部屋の印象を大きく左右する壁紙(クロス)。経年劣化による黄ばみや汚れ、剥がれが気になり、「そろそろ張り替えたいな」と考えている方も多いのではないでしょうか。特に、生活の中心となる6畳の部屋の張替えを検討する際、最も気になるのが「一体いくらかかるのか?」という費用面でしょう。
壁紙の張替えは、リフォームの中でも比較的安価に行えるものですが、選ぶ壁紙の種類や依頼する業者、部屋の状態によって費用は大きく変動します。相場を知らないまま業者に依頼してしまうと、思わぬ高額請求に繋がったり、逆に安さだけで選んでしまい、仕上がりに不満が残る結果になったりする可能性も否定できません。
そこでこの記事では、壁紙張替えの費用について、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。6畳の部屋を基準とした費用相場はもちろん、部屋の広さや場所別の料金、費用の詳細な内訳、追加料金が発生するケース、そして賢く費用を抑えるための具体的なコツまで、網羅的にご紹介します。
この記事を最後まで読めば、あなたの家の壁紙張替えにかかる費用の目安が明確になり、予算に合わせた最適なプランを立てられるようになります。後悔しない壁紙リフォームを実現するために、ぜひ参考にしてください。
目次
【結論から解説】6畳の壁紙張替えにかかる費用相場
まず結論からお伝えします。一般的な6畳の部屋の壁紙を張り替える際の費用相場は、壁のみであれば30,000円~50,000円、天井も合わせると40,000円~70,000円程度が目安です。
この金額に幅があるのは、主に選ぶ壁紙の「グレード」と、既存の壁の「下地の状態」によって料金が変動するためです。ここでは、費用の内訳をより深く理解するために、「壁のみ」「天井も含む」それぞれのケースと、壁紙のグレードによる違いを詳しく見ていきましょう。
壁のみを張り替える場合の費用
6畳の部屋の壁面だけを張り替える場合の費用相場は、約30,000円~50,000円です。
この費用は、主に「壁紙の材料費」と「施工費」で構成されています。一般的な6畳の部屋の壁面積は、窓やドア、クローゼットなどの開口部を除くと約30㎡ほどになります。この面積に対して、壁紙の単価と職人の工賃がかかる計算です。
費用が変動する大きな要因は、後述する壁紙のグレードです。大きく分けて、比較的安価な「量産品(スタンダードクロス)」と、デザインや機能性が豊富な「1000番台(ハイグレードクロス)」の2種類があり、どちらを選ぶかによって総額が1万円以上変わることも珍しくありません。
また、これはあくまで壁の下地が良好な状態であることが前提の価格です。もし壁に大きな穴やひび割れ、カビなどがあり、補修が必要な場合は別途追加料金が発生します。
天井も一緒に張り替える場合の費用
壁と合わせて天井の壁紙も張り替える場合の費用相場は、約40,000円~70,000円です。
6畳の部屋の天井の面積は約10㎡です。壁のみの費用に、この天井部分の材料費と施工費が加わります。一般的に、天井の施工は上を向いての作業となり、壁よりも手間がかかるため、施工費が少し割高に設定されている場合があります。
しかし、壁と天井の張替えを別々に行うと、その都度養生費や出張費などがかかってしまい、結果的に割高になります。壁紙の劣化は壁と天井で同時に進んでいることが多いため、基本的には一度に張り替えるのがおすすめです。部屋全体に統一感が生まれ、新築のようなスッキリとした空間に生まれ変わるでしょう。
【一覧表】壁紙のグレード別の費用差
壁紙の費用を左右する最も大きな要素が、壁紙の「グレード」です。ここでは、広く使われている「量産品」と「1000番台」の2種類について、それぞれの特徴と6畳の部屋を張り替えた場合の費用目安を比較してみましょう。
壁紙のグレード | ㎡あたりの費用相場(材料・施工費込み) | 6畳【壁のみ】の費用目安(約30㎡) | 6畳【壁・天井】の費用目安(約40㎡) |
---|---|---|---|
量産品(スタンダードクロス) | 800円 ~ 1,200円/㎡ | 24,000円 ~ 36,000円 | 32,000円 ~ 48,000円 |
1000番台(ハイグレードクロス) | 1,200円 ~ 1,800円/㎡ | 36,000円 ~ 54,000円 | 48,000円 ~ 72,000円 |
※上記はあくまで目安であり、下地の状態や業者によって変動します。 |
量産品(スタンダードクロス)の場合
量産品(スタンダードクロス)は、その名の通り大量生産することでコストを抑えた壁紙です。主にシンプルな白やアイボリー、ベージュ系の無地や織物調のデザインが多く、どのような部屋にも合わせやすいのが特徴です。
費用をできるだけ安く抑えたい場合に最適な選択肢であり、賃貸住宅の原状回復などでも広く使用されています。価格が安いからといって品質が著しく劣るわけではなく、現在の量産品は防カビ性能などが標準で付いているものも多く、日常使いには十分な品質を備えています。
