部屋の内装は完全に決められており、カスタマイズすることは基本的にできません。そのため、自社のブランドイメージを反映させるのは困難です。
  • 一人当たりのコストは割高: 短期的に見れば手軽ですが、長期的に利用する場合、一人当たりの月額費用は通常の賃貸オフィスを借りるよりも割高になる傾向があります。
  • プライバシー・セキュリティ: 他の企業とスペースを共有するため、プライバシーや情報セキュリティには一定の注意が必要です。

どんな企業に向いているか?:
1名〜数名規模のスタートアップ、企業のプロジェクトチーム、地方のサテライトオフィスなど、小規模かつ柔軟性が求められるケースに最適です。「おしゃれなオフィス」という観点では、個室のデザイン性よりも、ビル全体のデザイン性や共用ラウンジの雰囲気が重要になります。近年はデザイン性の高いサービスオフィスも増えているため、選択肢の一つとして検討する価値は十分にあります。

おしゃれな賃貸オフィス物件の探し方・選び方の5つのポイント

企業のコンセプトを明確にする、デザイン性と機能性の両方を確認する、レイアウトの自由度をチェックする、共用スペースの設備やデザインも見る、立地と周辺環境を考慮する

理想のおしゃれな賃貸オフィスを見つけるためには、やみくもに物件を探し始めるのではなく、戦略的なアプローチが必要です。ここでは、失敗しないための探し方・選び方の5つの重要なポイントを、具体的なステップとともに解説します。

① 企業のコンセプトを明確にする

物件探しを始める前に、まず行うべき最も重要なステップは、「なぜオフィスをおしゃれにしたいのか」「オフィスを通じて何を達成したいのか」という目的、すなわち企業のコンセプトを明確にすることです。これが全ての判断の基軸となります。

コンセプトを明確にするための問い:

  • 企業理念・ビジョン: 私たちの会社が最も大切にしている価値観は何か?(例:挑戦、誠実、創造性、社会貢献)
  • ブランドイメージ: 社内外にどのような企業だと認識されたいか?(例:先進的、信頼できる、親しみやすい、プロフェッショナル)
  • 理想の働き方: どのような働き方を推奨したいか?(例:集中とコラボレーションの両立、フラットなコミュニケーション、自律的な働き方)
  • 組織文化(カルチャー): どのような組織文化を醸成したいか?(例:オープンで風通しの良い文化、学習し続ける文化、多様性を尊重する文化)

これらの問いに対する答えを、経営層だけでなく、実際に働く従業員も巻き込んで議論することが理想です。ワークショップなどを開催し、様々な部署のメンバーから意見を吸い上げることで、より具体的で共感性の高いコンセプトが生まれます。

コンセプトをデザイン言語に翻訳する:
コンセプトが固まったら、それを具体的なデザインの方向性に落とし込んでいきます。

  • コンセプトが「自然との共生・サステナビリティ」なら:
    • デザイン:木材や石などの自然素材を多用、観葉植物を多く配置(バイオフィリックデザイン)、アースカラーを基調とする。
  • コンセプトが「テクノロジーと先進性」なら:
    • デザイン:無機質な素材(コンクリート、ガラス、メタル)、直線的なデザイン、最新のAV機器やスマートロックなどを導入、モノトーンやコーポレートカラーで統一。
  • コンセプトが「オープンなコミュニケーション」なら:
    • デザイン:壁を極力減らしたオープンレイアウト、フリーアドレス制、カフェのようなマグネットスペースを中央に配置。

このコンセプトが、後の物件選び、レイアウト設計、家具選定の全ての判断基準となります。 コンセプトが曖昧なまま進めてしまうと、関係者の意見がまとまらず、デザインに一貫性がなくなり、「ただ流行りを追っただけ」の中途半端なオフィスになってしまう危険性があります。

② デザイン性と機能性の両方を確認する

おしゃれなオフィスの定義でも触れた通り、見た目の美しさ(デザイン性)と、働く上での快適さ(機能性)は、車の両輪です。どちらか一方に偏ることなく、両方のバランスを高いレベルで満たしているかを確認することが重要です。

