個室付き賃貸オフィスの料金相場と選び方 おすすめサービス5選

個室付き賃貸オフィスの料金相場と選び方、おすすめサービス5選を紹介

働き方の多様化が進む現代において、オフィスのあり方も大きく変化しています。特に、スタートアップ企業やフリーランス、企業のプロジェクトチームなど、少人数で事業を運営する人々にとって、従来の大型賃貸オフィスは初期費用や契約期間の面でハードルが高いものでした。

そこで注目を集めているのが「個室付き賃貸オフィス」です。これは、プライバシーが確保された専用の個室空間を、一般的な賃貸借契約よりも手軽な条件で利用できる新しいオフィスの形態です。必要な設備やサービスがあらかじめ用意されており、契約後すぐに事業を開始できる利便性の高さから、多くのビジネスパーソンに選ばれています。

しかし、一言で「個室付き賃貸オフィス」といっても、その種類やサービス内容は多岐にわたります。レンタルオフィス、サービスオフィス、シェアオフィスの個室プランなど、それぞれの特徴や料金体系は大きく異なります。数多くの選択肢の中から、自社の事業フェーズや目的に最適なオフィスを見つけ出すのは容易ではありません。

本記事では、個室付き賃貸オフィスの基本的な知識から、メリット・デメリット、費用相場、そして失敗しないための選び方のポイントまでを網羅的に解説します。さらに、信頼できるおすすめのオフィスサービスもご紹介します。この記事を読めば、個室付き賃貸オフィスに関するあらゆる疑問が解消され、あなたのビジネスを加速させる最適な一室を見つけるための具体的な指針が得られるでしょう。

個室付き賃貸オフィスとは

個室付き賃貸オフィスとは

個室付き賃貸オフィスとは、施錠可能なプライベートな執務スペースを月額制で利用できるオフィス形態の総称です。一般的な賃貸オフィスと異なり、敷金・礼金といった高額な初期費用が不要なケースが多く、オフィス家具やインターネット回線などのインフラもあらかじめ完備されています。これにより、利用者は少ない初期投資で、契約後すぐに事業をスタートできます。

また、個室の執務スペースに加えて、会議室、ラウンジ、キッチン、複合機などを他の利用者と共有する「共用スペース」が充実している点も大きな特徴です。自社で全ての設備を揃える必要がないため、コストを抑えながらも、対外的な信用や従業員の満足度を維持できる点が魅力とされています。

このセクションでは、まず個室付き賃貸オフィスの基本的な定義を理解するために、従来から存在する「一般的な賃貸オフィス」や、近年増加している他のオフィス形態との違いを詳しく解説していきます。それぞれの特徴を正しく把握することが、最適なオフィス選びの第一歩となります。

一般的な賃貸オフィスとの違い

個室付き賃貸オフィスと一般的な賃貸オフィスは、どちらも「オフィススペースを借りる」という点では共通していますが、その契約形態や提供されるサービス、コスト構造には大きな違いがあります。ビジネスの規模やフェーズ、求めるものによってどちらが適しているかは異なるため、それぞれの特徴を正確に理解しておくことが重要です。

最大の違いは、契約形態とそれに伴う初期費用・原状回復義務にあります。一般的な賃貸オフィスは、不動産賃貸借契約を結び、数年単位の長期契約が基本です。契約時には、敷金(保証金)、礼金、仲介手数料、前払い家賃など、合計で賃料の6ヶ月〜12ヶ月分にも及ぶ高額な初期費用が必要となります。さらに、退去時には借りた状態に戻す「原状回復」の義務があり、内装の解体やクリーニングに多額の費用がかかることも少なくありません。

一方、個室付き賃貸オフィスの多くは「サービス利用契約」という形態をとります。これにより、初期費用は入会金や保証金(賃料の1〜3ヶ月分程度)に抑えられ、一般的な賃貸オフィスに比べて大幅にコストを削減できます。また、退去時の原状回復も、基本的には簡易なクリーニング費用程度で済むケースがほとんどです。

以下の表は、両者の主な違いをまとめたものです。

比較項目 個室付き賃貸オフィス 一般的な賃貸オフィス
契約形態 サービス利用契約(主流) 不動産賃貸借契約
契約期間 短期(数ヶ月〜)から可能 長期(2年以上)が基本
初期費用 比較的安価(入会金、保証金など) 高額(敷金、礼金、仲介手数料など)
オフィス家具 完備されていることが多い 利用者自身で用意
インターネット環境 完備されていることが多い 利用者自身で契約・工事
共用設備 会議室、ラウンジなどが利用可能 自社で全て用意
受付・秘書サービス オプションで利用可能 利用者自身で雇用
利用開始までの期間 短い(数日〜2週間程度) 長い(1ヶ月以上)
レイアウトの自由度 低い(規定の範囲内) 高い
退去時の原状回復 簡易な場合が多い 大規模な工事が必要な場合がある

このように、個室付き賃貸オフィスは、初期投資を抑え、迅速かつ柔軟に事業環境を整えたいスタートアップや中小企業、プロジェクトチームなどにとって非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。一方で、独自の企業文化を反映させた内装デザインを施したい、長期的に安定した拠点を構えたいといったニーズを持つ企業にとっては、レイアウトの自由度が高い一般的な賃貸オフィスの方が適している場合もあります。

他のオフィス形態との違い

近年、働き方の多様化に伴い、個室付き賃貸オフィス以外にも様々な形態のワークスペースが登場しています。ここでは、特に混同されやすい「シェアオフィス(コワーキングスペース)」「サービスオフィス」「バーチャルオフィス」との違いを明確にします。

シェアオフィス(コワーキングスペース)との違い

シェアオフィスやコワーキングスペースは、フリーアドレスのオープンスペースを複数の利用者で共有する形態が基本です。個室付き賃貸オフィスとの最も大きな違いは「専有スペースの有無」と「プライバシーレベル」です。

シェアオフィスでは、基本的に特定のデスクは割り当てられず、その日ごとに空いている席を利用します(一部、固定席プランもあり)。そのため、常に周囲に他の利用者がいる環境であり、電話やWeb会議の内容が聞かれる可能性があります。機密情報や個人情報を取り扱う業種、集中して作業したいクリエイターなどにとっては、プライバシーの確保が課題となる場合があります。

一方、個室付き賃貸オフィスは、施錠可能な完全に独立したプライベート空間が確保されています。そのため、周囲を気にすることなく業務に集中でき、セキュリティ面でも安心して機密情報を扱うことができます。

ただし、近年では多くのシェアオフィスが施設内に「個室プラン」を設けています。これは、シェアオフィスの持つコミュニティ機能や開放的な共用ラウンジといったメリットを享受しつつ、執務スペースはプライベートな個室を確保したいというニーズに応えるものです。本記事で扱う「個室付き賃貸オフィス」には、こうしたシェアオフィスの個室プランも含まれます。

サービスオフィスとの違い

サービスオフィスは、実は個室付き賃貸オフィスの一種であり、その中でも特に付加価値の高いサービスが充実している高機能なオフィスを指します。一般的な個室付き賃貸オフィス(レンタルオフィスとも呼ばれる)とサービスオフィスの間に厳密な定義の違いはありませんが、提供されるサービスの質と量に差が見られます。

