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浄水器とは?水道水との違いと必要性
私たちの生活に欠かせない「水」。蛇口をひねれば当たり前のように出てくる日本の水道水は、世界的に見ても非常に高い品質を誇ります。水道法に基づき、51項目もの厳しい水質基準が設けられ、私たちの健康を守るために徹底した管理が行われています。しかし、それでも「水道水のカルキ臭が気になる」「もっと美味しい水が飲みたい」「赤ちゃんや小さな子どもには、より安全な水を」と考える人は少なくありません。こうしたニーズに応えるのが「浄水器」です。
浄水器とは、一言でいえば「水道水をろ過し、不純物などを取り除くことで、水の品質をさらに向上させるための機器」です。水道水が蛇口に届くまでの過程には、様々な要素が介在します。まず、浄水場で病原菌を消毒するために添加される「塩素」。これは衛生を保つために不可欠ですが、同時に「カルキ臭」と呼ばれる特有の匂いや味の原因にもなります。また、塩素が水道水中の有機物と反応して生成される「トリハロメタン」は、発がん性が指摘されている物質です。
さらに、浄水場から各家庭まで水を運ぶ「水道管」が老朽化している場合、サビや汚れが水に混入する可能性もゼロではありません。マンションやビルなどでは、一度「貯水槽」に水を溜めてから各戸へ供給しますが、この貯水槽の管理状態によっては、水質に影響が出ることも考えられます。
日本の水道水はそのまま飲んでも安全基準を満たしていますが、浄水器はこうした残留塩素やトリハロメタン、水道管由来のサビ、貯水槽で発生しうるカビ臭といった、味や健康に影響を与える可能性のある物質を家庭で最終的に取り除く役割を果たします。これにより、水道水は本来の美味しさを取り戻し、よりクリアでまろやかな味わいへと変わります。
浄水器の必要性は、個々のライフスタイルや価値観によって異なります。
- 味や匂いに敏感な方: コーヒーやお茶、料理の味を追求したい方にとって、ベースとなる水の品質は極めて重要です。浄水器を使えば、素材の味を最大限に引き出すことができます。特に、お米を炊く際や出汁を取る際に浄水を使うと、その違いは歴然です。
- 健康や安全を重視する方: 小さなお子様や赤ちゃん、ご高齢の方がいるご家庭では、わずかなリスクも避けたいと考えるのが自然です。浄水器は、JIS(日本産業規格)で定められた除去対象物質などを取り除くことで、安心という付加価値を提供します。
- 経済性や環境問題を考える方: これまでミネラルウォーターをペットボトルで購入していたり、ウォーターサーバーを利用していたりする場合、浄水器に切り替えることで大幅なコスト削減が期待できます。1リットルあたりのコストは、ペットボトル水が100円〜200円、ウォーターサーバーが100円前後であるのに対し、浄水器は数円〜数十円程度です。また、ペットボトルのゴミを排出しないため、環境負荷の低減にも繋がり、サステナブルな選択といえます。
浄水器が除去できる物質は、製品のフィルター性能によって異なりますが、主に「家庭用品品質表示法」およびJIS S 3201で定められた除去対象物質が基準となります。代表的なものには以下のような物質があります。
- 遊離残留塩素: 水道水の消毒に使われる塩素。カルキ臭の原因。
- 濁り: 水の濁りの原因となる微粒子や雑菌など。
- 総トリハロメタン: 塩素と有機物が反応してできる物質群。クロロホルムなどが含まれる。
- CAT(シマジン): 除草剤の一種。
- 2-MIB(カビ臭): 貯水槽などで発生することのあるカビの匂いの原因物質。
これらの法律で定められた物質に加え、浄水器協会が自主基準で定めた「鉄(微粒子状)」や「アルミニウム」などを除去できる高性能なモデルも存在します。
結論として、浄水器は、安全な日本の水道水を、個々のニーズに応じて「より美味しく、より安心な水」へとアップグレードするための、現代生活における賢い選択肢の一つです。単なる贅沢品ではなく、日々の生活の質(QOL)を高め、健康、経済、環境の各側面でメリットをもたらす実用的なアイテムと言えるでしょう。
後悔しない浄水器の選び方
浄水器と一言でいっても、その種類は多岐にわたります。設置方法、除去能力、コスト、使い勝手など、様々な観点から自分に合った製品を選ばないと、「思ったより不便だった」「コストがかさむ」といった後悔に繋がりかねません。ここでは、後悔しないための浄水器選びのポイントを4つの視点から詳しく解説します。
設置タイプで選ぶ
浄水器選びの最初のステップは、どこにどのように設置するかを決めることです。設置タイプは大きく4つに分けられ、それぞれにメリット・デメリットがあります。ご自身の住まいの環境やライフスタイルに最適なタイプを見つけることが重要です。
比較項目 | 蛇口直結型 | ポット型 | 据え置き型 | ビルトイン・水栓一体型 |
---|---|---|---|---|
初期費用 | 低い(数千円〜) | 低い(数千円〜) | 中〜高い(数万円〜) | 高い(数万円〜十数万円) |
設置の手間 | 簡単 | 不要 | やや手間 | 工事が必要 |
浄水能力 | 標準 | 標準 | 高い | 高い |
カートリッジ寿命 | 短い(1〜3ヶ月) | 短い(1〜3ヶ月) | 長い(1年〜) | 長い(1年〜) |
ランニングコスト | 中程度 | 中程度 | 低め | 低め |
省スペース性 | ◎ | ○ | △ | ◎ |
おすすめな人 | 一人暮らし、賃貸住宅 | 手軽さ重視、冷蔵庫で冷やしたい人 | 性能重視、大家族 | デザイン性重視、新築・リフォーム |
蛇口直結型|手軽に導入したい人向け