6畳の部屋で量産品を使用した場合、壁のみなら3万円前後、壁と天井を合わせても4万円台に収まることが多く、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
1000番台(ハイグレードクロス)の場合
1000番台(ハイグレードクロス)は、量産品に比べてデザイン性や機能性に優れた壁紙です。メーカーのカタログでは、定価が1,000円/m(メートル)であることから、このように呼ばれています。
カラーバリエーションが豊富なのはもちろん、石目調、木目調、コンクリート調といったリアルな質感のものや、キャラクターデザイン、輸入壁紙のような個性的なデザインも選べます。
さらに、「汚れ防止」「消臭」「吸放湿」「耐久性向上」といった特殊な機能が付加された「機能性壁紙」もこのグレードに含まれます。リビングのアクセントウォールにおしゃれなデザインを取り入れたり、ペットのいる部屋に消臭機能付きの壁紙を選んだりと、用途やこだわりに合わせて選べるのが最大の魅力です。
その分、費用は量産品より高くなります。6畳の部屋で1000番台を使用した場合、壁と天井の張替えで5万円を超えるケースが多くなりますが、空間の質や快適性を高めたい場合には、価格以上の満足感が得られるでしょう。
【広さ・場所別】壁紙(クロス)張替えの費用相場一覧
壁紙張替えの費用は、部屋の広さや場所によって大きく変わります。ここでは、一般的な住宅で想定される様々な広さ・場所ごとに、費用相場を一覧でご紹介します。ご自宅の張り替えたい場所と照らし合わせながら、予算の参考にしてください。
以下の表は、比較的安価な「量産品」と、高機能・高デザインの「1000番台」の2パターンで費用相場を算出しています。
場所・広さ | 壁・天井の合計面積(目安) | 量産品の場合の費用相場 | 1000番台の場合の費用相場 |
---|---|---|---|
4.5畳 | 約32.5㎡ | 26,000円 ~ 39,000円 | 39,000円 ~ 58,500円 |
8畳 | 約48㎡ | 38,400円 ~ 57,600円 | 57,600円 ~ 86,400円 |
10畳(リビング) | 約53㎡ | 42,400円 ~ 63,600円 | 63,600円 ~ 95,400円 |
12畳(リビング) | 約58㎡ | 46,400円 ~ 69,600円 | 69,600円 ~ 104,400円 |
トイレ | 約6㎡ | 20,000円 ~ 35,000円 | 25,000円 ~ 45,000円 |
洗面所 | 約13㎡ | 25,000円 ~ 40,000円 | 30,000円 ~ 50,000円 |
玄関・廊下 | 15㎡~ | 30,000円~ | 35,000円~ |
※上記はあくまで目安であり、形状や下地の状態で変動します。トイレなどの狭い空間は最低施工料金が適用される場合があります。 |
4.5畳の費用相場
4.5畳の部屋(子供部屋、書斎など)の壁と天井を張り替える場合、費用相場は量産品で26,000円~39,000円、1000番台で39,000円~58,500円程度です。
壁面積は約25㎡、天井面積は約7.5㎡が目安となります。比較的小さな空間なので、1000番台の少し個性的なデザインやカラーの壁紙を選んで、遊び心のある空間に仕上げるのもおすすめです。子供部屋であれば、傷に強い耐久性のある壁紙や、汚れが拭き取りやすい壁紙を選ぶと、後々のメンテナンスが楽になります。
8畳の費用相場
8畳の部屋(寝室、広めの子供部屋など)の壁と天井を張り替える場合、費用相場は量産品で38,400円~57,600円、1000番台で57,600円~86,400円程度です。
壁面積は約35㎡、天井面積は約13㎡が目安です。寝室であれば、リラックスできる落ち着いた色味の壁紙や、調湿機能のある壁紙を選ぶと快適な睡眠環境づくりに繋がります。一面だけをアクセントクロスにするだけでも、部屋の雰囲気がガラリと変わります。
10畳・12畳(リビング)の費用相場
10畳や12畳といった広いリビングダイニングの壁と天井を張り替える場合、費用相場は10畳で42,400円~95,400円、12畳で46,400円~104,400円程度と、価格帯が広くなります。
10畳の壁・天井面積は約53㎡、12畳では約58㎡が目安ですが、リビングは窓やドアが多かったり、梁(はり)や柱があったりと形状が複雑なケースが多く、施工の手間が増えるため費用が変動しやすい場所です。
家族が集まる場所だからこそ、デザイン性に優れた1000番台の壁紙や、消臭・汚れ防止などの機能性壁紙の需要が高い場所でもあります。広い面積を張り替えるため、量産品と1000番台での価格差が大きくなる点を念頭に置いておきましょう。
トイレの費用相場
トイレの壁と天井を張り替える場合、費用相場は20,000円~45,000円程度です。
面積自体は壁と天井を合わせても6㎡程度と非常に狭いですが、費用が割安になるわけではありません。なぜなら、多くの業者では「最低施工料金」を設定しているためです。半日~1日の職人の人件費や出張費を確保するため、一定の金額が最低料金として定められています。