サービスオフィスは、単に場所を貸すだけでなく、ビジネスを円滑に進めるための様々なサポートを提供します。代表的なものに、バイリンガル対応の受付スタッフによる来客応対、電話代行、秘書サービス、郵便物の受け取り・転送、翻訳・通訳サービスなどがあります。これらのサービスは、特に海外との取引が多い企業や、少人数でコア業務に集中したい経営者にとって大きなメリットとなります。

立地も、主要都市の一等地にあるハイグレードなビルに入居していることが多く、企業のブランドイメージ向上にも寄与します。その分、一般的なレンタルオフィスと比較すると月額料金は高めに設定されています。つまり、サービスオフィスは「個室+高度なビジネスサポート」がパッケージになった、よりプレミアムな選択肢と位置づけられます。

バーチャルオフィスとの違い

バーチャルオフィスと個室付き賃貸オフィスの決定的な違いは、「物理的な執務スペースの有無」です。

バーチャルオフィスは、その名の通り「仮想の(virtual)」オフィスであり、提供されるのは主に法人登記や事業用の住所、電話番号、郵便物転送サービスなどです。物理的なデスクや個室は提供されません(一部、オプションで会議室を時間貸ししているサービスはあります)。

そのため、自宅やカフェなど、場所を問わずに仕事ができるフリーランスや、主にオンラインで事業が完結するIT企業などが、事業用の住所を確保して社会的信用を得る目的で利用するケースがほとんどです。月額料金も数千円からと非常に安価です。

対して、個室付き賃貸オフィスは、実際に従業員が出社して働くための物理的なスペースを提供します。住所利用や法人登記はもちろん可能ですが、その本質はあくまで「働く場所」の提供にあります。事業運営のために、物理的な拠点が必要不可欠な企業にとっては、バーチャルオフィスは選択肢になり得ません。

個室付き賃貸オフィスの主な種類

「個室付き賃貸オフィス」と一括りにされがちですが、そのサービス内容や特徴によっていくつかの種類に分類できます。自社のニーズに最適なオフィスを見つけるためには、これらの種類ごとの違いを理解することが不可欠です。ここでは、代表的な4つの種類「レンタルオフィス」「サービスオフィス」「シェアオフィスの個室プラン」「小規模オフィスビル」について、それぞれの特徴を詳しく解説します。

種類 主な特徴 こんな人におすすめ
レンタルオフィス 個室+基本的な共用設備。コストと機能のバランスが良い。 スタートアップ、中小企業、コストを抑えたいが個室は必須の事業者
サービスオフィス 個室+高度な秘書サービス。ハイグレードな立地と設備。 外資系企業の日本支社、士業、企業のブランドイメージを重視する事業者
シェアオフィスの個室プラン 個室+活発なコミュニティ。デザイン性の高い共用部。 他の事業者との交流を求めるスタートアップ、クリエイター、柔軟な働き方を求める企業
小規模オフィスビル 一般的な賃貸に近い。レイアウトの自由度が比較的高め。 独自のオフィス環境を構築したいSOHO、長期利用を検討している小規模事業者

レンタルオフィス

レンタルオフィスは、個室付き賃貸オフィスの中で最もスタンダードで一般的な形態です。施錠可能な専用個室に加え、会議室、ラウンジ、複合機、シュレッダーといったビジネスに必要な基本的な共用設備がパッケージ化されています。

最大の特徴は、コストパフォーマンスの高さにあります。後述するサービスオフィスほど手厚い人的サービスはありませんが、その分、月額料金は比較的リーズナブルに設定されています。法人登記や住所利用、郵便物の受け取りといった基本的なサービスは網羅しているため、事業運営上の支障はほとんどありません。

家具やインターネット回線も完備されているため、PC一台あればすぐに業務を開始できる手軽さも魅力です。契約期間も1ヶ月単位から可能な場合が多く、事業の成長段階やプロジェクトの期間に合わせて柔軟に利用できます。

「コストは抑えたい、でもプライバシーが守られる個室は絶対に必要」と考えるスタートアップ、地方企業のサテライトオフィス、士業の独立開業など、幅広いニーズに対応できるのがレンタルオフィスです。まずは手堅く事業の拠点を構えたいと考える事業者にとって、最適な選択肢の一つと言えるでしょう。

サービスオフィス

サービスオフィスは、前述の通り、レンタルオフィスが提供する基本的な機能に加えて、専門スタッフによる高度なビジネスサポートが付帯する、よりハイグレードなオフィス形態です。

その中核となるのが、プロフェッショナルな受付・秘書サービスです。多くのサービスオフィスでは、トレーニングを受けたバイリンガルのスタッフが常駐しており、企業の顔として来客対応を行います。また、代表電話の応対やスケジュール管理、出張手配、資料作成のサポートといった秘書業務を代行してくれるサービスもあり、利用者は本来のコア業務にリソースを集中させることが可能です。

立地も、国内外の主要都市における一等地のランドマークとなるようなオフィスビルに入居していることが多く、企業の信頼性やブランドイメージを大きく向上させます。内装や家具も高級感のあるデザインで統一されており、重要なクライアントを招く際にも遜色のない環境が整っています。

これらの付加価値が高い分、月額料金はレンタルオフィスよりも高額になる傾向があります。そのため、企業のブランドイメージを特に重視する外資系企業の日本支社、弁護士や会計士といった士業、エグゼクティブ向けのオフィスなど、高品質なサービスと環境を求める事業者に適しています。コストよりも、ビジネスの質と効率を最大限に高めたい場合に選ばれる選択肢です。

シェアオフィスの個室プラン

シェアオフィスの個室プランは、「プライベートな執務空間」と「オープンなコミュニティ」の双方のメリットを享受できる、ハイブリッドなオフィス形態です。

基本的な構造は、フリーアドレスのオープンスペースやラウンジ、カフェスペースといった活気のある共用空間の中に、ガラス張りなどで仕切られた施錠可能な個室が設けられているというものです。利用者は、集中したい作業は個室で行い、休憩や他の利用者との交流、イベントへの参加は共用スペースを活用するといった使い分けができます。

最大の特徴は、多様な業種の利用者との偶発的な出会いやコラボレーションが期待できるコミュニティ機能です。運営会社が主催するセミナーや交流会が頻繁に開催され、新たなビジネスチャンスや人脈の構築に繋がる可能性があります。

また、デザイン性に優れた施設が多いのも魅力の一つです。クリエイティビティを刺激するような洗練された空間は、従業員のモチベーション向上や、採用活動におけるアピールポイントにもなり得ます。

新しいアイデアや人脈を求め、外部との交流を重視するスタートアップやITベンチャー、クリエイティブ系の職種に特に人気があります。従来のオフィスの閉塞感が苦手で、よりオープンでダイナミックな環境で働きたいと考える企業や個人に最適な選択肢です。

小規模オフィスビル(SOHO向け物件)

小規模オフィスビルやSOHO(Small Office/Home Office)向け物件は、ここまで紹介してきたサービス型のオフィスとは少し毛色が異なります。これは、一般的な賃貸オフィスに近い性質を持ちながら、1〜10名程度の小規模な利用を想定して設計・提供されている物件を指します。