蛇口の先端に直接取り付けるタイプで、最もポピュラーな浄水器です。最大の魅力は、数千円から購入できる手頃な価格と、特別な工具なしで誰でも簡単に取り付けられる手軽さにあります。本体もコンパクトなため、キッチンのスペースを取らない点も大きなメリットです。
賃貸住宅で大掛かりな工事ができない場合や、浄水器を初めて使う方のお試しとしても最適です。レバーやボタン一つで浄水と原水(水道水)、シャワーなどを切り替えられるモデルが多く、用途に応じた使い分けが簡単にできます。
一方で、デメリットとしては、本体が小さいためにカートリッジも小型で、交換頻度が1ヶ月〜3ヶ月程度と高めになる傾向があります。また、ろ過流量(水の出るスピード)が据え置き型などに比べると遅いモデルもあり、一度に大量の水を使いたい場合には少し待つ必要があります。購入前には、自宅の蛇口の形状に取り付け可能か、メーカーのウェブサイトなどで必ず確認しましょう。
ポット型|工事不要で冷蔵庫にも入る
ピッチャー(ポット)の内部にカートリッジがセットされており、上から水道水を注ぐだけでろ過された水が下に溜まる仕組みです。工事が一切不要で、購入したその日からすぐに使える手軽さが最大の魅力です。
冷蔵庫のドアポケットに収まるスリムなモデルが多く、いつでも冷たくて美味しい水が飲めます。キッチンだけでなく、ダイニングテーブルや寝室など、好きな場所に置いて使える利便性も人気の理由です。価格も数千円からと非常にリーズナブルです。
デメリットは、一度に浄水できる水の量が限られる点(1L〜2L程度が主流)と、ろ過に数分程度の時間がかかることです。家族の人数が多いご家庭や、料理などで一度にたくさんの浄水を使いたい場合には、物足りなさを感じるかもしれません。必要な時に必要な分だけ手軽に浄水を使いたい、という方に向いています。
据え置き型|浄水能力が高い
シンクの横に本体を置き、蛇口から分岐水栓を使って接続するタイプです。蛇口直結型やポット型に比べて本体が大きいため、大容量で高性能なカートリッジを搭載できるのが最大の強みです。JIS規格で定められた除去対象物質を高いレベルでクリアするモデルが多く、浄水能力を最優先する方におすすめです。
カートリッジの寿命も1年以上と長いものが多く、交換の手間が少ない点もメリットです。また、ろ過流量も大きいものが多く、ストレスなくたっぷりと浄水を使えます。アルカリイオン整水器もこのタイプに分類されるものが多く、付加価値の高い水を作れるモデルもあります。
デメリットは、本体を置くためのスペースがシンク周りに必要になることと、初期費用が数万円からと高価になる点です。また、分岐水栓の取り付けに少し手間がかかる場合がありますが、多くの場合は自分で設置可能です。
ビルトイン・水栓一体型|キッチンがすっきりする
浄水器の本体(カートリッジ)をシンクの下に収納するタイプです。「ビルトイン型」は、浄水専用の小さな水栓をシンク脇に設置するもので、「水栓一体型」は、普段使っている水栓に浄水機能が内蔵されているものを指します。
どちらのタイプも、浄水器本体が外から見えないため、キッチンカウンターが非常にすっきりとし、デザイン性を損なわないのが最大のメリットです。据え置き型と同様に、大容量で高性能なカートリッジを使用するため、浄水能力も高く、カートリッジの寿命も1年程度と長持ちします。
最大のデメリットは、設置に専門業者による工事が必要となる点で、初期費用も本体価格と工事費を合わせて数万円〜十数万円と最も高額になります。そのため、新築やキッチンのリフォームのタイミングで導入を検討するケースが多いです。カートリッジの交換もシンクの下に潜り込んで行う必要があるため、やや手間がかかる場合があります。
除去能力で選ぶ
浄水器の心臓部であるフィルターの性能、つまり「何を除去できるか」は、製品選びの非常に重要な基準です。パッケージや商品説明に記載されている「除去物質数」に注目しましょう。
この基準となるのが、「家庭用品品質表示法」およびJIS S 3201(家庭用浄水器試験方法)で定められた17種類の除去対象物質です。これには、味や匂いに影響する「遊離残留塩素」や「2-MIB(カビ臭)」、健康への影響が懸念される「総トリハロメタン」「CAT(農薬)」「溶解性鉛」などが含まれます。多くのメーカーは、この17物質をどれだけ除去できるかを性能のアピールポイントとしています。
さらに、業界団体である「浄水器協会」が自主基準として定めている「JWPAS B基準」による除去対象物質もあります。これには「鉄(微粒子状)」や「アルミニウム(中性)」などが含まれます。「除去対象物質17+2」といった表記は、JIS規格の17物質に加えて、浄水器協会の自主基準2物質も除去できることを示しており、より高い性能を持つ証となります。
ご自身の住環境や水道水の状況によって、気になる物質は異なります。例えば、古いマンションで水道管のサビが気になるなら「鉄」の除去能力、カルキ臭が特に気になるなら「遊離残留塩素」の除去率が高いものが適しています。闇雲に除去物質数が多いものを選ぶのではなく、自分のニーズに合った性能を見極めることが、コストパフォーマンスの高い選択に繋がります。
この除去能力を支えているのが、フィルターの「ろ材」です。主に以下の種類があり、製品によってこれらが組み合わされています。
- 活性炭: 無数の微細な孔(あな)があり、塩素やカビ臭、トリハロメタンなどを吸着します。ほとんどの浄水器で基本のろ材として使われています。
- 中空糸膜(ちゅうくうしまく): ストロー状の繊維の壁に無数の超微細な孔が開いており、一般細菌や赤サビの粒子、ニゴリなど、活性炭では除去しきれない0.1マイクロメートル以上の微粒子を物理的にこし取ります。医療分野でも使用される高性能フィルターです。
- イオン交換樹脂: 水に溶け込んでいる鉛イオンなどを、無害なイオンと交換することで除去します。
- セラミック: 活性炭と組み合わせて使われることが多く、鉛などの除去能力を高める働きがあります。