また、トイレは狭くて作業がしにくく、便器やタンクが障害物となるため、施工に手間がかかる場所でもあります。そのため、面積あたりの単価は割高になる傾向があります。費用はかかりますが、狭い空間だからこそ、消臭や防汚機能のある壁紙の効果を実感しやすい場所です。
洗面所の費用相場
洗面所の壁と天井を張り替える場合、費用相場は25,000円~50,000円程度です。
壁・天井の合計面積は13㎡程度が目安。トイレと同様に、最低施工料金が適用されることが多いです。洗面所は湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい場所の代表格です。そのため、防カビ性能はもちろん、水はねに強く汚れが拭き取りやすい「吸放湿機能」や「汚れ防止機能」が付いた壁紙が必須と言えるでしょう。
玄関・廊下の費用相場
玄関や廊下は、家によって形状や面積が大きく異なるため一概には言えませんが、費用相場は30,000円からが目安となります。
下駄箱やドア、上がり框(あがりかまち)などがあり、形状が複雑で作業に手間がかかることが多い場所です。また、人の出入りが激しく、手や荷物が壁に触れる機会も多いため、汚れや傷がつきやすいという特徴があります。
そのため、表面が強化されていて傷に強い「耐久性」のある壁紙や、手垢などの汚れが付きにくい「汚れ防止」機能のある壁紙を選ぶと、綺麗な状態を長く保てます。
壁紙張替え費用の詳しい内訳
業者から提示される見積書を正しく理解し、適正な価格か判断するためには、費用の内訳を知っておくことが非常に重要です。壁紙張替えの費用は、主に以下の6つの項目で構成されています。
壁紙(クロス)の材料費
これは壁紙そのものの価格です。見積書では「〇〇クロス 〇〇m」や「クロス代 〇〇㎡」といった形で記載されます。単価は、前述の通り「量産品」か「1000番台」か、あるいはそれ以上の高級な壁紙かで大きく変わります。
ここで注意したいのが、実際に使用する壁紙の量は、部屋の壁面積よりも多くなるという点です。壁紙を張る際には、柄を合わせるためのロスや、カットする際の余白が必要になるため、実際の面積よりも10%~20%ほど多めに材料を発注するのが一般的です。これを「ロス率」と呼びます。
施工費・人件費
職人が壁紙を張るための技術料です。一般的には「施工費」や「手間代」といった項目で記載されます。多くの業者は、この施工費を材料費と合算して「〇〇円/㎡」という単価で提示します。この場合、㎡単価には後述する「既存壁紙の撤去・処分費」や「下地処理費」が含まれていることが多いです。
一方で、職人一人の1日あたりの工賃を「人工(にんく)」という単位で計算し、「職人手間代 1人工 〇〇円」のように別途計上する業者もいます。職人の日当は18,000円~25,000円が相場です。
既存の壁紙の撤去・処分費
現在張られている古い壁紙を剥がし、その廃材を産業廃棄物として処分するための費用です。「剥がし手間」「廃材処分費」などと記載されます。
これも施工費と同様に㎡単価に含まれていることが多いですが、別途請求される場合は50円~150円/㎡程度が相場です。古い壁紙が二重に張られていたり、剥がしにくい素材だったりすると、手間が増えるため費用が少し高くなることもあります。
下地処理・補修費
壁紙を美しく仕上げるために最も重要な工程が、この下地処理です。古い壁紙を剥がした後の壁には、凹凸や段差、ひび割れなどが存在します。これらをパテ(充填剤)で埋めて平滑にする作業が「下地処理(パテ処理)」です。
基本的なパテ処理費用は㎡単価に含まれていることがほとんどですが、壁に大きな穴が開いていたり、石膏ボードが損傷していたりするなど、大掛かりな補修が必要な場合は「下地補修費」として別途料金が発生します。この費用は状態によって大きく変動するため、現地調査の際にしっかりと確認してもらう必要があります。
養生費・片付け費
壁紙を張る際に、床や家具、柱、ドア、コンセントプレートなどを汚したり傷つけたりしないように、ビニールシートやマスキングテープで保護する作業の費用です。これを「養生(ようじょう)」と呼びます。
また、施工完了後に現場を清掃し、養生を撤去する「片付け費」も含まれます。通常、この費用は「諸経費」や「施工費」に一括りにされていることが多く、単独で項目が立てられることは少ないですが、相場としては一部屋あたり2,000円~5,000円程度かかっていると考えると良いでしょう。
諸経費(交通費・駐車場代など)
業者が現場まで移動するためのガソリン代や高速道路代、トラックなどの車両維持費、そして現場に駐車スペースがない場合に利用するコインパーキング代などが含まれます。
見積書では「諸経費」として、工事費総額の3%~10%程度が計上されるのが一般的です。自宅から遠い業者に依頼すると、この交通費が高くなる可能性があるため、業者選びの際には所在地も確認すると良いでしょう。
こんな場合は追加料金が!料金が高くなる5つのケース