サービスオフィスやレンタルオフィスとの大きな違いは、契約形態とサービスの範囲です。多くの場合、不動産賃貸借契約を結び、契約期間も2年程度と長めに設定されます。オフィス家具やインターネット回線は備え付けられていないことが多く、利用者自身で手配する必要があります。受付サービスや充実した共用ラウンジなども基本的にはありません。

その代わり、内装やレイアウトの自由度が高いというメリットがあります。壁紙の変更や間仕切りの設置など、運営会社の許可を得れば、ある程度自社のカラーを反映させたオフィス空間を構築できます。また、月々のランニングコスト(坪単価)で比較すると、同程度の広さのサービスオフィスよりも割安になる場合があります。

「長期間、同じ拠点で事業を継続する予定がある」「自社らしいオフィス空間を創り上げたい」「外部サービスは不要で、純粋に執務スペースだけを借りたい」といったニーズを持つ事業者に適しています。ただし、入居時の内装工事費用や退去時の原状回復費用が発生するため、トータルコストを慎重に比較検討する必要があります。

個室付き賃貸オフィスを利用する6つのメリット

初期費用を抑えてすぐに事業を始められる、一等地の住所で法人登記ができる、事業規模に合わせて柔軟に拡張・縮小できる、オフィス家具やネット環境が完備されている、会議室やラウンジなどの共用設備が使える、高いセキュリティが確保されている

個室付き賃貸オフィスが多くの企業や個人事業主に選ばれるのには、明確な理由があります。従来のオフィス形態にはない、数々のメリットがビジネスの成長を強力に後押しするからです。ここでは、その中でも特に重要な6つのメリットについて、具体的なビジネスシーンを想定しながら詳しく解説していきます。

① 初期費用を抑えてすぐに事業を始められる

事業を立ち上げる際、あるいは新たな拠点を設ける際に最も大きなハードルとなるのが初期費用です。一般的な賃貸オフィスを契約する場合、前述の通り、敷金・礼金・仲介手数料・保証料・前家賃などで、月額賃料の6ヶ月分から、場合によっては1年分もの資金が初期費用として必要になります。例えば月額50万円のオフィスなら、300万円〜600万円の現金が契約時に必要になる計算です。

さらに、オフィス空間をゼロから作り上げるための内装工事費、デスクや椅子、キャビネットなどのオフィス家具購入費、インターネットや電話回線の敷設工事費なども別途発生します。これらの費用を合わせると、事業を開始する前に多額の先行投資が必要となり、スタートアップや中小企業にとっては大きな負担となります。

これに対し、個室付き賃貸オフィスは、初期費用を劇的に抑えることが可能です。多くの場合、必要なのは入会金や保証金(賃料の1〜3ヶ月分程度)のみで、敷金・礼金・仲介手数料は不要です。これにより、事業の運転資金として手元に残せるキャッシュが増え、より安定した経営基盤を築くことができます。

加えて、オフィス家具(デスク、チェア、収納など)や高速インターネット回線、Wi-Fi、複合機といったビジネスインフラはあらかじめ完備されています。内装工事も不要なため、契約を済ませれば、文字通りPCと身の回りのものを持ち込むだけで、その日のうちからでも業務を開始できます。このスピード感は、変化の激しい現代のビジネス環境において、競合他社に先んじるための大きなアドバンテージとなるでしょう。

② 一等地の住所で法人登記ができる

企業の信用力は、ビジネスを円滑に進める上で極めて重要な要素です。そして、その信用力を構成する要素の一つに「オフィスの住所」があります。特にBtoBビジネスにおいては、取引先の企業情報として本店所在地を確認するケースは少なくありません。その際に、自宅住所やバーチャルオフィスの住所であるよりも、都心の一等地や有名なビジネス街の住所である方が、相手に与える信頼感や安心感は格段に高まります

しかし、自社で丸の内や銀座、渋谷といった一等地のオフィスビルを賃貸契約するのは、莫大なコストがかかり、多くの企業にとっては非現実的です。

個室付き賃貸オフィスサービスは、こうした一等地のハイグレードなビルに多数の拠点を構えています。利用者は、比較的リーズナブルな月額料金で、これらのプレミアムな住所を自社の本店所在地として法人登記したり、名刺やウェブサイトに記載したりすることができます

これにより、設立間もないスタートアップ企業であっても、あたかも大手企業と同じビジネスエリアに本社を構えているかのような印象を与え、金融機関からの融資審査や大手企業との取引、優秀な人材の採用活動など、あらゆるビジネスシーンで有利に働く可能性があります。これは、単なる住所という記号以上の、強力なブランディングツールを手に入れることに他なりません。

③ 事業規模に合わせて柔軟に拡張・縮小できる

ビジネスは常に変化し続けます。事業が軌道に乗れば従業員は増え、より広いスペースが必要になります。逆に、市況の悪化や事業戦略の転換により、人員を最適化し、オフィスを縮小しなければならない局面も訪れるでしょう。

一般的な賃貸オフィスの場合、一度契約すると2年〜5年といった長期の契約期間に縛られます。事業が急拡大してオフィスが手狭になっても、契約期間が満了するまで移転は容易ではありません。無理に移転しようとすれば、高額な違約金が発生します。逆に、オフィスを縮小したくても、賃料を払い続けなければならないというリスクを抱えています。

個室付き賃貸オフィスの大きなメリットは、こうした事業規模の変化に驚くほど柔軟に対応できる「フレキシビリティ」にあります。

多くのサービスでは、1ヶ月〜数ヶ月単位での短期契約が可能であり、解約予告期間も1〜3ヶ月前と短く設定されています。これにより、事業の状況に応じて迅速に拠点を撤退・移転する意思決定ができます。

さらに、同じ施設内で部屋のサイズを変更することも容易です。例えば、最初は2名用の個室からスタートし、事業が成長して5名になった際には、同じビル内の5名用個室へスムーズに移動するといった対応が可能です。移転に伴う住所変更の手間や、従業員の通勤環境の変化も最小限に抑えられます。このような拡張・縮小の容易さは、特に成長の予測が難しいスタートアップや、期間限定のプロジェクトチームにとって、計り知れない価値を持ちます

④ オフィス家具やネット環境が完備されている

前述の通り、一般的な賃貸オフィスでは、空間を借りるだけであり、その中を仕事ができる環境に整えるのは全て借主の責任とコスト負担になります。

オフィス家具の選定・購入・搬入、ネットワークインフラの設計・業者選定・回線工事、電話や複合機の手配など、事業を開始するまでには数多くの煩雑なタスクと時間、そして費用が必要です。特にITインフラの構築は専門知識を要するため、担当者がいない企業にとっては大きな負担となります。

個室付き賃貸オフィスを利用すれば、こうしたインフラ整備に関する悩みから解放されます。入居する個室には、人数分のデスクや高機能チェア、収納キャビネットなど、業務に必要なオフィス家具が一通り揃っています。デザイン性の高い家具を備えている施設も多く、快適な執務環境が保証されています。

また、高速で安定したビジネスグレードのインターネット回線やWi-Fiも、月額料金に含まれているか、安価なオプションで利用できます。面倒な回線工事やプロバイダ契約は一切不要で、入居したその日からすぐにインターネットに接続できます。セキュリティ対策が施されたネットワーク環境が提供されるため、情報漏洩のリスクも低減できます。

これらの設備が「標準装備」されていることで、利用者はオフィス環境の構築というノンコア業務に時間やリソースを割くことなく、本来集中すべき事業活動に全力を注ぐことができます