これらのろ材の組み合わせによって、各製品の個性的な浄水能力が生まれています。
ランニングコストで選ぶ
浄水器は一度購入すれば終わりではなく、定期的なカートリッジ交換が必要です。そのため、本体価格だけでなく、カートリッジの価格と交換頻度を含めたランニングコストを長期的な視点で考えることが、後悔しないための重要なポイントです。
一見、本体価格が安い蛇口直結型やポット型は魅力的に見えますが、カートリッジの交換頻度が1〜3ヶ月と高いため、年間のカートリッジ代は意外とかさむことがあります。一方、本体価格が高い据え置き型やビルトイン型は、カートリッジの寿命が1年以上と長く、1リットルあたりのコストで比較すると、結果的に安くなるケースも少なくありません。
購入を検討する際には、以下の計算式で「1リットルあたりのコスト」を算出してみることをおすすめします。
カートリッジ1個の価格 ÷ 総ろ過水量(リットル) = 1リットルあたりのコスト
例えば、3,000円のカートリッジで900Lろ過できる場合、1Lあたりのコストは約3.3円です。これをペットボトル水(1Lあたり約200円)やウォーターサーバー(1Lあたり約100円)と比較すれば、浄水器の経済的なメリットがよく分かります。
「初期費用は高いがランニングコストは安い」タイプと、「初期費用は安いがランニングコストは継続的にかかる」タイプ。どちらが自分の使い方や予算に合っているかをじっくり比較検討しましょう。
使いやすさで選ぶ
毎日使うものだからこそ、操作性やメンテナンス性といった「使いやすさ」も見逃せないポイントです。ストレスなく快適に使い続けるために、以下の点を確認しましょう。
ろ過流量(水の出るスピード)
浄水器を通した水が、1分間にどれくらいの量出てくるかを示すのが「ろ過流量」です。この数値が大きいほど、水の出るスピードが速くなります。特に、お米を研いだり、パスタを茹でたりと、料理で一度にたくさんの水を使う場面では、ろ過流量が遅いとストレスを感じることがあります。据え置き型やビルトイン型はろ過流量が大きい傾向にありますが、最近では蛇口直結型でも高流量を謳うモデルが増えています。
カートリッジ交換の通知機能
カートリッジの交換時期をうっかり忘れてしまうと、浄水性能が低下するだけでなく、フィルター内部で雑菌が繁殖する原因にもなりかねません。そのため、交換時期を知らせてくれる通知機能は非常に便利で重要な機能です。
液晶ディスプレイに交換時期までの残量や日数を表示してくれるタイプ、交換時期が来るとランプが点灯するタイプ、シンプルなダイヤルで使用開始月をセットするタイプなど、様々な方式があります。確実に交換を行うためにも、自分にとって分かりやすい通知機能が付いているモデルを選ぶのがおすすめです。
浄水・原水の切り替えやすさ
飲み水や料理には「浄水」を、食器洗いや掃除には「原水(水道水)」をと使い分けることで、カートリッジを長持ちさせ、ランニングコストを抑えることができます。この切り替え操作がスムーズに行えるかは、日々の使い勝手を大きく左右します。
大きなレバーで直感的に操作できるもの、軽いタッチのボタンで切り替えられるものなど、製品によって様々です。また、食器洗いに便利な「シャワー機能」が付いているかもチェックポイントです。シャワーは水はねが少なく、効率的に汚れを洗い流すことができます。可能であれば、店頭などで実際に触ってみて、操作感を確認すると良いでしょう。
【タイプ別】浄水器のおすすめ人気ランキング15選
ここでは、これまでの選び方のポイントを踏まえ、タイプ別に人気のおすすめ浄水器を15製品ご紹介します。各製品のスペックや特徴を比較し、ご自身のライフスタイルに最適な一台を見つけてください。
※製品の情報は2024年現在のものです。最新の情報は各メーカーの公式サイトでご確認ください。
① 三菱ケミカル・クリンスイ 蛇口直結型浄水器 CB073I-WT
浄水器のパイオニア、クリンスイが提供するコンパクトな蛇口直結型モデルです。手頃な価格ながら、家庭用品品質表示法で定められた17物質に加え、浄水器協会で定められた2物質も除去する高い浄水能力を誇ります。クリンスイ独自の「中空糸膜フィルター」を搭載し、水道水中の細菌や赤サビなどをしっかりとキャッチします。カートリッジの側面には汚れ具合を確認できる「チェックウィンドウ」があり、交換時期の目安になるのも安心です。約30%の節水効果があるシャワー機能も搭載しており、経済的で環境にも優しい一台です。
- 除去物質数: 17+2物質
- ろ過流量: 1.6L/分
- カートリッジ交換目安: 3ヶ月(1日10L使用の場合)
- 特徴: 高い除去能力、チェックウィンドウ、節水シャワー
- 参照:三菱ケミカル・クリンスイ公式サイト
② 東レ トレビーノ カセッティ MK207SLX
東レのトレビーノシリーズの中でも、時短と高除去を両立させたハイグレードモデルです。JIS規格16項目をクリアする高い浄水能力を持ちながら、従来品よりも浄水スピードが速く、料理などで一度にたくさんの水を使いたい場面でもストレスを感じさせません。カートリッジの交換時期をデジタルサインで表示してくれるため、交換忘れを防げます。また、外して洗える吐水口キャップや、浄水が広がる「極細シャワー」など、衛生面と使いやすさにこだわった機能が満載です。
- 除去物質数: 16項目(JIS S 3201試験結果)
- ろ過流量: 3.0L/分
- カートリッジ交換目安: 2ヶ月(1日10L使用の場合)
- 特徴: 時短浄水、デジタルサイン、洗える吐水口キャップ
- 参照:東レ トレビーノ公式サイト
③ パナソニック 蛇口直結型浄水器 TK-CJ22