見積もり通りの金額で収まると思っていたのに、工事当日や後日になって追加料金を請求される…そんな事態は避けたいものです。ここでは、壁紙張替えの費用が当初の見積もりより高くなる代表的な5つのケースをご紹介します。事前に知っておくことで、予期せぬ出費を防ぎましょう。
① 下地の状態が悪く補修が必要
追加料金が発生する最も一般的な原因が、この下地の劣化です。古い壁紙を剥がしてみないと壁の状態は正確には判断できないため、見積もり段階では想定されていなかった補修が必要になることがあります。
- カビの発生: 結露しやすい壁などでカビが広範囲に発生している場合、防カビ剤の塗布や下地の交換が必要になることがあります。(追加費用:数千円~)
- 大きなひび割れや穴: 壁に物をぶつけてできた穴や、構造上の動きによるひび割れが大きい場合、パテ埋めだけでは対応できず、部分的なボードの補修が必要になります。(追加費用:5,000円~20,000円程度)
- 石膏ボードの損傷・劣化: 湿気などで石膏ボード自体が脆くなっている場合、壁紙をきれいに張ることができないため、ボードごと交換する必要があります。この場合、費用は数万円単位で高くなります。
優良な業者であれば、現地調査の際に壁を軽く叩くなどして下地の状態をある程度予測し、追加料金が発生する可能性を事前に説明してくれます。
② 天井や吹き抜けなど高所での作業
リビングの吹き抜けや、天井が高い階段ホールなど、通常の脚立(高さ2m程度)では手が届かない場所の壁紙を張り替える場合は、追加料金が発生します。
安全に作業を行うために、室内用の足場(ローリングタワーなど)を設置する必要があるからです。この足場の設置・解体費用が別途かかるため、通常の施工費よりも高額になります。追加費用は、足場の規模にもよりますが20,000円~50,000円以上かかることもあります。
③ 張り替える壁の形状が複雑
正方形や長方形のシンプルな壁と比べて、以下のような形状の壁は施工に手間と時間がかかるため、追加料金の対象となることがあります。
- 梁(はり)や柱が多い部屋
- アーチ状の壁やR壁(カーブした壁)
- 窓やドア、ニッチ(飾り棚)が多い壁
これらの壁は、壁紙を細かくカットしたり、角の処理を丁寧に行ったりする必要があるため、職人の技術と手間が増加します。そのため、㎡単価が通常より高く設定されたり、「手間代」として別途料金が加算されたりすることがあります。
④ 大きな家具の移動を業者に依頼する
壁紙張替えの際は、作業スペースを確保するために、壁際の家具を部屋の中央に移動させる必要があります。この家具の移動は、原則として工事開始前までに施主(依頼主)自身が行うことになっています。
もし、人手がなくて大きなタンスやベッド、ピアノなどを移動できない場合、業者に移動を依頼することも可能ですが、その場合は「家具移動費」として追加料金が発生します。費用は家具の量や重さによって異なり、5,000円~20,000円程度が目安です。費用を抑えたい場合は、できる限り自分で片付けておくのが賢明です。
⑤ 特殊な機能を持つ壁紙を選ぶ
量産品や一般的な1000番台のビニールクロスではなく、以下のような特殊な壁紙を選ぶと、材料費だけでなく施工費も高くなる傾向があります。
- 輸入壁紙: デザインは非常に魅力的ですが、国産の壁紙よりも幅が狭く、紙の質もデリケートなものが多いため、施工に高い技術が求められます。
- 織物クロス(布クロス): 通気性や質感に優れていますが、汚れが付きやすく、施工時にシワになりやすいため、熟練の技術が必要です。
- 珪藻土クロスや和紙クロス: 自然素材の壁紙は、薄くて破れやすかったり、専用の接着剤が必要だったりするため、施工費が割高になります。
これらの壁紙は、ビニールクロスに比べて施工の手間が2倍以上かかることもあり、施工費も同様に高くなることを理解しておきましょう。
プロが教える!壁紙張替え費用を安くする7つのコツ
せっかくリフォームするなら、品質は落とさず、できるだけ費用を抑えたいものです。ここでは、少しの工夫で壁紙張替え費用を賢く節約するための7つのコツをご紹介します。
① 量産品(スタンダードクロス)を選ぶ
最も簡単で効果的な節約方法は、量産品(スタンダードクロス)を選ぶことです。前述の通り、量産品は1000番台(ハイグレードクロス)に比べて㎡単価が数百円安いため、総額に大きな差が出ます。
例えば、6畳の部屋(壁・天井 約40㎡)を張り替える場合、
- 1000番台(1,500円/㎡):60,000円
- 量産品(1,000円/㎡):40,000円
となり、これだけで20,000円もの差が生まれます。
「量産品はデザインが少ないのでは?」と心配するかもしれませんが、最近の量産品カタログには、織物調、石目調、塗り壁調など、シンプルながらもおしゃれに見えるデザインが豊富に揃っています。色も真っ白だけでなく、オフホワイト、アイボリー、ライトグレーなど微妙なニュアンスの違いを選べるので、こだわりが強くなければ十分満足できるでしょう。
② 複数の業者から相見積もりを取る