⑤ 会議室やラウンジなどの共用設備が使える

企業活動において、来客対応や社内ミーティングを行うための会議室は不可欠です。しかし、自社で複数の会議室を確保しようとすると、その分広い面積のオフィスを借りる必要があり、賃料が大幅に増加します。特に、使用頻度がそれほど高くない大会議室やセミナールームを常時確保しておくのは、コスト効率の面で得策とは言えません。

個室付き賃貸オフィスでは、執務用の個室スペースは最小限に抑えつつ、必要な時に必要なだけ、設備の整った共用会議室を利用できます。予約システムを通じてオンラインで手軽に予約でき、利用した時間分だけ料金を支払う従量課金制が一般的です(プランによっては毎月一定時間まで無料の場合もあります)。

これにより、自社で会議室を保有する場合と比較して、オフィス全体のコストを大幅に削減できます。プロジェクターやホワイトボード、Web会議システムなどが完備された会議室は、重要な商談やプレゼンテーションの場としても申し分なく、企業の信頼性を高めます。

さらに、会議室以外にも、高級感のあるラウンジやリフレッシュできるカフェスペース、集中力を高めるためのフォンブース(電話用個室)など、多彩な共用設備が用意されています。これらの空間は、来客時の待合スペースとしてだけでなく、従業員の休憩や気分転換、カジュアルなミーティングの場としても活用でき、働きやすさと生産性の向上に貢献します。

⑥ 高いセキュリティが確保されている

企業の機密情報や個人情報、そして従業員の安全を守る上で、オフィスのセキュリティ対策は極めて重要です。特に、スタートアップが開発中の新技術や、士業が扱うクライアント情報など、外部への漏洩が許されない情報を取り扱う企業にとって、セキュリティレベルはオフィス選びの最優先事項の一つとなります。

雑居ビルなどの小規模な賃貸オフィスでは、セキュリティ対策が不十分な場合も少なくありません。一方、個室付き賃貸オフィス、特に大手事業者が運営する施設では、多重の高度なセキュリティシステムが導入されており、安心して業務に集中できる環境が提供されています。

具体的には、以下のような対策が一般的です。

  • ビルエントランスのセキュリティ: 24時間有人管理や機械警備システムが導入されている。
  • フロアへのアクセス制限: 利用者専用のICカードキーがなければ、オフィスフロア自体に入ることができない。
  • 個室の施錠: 各個室には物理的な鍵やカードキー、暗証番号式の電子ロックが設置されており、部外者の侵入を完全に防ぐ。
  • 防犯カメラの設置: 共用エリアの各所に防犯カメラが設置され、24時間監視・録画されている。
  • セキュアなネットワーク: 来訪者用Wi-Fiと利用者専用Wi-Fiが分離されており、安全な通信環境が確保されている。

このように、ビル全体から各個室に至るまで、物理的・情報的の両面で堅牢なセキュリティ体制が構築されている点は、個室付き賃貸オフィスの大きなメリットです。これにより、企業は情報資産を保護し、事業継続性のリスクを低減できます。

個室付き賃貸オフィスのデメリットと注意点

月額費用が割高になる場合がある、内装やレイアウトの自由度が低い、共用スペースの混雑や他の利用者への配慮が必要

多くのメリットがある一方で、個室付き賃貸オフィスにはいくつかのデメリットや注意すべき点も存在します。契約してから「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、ネガティブな側面を事前にしっかりと理解し、自社のニーズと照らし合わせて慎重に判断することが重要です。

月額費用が割高になる場合がある

「初期費用が安い」というメリットの裏返しとして、月々のランニングコストが一般的な賃貸オフィスと比較して割高になる可能性があります。個室付き賃貸オフィスの月額料金には、賃料だけでなく、共用部の管理費、光熱費、インターネット利用料、受付サービスの人件費など、様々なサービスの費用が含まれています。そのため、単純に専有面積あたりの単価(坪単価)で計算すると、周辺の一般賃貸物件よりも高額になることがほとんどです。

特に、長期的に(例えば3年以上)同じ規模のオフィスを利用し続けることが確定している場合は、注意が必要です。初期費用は高くても、月々の支払いが安い一般賃貸オフィスの方が、トータルコストでは有利になる可能性があります。

例えば、都心で20坪(約66㎡)のオフィスを借りるケースを考えてみましょう。

  • 一般賃貸オフィス: 坪単価2万円とすると月額40万円。初期費用は敷金(6ヶ月分)などで240万円。3年間利用した場合の総コストは、40万円 × 36ヶ月 + 240万円 = 1,680万円(原状回復費含まず)。
  • 個室付き賃貸オフィス: 同程度の広さ(6〜8名用)で月額60万円。初期費用は保証金(2ヶ月分)などで120万円。3年間利用した場合の総コストは、60万円 × 36ヶ月 + 120万円 = 2,280万円。

これはあくまで一例ですが、長期間の利用を前提とするならば、個室付き賃貸オフィスが提供する各種サービスや柔軟性の価値と、割高になる可能性のあるランニングコストを天秤にかける必要があります。自社の事業計画と照らし合わせ、どの程度の期間、そのオフィスを利用する見込みなのかを冷静にシミュレーションすることが不可欠です。

内装やレイアウトの自由度が低い

個室付き賃貸オフィスは、あらかじめ内装や家具が設えられた「完成品」の状態で提供されます。これは、すぐに事業を開始できるというメリットであると同時に、オリジナリティのあるオフィス空間を作りたい企業にとっては大きなデメリットとなります。

壁紙の色を変えたり、床材を張り替えたり、独自のパーテーションを設置したりといった、企業のブランドイメージやカルチャーを反映させるための大幅な内装変更は、原則として認められていません。壁に穴を開けて棚を取り付けるといった軽微な作業でさえ、禁止されている場合がほとんどです。退去時の原状回復が前提となっているため、許されるのはポスターを貼る、観葉植物を置くといった簡易な装飾程度です。

また、提供される個室の形状や広さも決まっているため、「この壁際に大きな棚を置きたい」「ここにミーティングスペースを作りたい」といった、自由なレイアウト設計も困難です。用意されたデスクとチェアの配置を工夫するくらいしか、カスタマイズの余地はありません。

独自のオフィスデザインを通じて、従業員のエンゲージメントを高めたり、採用ブランディングを強化したりしたいと考える企業にとって、この自由度の低さは大きな制約となるでしょう。画一的なオフィス空間ではなく、自社だけのユニークな環境を求めるのであれば、一般賃貸オフィスやSOHO向け物件の方が適しています

共用スペースの混雑や他の利用者への配慮が必要

会議室やラウンジ、複合機などを他の利用者と共有するスタイルは、コスト削減に繋がる一方で、使いたい時に使えない、あるいは他の利用者に気を遣うといったストレスの原因にもなり得ます。

特に、多くの企業が決算期や月末などの繁忙期を迎えるタイミングでは、会議室の予約が殺到し、希望の時間帯が全く取れないという事態も起こり得ます。急な来客やWeb会議の予定が入っても、空いている会議室がなければ、騒がしいラウンジや自社の個室内で対応せざるを得ず、相手に失礼な印象を与えてしまうかもしれません。