内覧時にチェックすべきデザイン性のポイント:

  • 第一印象: エントランスに足を踏み入れた瞬間に、自社のコンセプトと合致する雰囲気を感じるか。
  • 素材感: 床、壁、天井に使われている素材は、安っぽくなく、目指すブランドイメージに合っているか。
  • カラースキーム: 全体の色使いに統一感があり、落ち着いて仕事ができるか。
  • 照明デザイン: 自然光の入り具合はどうか。人工照明はおしゃれで、かつ実用的か(明るさは十分か、調光は可能か)。
  • ディテールの作り込み: ドアノブ、スイッチプレート、建具などの細部までこだわって作られているか。

内覧時にチェックすべき機能性のポイント:

  • ゾーニングと動線: 集中エリアとコミュニケーションエリアが適切に分離されているか。従業員の動線はスムーズで、業務の邪魔にならないか。
  • 空調・換気: 空調の効きは十分か。窓は開けられるか、換気設備は整っているか。特に、個別空調かビル一括管理(セントラル空調)かは重要です。セントラル空調の場合、時間外の利用に制限や追加料金がかかることがあります。
  • 電気容量・コンセント: PCや複合機、サーバーなどを十分に稼働させられる電気容量があるか。コンセントの数と位置は、想定するレイアウトに対して十分か。
  • インターネット環境: 光回線は引き込み済みか。どのような回線事業者と契約可能か。
  • 音響環境: 外部からの騒音(交通量など)はどの程度か。室内での音の響き方はどうか(反響しすぎないか)。
  • セキュリティ: ビルの入退館システムはどうなっているか。専有部へのセキュリティは強化できるか。

これらの項目をリスト化し、複数の物件を比較検討する際に客観的な評価ができるようにしておくと良いでしょう。特に機能性については、デザイン会社やオフィス仲介会社の専門家と一緒に内覧し、プロの視点からアドバイスをもらうことを強く推奨します。

③ レイアウトの自由度をチェックする

企業の成長や事業内容の変化に対応するためには、将来的なレイアウト変更のしやすさ、すなわち「レイアウトの自由度」を確認しておくことが不可欠です。

チェックすべきポイント:

  • 部屋の形状: 長方形や正方形など、整形で使いやすい形か。凹凸が多い、変わった形の部屋は、デッドスペースが生まれやすく、効率的なレイアウトが難しい場合があります。
  • 柱の位置と数: 室内に大きな柱があると、デスクの配置や動線の設計に大きな制約が生まれます。柱が壁際に寄せられているか、柱の本数が少ない物件が理想的です。
  • 天井高: 天井が高いと、空間に開放感が生まれるだけでなく、将来的にOAフロア(床下に配線スペースを設ける二重床)を設置したり、照明や空調の設計自由度が高まったりするメリットがあります。
  • 窓の位置と大きさ: 窓の位置はデスクの配置に影響します。大きな窓は採光面で有利ですが、西日が強い場合はブラインドなどの対策が必要になります。
  • 耐荷重: サーバーラックや大型の書庫など、重量物を設置する予定がある場合は、床の耐荷重を確認しておく必要があります。

セットアップオフィスや居抜きオフィスの場合:
これらの物件はレイアウトの自由度が低いですが、それでも「パーテーションを一部撤去・追加することは可能か」「家具の配置を変更することは可能か」といった点を貸主側に確認しておくことが重要です。軽微な変更であれば許可される場合もあります。

将来の拡張性:
現在の従業員数にジャストサイズの物件を選ぶのではなく、数年後の人員増加を見越して、少し余裕のある広さの物件を選ぶことも検討しましょう。あるいは、同じビル内で増床(追加で別の区画を借りる)が可能かどうかも確認しておくと、将来の拡張に柔軟に対応できます。

④ 共用スペースの設備やデザインも見る

オフィス選びでは、自社が借りる専有部だけでなく、エントランス、廊下、エレベーター、トイレ、給湯室といった「共用スペース」の状態やデザインも非常に重要な評価ポイントです。