同じ工事内容でも、業者によって見積もり金額は異なります。適正な価格を知り、不当に高い業者を避けるためには、必ず複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」が不可欠です。最低でも3社から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
比較する際は、総額の安さだけで判断してはいけません。「材料費」「施工費」「諸経費」などの内訳が詳細に記載されているか、使用する壁紙の品番は明記されているか、追加料金の可能性について説明があるかなど、内容をしっかりチェックしましょう。安すぎる見積もりは、必要な下地処理を省くなど、手抜き工事に繋がるリスクもあるため注意が必要です。
③ 業者の繁忙期(2~3月)を避ける
リフォーム業界には繁忙期と閑散期があります。特に2月~3月は、引っ越しシーズンと重なるため、壁紙張替えの需要が最も高まる繁忙期です。この時期は業者が忙しく、価格交渉がしにくいだけでなく、希望の日程で予約が取れないこともあります。
逆に、梅雨の時期(6月~7月)や、夏の暑い時期(8月)、年末年始が明けた1月などは比較的閑散期とされています。こうした時期を狙って依頼すると、業者によっては「閑散期割引キャンペーン」を行っている場合もあり、お得にリフォームできる可能性があります。
④ 施工箇所をまとめて依頼する
トイレだけ、子供部屋だけ、といったように一部分だけを依頼するよりも、リビングや廊下など、複数の部屋をまとめて依頼する方が、結果的に費用が安くなることがあります。
これは「ボリュームディスカウント」が期待できるためです。一度の工事で広範囲を施工する場合、業者は移動コストや準備の手間を削減できるため、その分を㎡単価の割引などで還元してくれることがあります。将来的に他の部屋も張り替える予定があるなら、同時に依頼することを検討してみましょう。
⑤ 地元の工務店やリフォーム会社に直接依頼する
テレビCMを放映しているような大手リフォーム会社は、知名度や安心感がありますが、実際の工事は下請けの業者に発注しているケースが少なくありません。その場合、元請けである大手リフォーム会社の利益(中間マージン)が価格に上乗せされるため、費用が割高になる傾向があります。
一方で、地域に根差した地元の工務店や内装専門業者は、自社の職人が直接施工する「自社施工」が多いため、中間マージンが発生しません。また、移動距離が短いため交通費などの諸経費も安く済みます。技術力が高く、良心的な価格で対応してくれる業者も多いため、選択肢の一つとして検討する価値は十分にあります。
⑥ 部屋の荷物は自分で片付けておく
追加料金の項目でも触れましたが、家具や小物の移動は自分で行うのが節約の基本です。事前に部屋の中を空に近い状態にしておくことで、業者はすぐに養生や施工に取り掛かることができ、作業がスムーズに進みます。
これにより、有料の家具移動サービスを頼む必要がなくなり、数千円~数万円の節約に繋がります。また、大切な家具や小物を自分で移動させることで、万が一の破損リスクを避けるという意味でも有効です。
⑦ 一括見積もりサイトやマッチングサービスを活用する
「複数の業者を探して、一社一社に連絡するのは面倒…」と感じる方には、インターネットの一括見積もりサイトやマッチングサービスの活用がおすすめです。
これらのサービスは、一度の入力で複数のリフォーム会社から見積もりや提案を取り寄せることができるため、手間を大幅に削減できます。サイトによっては、各業者の施工実績や利用者からの口コミ・評価を確認できるため、信頼できる業者を効率的に探すのに役立ちます。サービス利用は無料の場合がほとんどなので、積極的に活用してみましょう。
費用の鍵を握る!壁紙(クロス)の種類と選び方
壁紙張替えの費用と満足度を両立させるためには、壁紙の種類と特徴を理解し、自分の目的や予算に合ったものを選ぶことが重要です。ここでは、主流である「量産品」と「1000番台」の違いをさらに掘り下げ、機能性壁紙の種類についても詳しく解説します。
量産品(スタンダードクロス)とは
量産品(スタンダードクロス)は、リフォームで最も広く使われているコストパフォーマンスに優れた壁紙です。
特徴と価格帯
最大の特徴は、その価格の安さです。大量生産によってコストを徹底的に抑えており、材料費・施工費込みの㎡単価は800円~1,200円程度が相場です。
材質は、そのほとんどが塩化ビニル樹脂を主原料とする「ビニールクロス」です。ビニールクロスは、価格が安いだけでなく、耐久性が高く、手入れがしやすいというメリットもあります。
デザインは、白やアイボリー、ベージュを基調とした無地や、シンプルな織物調・石目調が中心です。色やデザインの選択肢は1000番台に比べて限られますが、どんなインテリアにも合わせやすい、飽きのこないデザインが揃っています。近年では、防カビ機能が標準で付いているものがほとんどで、品質面でも安心して使用できます。
こんな場所・人におすすめ
- とにかく費用を抑えたい人
- 賃貸物件の原状回復
- 家全体など、広い面積を一度に張り替えたい場合
- シンプルでベーシックな内装を好む人
- 将来的に再度張り替える可能性がある子供部屋など
1000番台(ハイグレードクロス)とは