また、開放的なラウンジやカフェスペースは、リフレッシュや偶発的なコミュニケーションの場として魅力的ですが、他の利用者の話し声や電話の声が大きく、集中して作業したい時には妨げになることもあります。逆に、自社がWeb会議を行う際に、声のボリュームを気にしなければならないなど、常に周囲への配慮が求められます。

複合機や給湯室、トイレなども同様です。利用者が多い時間帯には順番待ちが発生したり、前の利用者のマナーが悪く、不快な思いをしたりする可能性もゼロではありません。

こうしたデメリットを避けるためには、内見時に共用スペースの広さや数、利用者のマナー、そして会議室の予約状況などを運営スタッフに詳しくヒアリングすることが重要です。また、自社の業務スタイルを考慮し、共用スペースへの依存度が高すぎないか、個室内で完結できる業務は何かを整理しておくことも大切です。

個室付き賃貸オフィスの費用相場

個室付き賃貸オフィスを検討する上で、最も気になるのが費用面でしょう。費用は大きく分けて「初期費用」「月額利用料」「その他の費用」の3つで構成されます。これらの費用は、立地(都心か郊外か)、施設のグレード、部屋の広さ、付帯サービスの内容によって大きく変動します。ここでは、それぞれの費用の内訳と一般的な相場観について解説します。

初期費用

初期費用は、契約時に一度だけ支払う費用の総称です。一般的な賃貸オフィスに比べて大幅に安いのが特徴ですが、ゼロというわけではありません。

費用の種類 内容 相場
入会金(登録料) サービス利用を開始するための手数料 月額利用料の0.5〜1ヶ月分、または数万円の固定額
保証金(敷金) 賃料滞納や部屋の破損に備える預け金。退去時に返還されることが多い 月額利用料の1〜3ヶ月分
初月利用料 利用開始月の月額利用料。日割りの場合もある 月額利用料1ヶ月分

入会金・保証金

入会金は、そのオフィスサービスのメンバーになるための登録料のようなもので、返還されない「払い切り」の費用です。相場は、月額利用料の0.5〜1ヶ月分、あるいは3万円〜10万円程度の固定額に設定されていることが多いです。キャンペーンなどで無料になる場合もあります。

保証金は、一般的な賃貸オフィスにおける敷金に相当する費用です。月額利用料の滞納や、利用者の過失による室内の汚損・破損があった場合の修繕費に充当されるための預け金です。問題がなければ、退去時にクリーニング費用などを差し引いて返還されます。相場は月額利用料の1〜3ヶ月分程度が一般的です。

これらの初期費用を合わせると、合計で月額利用料の2〜4ヶ月分程度を見込んでおくと良いでしょう。例えば月額20万円の個室であれば、40万円〜80万円が初期費用の目安となります。

月額利用料

月額利用料は、毎月継続的に発生するコストで、主に「基本料金」と「共益費」から構成されます。

費用の種類 内容 相場(都心・1名用個室の場合)
基本料金 個室スペースの利用料。 5万円〜15万円程度
共益費(管理費) 共用部の維持管理費、光熱費、ネット代など 1万円〜3万円程度、または基本料金に込み

基本料金

基本料金は、契約した個室スペースを利用するための対価であり、月額費用の大部分を占めます。この料金は、以下の要素によって大きく変動します。

  • 立地: 丸の内や銀座といった都心の一等地ほど高く、郊外になるほど安くなります。
  • 広さ・利用人数: 当然ながら、広い部屋、利用人数が多い部屋ほど高くなります。
  • 窓の有無: 窓があり、眺望が良い部屋は、窓なしの部屋よりも高額に設定されています。
  • 施設のグレード: ハイグレードな内装や設備、手厚いサービスを提供する施設ほど高くなります。

一例として、東京都心部における1名用の窓なし個室であれば月額5万円〜10万円程度、2〜3名用であれば月額10万円〜30万円程度が相場感となります。これはあくまで目安であり、サービスや物件によって幅があります。

共益費

共益費(または管理費)は、共用スペースの清掃費、電気・水道・ガスといった光熱費、インターネット利用料、ビル管理費など、オフィスを維持するための費用を全利用者で分担するものです。月額1万円〜3万円程度の固定額で設定されている場合や、基本料金にあらかじめ含まれている場合があります。契約前に、月額料金に何が含まれていて、何が別料金なのかを明確に確認することが重要です。

その他の費用

基本料金と共益費以外にも、利用状況に応じて追加で発生する費用があります。これらを把握しておかないと、月々の支払いが想定以上にかさむ可能性があるため注意が必要です。

費用の種類 内容 備考
オプションサービス利用料 会議室、複合機、電話代行、郵便物転送など 利用した分だけ支払う従量課金制が多い
退去時の原状回復費用 室内のクリーニング費用など 保証金から差し引かれるか、別途請求される

オプションサービス利用料

多くの個室付き賃貸オフィスでは、基本サービスに加えて、ビジネスをさらに便利にするための様々なオプションサービスが用意されています。

  • 会議室利用料: 毎月一定時間まで無料で、超過分は1時間あたり1,500円〜5,000円程度の料金が発生するのが一般的です。
  • 複合機利用料: コピーやプリントアウトの枚数に応じて、モノクロ1枚10円、カラー1枚50円といった形で課金されます。
  • 電話関連サービス: 専用電話番号の利用料、電話転送サービス、電話代行サービスなど。それぞれ月額数千円〜数万円の費用がかかります。
  • 法人登記: プランによっては登記がオプション扱いとなり、月額数千円の追加料金が必要な場合があります。
  • ロッカー利用料: 専用のロッカーを借りる場合に月額料金が発生します。

これらのオプションをどの程度利用するかによって、月々の総支払額は大きく変わります。自社の業務内容を鑑みて、どのオプションが必要になりそうか、あらかじめシミュレーションしておきましょう。

退去時の原状回復費用

退去時には、入居した時と同じ状態に戻すための原状回復費用が求められます。一般的な賃貸オフィスのような大掛かりな工事は不要で、多くは専門業者による室内クリーニング費用程度で済みます。この費用は、契約時に預けた保証金から差し引かれる形で精算されるのが一般的です。相場としては、数万円程度を見込んでおくと良いでしょう。ただし、故意や過失によって壁や床、備え付けの家具を著しく損傷させた場合は、別途修繕費用を請求される可能性があります。

失敗しない!個室付き賃貸オフィスの選び方7つのポイント

利用目的と事業フェーズを明確にする、利用人数と必要な広さを確認する、立地とアクセスの良さ、セキュリティ対策のレベル、付帯サービスと共用設備の充実度、契約期間とプランの柔軟性、実際に内見して雰囲気を確認する

数多くの個室付き賃貸オフィスの中から、自社に最適な一室を見つけ出すためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。料金や立地だけで安易に決めてしまうと、後々の事業運営に支障をきたすことにもなりかねません。ここでは、オフィス選びで失敗しないための7つの具体的なチェックポイントを解説します。

① 利用目的と事業フェーズを明確にする

まず最初にやるべきことは、「何のために個室オフィスを借りるのか」という目的と、自社の現状(事業フェーズ)を明確にすることです。これが定まらないままオフィス探しを始めても、判断基準が曖昧になり、目移りするばかりで最適な選択はできません。