共用スペースが重要な理由:

  • 企業の顔としての役割: 来訪者が最初に目にするのはビルのエントランスです。エントランスが高級感があり、清潔に保たれていれば、それだけで企業全体のイメージアップにつながります。逆に、専有部がおしゃれでも、共用部が古びていたり汚れていたりすると、がっかりさせてしまいます。
  • 従業員満足度への影響: トイレや給湯室といった水回りは、従業員が毎日利用する場所です。これらが清潔で快適であることは、従業員満足度に直接的に影響します。特に女性従業員は、パウダールームの有無など、トイレの設備を重視する傾向があります。
  • 付加価値の提供: 近年では、ビル側が屋上テラスや入居者専用ラウンジ、フィットネスジム、シャワールームといった付加価値の高い共用施設を提供している場合があります。これらは、従業員の福利厚生の充実や、リフレッシュ機会の創出に繋がり、企業の魅力を高める要素となります。

内覧時のチェックポイント:

  • エントランス: デザイン性、清掃状況、受付(有人か無人か)。
  • エレベーター: 台数(待ち時間は長くないか)、広さ、清潔感。
  • 廊下: 明るさ、幅、清掃状況。
  • トイレ: 清潔さ、個室の数、男女別か、ウォシュレットの有無、ハンドドライヤーやペーパータオルの有無、パウダースペースの有無。
  • 給湯室: 清潔さ、広さ、設備の状況。
  • その他の共用施設: ラウンジ、屋上テラス、喫煙室、貸し会議室などの有無とクオリティ。

共用スペースは、そのビル全体の管理レベルや質を反映しています。 細部まで手入れが行き届いているビルは、管理体制がしっかりしており、入居後も安心して事業に集中できる可能性が高いと言えるでしょう。

⑤ 立地と周辺環境を考慮する

最後に、オフィスの「立地」と「周辺環境」は、従業員の通勤のしやすさ、採用競争力、そしてビジネスの効率性に大きく影響するため、慎重に検討する必要があります。

交通の便(アクセス):

  • 最寄り駅からの距離: 徒歩5分以内が理想ですが、10分以内が一般的な許容範囲でしょう。駅からの道のりが、安全で歩きやすいか(坂道や交通量など)も確認します。
  • 利用可能な路線: 複数の路線が利用できる駅は、様々な方面から通勤する従業員にとって利便性が高く、採用においても有利に働きます。主要な取引先の所在地からのアクセスも考慮すると良いでしょう。
  • 主要駅へのアクセス: 新宿、渋谷、東京、品川といった主要ターミナル駅へのアクセス時間も重要なポイントです。出張が多い業種の場合は、空港や新幹線の駅へのアクセスも考慮に入れる必要があります。

周辺環境(アメニティ):

  • ランチ環境: 周辺に飲食店やコンビニ、弁当屋が充実しているかは、従業員のランチタイムの満足度に直結します。選択肢が少ないと、毎日の食事がマンネリ化し、不満の原因になり得ます。
  • 銀行・郵便局: 経理業務などで利用頻度の高い銀行の支店や郵便局が近くにあると、業務効率が上がります。
  • カフェ・商業施設: クライアントとの簡単な打ち合わせに使えるカフェや、仕事帰りに立ち寄れる商業施設があると、従業員の利便性が高まります。
  • クリニック・薬局: 体調不良時にすぐに駆け込めるクリニックや薬局が近くにあると安心です。
  • エリアの雰囲気: そのエリアが持つイメージ(例:ITベンチャーが集まる渋谷、金融・大企業が集まる丸の内)が、自社のブランドイメージと合致しているかも考慮しましょう。治安の良さも重要な確認項目です。

これらのポイントは、単に地図上で確認するだけでなく、実際に平日の昼休みや業務終了後の時間帯に現地を訪れ、自分の足で歩いてみることで、よりリアルな環境を把握することができます。従業員の視点に立って、毎日の通勤やランチをシミュレーションしてみることが、最適な立地選びにつながります。