大手家電メーカーのパナソニックが手がける、長寿命カートリッジが特徴の蛇口直結型浄水器です。1個のカートリッジで約1年、または4000Lの浄水が可能で、カートリッジ交換の手間とコストを大幅に削減できます。除去能力もJIS指定17物質+浄水器協会自主基準7物質と非常に高く、安心・安全な水を提供します。お掃除ラクラク設計で、吐水口やシャワー部分が簡単に取り外して洗えるため、常に清潔に保てます。
- 除去物質数: 17+7物質
- ろ過流量: 1.8L/分
- カートリッジ交換目安: 約1年(1日10L使用の場合)
- 特徴: 長寿命カートリッジ(約1年)、高い除去能力、お掃除ラクラク設計
- 参照:パナソニック公式サイト
④ 三菱ケミカル・クリンスイ 蛇口直結型浄水器 MD101
シンプルで使いやすいデザインと、しっかりとした基本性能を両立したクリンスイのスタンダードモデルです。除去能力はJIS規格の17+2物質をクリア。カートリッジには、クリンスイ独自の「中空糸膜フィルター」を採用しており、赤サビや雑菌もしっかり除去します。カートリッジ交換時期を知らせるダイヤルが見やすく、設定しやすいのもポイント。浄水・シャワー・原水の切り替えもスムーズで、日々の使い勝手に優れています。
- 除去物質数: 17+2物質
- ろ過流量: 1.6L/分
- カートリッジ交換目安: 3ヶ月(1日10L使用の場合)
- 特徴: シンプルデザイン、見やすい交換目安ダイヤル、中空糸膜フィルター
- 参照:三菱ケミカル・クリンスイ公式サイト
⑤ 東レ トレビーノ スーパータッチ SX904V
タッチレバーを採用し、片手で簡単に水流の切り替えができる操作性の高さが魅力のモデルです。「浄水」「原水ストレート」「原水シャワー」の切り替えが軽く触れるだけで行えるため、料理中など手が離せない時にも便利です。カートリッジの交換目安が分かる液晶ディスプレイを搭載。除去能力もJIS12項目をクリアしており、日常使いには十分な性能を備えています。使いやすさを重視する方におすすめの一台です。
- 除去物質数: 12項目(JIS S 3201試験結果)
- ろ過流量: 1.6L/分
- カートリッジ交換目安: 2ヶ月(1日10L使用の場合)
- 特徴: タッチレバーによる簡単操作、液晶ディスプレイ、コンパクト設計
- 参照:東レ トレビーノ公式サイト
⑥ ブリタ ポット型浄水器 リクエリ
ドイツ生まれのグローバルブランド、ブリタのポット型浄水器の中でも、特に人気の高いモデルです。容量は1.1Lとコンパクトで、多くの冷蔵庫のドアポケットにすっきりと収まるように設計されています。フタには液晶メモが付いており、4週間ごとにカートリッジの交換時期を知らせてくれるので便利です。活性炭とイオン交換樹脂を組み合わせた「マクストラプラス」カートリッジが、塩素や鉛などを除去し、まろやかで美味しい水を手軽に楽しめます。
- 全容量: 2.2L
- ろ過水容量: 1.1L
- カートリッジ交換目安: 4週間に1回
- 特徴: 冷蔵庫のドアポケットにフィット、液晶メモ搭載、食洗機対応(フタを除く)
- 参照:BRITA Japan公式サイト
⑦ ブリタ ポット型浄水器 アルーナ
シンプルでスタイリッシュなデザインが魅力のブリタのポット型浄水器です。リクエリよりもやや容量が大きい1.4Lで、一度に少し多めに浄水を作りたい場合に適しています。フタの部分はフラットで、注ぎ口にはスイング式のフタが付いているため、ホコリが入りにくく衛生的です。もちろん、交換時期を知らせる液晶メモも搭載。シンプルながら使いやすさに配慮された設計で、どんなキッチンにも馴染みます。
- 全容量: 2.4L
- ろ過水容量: 1.4L
- カートリッジ交換目安: 4週間に1回
- 特徴: スタイリッシュデザイン、スイング式のフタ、液晶メモ搭載
- 参照:BRITA Japan公式サイト
⑧ 三菱ケミカル・クリンスイ ポット型浄水器 CP407
大容量で、一度にたくさんの浄水を作れるクリンスイのポット型モデルです。ろ過水容量が2.2Lと大きく、家族が多いご家庭や、料理にも浄水をたっぷり使いたい方におすすめです。フタにはカートリッジの交換時期を設定できるカレンダーダイヤルが付いています。高速除菌も可能な高性能フィルターを搭載し、JIS規格17+2物質を除去する高い浄水能力を誇ります。取っ手付きで持ちやすく、注ぎやすいデザインも魅力です。
- 全容量: 2.9L
- ろ過水容量: 2.2L
- カートリッジ交換目安: 3ヶ月(1日2L使用の場合)
- 特徴: 大容量、カレンダーダイヤル、高い除去能力(17+2物質)
- 参照:三菱ケミカル・クリンスイ公式サイト
⑨ 東レ トレビーノ ポット型浄水器 PT306SV
時短と高除去を両立した、東レの高性能ポット型浄水器です。カートリッジ1個で600L(ペットボトル300本分)も浄水できる長寿命カートリッジを採用しており、交換の手間とコストを削減できます。ろ過スピードが速く、飲みたい時にすぐに美味しい水が作れるのが大きな特徴。フタには交換時期がわかる「交換目安ダイヤル」が付いています。JIS規格12項目をクリアする安心の浄水性能です。
- 全容量: 2.1L
- ろ過水容量: 1.2L
- カートリッジ交換目安: 3ヶ月(1日2L使用の場合)
- 特徴: 高速ろ過、長寿命カートリッジ(600L)、交換目安ダイヤル
- 参照:東レ トレビーノ公式サイト
⑩ パナソニック ポット型浄水器 TK-PA10P
コンパクトで冷蔵庫のドアポケットに収まりやすいパナソニックのポット型浄水器です。ろ過水容量は1.1Lで、一人暮らしや少人数の家庭にぴったり。カートリッジの交換時期は、フタに付いているダイヤルで設定できます。JIS指定12物質を除去できる高い浄水能力を持ち、手軽に安全で美味しい水を楽しめます。シンプルな構造でお手入れがしやすいのも嬉しいポイントです。
- 全容量: 2.0L
