新しい生活の拠点となる住まい探しは、期待に胸が膨らむ一方で、何から始めればよいか分からない、という方も多いのではないでしょうか。かつては不動産会社の店舗に足を運ぶのが一般的でしたが、現在ではスマートフォンの賃貸探しアプリが主流となっています。数多くのアプリが存在するため、「どれを使えば理想の部屋に出会えるのか?」と悩んでしまうのも無理はありません。
この記事では、数ある賃貸探しアプリの中から、特におすすめの10個を厳選して徹底比較します。それぞれのアプリが持つ特徴や強みを詳しく解説するだけでなく、物件数の多さやチャットでの相談機能、初期費用の安さといった目的別のおすすめアプリも紹介します。
さらに、アプリ選びで失敗しないための具体的なポイントや、アプリを最大限に活用して理想の物件を見つけるためのコツ、利用する上でのメリット・デメリットまで、賃貸アプリに関するあらゆる情報を網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたにぴったりの賃貸探しアプリが見つかり、効率的かつ納得のいく部屋探しを実現できるでしょう。
目次
賃貸アプリとは?Webサイトとの違い
賃貸探しを始めようとすると、まず「アプリ」と「Webサイト」という2つの選択肢に気づくでしょう。どちらも物件情報を検索するためのツールですが、その特性や使い勝手には明確な違いがあります。自分に合った方法で効率的に部屋探しを進めるために、まずは賃貸アプリの定義と、Webサイトとの違いを深く理解しておきましょう。
賃貸アプリとは、スマートフォンやタブレット端末にインストールして使用する、物件探しに特化したアプリケーションのことです。App StoreやGoogle Playからダウンロードでき、スマホならではの機能や操作性を活かして、いつでもどこでも手軽に物件情報をチェックできます。
一方、賃貸探しのWebサイトは、Google ChromeやSafariなどのブラウザを通じてアクセスするものです。PCやスマホ、タブレットなど、デバイスを問わずに利用できるのが特徴です。では、具体的にアプリとWebサイトでは何が違うのでしょうか。それぞれの強みと弱みを比較しながら見ていきましょう。
アプリの最大の強みは、その「手軽さ」と「速報性」にあります。
まず、手軽さの面では、一度インストールしてしまえば、ホーム画面のアイコンをタップするだけで即座に起動できます。IDやパスワードでログインしておけば、毎回入力する手間もありません。通勤中の電車内や仕事の休憩時間、就寝前のベッドの中など、日常のあらゆるスキマ時間を部屋探しの時間に変えることができます。この手軽さは、忙しい現代人にとって非常に大きなメリットです。
次に、速報性です。多くの賃貸アプリには「プッシュ通知機能」が搭載されています。これは、希望の家賃やエリア、間取りといった条件を保存しておくと、その条件に合致する新着物件が登録された瞬間にスマートフォンに通知を送ってくれる機能です。人気の高い優良物件は、公開されてから数時間、場合によっては数十分で申し込みが入ってしまうことも少なくありません。プッシュ通知を活用すれば、こうした競争率の高い物件の情報を誰よりも早くキャッチし、問い合わせや内見予約といった次のアクションへ迅速に移れます。これは、Webサイトにはない、アプリならではの決定的な強みと言えるでしょう。
さらに、スマートフォンに最適化された操作性(UI/UX)もアプリの魅力です。スワイプ操作で次々と物件写真を閲覧したり、直感的なタップ操作でお気に入り登録ができたりと、ストレスなくサクサクと物件探しを進められるように設計されています。GPS機能と連携し、「現在地周辺の物件を検索する」といった使い方ができるのも、外出先で「この街、住みやすそうだな」と感じたときにすぐ調べられる便利な機能です。
対して、Webサイトの強みは「情報量の多さ」と「比較検討のしやすさ」にあります。
特にPCの大きなモニターで閲覧する場合、複数の物件情報を一覧で表示させたり、複数のタブを開いて異なる物件の詳細ページを同時に見比べたりすることが容易です。間取り図や詳細な物件概要など、細かい情報をじっくりと読み込みたい場合には、スマートフォンの小さな画面よりもPCの方が適しています。
また、アプリのようにインストールする必要がないため、ストレージ容量を気にする必要もありません。試しに様々なサービスのサイトを見てみたい、という場合にも、ブラウザで検索してアクセスするだけなので手軽です。
このように、アプリとWebサイトにはそれぞれ得意な領域があります。どちらか一方が絶対的に優れているというわけではなく、両者の特性を理解し、自分のライフスタイルや部屋探しのフェーズに合わせて使い分けるのが最も賢い方法です。
例えば、以下のような使い分けが考えられます。
- 部屋探しの初期段階・日常的な情報収集: アプリを活用。通勤時間や休憩中などのスキマ時間に、どんな物件があるのかを気軽にチェック。希望条件を登録し、プッシュ通知で新着情報を逃さずキャッチする。