1000番台(ハイグレードクロス)は、デザイン性や機能性にこだわりたい人のための、ワンランク上の壁紙です。
特徴と価格帯
メーカーのカタログにおける定価が1,000円/m(材料費のみ)であることから、この名で呼ばれています。材料費・施工費込みの㎡単価は1,200円~1,800円程度が相場となり、量産品よりも高価です。
最大の特徴は、デザインと機能の豊富さです。カラーバリエーションが格段に増え、北欧風の柄物、インダストリアルなコンクリート調、温かみのある木目調、高級感のある織物調など、あらゆるインテリアテイストに対応できるデザインが見つかります。
また、後述する「機能性壁紙」の多くがこの1000番台に含まれており、ライフスタイルや部屋の悩みに合わせて最適な機能を選ぶことができます。
こんな場所・人におすすめ
- リビングや寝室など、こだわりの空間を演出したい人
- アクセントクロスを取り入れて、部屋の印象を変えたい人
- 結露やニオイ、汚れなど、部屋の特定の悩みを解決したい人
- デザイン性や質感の高さを重視する人
あると便利な機能性壁紙の種類
機能性壁紙は、日々の暮らしをより快適にしてくれる付加価値のある壁紙です。代表的な機能をご紹介します。
汚れ防止・抗菌・抗ウイルス
表面にラミネート加工などが施されており、醤油やケチャップ、油性ペンなどの汚れが付着しても、水拭きや中性洗剤で簡単に拭き取ることができます。また、菌の増殖を抑制する抗菌機能や、壁紙表面に付着したウイルスを減少させる抗ウイルス機能を持つものもあります。
【おすすめの場所】キッチン、ダイニング、子供部屋、トイレ、洗面所
消臭
光触媒や吸着剤の働きにより、タバコ臭、生ゴミ臭、ペット臭、トイレのアンモニア臭などの生活臭を吸着・分解します。効果は半永久的に持続するものも多く、快適な空気環境を保つのに役立ちます。
【おすすめの場所】トイレ、玄関、キッチン、ペットのいる部屋、喫煙スペース
吸放湿
湿気を吸ったり吐いたりする機能があり、部屋の湿度を快適な状態にコントロールする手助けをします。結露の発生を抑制し、カビの繁殖を防ぐ効果が期待できます。
【おすすめの場所】結露しやすい北側の部屋、ウォークインクローゼット、洗面所、寝室
耐久性・耐摩耗性
表面が強化されており、一般的なビニールクロスに比べて傷がつきにくいのが特徴です。ペットのひっかき傷や、掃除機が当たる衝撃、家具の擦れなどから壁を守ります。
【おすすめの場所】玄関、廊下、階段、子供部屋、ペットのいる部屋
依頼から完了まで!壁紙張替えの流れと日数
業者に壁紙張替えを依頼するのが初めてという方のために、問い合わせから工事完了までの一般的な流れと、必要となる日数の目安をご紹介します。全体の流れを把握しておくことで、スムーズにリフォームを進めることができます。
STEP1:業者探し・問い合わせ
まずは、リフォームを依頼する業者を探します。インターネット検索、一括見積もりサイト、知人の紹介など、様々な方法があります。気になる業者が見つかったら、電話やウェブサイトのフォームから問い合わせを行い、現地調査・見積もりの依頼をします。この時、張り替えたい部屋の広さや現在の壁の状態、希望する壁紙のイメージなどを伝えておくとスムーズです。
STEP2:現地調査・見積もり
業者の担当者が自宅を訪問し、実際の現場を確認します。ここで、張り替える壁や天井の正確な面積を採寸し、下地の状態(ひび割れ、カビの有無など)をチェックします。この調査結果と、施主の要望(壁紙のグレードや機能など)を基に、後日、正式な見積書が作成・提出されます。複数の業者に依頼し、相見積もりを取るのがこの段階です。
STEP3:契約・施工日の決定
見積もりの内容に納得できたら、その業者と正式に契約を結びます。契約書には、工事内容、金額、工期、支払い条件、保証内容などが明記されているので、隅々までよく確認しましょう。不明な点があれば、必ず契約前に質問して解消しておくことが大切です。契約後、具体的な施工日を決定します。
STEP4:施工(養生〜張り替え〜片付け)
工事当日、職人が訪問し作業を開始します。
- 養生: まず、床や家具、建具などを傷や汚れから守るために、ビニールシートなどで丁寧に保護します。
- 既存壁紙の撤去: 古い壁紙を剥がします。
- 下地処理: 壁の凹凸やひび割れをパテで埋め、平滑にします。
- 壁紙張り: 新しい壁紙を張っていきます。
- 片付け・清掃: 養生を撤去し、現場を清掃して作業完了です。
STEP5:確認・引き渡し
全ての作業が完了したら、業者の担当者と一緒に仕上がりを確認します。壁紙に浮きや剥がれ、シワ、汚れなどがないか、隅々までチェックしましょう。問題がなければ、引き渡しとなり、工事は完了です。後日、請求書に基づき代金を支払います。
施工にかかる日数の目安
壁紙張替えにかかる日数は、部屋の広さや状態によって異なりますが、一般的な6畳の部屋(壁・天井)であれば、通常1日~1.5日程度で完了します。
- 半日~1日: 荷物が少なく、下地の状態が良い6畳程度の部屋
- 1日~2日: 荷物が多く、下地補修に少し時間がかかる場合や、リビングなど広い部屋