- ろ過水容量: 1.1L
- カートリッジ交換目安: 約2ヶ月(1日2L使用の場合)
- 特徴: コンパクト設計、交換目安ダイヤル、高い除去能力(12物質)
- 参照:パナソニック公式サイト
⑪ パナソニック 据置型浄水器 TK-AS31
こちらは厳密にはアルカリイオン整水器ですが、浄水機能も非常に高性能なためランクインしました。JIS指定17物質+浄水器協会自主基準7物質を除去できるトップクラスの浄水能力を誇ります。その上で、水を電気分解し、胃腸症状の改善に効果があるとされる「アルカリイオン水」を生成できます。ボタン一つで「アルカリ3段階」「浄水」「弱酸性水」の5種類の水を選べる多機能性が魅力。省スペース設計で、シンク周りにも置きやすいサイズです。
- タイプ: 据置型(アルカリイオン整水器)
- 除去物質数: 17+7物質
- カートリッジ交換目安: 約1年(1日15L使用の場合)
- 特徴: 高い浄水能力、アルカリイオン水生成、5種類の水を選べる
- 参照:パナソニック公式サイト
⑫ 三菱ケミカル・クリンスイ 据置型浄水器 エミネントII EM802
プロの料理人にも愛用される、クリンスイの高性能据置型浄水器です。医療分野でも使われる中空糸膜フィルターを含む、3重のろ過システムで、JIS規格17+2物質を徹底的に除去します。カートリッジは1年間交換不要で、ランニングコストと手間を抑えられます。美しいステンレスボディは耐久性に優れ、キッチンをスタイリッシュに演出します。浄水能力を何よりも重視する方におすすめのハイエンドモデルです。
- タイプ: 据置型
- 除去物質数: 17+2物質
- ろ過流量: 3.0L/分
- カートリッジ交換目安: 12ヶ月(1日20L使用の場合)
- 特徴: プロ仕様の高性能、長寿命カートリッジ、ステンレスボディ
- 参照:三菱ケミカル・クリンスイ公式サイト
⑬ 日本ガイシ C1 SLIM CW-401
浄水器では珍しい、セラミックフィルター技術の専門メーカーである日本ガイシが製造する据置型浄水器です。一般的な活性炭や中空糸膜とは異なり、微細なセラミックフィルターで不純物をろ過します。熱湯をかけても性能が劣化しにくく、1日8分間の通水でフィルターの目詰まりを自己再生する機能があるため、長期間にわたり高い浄水能力を維持します。カートリッジ交換の目安が約18ヶ月と非常に長いのも特徴です。
- タイプ: 据置型
- 除去物質数: JIS S 3201に基づく8物質
- ろ過流量: 3.5L/分
- カートリッジ交換目安: 約18ヶ月(1日20L使用の場合)
- 特徴: ファインセラミックフィルター、自己再生機能、超長寿命カートリッジ
- 参照:日本ガイシ公式サイト
⑭ LIXIL(リクシル) INAX ビルトイン用 交換用浄水カートリッジ JF-45N
住宅設備大手のLIXIL(INAX)が提供する、ビルトイン型浄水器用の高性能交換カートリッジです。業界最高水準の除去性能を謳い、JIS規格17+5物質を除去します。中空糸膜を内蔵し、細菌や微細な粒子もしっかりとキャッチ。カートリッジの寿命は約12ヶ月と長く、交換の手間が少ないのがメリットです。LIXIL製のビルトイン型浄水器(ナビッシュなど)を使用している場合の交換用カートリッジとして最適です。
- タイプ: ビルトイン型(交換用カートリッジ)
- 除去物質数: 17+5物質
- カートリッジ交換目安: 約12ヶ月(1日25L使用の場合)
- 特徴: 業界最高水準の除去能力、長寿命、LIXIL製浄水栓に対応
- 参照:LIXIL公式サイト
⑮ 三菱ケミカル・クリンスイ ビルトイン浄水器 アンダーシンクタイプ複合水栓 F914ZC
デザイン性と機能性を両立した、水栓一体型のビルトイン浄水器システムです。グースネックの美しいデザインの水栓は、浄水・原水・シャワーの切り替えが先端のボタンで簡単に操作できます。ホースを引き出して使えるので、シンクの隅々まで洗い流せて便利です。シンク下に設置するカートリッジは、JIS規格17+2物質を除去する高性能タイプで、寿命も約1年と長持ち。新築やリフォームで、すっきりとした高機能なキッチンを実現したい方におすすめです。
- タイプ: ビルトイン・水栓一体型
- 除去物質数: 17+2物質
- カートリッジ交換目安: 12ヶ月(1日20L使用の場合)
- 特徴: デザイン性の高い複合水栓、引き出しホース、高い除去能力
- 参照:三菱ケミカル・クリンスイ公式サイト
浄水器のメリットとデメリット
浄水器の導入を検討する上で、その利点と注意点の両方を正しく理解しておくことは非常に重要です。ここでは、浄水器がもたらすメリットと、知っておくべきデメリットを整理して解説します。
浄水器のメリット
いつでも美味しい水が飲める・使える
浄水器最大のメリットは、何といっても水道水を手軽に美味しくできる点です。カルキ臭やカビ臭、サビなどの不純物が除去されることで、水そのものが持つ本来のまろやかさや甘みが引き立ちます。この「美味しい水」は、飲み水としてだけでなく、日々の食生活全体を豊かにしてくれます。
- お茶やコーヒー: 水の雑味がなくなることで、茶葉やコーヒー豆が持つ繊細な香りや風味を存分に楽しめます。
- 料理: 特に、お米を炊く、出汁を取る、野菜を洗うといった場面で浄水を使うと、仕上がりの味や食感が格段に向上します。素材の味を最大限に活かすことができるのです。
経済的である
日常的にペットボトルのミネラルウォーターを購入している家庭や、ウォーターサーバーを利用している家庭にとって、浄水器は長期的に見て大幅なコスト削減に繋がります。
前述の通り、1リットルあたりのコストを比較すると、浄水器は数円から数十円程度。ペットボトル水(約100円〜200円)やウォーターサーバー(約100円)と比べて圧倒的に経済的です。初期費用やカートリッジ代はかかりますが、毎日水を購入することを考えれば、数ヶ月から1年程度で元が取れるケースも少なくありません。