【東京】おしゃれな賃貸オフィスにおすすめのエリア7選

東京には数多くのビジネスエリアが存在し、それぞれが異なる個性と魅力を持っています。自社のコンセプトやブランドイメージに合ったエリアを選ぶことが、おしゃれなオフィス戦略を成功させる鍵となります。ここでは、特におしゃれな賃貸オフィスを探すのにおすすめの7つのエリアを、その特徴とともにご紹介します。

① 渋谷エリア

特徴:
渋谷は、言わずと知れた日本のIT・スタートアップ文化の発信地です。「ビットバレー」の愛称で親しまれ、数多くのメガベンチャーから新進気鋭のスタートアップまで、多様なテクノロジー企業が集積しています。駅周辺の大規模再開発が進行中で、常に新しいエネルギーと情報が渦巻く、刺激的なエリアです。

オフィスの傾向:

  • デザイン: テクノロジー、クリエイティブ、先進性を感じさせるモダンでスタイリッシュなデザインのオフィスが主流です。ガラス張りの高層ビルから、デザイン性の高い中小規模のビル、リノベーションされた個性的な物件まで選択肢は多様です。
  • 働き方: フリーアドレスやABWを導入し、オープンでフラットなコミュニケーションを重視する企業が多く、カフェスペースやイベントスペースを併設したオフィスが目立ちます。
  • 賃料相場: 都内でもトップクラスの人気を誇るため、賃料相場は非常に高い水準にあります。特に駅近の大規模ビルは高額ですが、少し離れた神泉や松濤、奥渋谷エリアでは、比較的手頃でユニークな物件が見つかることもあります。

どんな企業におすすめか:
最先端のトレンドを追いかけるIT企業、Webサービス企業、クリエイティブ系のベンチャー企業には最適なエリアです。優秀な若手エンジニアやクリエイターを採用したい企業にとって、渋谷という立地そのものが強力なアピールポイントになります。業界のネットワーキングイベントも頻繁に開催されるため、情報収集や人脈形成の面でも有利です。

② 恵比寿・代官山エリア

特徴:
渋谷の隣に位置しながら、より洗練され、落ち着いた大人の雰囲気が漂うのが恵比寿・代官山エリアです。緑豊かな街並み、ハイセンスなアパレルショップやカフェ、レストランが点在し、クリエイティブで落ち着いた環境を求める企業に人気があります。

オフィスの傾向:

  • デザイン: アパレル、デザイン、広告代理店などが多く集まる土地柄、外観・内装ともにデザインコンシャスな物件が豊富です。低層で隠れ家的なオフィスや、一棟貸しのデザイナーズ物件、古い建物をリノベーションした味わいのある物件などが見られます。ナチュラルテイストやミニマルで上質なデザインが好まれる傾向にあります。
  • 働き方: ワークライフバランスを重視し、オンとオフの切り替えがしやすい環境です。落ち着いた環境で集中してクリエイティブな仕事に取り組みたいというニーズに応えるオフィスが多いです。
  • 賃料相場: 渋谷同様に人気が高く、賃料相場は高めです。特に代官山は小規模でデザイン性の高い物件が多く、希少性から賃料は高騰しがちです。恵比寿駅の東口側は比較的大規模なオフィスビルも存在します。

どんな企業におすすめか:
アパレル、デザイン、PR、広告、メディア関連など、クリエイティビティとブランドイメージを重視する企業に絶好のロケーションです。落ち着いた環境で質の高い仕事をしたい、感度の高い従業員が集まる企業文化を築きたい場合に適しています。また、おしゃれな街のイメージは、採用ブランディングにもプラスに働きます。

③ 新宿エリア

特徴:
世界一の乗降客数を誇る新宿駅を擁する、日本を代表するメガターミナル。西新宿の超高層ビル群が象徴するような大企業のイメージが強い一方、新宿三丁目や南口方面には商業施設や飲食店が集まり、多様な顔を持っています。交通の利便性は都内随一で、あらゆる業種の企業にとって魅力的なエリアです。