- 本格的な比較検討段階: PCのWebサイトを活用。アプリで見つけた気になる物件をいくつかピックアップし、PCの大画面で詳細スペックや周辺環境をじっくりと比較検討する。家族やパートナーに相談する際も、PC画面を共有する方がスムーズです。
結論として、現代の賃貸探しにおいて、アプリは欠かせないツールです。その手軽さと速報性は、良い物件と出会うチャンスを格段に広げてくれます。まずは気になったアプリをいくつかダウンロードしてみて、日常的に情報を集める習慣をつけましょう。そして、本気で比較したい物件が見つかったらPCのWebサイトで詳細を確認する、というハイブリッドな使い方が、理想の住まいを見つけるための最短ルートと言えるでしょう。
おすすめ賃貸アプリ比較一覧表
ここでは、本記事で後ほど詳しく紹介するおすすめの賃貸探しアプリ10選の主な特徴を一覧表にまとめました。各アプリがどのような強みを持っているのか、どんな人に向いているのかをひと目で比較できます。自分の希望や重視するポイントと照らし合わせながら、どのアプリから試してみるかの参考にしてください。
アプリ名 | 運営会社 | 掲載物件数の目安 | 特徴 | 主な機能 |
---|---|---|---|---|
SUUMO(スーモ) | 株式会社リクルート | 業界トップクラス | 圧倒的な物件数と知名度。検索機能が非常に豊富。 | 地図なぞり検索、通勤時間検索、パノラマ画像、オンライン内見 |
LIFULL HOME’S | 株式会社LIFULL | 業界トップクラス | 物件数に加え、おとり物件対策にも注力。住まいの情報コンテンツも充実。 | おとり物件対策、住みやすさスコア、家賃相場、オンライン内見 |
CHINTAI | 株式会社CHINTAI | 多数 | 一人暮らしや女性向けのコンテンツが豊富。雑誌由来の安心感。 | Woman.CHINTAI、一人暮らし向け特集、地図検索、動画 |
アットホーム | アットホーム株式会社 | 多数 | 地域密着型の不動産会社が多く加盟。掘り出し物が見つかる可能性。 | 加盟店数の多さ、こだわり検索、パノラマ・動画、オンライン相談 |
イエプラ | 株式会社エヌリンクス | 非公開 | チャットで相談が最大の特徴。深夜0時まで対応可能。 | チャット相談、深夜対応、プロからの物件提案、オンライン内見 |
goodroom | グッドルーム株式会社 | 約2万件(※) | デザイナーズ・リノベーション物件に特化。写真がおしゃれ。 | こだわり検索(無垢床など)、オリジナルリノベ「TOMOS」、コラム記事 |
スモッカ | 株式会社じげん | 多数 | 入居お祝い金(キャッシュバック)制度が特徴。 | 入居お祝い金、こだわり検索、特集コンテンツ |
エイブル(ABLE) | 株式会社エイブル | 約40万件(※) | 大手仲介会社直営。仲介手数料割引や学割など独自のサービス。 | 仲介手数料割引、学割、女性向けサービス、オンライン接客 |
CANARY(カナリー) | 株式会社カナリー | 多数 | 新着物件の速さが強み。シンプルな操作性。 | 新着物件の速報性、AIによる物件提案、シンプルなUI |
ミニミニ | 株式会社ミニミニ | 約15万件(※) | 大手仲介会社直営。敷金・礼金0の物件が豊富。 | 敷金礼金0物件、家具家電付き物件、進化したスーパー君 |
※物件数は常に変動します。また、各公式サイト等で公表されている数値を参考にしていますが、計測基準が異なる場合があるため、あくまで目安としてください。
この表を見ても分かる通り、一口に賃貸アプリと言っても、その個性は様々です。「とにかくたくさんの選択肢から選びたい」ならSUUMOやLIFULL HOME’S、「不動産会社に行く時間がない」ならイエプラ、「おしゃれな部屋に住みたい」ならgoodroom、といったように、自分の状況や理想の暮らしに合わせてアプリを選ぶことが重要です。次の章からは、それぞれのアプリの魅力をさらに詳しく掘り下げていきます。
おすすめの賃貸探しアプリ10選
ここからは、数ある賃貸アプリの中から厳選した10個のアプリについて、それぞれの特徴や強み、どんな人におすすめなのかを詳しく解説していきます。各アプリの公式サイトの情報をもとに、最新の機能やサービス内容を紹介しますので、ぜひ自分にぴったりのアプリを見つけるための参考にしてください。
① SUUMO(スーモ)
「賃貸探しといえばSUUMO」と言われるほど、圧倒的な知名度と人気を誇るのが、株式会社リクルートが運営する「SUUMO(スーモ)」です。テレビCMなどでもおなじみで、賃貸探しをするほとんどの人が一度は利用するであろう、まさに王道中の王道アプリと言えます。