環境にやさしい
ペットボトル水からの切り替えは、環境保護の観点からも大きなメリットがあります。ペットボトルは便利な反面、製造・輸送・廃棄の過程で多くのエネルギーを消費し、CO2を排出します。また、プラスチックごみ問題は世界的な課題です。浄水器を使えば、ペットボトルの購入と廃棄が不要になり、プラスチックごみの削減に直接貢献できます。重い水を買いに行く手間や、空のペットボトルを保管・処分する手間がなくなるという、生活面でのメリットも大きいでしょう。
安心・安全が高まる
日本の水道水は安全ですが、浄水器を使うことで「さらなる安心」を手に入れることができます。特に、水道管の老朽化による赤サビや、集合住宅の貯水槽の状態が気になる場合、家庭の蛇口で最終的に水をろ過できるという事実は、大きな安心感に繋がります。また、JIS規格で定められたトリハロメタンや鉛といった健康への影響が懸念される有害物質を、各家庭で除去できる点も、特に小さなお子様や健康を気遣う方にとって、計り知れないメリットと言えるでしょう。
浄水器のデメリット
初期費用とランニングコストがかかる
当然ながら、浄水器の導入と維持にはコストがかかります。本体の購入費用は、手軽なポット型や蛇口直結型なら数千円からですが、高性能な据え置き型やビルトイン型になると数万円から十数万円が必要です。さらに、定期的なカートリッジ交換費用も継続的に発生します。この「トータルコスト」を事前に把握しておかないと、後々の負担になる可能性があります。
カートリッジ交換の手間
浄水器の性能を維持するためには、メーカーが推奨する時期に必ずカートリッジを交換する必要があります。この交換作業を面倒に感じる人もいるでしょう。もし交換を怠ると、フィルターが目詰まりして水の出が悪くなるだけでなく、除去能力が低下し、最悪の場合、フィルター内部で雑菌が繁殖してしまい、かえって不衛生な水を使うことになりかねません。通知機能を活用するなど、交換を忘れない工夫が必要です。
設置スペースが必要
浄水器のタイプによっては、設置スペースの確保が必要です。蛇口直結型やポット型は比較的小スペースで済みますが、据え置き型はシンク周りに本体を置くための場所を取ります。キッチンの作業スペースが狭くなることを許容できるか、事前にシミュレーションしておくことが大切です。ビルトイン型はキッチンがすっきりする反面、シンク下の収納スペースの一部をカートリッジが占有することになります。
お湯や汲み置きした浄水に注意が必要
多くの浄水器は、お湯を通すことを想定して設計されていません。一般的に35℃以上のお湯を通すと、フィルターの性能を劣化させたり、吸着した不純物を再放出させたりする可能性があるため、浄水モードでは必ず水を使用する必要があります。お湯を使いたい場合は、原水モードに切り替える一手間がかかります。
また、浄水は消毒効果のある塩素が除去されているため、水道水に比べて雑菌が繁殖しやすい状態です。長時間の汲み置きは避け、その日のうちに使い切るのが原則です。
浄水器の人気メーカー4社の特徴
浄水器市場には多くのメーカーが参入していますが、中でも高いシェアと人気を誇るのが「クリンスイ」「トレビーノ」「パナソニック」「ブリタ」の4社です。それぞれのメーカーの歴史や技術、製品の特徴を知ることで、より自分に合った浄水器選びができます。
① クリンスイ(三菱ケミカル)
三菱ケミカル・クリンスイ株式会社は、1984年に世界で初めて「中空糸膜フィルター」を家庭用浄水器に採用した、日本の浄水器市場のパイオニア的存在です。親会社である三菱ケミカルグループが持つ、世界トップクラスの素材開発技術がその強みの源泉となっています。
クリンスイの最大の特徴は、やはり「中空糸膜フィルター」です。ポリエチレン製の中空糸(ストロー状の糸)の壁面には無数の微細な孔が開いており、水道水に含まれる0.1マイクロメートル以上の粒子(一般細菌、赤サビなど)を物理的に除去します。この高性能な中空糸膜に、活性炭やセラミックを組み合わせた独自のろ過システムにより、JIS規格で定められた17物質+浄水器協会自主基準の2物質を除去する高い浄水能力を実現しています。
製品ラインナップは、手軽な蛇口直結型やポット型から、高性能な据え置き型、デザイン性の高いビルトイン型、さらには浄水シャワーに至るまで、あらゆるニーズに対応する幅広い展開が魅力です。プロダクトデザイナーの深澤直人氏が手がけたモデルなど、キッチンのインテリアに馴染む洗練されたデザインの製品が多いのも特徴です。「安心・安全な水を、確かな技術で」という信頼性を重視する方に選ばれています。
- 参照:三菱ケミカル・クリンスイ公式サイト
② トレビーノ(東レ)
「トレビーノ」は、大手繊維・化学素材メーカーである東レ株式会社が展開する浄水器ブランドです。東レは、医療分野で用いられる人工腎臓用の透析膜(ダイアライザー)で世界トップクラスのシェアを誇っており、その医療用素材開発で培われた「中空糸膜」の技術を家庭用浄水器に応用しています。
トレビーノの中空糸膜フィルターは、ミネラル分はそのままに、ニゴリ成分や鉄サビ、大腸菌、原虫類といったミクロの汚れをしっかりキャッチする「多層構造」が特徴です。このフィルターと高性能活性炭、イオン交換体を組み合わせることで、高い除去性能と豊富なろ過流量を両立しています。
製品としては、特に蛇口直結型の「カセッティ」シリーズが人気で、カートリッジ交換時期を知らせるデジタルサインや、外して洗える吐水口キャップなど、ユーザー目線に立った「使いやすさ」へのこだわりが随所に見られます。ラインナップも豊富で、除去能力や機能、デザインから自分に合ったものを選びやすいのも魅力です。「信頼の技術と、日々の使い勝手」を両立させたい方におすすめのブランドです。