オフィスの傾向:

  • デザイン: 西新宿エリアは、大規模で格式の高いオフィスビルが中心。信頼性や安定感を重視した、オーソドックスで機能的なオフィスが多いです。一方、新宿御苑周辺や南口の甲州街道沿いなどでは、比較的新しいデザイン性の高いビルや、リノベーション物件も見られます。
  • 働き方: 多様な業種が集まるため、働き方も様々です。大規模なフロアを活かした効率的なオフィスレイアウトから、スタートアップ向けのシェアオフィスやサービスオフィスまで、幅広いニーズに対応する物件が存在します。
  • 賃料相場: エリアによって大きく異なります。西新宿の超高層ビルは都内でも最高水準の賃料ですが、少し駅から離れたエリアや、築年数の経ったビルでは手頃な物件も見つかります。

どんな企業におすすめか:
交通の利便性を最優先する企業であれば、まず候補に挙がるエリアです。地方からのアクセスも良いため、全国に支社を持つ企業の本社機能や、営業拠点としても最適。幅広い層の人材を確保したい企業にも向いています。信頼性やスケール感をアピールしたい大企業から、利便性を求める成長企業まで、様々なステージの企業が選択肢となり得ます。

④ 丸の内・大手町エリア

特徴:
東京駅を中核とする、日本のビジネスの中心地。名だたる大企業や金融機関の本社が集中し、圧倒的なステータスと信頼性を誇るエリアです。美しく整備された街並み、皇居の緑を望む景観は、他のエリアにはない品格と落ち着きをもたらします。

オフィスの傾向:

  • デザイン: 最新鋭の設備を備えた、グレードの高い大規模オフィスビルがほとんどです。デザインは、重厚感と品格を重視した、オーセンティックで質の高いものが求められます。共用部もホテルラウンジのように豪華な作りになっているビルが多いです。
  • 働き方: 大企業が多いため、セキュリティレベルが高く、機能性を突き詰めたオフィスが主流です。近年では、大手デベロッパーが手がけるビルを中心に、入居者専用のラウンジやカンファレンス施設など、交流を促す共用施設も充実してきています。
  • 賃料相場: 都内で最も賃料相場が高いエリアです。入居するには高いコストと厳しい審査をクリアする必要があります。

どんな企業におすすめか:
金融、コンサルティング、士業など、企業の信頼性やステータスを何よりも重視する企業にとって、これ以上の立地はありません。「丸の内にオフィスを構えている」こと自体が、強力なブランドとなります。大手企業との取引が多い企業や、グローバル展開を目指す企業にも適しています。

⑤ 銀座・京橋エリア

特徴:
高級ブランド店や老舗百貨店が立ち並ぶ、日本を代表する商業地である銀座。その周辺に広がる京橋や東銀座エリアは、伝統と革新が共存するビジネス街です。丸の内・大手町に隣接しながらも、クリエイティブな雰囲気も持ち合わせているのが特徴です。東京駅にも徒歩圏内で、交通の便も良好です。

オフィスの傾向:

  • デザイン: 歴史あるビルをリノベーションした趣のあるオフィスから、現代的なデザインのビルまで様々です。画廊やデザイン事務所なども点在しており、アートや文化の香りがする洗練された空間が多く見られます。京橋エリアでは大規模な再開発が進み、新しいオフィスビルも供給されています。
  • 働き方: 落ち着いた環境で、質の高いビジネスを展開する企業が集まっています。デザイン性を重視しつつも、華美になりすぎない、品のあるオフィスデザインが好まれます。
  • 賃料相場: 丸の内エリアに次いで高い水準ですが、中小規模のビルも多いため、物件によっては現実的な賃料で見つかることもあります。

どんな企業におすすめか:
伝統や格式を重んじつつも、クリエイティブな感性を大切にしたい企業にフィットします。例えば、老舗企業の新規事業部、広告代理店、出版社、ラグジュアリーブランドの日本法人などに適しています。東京駅へのアクセスも良いため、地方や海外との連携が多い企業にも便利です。