- 2日以上: 大掛かりな下地補修(石膏ボードの交換など)が必要な場合や、家全体の張替え
朝から作業を開始すれば、その日の夕方には完了することが多いですが、予期せぬ補修などで作業が長引く可能性も考慮しておくと良いでしょう。
失敗しないための優良なリフォーム業者の見極め方
壁紙張替えの仕上がりは、職人の腕に大きく左右されます。また、費用や対応においても、信頼できる業者を選ぶことが後悔しないリフォームの鍵となります。ここでは、優良なリフォーム業者を見極めるための4つのチェックポイントをご紹介します。
見積書の内訳が詳細で分かりやすいか
信頼できる業者の見積書は、「誰が見ても分かりやすい」という特徴があります。
- NGな例: 「壁紙張替え工事 一式 〇〇円」のように、総額しか書かれていない。
- OKな例: 「壁紙材料費(品番〇〇) 〇〇㎡ 〇〇円」「施工費 〇〇円」「廃材処分費 〇〇円」「諸経費 〇〇円」といったように、項目ごとに単価と金額が詳細に記載されている。
内訳が詳細であれば、何にいくらかかっているのかが明確になり、他社の見積もりとも比較しやすくなります。不明瞭な「一式」表記が多い見積もりを提示する業者は、避けた方が賢明です。
質問に対して丁寧に説明してくれるか
リフォームは専門的なことが多く、分からないことだらけなのが当たり前です。現地調査や見積もりの説明の際に、こちらが投げかけた質問に対して、専門用語を多用せず、素人にも理解できるように丁寧に説明してくれるかは、その業者の誠実さを見極める重要な指標です。
「なぜこの補修が必要なのか」「この壁紙にはどんなメリット・デメリットがあるのか」といった質問に、面倒くさがらず、納得できるまで向き合ってくれる担当者がいる業者を選びましょう。
施工実績が豊富で、写真などで確認できるか
業者の技術力を判断する上で最も分かりやすいのが、過去の施工実績です。多くの業者は、自社のウェブサイトに施工事例としてビフォー・アフターの写真を掲載しています。
自分たちが依頼したい部屋と似たようなケースの実績があるか、仕上がりは綺麗かなどをチェックしましょう。特に、壁紙の継ぎ目(ジョイント)や、コンセント周り、部屋の角などの細かい部分の処理が美しいかは、職人の技術力を見極めるポイントになります。写真だけでは分からない場合は、直接「似たような事例はありますか?」と聞いてみるのも良いでしょう。
保証やアフターフォローが充実しているか
リフォームは工事が完了して終わりではありません。万が一、施工後に壁紙が剥がれてきたり、浮きが発生したりした場合に、きちんと対応してくれるかどうかが重要です。
優良な業者は、「施工後1年保証」「リフォーム瑕疵保険への加入」など、独自の保証制度やアフターフォロー体制を整えています。契約前に、「工事後の不具合にはどのような保証がありますか?」と必ず確認しておきましょう。保証内容が書面で明記されていると、より安心です。
壁紙張替えにおすすめの業者・サービス5選
「どの業者に頼めばいいか分からない」という方のために、壁紙張替えで人気のある代表的な業者やサービスを5つご紹介します。それぞれに特徴があるので、ご自身の希望に合うものを見つける参考にしてください。
① くらしのマーケット
「くらしのマーケット」は、壁紙張替えを含む様々な暮らしのサービスについて、個人の職人や地域の事業者を比較・予約できるオンラインマーケットプレイスです。
最大の特徴は、料金体系の透明性と豊富な口コミです。サービス提供者ごとに出張費込みの料金が明記されており、利用者のリアルな口コミや評価、顔写真や実績を確認した上で、直接オンラインで予約できます。大手業者よりもリーズナブルな価格で依頼できることが多く、信頼できる職人を自分で見つけたい方におすすめです。
参照:くらしのマーケット公式サイト
② リノコ
「リノコ」は、リフォーム費用が「商品代+工事費+諸経費」すべて込みの定額パッケージで提供されるサービスです。
見積もり後の追加料金が原則発生しないため、予算オーバーの心配がなく、安心して依頼できるのが大きな魅力です。壁紙張替えも、量産品プランとハイグレード品プランが平米数ごとに分かりやすく設定されています。ウェブサイト上で手軽に費用シミュレーションができるため、リフォーム初心者の方でも費用のイメージを掴みやすいでしょう。
参照:リノコ公式サイト
③ リショップナビ
「リショップナビ」は、リフォーム会社紹介サービスの大手です。厳しい加盟基準をクリアした優良なリフォーム会社の中から、利用者の要望に合った会社を最大5社まで無料で紹介してくれます。
専門のコンシェルジュが電話で要望をヒアリングし、最適な会社を代わりに探してくれるため、自分で業者を探す手間が省けます。リフォームに関する相談にも乗ってくれるので、何から始めていいか分からないという方に心強いサービスです。
参照:リショップナビ公式サイト
④ ニッカホーム
「ニッカホーム」は、全国にショールームを展開する大手リフォーム専門会社です。