- 参照:東レ トレビーノ公式サイト
③ パナソニック(Panasonic)
日本を代表する総合電機メーカーであるパナソニックも、浄水器市場で大きな存在感を示しています。長年培ってきた家電開発のノウハウと、水まわり製品に関する高い技術力が融合しているのが特徴です。
パナソニックの浄水器は、中空糸膜やセラミック、活性炭などを組み合わせた独自のろ過システムを採用しており、JIS指定の除去対象物質を高いレベルでクリアする高性能なモデルを多数ラインナップしています。特に、カートリッジの寿命が長い製品が多いのが魅力で、蛇口直結型でも約1年もつモデルがあり、交換の手間やランニングコストを気にするユーザーから高い支持を得ています。
また、パナソニックは浄水機能に加えて電気分解でアルカリイオン水を生成する「アルカリイオン整水器」の分野でもトップメーカーです。浄水器においても、節水機能やお手入れのしやすさなど、家電メーカーならではの細やかな配慮や付加価値が光ります。信頼できる大手メーカーの製品を選びたい、「浄水性能だけでなく、プラスアルファの機能や利便性」を求める方に適しています。
- 参照:パナソニック公式サイト
④ ブリタ(BRITA)
ブリタは、1966年にドイツで創業された、世界60カ国以上で愛用されている浄水器のグローバルリーディングカンパニーです。特に、手軽に使える「ポット型浄水器」の代名詞的な存在として広く知られています。
ブリタの強みは、長年の研究開発によって生み出された独自のフィルターカートリッジ「マクストラプラス」です。ヤシ殻から作られたマイクロカーボンパール(活性炭)が塩素などの味や匂いに影響する物質を、イオン交換パールが鉛や銅などの金属類を除去します。これにより、水の味を損なう硬度成分を減らし、口当たりがまろやかで美味しい水を作り出すことに定評があります。コーヒーや紅茶の専門家にも愛用者が多いと言われています。
製品ラインナップはポット型が中心ですが、持ち運びに便利なボトル型浄水器や、蛇口直結型なども展開しています。また、使用済みカートリッジの回収・リサイクルプログラムに積極的に取り組むなど、環境配慮の姿勢もブリタの大きな特徴です。「手軽に美味しい水を楽しみたい」「デザイン性やエコを重視したい」という方にぴったりのブランドです。
- 参照:BRITA Japan公式サイト
知っておきたい浄水器の基礎知識
浄水器を正しく、そして効果的に使いこなすためには、基本的な知識を身につけておくことが大切です。ここでは、購入前後に抱きがちな疑問や知っておくべきポイントを解説します。
浄水器と整水器の違い
浄水器とよく似た製品に「整水器」があります。どちらも水をきれいにする機器ですが、その目的と仕組み、法的な位置づけが異なります。
項目 | 浄水器 | 整水器(アルカリイオン整水器) |
---|---|---|
主な目的 | 水道水中の不純物を「ろ過」して除去する | 浄水した水を「電気分解」する |
生成する水 | 浄水 | 浄水、アルカリイオン水、酸性水 |
法的分類 | 家庭用品 | 家庭用管理医療機器 |
期待できる効果 | 水の味や安全性の向上 | 胃腸症状の改善(アルカリイオン水) |
価格帯 | 比較的安価〜 | 比較的高価 |
浄水器の目的は、フィルターを使って水道水に含まれる残留塩素やトリハロメタン、サビ、ニゴリといった不純物を「ろ過」し、安全で美味しい「浄水」を作ることです。法律上は「家庭用品」に分類されます。
一方、整水器(アルカリイオン整水器)は、浄水器と同じくフィルターで水をきれいにする機能(浄水機能)に加えて、その浄水を「電気分解」する機能を持っています。電気分解することにより、陰極側には「アルカリイオン水」が、陽極側には「酸性水」が生成されます。
このうち「アルカリイオン水」は、「飲用して慢性下痢、消化不良、胃腸内異常発酵、制酸、胃酸過多に有効である」という効能効果が認められており、整水器は「家庭用管理医療機器」として医薬品医療機器等法(旧薬事法)に基づき認証・承認されています。
つまり、水をきれいにするのが浄水器、きれいな水にさらに付加価値(胃腸症状の改善効果)を与えるのが整水器と理解すると分かりやすいでしょう。整水器は医療機器であるため、価格も浄水器に比べて高価になる傾向があります。
浄水器の正しい手入れとカートリッジ交換
浄水器の性能を最大限に引き出し、衛生的に使い続けるためには、日常の手入れと定期的なカートリッジ交換が不可欠です。
日常の手入れ
浄水器の本体、特に浄水の出口部分は、常に水に触れているため汚れが付着しやすくなります。清潔な布や柔らかいスポンジでこまめに拭き、衛生的に保つことを心がけましょう。汚れが気になる場合は、メーカーの取扱説明書に従い、中性洗剤を使って洗浄します。蛇口直結型などでは、パーツを取り外して丸洗いできるモデルもあり便利です。
カートリッジ交換の重要性
カートリッジ交換は、浄水器のメンテナンスにおいて最も重要な作業です。交換を怠ると、以下のような問題が発生します。
- 性能の低下: フィルターのろ材(活性炭など)は、不純物を吸着する能力に限界があります。限界を超えると、塩素などを除去できなくなり、浄水効果が失われます。
- 目詰まり: フィルターに微粒子やサビが詰まると、水の出が悪くなり、ろ過流量が低下します。
- 雑菌の繁殖: 古くなったカートリッジは、内部で雑菌が繁殖する温床になる可能性があります。交換を怠ることは、浄水器を使う意味を失うだけでなく、かえって健康を害するリスクを生むことを理解しておく必要があります。
カートリッジの交換目安は、「期間(例:3ヶ月)」と「総ろ過水量(例:900L)」の両方が設定されています。どちらか早く達した方で交換するのが原則です。
浄水器の取り付けは自分でできる?