  • 目的の例:
    • 創業・独立: これから事業を立ち上げるための拠点として。
    • 支店・営業所開設: 地方や海外の企業が都心に営業拠点を設けるため。
    • プロジェクトルーム: 期間限定のプロジェクトチームが集中して作業するため。
    • 事業拡大に伴う移転: 既存のオフィスが手狭になったため。
    • コスト削減: 一般的な賃貸オフィスから移転し、固定費を削減するため。
  • 事業フェーズの例:
    • シード/アーリー期: 1〜3名程度。まずはコストを抑え、柔軟性を重視したい。
    • ミドル/グロース期: 5〜10名程度。人材採用も見据え、ある程度のオフィス環境やブランドイメージも考慮したい。
    • レイター/安定期: 10名以上。長期的な利用を視野に入れ、コスト効率と従業員の働きやすさを両立させたい。

例えば、創業期のスタートアップであれば、初期費用と月額料金を極力抑えられるシンプルなレンタルオフィスや、柔軟に拡張できるシェアオフィスの個室プランが適しているでしょう。一方、海外企業が日本支社を設立するなら、一等地の住所とバイリンガル対応の受付サービスが提供されるサービスオフィスが最適です。このように目的とフェーズを掛け合わせることで、選択すべきオフィスの種類やグレードが自ずと絞られてきます

② 利用人数と必要な広さを確認する

次に、実際にオフィスを利用する人数と、それに見合った広さ(面積)を正確に把握します。ここで注意すべきは、「登記上の役員数」や「従業員名簿の人数」と、「日常的にオフィスで働く人数」は必ずしも一致しないという点です。リモートワークを併用している場合、全員が同時に出社することは稀かもしれません。

まずは常時オフィスに在席する最大人数(ピーク時人数)を想定しましょう。その上で、1人あたりに必要な執務スペースを考えます。一般的に、快適に仕事をするために必要な1人あたりの面積は1.5坪(約5㎡)〜3坪(約10㎡)と言われています。個室付き賃貸オフィスでは、1名用、2名用、4名用といった形で定員が定められていますが、同じ定員数でも施設によって広さはまちまちです。

また、将来的な人員増加計画も考慮に入れる必要があります。半年後、1年後にメンバーが増える可能性があるならば、少し余裕を持った広さの部屋を選ぶか、同じ施設内で部屋の移動(拡張)が可能かどうかを事前に確認しておくことが重要です。窮屈なオフィスは生産性を低下させ、従業員のストレスにも繋がります。

③ 立地とアクセスの良さ

オフィスの立地は、ビジネスの効率性や従業員の満足度に直結する重要な要素です。以下の3つの視点から、最適な立地を検討しましょう。

  • 従業員の通勤利便性: 従業員がストレスなく通勤できるかどうかは、エンゲージメントや離職率に大きく影響します。主要な乗り入れ路線や、最寄り駅からオフィスまでの距離(徒歩10分以内が理想)、道のりの安全性(夜でも明るいか、坂道は多くないかなど)を確認しましょう。
  • クライアントの来訪利便性: 取引先が訪問しやすい立地であることも重要です。主要なターミナル駅からのアクセスが良いか、遠方からの来客を想定するなら新幹線の停車駅や空港からのアクセスも考慮に入れると良いでしょう。分かりにくい場所にあると、来客のたびに道案内が必要になるなど、手間が増えてしまいます。
  • 周辺環境の充実度: オフィスの周りに何があるかもチェックポイントです。ランチに使える飲食店やカフェ、郵便局や銀行、コンビニエンスストアなどが近くにあると、日々の業務が格段に便利になります。緑の多い公園などが近くにあれば、リフレッシュの場としても活用できます。

自社のビジネスモデル(来客の多さなど)と、従業員の居住地を考慮して、総合的に最適なエリアと駅を絞り込むことが成功の鍵です。

④ セキュリティ対策のレベル

前述の通り、セキュリティは企業の生命線を守る上で不可欠です。内見時には、ウェブサイトやパンフレットの情報だけでなく、実際のセキュリティ設備を自分の目で確かめましょう。

  • 24時間365日利用可能か: 深夜や早朝、土日祝日にもオフィスを利用する可能性がある場合は、24時間入退館が可能かどうか、またその際のセキュリティ体制がどうなっているかを確認します。
  • 入退室管理システム: ビルのエントランスから自社の個室まで、どのような認証(ICカード、指紋認証、暗証番号など)で管理されているか。部外者が容易に立ち入ることができない仕組みになっているかを確認します。
  • 個室の施錠方法: 鍵の種類(シリンダーキー、電子ロックなど)やドアの堅牢性をチェックします。
  • 監視カメラの設置場所と台数: 共用廊下やラウンジ、エレベーターホールなど、死角が少なくなるように適切に配置されているかを確認します。
  • 有人受付の有無と対応時間: 受付スタッフが常駐している時間は、セキュリティレベルが最も高まります。常駐時間や、不在時の対応についても確認しておきましょう。

取り扱う情報の機密性レベルに応じて、求めるべきセキュリティ水準をあらかじめ設定しておくことが重要です。

⑤ 付帯サービスと共用設備の充実度

個室付き賃貸オフィスの価値は、個室そのものだけでなく、付帯サービスや共用設備によって大きく左右されます。自社の業務スタイルに合ったサービス・設備が整っているか、細かくチェックしましょう。

  • 会議室: 数、広さ、予約のしやすさ(オンライン予約システムの有無)、料金体系、無料利用枠の有無などを確認します。Web会議用のモニターやスピーカーフォンが常設されているかも重要なポイントです。
  • ラウンジ・カフェスペース: 雰囲気や広さ、混雑具合、フリードリンクの内容(コーヒー、お茶、水など)を確認します。他の利用者との交流を求めるなら、活気のあるラウンジが、静かな環境を好むなら落ち着いたラウンジが良いでしょう。
  • 複合機・プリンター: 台数、性能(スキャン、FAX機能など)、利用料金を確認します。大量に印刷する業務がある場合は、料金体系を特に注意深く見る必要があります。
  • 電話・郵便サービス: 電話代行や郵便物転送といったサービスが必要な場合は、その内容と料金を詳しく確認します。受付スタッフの対応品質も、可能であればチェックしたいポイントです。
  • その他: フォンブース(電話やWeb会議用の個室ブース)、喫煙室、シャワールーム、仮眠スペースなど、施設によってはユニークな設備が用意されています。従業員の働きやすさに繋がりそうな設備は積極的にチェックしましょう。

これらの設備やサービスは、月額料金に含まれる「標準装備」なのか、別途料金が必要な「オプション」なのかを明確に区別して評価することが大切です。

⑥ 契約期間とプランの柔軟性

事業の不確実性が高いスタートアップやプロジェクトチームにとって、契約の柔軟性は非常に重要です。

  • 最低契約期間: 何ヶ月から契約できるかを確認します。「1ヶ月〜」と謳っていても、実際には3ヶ月や6ヶ月の最低利用期間が設けられている場合があります。
  • 解約予告期間: 解約を申し出てから、実際に契約が終了するまでの期間です。一般的には1ヶ月〜3ヶ月前が主流ですが、短いほど事業のリスクに対応しやすくなります。
  • プラン変更の柔軟性: 事業規模の変化に合わせて、より広い部屋や狭い部屋に移動できるか。その際の手数料や手続きの煩雑さも確認しておきましょう。同じ施設内に空きがなければ移動できないため、拠点の規模や空室状況もヒアリングしておくと安心です。