一貫した自社施工体制が特徴で、問い合わせから施工、アフターフォローまで全て自社の社員が担当するため、責任の所在が明確で安心感があります。ショールームで実際の壁紙サンプルを見ながら相談できるのも大きなメリットです。地域密着で、迅速な対応力にも定評があります。
参照:ニッカホーム公式サイト
⑤ ゼヒトモ
「ゼヒトモ」は、AIを活用したプロとのマッチングプラットフォームです。壁紙張替えの要望や条件を入力すると、AIが分析し、最適なプロ(事業者)を最大5名紹介してくれます。
自分から業者を探すのではなく、業者側から提案(見積もり)が届く「受信型」のサービスである点が特徴です。届いた提案の中から、内容や価格、プロフィールを比較して、気に入ったプロと直接やり取りを進めることができます。効率的に複数の提案を比較したい方におすすめです。
参照:ゼヒトモ公式サイト
壁紙張替えに関するよくある質問
最後に、壁紙の張替えに関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
DIYと業者依頼、どちらが良い?費用と仕上がりの違い
結論から言うと、時間と手間を惜しまず、仕上がりのクオリティに多少の妥協ができるならDIY、美しく確実な仕上がりを求めるなら業者依頼がおすすめです。
- DIY:
- メリット: 材料費と道具代だけで済むため、費用を劇的に抑えられます(6畳で1万円~2万円程度)。
- デメリット: 時間と手間がかかる、古い壁紙の撤去や下地処理が難しい、継ぎ目や角の処理が上手くいかず、剥がれやシワの原因になるなど、失敗のリスクが高いです。
- 業者依頼:
- メリット: プロの技術で継ぎ目も目立たない美しい仕上がりになる、施工がスピーディー(6畳で1日程度)、面倒な作業から解放される。
- デメリット: DIYに比べて費用がかかる。
費用を抑えたい気持ちは分かりますが、壁紙は面積が広く常に目に入る部分のため、仕上がりの悪さが目立つと、かえってストレスになる可能性があります。 長く快適に過ごす空間を作るためには、プロへの依頼を強く推奨します。
壁紙の寿命はどれくらい?張り替えのサインは?
壁紙(ビニールクロス)の寿命は、環境や使用状況によって異なりますが、一般的に10年~15年と言われています。以下のようなサインが見られたら、張り替えを検討するタイミングです。
- 剥がれや浮き: 接着剤の劣化により、壁紙が壁から剥がれてきている。
- つなぎ目の隙間: 壁紙同士のつなぎ目が開き、下地が見えている。
- 黄ばみ・黒ずみ: 日光による日焼けや、タバコのヤニ、生活汚れで全体的に色が変わっている。
- 落ちない汚れや傷: 拭いても取れない汚れや、子供の落書き、家具でつけた傷が目立つ。
- カビの発生: 結露などにより、壁紙の表面や裏側にカビが生えている。
これらのサインは、見た目の問題だけでなく、カビの場合は健康への影響も懸念されるため、早めの対処がおすすめです。
賃貸マンションでも壁紙は張り替えられる?
原則として、大家さんや管理会社の許可なく、勝手に壁紙を張り替えることはできません。 賃貸物件には「原状回復義務」があり、退去時には入居時の状態に戻す必要があります。無断で張り替えると、退去時に高額な修繕費用を請求される可能性があります。
もし、どうしても壁紙を変えたい場合は、必ず事前に大家さんや管理会社に相談し、許可を得る必要があります。近年では、入居者が費用を負担することを条件に、好きな壁紙への変更を許可してくれるケースも増えています。
許可が得られない場合は、貼って剥がせるタイプの壁紙シールなどを活用して、DIYで楽しむという方法もあります。
壁紙(クロス)のm単価とm2単価の違いとは?
見積書でよく見かける「m単価」と「m2単価」は、似ているようで意味が異なります。
- m単価(メートル単価): 壁紙のロールは通常幅が約90cmです。m単価は、この幅90cm×長さ1mあたりの価格を指します。主に、壁紙の材料費そのものを示す際に使われます。
- m2単価(平米単価): 1m×1mの正方形(1平方メートル)あたりの価格です。リフォームの見積もりでは、材料費だけでなく、施工費や諸経費なども含んだ「工事費込み」の単価として使われることが一般的です。
業者から見積もりを取る際は、m2単価がいくらで、その単価にどこまでの費用(下地処理、廃材処分費など)が含まれているのかを確認することが非常に重要です。
火災保険を使って壁紙を張り替えることはできる?
条件によっては可能です。 火災保険は火事だけでなく、「風災・雹(ひょう)災・雪災」や「水災」、「物体の落下・飛来・衝突」など、様々な自然災害や突発的な事故による損害も補償の対象としている場合があります。
例えば、「台風で窓ガラスが割れ、雨が吹き込んで壁紙が汚損した」「子供が遊んでいておもちゃを投げ、壁に穴が開いて壁紙が破れた(不測かつ突発的な事故として認められる場合)」といったケースでは、保険が適用される可能性があります。
ただし、経年劣化による黄ばみや剥がれは対象外です。また、契約内容によって補償範囲は異なります。まずはご自身の保険契約内容を確認し、保険会社や代理店に問い合わせてみることが重要です。