⑥ 品川・五反田エリア

特徴:
新幹線が停車し、羽田空港へのアクセスも抜群な品川は、交通のハブとして重要な役割を担っています。駅港南口には大企業の高層ビルが立ち並び、ダイナミックなビジネスエリアを形成しています。一方、隣接する五反田は、近年「五反田バレー」として知られるようになり、多くのスタートアップが集まる活気あるエリアへと変貌を遂げました。

オフィスの傾向:

  • デザイン: 品川エリアは、大規模で機能的なオフィスビルが中心です。グローバル企業の拠点も多く、開放的で国際的な雰囲気のデザインが見られます。五反田エリアは、居抜きやリノベーション物件を活用した、コストを抑えつつも個性的なオフィスが多く、スタートアップらしい創意工夫に満ちた空間が特徴です。
  • 働き方: 品川は出張の多いビジネスパーソンが効率的に働ける環境。五反田は、エンジニアが集まり、プロダクト開発に没頭できるような、合理的でカジュアルな働き方が主流です。
  • 賃料相場: 品川は都心の一等地に比べてやや割安感があり、コストパフォーマンスが高いエリアです。五反田は、渋谷などに比べて賃料が手頃なことからスタートアップに人気が出ており、近年は上昇傾向にあります。

どんな企業におすすめか:
品川は、出張が多い企業や、全国・海外に拠点を持つ企業の東京オフィスとして非常に優れています。五反田は、コストを抑えながらも都心へのアクセスが良い場所でオフィスを構えたい、成長志向のITスタートアップに最適なエリアと言えるでしょう。

⑦ 日本橋エリア

特徴:
江戸時代から商業・金融の中心地として栄えた、歴史と伝統の街。三越や髙島屋といった老舗百貨店がその象徴です。近年は大規模な再開発プロジェクト「日本橋再生計画」が進行し、伝統を継承しつつも、ライフサイエンス関連企業やスタートアップを支援する施設が次々と誕生するなど、新たなビジネス拠点として生まれ変わっています。

オフィスの傾向:

  • デザイン: 歴史的な建造物を保存・活用した重厚感のあるオフィスと、最新の設備を備えた超高層ビルが共存しています。「和」のテイストを取り入れたモダンなデザインや、落ち着きと品格のある内装が特徴です。
  • 働き方: 老舗企業から製薬・金融、そして新しいスタートアップまで、多様なプレイヤーが集まっています。そのため、伝統的な働き方と、新しいコラボレーションを促す働き方の両方が見られます。
  • 賃料相場: 丸の内や銀座に比べるとやや落ち着いていますが、東京駅に近い一等地であるため、賃料水準は高めです。

どんな企業におすすめか:
歴史や伝統に裏打ちされた「信頼感」を重視する企業、例えば金融、製薬、老舗企業のほか、士業などにも適しています。また、ライフサイエンス分野のインキュベーション施設が集積していることから、同分野のスタートアップや研究開発拠点としても注目されています。伝統と革新の融合を目指す企業にとって、魅力的なエリアです。

おしゃれな賃貸オフィス探しにおすすめの仲介会社3選

おしゃれな賃貸オフィスを探すプロセスは、専門的な知識と豊富な情報網がなければ困難を極めます。そこで頼りになるのが、事業用不動産を専門に扱う仲介会社です。ここでは、特にデザイン性の高いオフィス物件探しに強みを持つ、おすすめの仲介会社を3社ご紹介します。各社の特徴を理解し、自社のニーズに合ったパートナーを選びましょう。

(注:以下に記載するサービス内容や特徴は、各社の公式サイトなどの公開情報に基づき記述していますが、最新かつ詳細な情報については、各社の公式サイトで直接ご確認ください。)

① CBRE(シービーアールイー)

概要:
CBREは、米国に本拠を置く世界最大級の事業用不動産サービス会社です。グローバルなネットワークと、長年にわたる実績に裏打ちされた豊富なデータ、そして幅広いサービスラインナップを強みとしています。日本においても、オフィス仲介のリーディングカンパニーとして、国内外のあらゆる規模・業種の企業にサービスを提供しています。