短期的な利用が前提なのか、長期的な利用を見込んでいるのかによって、重視すべきポイントは変わります。短期利用なら最低契約期間の短さ、長期利用ならプラン変更のしやすさがより重要になります。

⑦ 実際に内見して雰囲気を確認する

最後の、そして最も重要なポイントが、必ず現地に足を運んで内見することです。ウェブサイトの写真や間取り図だけでは分からない情報が、現場には溢れています。

  • オフィスの雰囲気: 利用者の層(年齢、業種、服装など)や、共用スペースの活気、全体の清潔感などを肌で感じ取ります。自社のカルチャーに合っているか、ここで気持ちよく働けそうかを直感的に判断することも大切です。
  • 騒音・雑音: 隣の個室からの音漏れはどの程度か、共用ラウンジの話し声は執務スペースまで響いてこないか、窓の外の交通音は気にならないかなどを、実際に自分の耳で確認します。
  • 空調・明るさ: 空調が個別に調整できるか、部屋全体の明るさは十分か、西日で眩しくないかなどもチェックポイントです。
  • 清掃状況: トイレや給湯室、ラウンジなどが清潔に保たれているかは、運営会社の管理レベルを測る重要な指標です。
  • スタッフの対応: 内見時に案内してくれる運営スタッフの対応も見ておきましょう。質問に対して的確に、そして親身に答えてくれるか。入居後も気持ちよくコミュニケーションが取れそうかを見極めます。

可能であれば、複数の時間帯(例えば、昼休みと夕方など)に訪問したり、複数の候補物件を同日に内見して比較検討したりすると、より客観的な判断ができるでしょう。

個室が利用できるおすすめ賃貸オフィスサービス5選

ここでは、数ある個室付き賃貸オフィスサービスの中から、特に実績と人気が高く、多様なニーズに応える代表的な5つのサービスをピックアップしてご紹介します。それぞれの特徴、強み、料金体系などを比較し、自社に最適なサービスを見つけるための参考にしてください。

(注)料金や拠点数、サービス内容は変更される可能性があるため、最新の情報は必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。

サービス名 特徴 拠点数(国内) こんな人におすすめ
① リージャス (Regus) 世界最大手。圧倒的な拠点網とビジネスラウンジが強み。 約170拠点以上 国内外を飛び回るビジネスパーソン、地方都市にも拠点が欲しい企業
② サーブコープ (SERVCORP) ハイグレードな立地と高品質な秘書サービスが特徴。 約25拠点以上 企業のブランドイメージを重視する企業、外資系企業、士業
③ WeWork (ウィーワーク) デザイン性の高い空間と活発なコミュニティが魅力。 約30拠点以上 スタートアップ、クリエイター、他社との交流を求める企業
④ 天翔オフィス 都心に特化し、圧倒的なコストパフォーマンスを追求。 約10拠点以上 初期費用・月額費用を徹底的に抑えたいスタートアップ、個人事業主
⑤ ビズコンフォート (BIZcomfort) 拠点数が多く、24時間365日利用可能。多様なプランが特徴。 約150拠点以上 働き方の自由度を重視する人、コワーキングと個室を併用したい人

① リージャス (Regus)

リージャスは、世界120カ国以上、3,000拠点以上を展開する世界最大手のフレキシブルオフィスプロバイダーです。日本国内でも全国47都道府県に拠点を持ち、その圧倒的なネットワークが最大の強みです。

特徴:

  • 圧倒的な拠点網: 首都圏だけでなく、全国の主要都市から地方都市まで幅広くカバー。出張が多いビジネスパーソンは、契約拠点の個室だけでなく、世界中のリージャスが運営する「ビジネスラウンジ」を無料で利用できるプランもあり、移動中のワークスペース確保に非常に便利です。
  • 多様なオフィスタイプ: プライベートオフィスからコワーキング、バーチャルオフィスまで、あらゆるビジネスニーズに対応するプランを用意しています。
  • 信頼と実績: 長年の運営実績に裏打ちされた安定したサービス品質と、ビジネスに最適な一等地のロケーションが魅力です。

料金:
料金は拠点や部屋のサイズによって大きく異なります。見積もりは公式サイトからの問い合わせが必要です。一般的に、都心部の個室オフィスは月額数万円台からとなっています。

こんな人におすすめ:
国内外への出張が多いビジネスパーソン、全国にサテライトオフィスを展開したい企業、信頼と実績を重視する企業。

参照:リージャス (Regus) 公式サイト

② サーブコープ (SERVCORP)

サーブコープは、「世界最高水準のサービスオフィス」を標榜する、ハイグレード志向のオフィスプロバイダーです。立地、設備、そして何よりもスタッフの質に徹底的にこだわっています。

特徴:

  • 超一等地のロケーション: 丸の内トラストタワー本館や新宿オークシティなど、各都市を代表するランドマーク的なビルにのみ拠点を構えており、抜群の企業ブランドイメージを構築できます。
  • 高品質な秘書・ITサポート: 厳しいトレーニングを受けたバイリンガルの秘書チームが、電話応対から来客対応までプロフェッショナルに対応。また、社内にIT専門チームを抱え、迅速で質の高いITサポートを提供しています。
  • グローバルITネットワーク: 全拠点がセキュアな高速インターネットで結ばれており、どこにいても快適で安全な通信環境を利用できます。

料金:
サービスの質が高い分、料金も比較的高めに設定されています。個室オフィスは月額10万円台からが目安ですが、立地や広さにより変動します。

こんな人におすすめ:
企業のブランドイメージを何よりも重視する企業、外資系企業の日本支社、弁護士やコンサルタントなどのプロフェッショナル、質の高い秘書サービスを必要とする経営者。

参照:サーブコープ (SERVCORP) 公式サイト

③ WeWork (ウィーワーク)

WeWorkは、洗練されたデザインと活発なコミュニティ形成で知られる、世界的なコワーキングスペースのリーディングカンパニーです。多くの拠点でプライベートオフィス(個室)プランも提供しています。

特徴:

  • デザイン性の高い空間: クリエイティビティを刺激する、ユニークでスタイリッシュな内装デザインが特徴。従業員のモチベーション向上や、採用活動でのアピールにも繋がります。
  • 活発なコミュニティ: アプリを通じて全世界のメンバーと繋がることができ、頻繁に開催されるイベントやセミナーは、新たなビジネスチャンスや人脈作りの絶好の機会となります。
  • 充実したアメニティ: フリードリンクとしてクラフトビールやコンブチャ(紅茶キノコ)が提供されるなど、ユニークで充実したアメニティが魅力です。

料金:
プライベートオフィスの料金は、1名用で月額10万円前後からが目安となります。

こんな人におすすめ:
イノベーションやコラボレーションを求めるスタートアップ、クリエイティブ系の企業、若手人材の採用を強化したい企業、堅苦しいオフィスが苦手な人。

参照:WeWork (ウィーワーク) 公式サイト

④ 天翔オフィス

天翔オフィスは、東京都心の主要駅(新宿、渋谷、池袋、東京駅など)から徒歩圏内の好立地に特化しながら、徹底したコスト削減により、非常にリーズナブルな料金設定を実現しているレンタルオフィスです。