浄水器の取り付け方法は、タイプによって大きく異なります。
- ポット型: 取り付け作業は一切不要です。購入後すぐに使えます。
- 蛇口直結型: ほとんどの製品は、特別な工具なしで自分で簡単に取り付けられます。様々な形状の蛇口に対応できるよう、複数のアダプターが付属しています。ただし、シャワーヘッドが引き出せるタイプや、センサー付き、先端が四角いなど、特殊な形状の蛇口には取り付けられない場合があります。購入前に必ず自宅の蛇口のメーカー名と型番を確認し、浄水器メーカーのウェブサイトで適合するかをチェックしましょう。
- 据え置き型: 蛇口に「分岐水栓」という部品を取り付ける作業が必要です。説明書を読めば自分でできるケースが多いですが、工具の扱いに不慣れな場合や、蛇口の構造が複雑な場合は、無理をせず専門の水道業者に依頼するのが安心です。依頼する場合の費用は、1万円〜2万円程度が相場です。
- ビルトイン・水栓一体型: 専門業者による設置工事が必須です。シンクへの穴あけ作業や、給水管への接続といった専門的な技術が必要となるため、DIYで行うことは絶対に避けてください。通常は、製品を購入した販売店や、リフォーム会社、水道工事業者に工事を依頼することになります。
浄水器に関するよくある質問
最後に、浄水器に関してユーザーから寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。
浄水器の水は赤ちゃんに飲ませてもいい?
基本的には、適切に管理された浄水器の水であれば、赤ちゃんに飲ませても問題ありません。水道水の残留塩素や不純物を除去した浄水は、体が未熟な赤ちゃんにとって、水道水をそのまま与えるよりも適していると考えることができます。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 衛生管理の徹底: カートリッジの交換時期を厳守し、浄水器本体を常に清潔に保つことが大前提です。
- ミネラル分: 日本の水道水はほとんどが軟水であり、それをろ過した浄水が赤ちゃんの体に負担をかけることは通常ありません。ただし、海外製のミネラル添加機能付きの浄水器などは注意が必要です。
- 一度煮沸する: より安心して与えたい場合は、浄水を一度沸騰させて冷ました「白湯」にするのがおすすめです。ミルクの調乳に使う際も、念のため一度煮沸したお湯を使うと良いでしょう。
最終的に判断に迷う場合は、自己判断せず、かかりつけの小児科医や保健師に相談することをおすすめします。
浄水した水を沸騰させても効果はある?
はい、効果はあります。むしろ、相乗効果によって、より美味しく安全な水になります。
浄水器は、残留塩素やトリハロメタンといった化学物質や、サビ・ニゴリなどの不純物を除去するのが主な役割です。一方、沸騰は、水を100℃まで加熱することで、万が一水に含まれている可能性のある一般細菌などを殺菌する効果があります。
水道水をそのまま沸騰させると、水中の有機物と塩素が反応して生成されるトリハロメタンが、沸騰の過程で一時的に濃度が高くなるという説もあります。そのため、浄水器でトリハロメタンなどをあらかじめ除去した水を沸騰させる方が、より合理的で安心と言えます。美味しい白湯やお茶、コーヒーを楽しむ上で、浄水+沸騰は最適な組み合わせです。
浄水器にお湯を通してもいい?
原則として、ほとんどの浄水器にお湯を通すことはできません。
多くの浄水器メーカーは、使用する水の温度を「35℃未満」などと定めています。これより高い温度のお湯を通してしまうと、以下のような不具合が発生する可能性があります。
- ろ材の性能低下: 浄水器の主要なろ材である活性炭は、高温になると吸着していた不純物を再び放出してしまう性質(脱離)があります。
- フィルターの破損: 中空糸膜などの精密なフィルターは、熱によって変形・破損し、正常なろ過ができなくなる恐れがあります。
- 本体の変形・破損: 本体がプラスチック製の場合、熱で変形したり、部品の接合部から水漏れしたりする原因になります。
お湯を使いたい場合は、必ず浄水モードから原水モードに切り替えてから使用してください。これは、浄水器を長く安全に使うための重要なルールです。ごく一部に耐熱性の高いモデルも存在しますが、基本的にはお湯はNGと覚えておきましょう。
まとめ
この記事では、浄水器の基本的な知識から、後悔しない選び方、タイプ別のおすすめ製品、さらにはメリット・デメリットやメーカーの特徴まで、幅広く解説してきました。
日本の水道水は世界トップレベルの安全性を誇りますが、浄水器は、その安全な水を個々のライフスタイルや価値観に合わせて「より美味しく、より安心な水」へとアップグレードしてくれる、非常に有効なツールです。
最適な一台を見つけるためには、以下の4つのポイントを総合的に検討することが重要です。
- 設置タイプ: 手軽な「蛇口直結型」「ポット型」、性能重視の「据え置き型」、デザイン性の高い「ビルトイン型」から、住環境や求める手軽さに合わせて選びましょう。
- 除去能力: 自宅の水道水で気になるのは何か(カルキ臭、サビなど)を考え、JIS規格の除去対象物質などを参考に、必要な性能を備えたモデルを選びましょう。
- ランニングコスト: 本体価格だけでなく、カートリッジの価格と交換頻度を含めたトータルコストを比較し、長期的な視点で判断することが後悔しないコツです。
- 使いやすさ: 水の出るスピード(ろ過流量)やカートリッジ交換の通知機能、水流の切り替えやすさなど、毎日の使い勝手を左右する細かな点もチェックしましょう。
浄水器を導入することは、美味しい水で日々の生活の質を高めるだけでなく、ペットボトルごみを減らして環境に貢献したり、水を買うコストと手間を削減したりと、多くのメリットをもたらします。
本記事で紹介した選び方のポイントや製品情報を参考に、あなたにとって最高のパートナーとなる浄水器を見つけ、豊かで快適なウォーターライフをスタートさせてください。