特徴:

  • 圧倒的な情報量とグローバルネットワーク: 世界中で事業を展開しているため、最新のオフィス市場のトレンドや、外資系企業が退去した後のハイスペックな居抜き物件情報など、他社では得られない独自の情報を保有している可能性があります。特に、大規模ビルやハイグレードなオフィス物件に強みを持っています。
  • データに基づいたコンサルティング: CBREは、市場データや各種調査レポートを豊富に有しており、それらを活用した客観的で戦略的なアドバイスを提供します。単なる物件紹介に留まらず、企業の経営戦略に基づいた不動産戦略(CRE戦略)の立案からサポートしてくれるのが大きな特徴です。
  • 多様な専門家によるチームアプローチ: オフィス仲介の専門家だけでなく、プロジェクトマネジメント(内装工事の管理)、設計・デザイン、データ分析の専門家など、社内の様々なプロフェッショナルが連携して、顧客の課題解決を包括的にサポートします。これにより、物件探しから移転完了までをワンストップで任せることが可能です。

どんな企業におすすめか:
大規模なオフィス移転を計画している大企業や外資系企業、あるいは企業の不動産戦略そのものから見直しを図りたいと考えている企業に最適です。データドリブンで論理的なアプローチを好む企業や、グローバル基準のサービスを求める企業にとっても、信頼できるパートナーとなるでしょう。おしゃれなオフィスという観点では、特にハイグレードビル内の洗練された空間や、海外のデザイントレンドを取り入れたオフィスを希望する場合に、その真価を発揮します。
参照:CBRE公式サイト

② 三幸エステート

概要:
三幸エステートは、1977年創業の独立系大手事業用不動産仲介会社です。特定のデベロッパーや系列に属さない独立系の強みを活かし、顧客の利益を最優先する中立的な立場からのコンサルティングを特徴としています。特に、オフィス賃貸仲介の分野では、国内トップクラスの実績を誇ります。

特徴:

  • 独立系ならではの中立性と情報網: 系列に縛られないため、あらゆるオーナーの物件を公平な視点で紹介してくれます。長年の歴史の中で築き上げたビルオーナーとの強固な関係性により、非公開物件や好条件の物件情報を得やすいと言われています。
  • オフィス市場に特化した高い専門性: 創業以来、オフィス市場に特化してきたことで蓄積されたノウハウと知見は、同社の大きな強みです。専任の担当者が、企業のニーズを深く理解し、粘り強く最適な物件を探し出してくれます。丁寧で手厚いサポートにも定評があります。
  • 豊富な市場調査データ: 定期的に発行している「オフィスマーケットレポート」は、業界内でも信頼性の高い情報源として知られています。こうした客観的なデータに基づいて、賃料相場やエリアの動向について的確なアドバイスを受けることができます。

どんな企業におすすめか:
企業の規模を問わず、中立的な立場から幅広い選択肢を提案してほしいと考えるすべての企業におすすめできます。特に、初めてオフィス移転を行う企業や、専任の担当者にじっくりと相談しながら進めたい企業にとっては、心強い存在です。おしゃれなオフィス探しにおいては、特定のビルブランドに偏らず、リノベーション物件や個性的な中小規模ビルなど、隠れた優良物件を掘り起こしてくれる可能性に期待が持てます。
参照:三幸エステート株式会社 公式サイト

③ officee

概要:
officee(オフィシー)は、株式会社47(ヨンナナ)が運営する賃貸オフィス検索サイトおよび仲介サービスです。Webサイト上で豊富な物件情報を手軽に検索できる利便性と、経験豊富なエージェントによるコンサルティングを組み合わせた、現代的なサービスモデルが特徴です。特にスタートアップやベンチャー企業からの支持を集めています。

特徴:

  • 豊富な写真と分かりやすいWebサイト: officeeのWebサイトは、物件ごとの写真が豊富に掲載されており、内装や共用部の雰囲気をオンラインで詳細に確認できます。広さや賃料だけでなく、「居抜き」「セットアップ」「リノベーション」といったこだわり条件での検索機能も充実しており、ユーザーが直感的に操作しやすいデザインになっています。
  • スタートアップ・ベンチャー企業への深い理解: 運営会社の株式会社47自身もベンチャー企業であることから、成長過程にある企業の特有のニーズ(スピード感、コスト意識、柔軟な契約条件など)を深く理解しています。そのため、スタートアップ向けの小規模オフィスや、デザイン性の高い物件の紹介に強みを持っています。
  • 客観的で誠実な情報提供: エージェントは、物件の良い点だけでなく、懸念点やデメリットについても正直に伝えることをポリシーとしています。これにより、利用者は納得感を持って意思決定を行うことができます。電話営業をしないスタイルも、多忙な担当者にとっては利点と言えるでしょう。

どんな企業におすすめか:
主にスタートアップやベンチャー企業、中小企業で、Webを活用して効率的に情報収集しつつ、専門家のアドバイスも受けたいと考えている企業に最適です。特に、100坪以下の中小規模で、デザイン性の高い「セットアップオフィス」や「居抜きオフィス」を探している場合には、豊富な情報量と専門性から大きなメリットを享受できるでしょう。スピーディーかつ柔軟な対応が期待できるため、急な増員などに対応する移転にも向いています。
参照:officee(オフィシー)公式サイト

まとめ

本記事では、「おしゃれなオフィス」の定義から、そのメリット・デメリット、物件の種類、そして理想の物件を見つけるための具体的な探し方、東京のおすすめエリア、信頼できる仲介会社まで、幅広く掘り下げてきました。

「おしゃれなオフィス」とは、単にデザイン性が高いだけでなく、企業の理念やビジョンが反映され、かつ従業員が快適に働ける機能性を兼ね備えた空間です。このようなオフィスは、従業員のモチベーション向上、優秀な人材の獲得、企業ブランディングの強化、そして社内外のコミュニケーション活性化といった、企業の成長に不可欠な多くのメリットをもたらします。

一方で、実現には相応のコストがかかり、デザインを優先するあまり機能性を損なうリスクも存在します。これらの課題を乗り越えるためには、まず「自社にとっての理想のオフィスとは何か」というコンセプトを明確にすることが全ての出発点となります。

オフィス物件には、初期費用を抑えられる「セットアップオフィス」や「居抜きオフィス」、自由な空間創造が可能な「リノベーション可能物件」、手軽さが魅力の「サービスオフィス」など、様々な種類があります。自社の予算、スケジュール、そしてオフィスに求めるものを天秤にかけ、最適な選択をすることが重要です。

そして、理想のオフィス探しのプロセスにおいては、以下の5つのポイントを常に念頭に置く必要があります。

  1. 企業のコンセプトを明確にする
  2. デザイン性と機能性の両方を確認する
  3. レイアウトの自由度をチェックする
  4. 共用スペースの設備やデザインも見る
  5. 立地と周辺環境を考慮する

東京には、渋谷や恵比寿のようなクリエイティブなエリアから、丸の内のような格式高いエリア、五反田のようなスタートアップが集まるエリアまで、それぞれに個性豊かなビジネスエリアが存在します。自社のブランドイメージや採用ターゲットに合ったエリアを選ぶことで、オフィス戦略の効果を最大化できるでしょう。

最後に、この複雑で専門的なオフィス探しを成功に導くためには、CBRE、三幸エステート、officeeのような信頼できるプロフェッショナルな仲介会社のサポートが不可欠です。彼らの豊富な情報網と専門的な知見を活用することで、自社だけでは見つけられなかった最適な物件に出会える可能性が飛躍的に高まります。

オフィスの移転やリニューアルは、企業にとって大きな投資であり、一大プロジェクトです。しかし、それは同時に、企業の未来を創造し、次のステージへと飛躍するための絶好の機会でもあります。この記事が、皆さまの理想のオフィス実現に向けた、確かな一歩となることを願っています。