特徴:

  • 圧倒的なコストパフォーマンス: 初期費用は入室契約金のみ(部屋ごとに固定)、更新料や退去時の原状回復費用も不要。月額料金も都心エリアでは最安クラスです。
  • シンプルな料金体系: インターネット代、水道光熱費、会議室利用料などが全て月額の共益費に含まれており、追加費用を気にせず利用できる明朗会計が魅力です。
  • 全室完全個室: 全ての部屋が天井まで壁のある完全個室タイプで、プライバシーとセキュリティがしっかりと確保されています。

料金:
1名用のブースタイプであれば月額3万円台から、完全個室でも5万円台からと、非常にリーズナブルです。初期費用も10万円以下で済むケースが多くなっています。

こんな人におすすめ:
とにかく初期費用とランニングコストを抑えたい創業期のスタートアップや個人事業主、都心に安く拠点を持ちたい地方企業。

参照:天翔オフィス 公式サイト

⑤ ビズコンフォート (BIZcomfort)

ビズコンフォートは、コワーキングスペースとレンタルオフィスの両方を全国に展開する、急成長中のオフィスサービスです。拠点数の多さと、24時間365日利用できる利便性が大きな特徴です。

特徴:

  • 全国規模の拠点数: リージャスに次ぐ規模の拠点数を誇り、都心部から郊外、地方都市まで幅広くカバーしています。
  • 24時間365日利用可能: 全拠点が24時間365日オープンしており、早朝や深夜など、自分のライフスタイルに合わせて自由な働き方ができます。
  • 多様なプラン: 月額2,200円から利用できるコワーキングスペースプランから、完全個室のレンタルオフィスプランまで、ニーズに応じて多彩なプランを選択できます。レンタルオフィス契約者は、全国のコワーキングスペースを追加料金なしで利用できるプランもあります。

料金:
レンタルオフィスの料金は拠点により異なりますが、1名用個室で月額4万円台からが目安です。コワーキング併設型のため、コストを抑えやすいのが特徴です。

こんな人におすすめ:
時間や場所に縛られず、自由な働き方をしたいフリーランスやノマドワーカー、コストを抑えつつ個室とコワーキングスペースを使い分けたい人、全国に出張の機会がある人。

参照:ビズコンフォート (BIZcomfort) 公式サイト

個室付き賃貸オフィスに関するよくある質問

法人登記は可能ですか?、最短でいつから利用できますか?、内見はできますか?、契約に必要な書類は何ですか?

最後に、個室付き賃貸オフィスの契約を検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。契約前の不安や疑問を解消するためにお役立てください。

法人登記は可能ですか?

はい、ほとんどの個室付き賃貸オフィスで法人登記が可能です。 サービスオフィスやレンタルオフィスの主要なサービスの一つとして、住所利用と法人登記はパッケージに含まれていることが一般的です。

一等地の住所で法人登記できることは、企業の信用力を高める上で大きなメリットとなります。ただし、ごく一部の安価なプランや施設では、法人登記がオプション(追加料金が必要)であったり、そもそも不可であったりするケースも存在します。

契約前には、希望するプランで法人登記が可能かどうか、また追加料金が発生しないかを必ず運営会社に確認しましょう。

最短でいつから利用できますか?

審査や契約手続きがスムーズに進めば、申し込みから最短で数日〜1週間程度で利用を開始できます。 これが、インフラ工事などで1ヶ月以上かかることもある一般賃貸オフィスとの大きな違いであり、個室付き賃貸オフィスのメリットの一つです。

利用開始までの一般的な流れは以下の通りです。

  1. 問い合わせ・内見
  2. 申し込み
  3. 運営会社による審査
  4. 契約手続き・初期費用の支払い
  5. 鍵(ICカードなど)の受け取り・利用開始

審査に必要な書類をあらかじめ準備しておくことで、よりスピーディーに手続きを進めることができます。急いでオフィスを確保したい場合は、その旨を運営会社に相談してみましょう。

内見はできますか?

はい、ほとんど全ての施設で内見が可能です。むしろ、契約前には必ず内見することをおすすめします。

ウェブサイトや資料だけでは分からない、実際のオフィスの雰囲気、清潔感、騒音レベル、共用設備の使い勝手などを自分の目で確認することは、失敗しないオフィス選びのために不可欠です。内見は、オンラインで予約できる場合がほとんどです。

最近では、遠方の方向けにオンライン内見(バーチャルツアー)に対応している施設も増えています。現地に行くのが難しい場合は、こうしたサービスを活用するのも良いでしょう。内見時には、この記事で紹介したチェックポイントをリスト化して持参し、漏れなく確認することをおすすめします。

契約に必要な書類は何ですか?

契約に必要な書類は、運営会社や契約形態(法人か個人か)によって若干異なりますが、一般的には以下のような書類が求められます。

  • 法人契約の場合:
    • 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)(発行から3ヶ月以内のもの)
    • 代表者の身分証明書(運転免許証、パスポートなど)のコピー
    • 法人の印鑑証明書
    • (場合によって)会社の事業概要がわかる資料、決算書など
  • 個人事業主契約の場合:
    • 代表者(契約者)の身分証明書のコピー
    • 住民票(発行から3ヶ月以内のもの)
    • 印鑑証明書
    • (場合によって)開業届の控え、確定申告書の控えなど

これらの書類は、審査や契約手続きを円滑に進めるために必要となります。申し込みを検討している段階で、事前に必要書類を確認し、準備を始めておくとスムーズです。

まとめ

本記事では、個室付き賃貸オフィスの基本から、種類、メリット・デメリット、費用相場、そして失敗しないための選び方まで、幅広く解説してきました。

個室付き賃貸オフィスは、「初期費用を抑え、一等地の住所で、すぐに事業を開始したい」「事業規模の変化に柔軟に対応できるオフィスが欲しい」と考えるスタートアップ、中小企業、個人事業主にとって、非常に強力な選択肢です。オフィス家具やネット環境が完備され、会議室などの共用設備も利用できるため、コストを最適化しながら質の高いビジネス環境を手に入れることができます。

一方で、月額費用が割高になる可能性や、内装の自由度が低いといったデメリットも存在します。長期的な視点でのコストシミュレーションや、自社のブランドイメージとの兼ね合いを慎重に検討することが重要です。

最適なオフィスを選ぶためには、以下の7つのポイントを意識することが成功の鍵となります。

  1. 利用目的と事業フェーズの明確化
  2. 利用人数と必要な広さの確認
  3. 立地とアクセスの良さ
  4. セキュリティ対策のレベル
  5. 付帯サービスと共用設備の充実度
  6. 契約期間とプランの柔軟性
  7. 実際の内見による雰囲気の確認

これらの基準を元に、リージャスやサーブコープ、WeWorkといった特色あるサービスを比較検討し、そして必ず現地に足を運んでみてください。ウェブサイトの情報だけでは得られない、その場の空気感やスタッフの対応が、最終的な決め手になることも少なくありません。

最終的に最も大切なのは、他社の評判や一般的なイメージに流されることなく、自分たちの事業目的、働き方、そして企業カルチャーに心からフィットする一室を見つけ出すことです。 この記事が、あなたのビジネスを次のステージへと飛躍させる、理想のオフィス探しの羅針盤となれば幸いです。