SUUMOの最大の強みは、なんといってもその掲載物件数の多さです。全国各地の膨大な物件情報が集約されており、都市部から地方まで、あらゆるエリアで豊富な選択肢の中から部屋探しができます。「他のアプリでは見つからなかったけど、SUUMOには載っていた」というケースも多く、まずはSUUMOをダウンロードしておくのが部屋探しの基本セオリーとなっています。
物件数だけでなく、検索機能の充実度も業界トップクラスです。基本的な「沿線・駅」「市区町村」での検索はもちろん、「通勤・通学時間」を指定して検索できる機能は非常に便利です。例えば、「新宿駅まで30分以内」と設定すれば、路線をまたいで条件に合う駅の物件を自動でリストアップしてくれます。また、地図上で探したいエリアを指でなぞって指定できる「なぞって検索」は、土地勘のない場所で部屋を探す際に直感的にエリアを絞り込めるため重宝します。
こだわり条件も非常に細かく設定できます。「バス・トイレ別」「独立洗面台」「オートロック」といった基本的な条件はもちろん、「インターネット無料」「宅配ボックス」「リノベーション済み」「ペット相談可」など、ユーザーの多様なニーズに応える項目が網羅されています。
さらに、物件の魅力を多角的に伝える工夫も随所に見られます。多くの物件で360°パノラマ画像が用意されており、家にいながらにして内見しているかのような臨場感で部屋の隅々まで確認できます。不動産会社のスタッフとビデオ通話で物件を案内してもらえる「オンライン内見」に対応した物件も増えており、遠方に住んでいる人や忙しくて時間が取れない人にとって心強いサービスです。
【SUUMOがおすすめな人】
- 初めて賃貸探しをする人
- できるだけ多くの物件を比較検討したい人
- 特定の条件に強いこだわりがある人
- どのアプリを使えばいいか迷っている人
豊富な情報量と優れた機能性から、SUUMOは万人におすすめできるアプリです。まずはSUUMOで相場観を養い、自分の希望条件を固めていくのが効率的な部屋探しの第一歩と言えるでしょう。(参照:株式会社リクルート SUUMO公式サイト)
② LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)
SUUMOと並び、賃貸アプリ界の二大巨頭として知られるのが、株式会社LIFULLが運営する「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」です。こちらもテレビCMでおなじみで、総掲載物件数No.1を謳うなど(※産經メディックス調査)、SUUMOに勝るとも劣らない情報量を誇ります。
LIFULL HOME’Sが特に力を入れているのが、ユーザーの不安を取り除くための取り組みです。その代表例が「おとり物件」への対策です。おとり物件とは、すでに契約済みであるにもかかわらず集客目的で掲載され続けている物件のことで、ユーザーにとっては時間と労力の無駄につながる深刻な問題です。LIFULL HOME’Sでは、掲載情報の精度を維持するために専門チームがパトロールを行ったり、ユーザーからの情報提供を元に調査・是正勧告を行ったりと、業界を挙げてこの問題に真摯に取り組んでいます。
また、物件情報だけでなく、「街」に関する情報が充実しているのも大きな特徴です。各駅のページでは、専門家が街の特性を解説する「街紹介」や、実際にその街に住んでいる人の口コミを掲載。さらに、物件ごとに「洪水ハザードマップ」を確認できる機能もあり、安全性という観点からも住まいを検討できます。初めて住むエリアを検討する際には、非常に参考になる情報源となるでしょう。
検索機能もユニークで、例えば「家賃相場」機能を使えば、希望する沿線・駅や間取りの家賃相C場を簡単に調べることができます。これにより、自分の希望家賃が現実的かどうかを判断したり、相場より安い「掘り出し物物件」を見つけたりするのに役立ちます。
【LIFULL HOME’Sがおすすめな人】
- SUUMOと併用して、より多くの物件を見たい人
- おとり物件などの不誠実な情報に騙されたくない人
- 物件だけでなく、街の雰囲気や住みやすさも重視したい人
- 家賃相場を把握しながら堅実に部屋探しを進めたい人
膨大な物件数と、ユーザーに寄り添う誠実な姿勢がLIFULL HOME’Sの魅力です。SUUMOとLIFULL HOME’Sの2つを併用することで、国内の賃貸物件のほとんどをカバーできると言っても過言ではありません。(参照:株式会社LIFULL LIFULL HOME’S公式サイト)
③ CHINTAI(チンタイ)
「CHINTAI(チンタイ)」は、株式会社CHINTAIが運営する、長い歴史と高い知名度を持つ賃貸情報サービスです。元々は情報誌としてスタートしており、その頃からの安心感や信頼感を抱いているユーザーも少なくありません。
CHINTAIアプリの大きな特徴は、特に一人暮らしや女性の部屋探しに強い点です。例えば、女性向けのコンテンツとして「Woman.CHINTAI」という専門ページがあり、「女性の一人暮らし」に特化した物件特集や、セキュリティ面を重視した検索条件(オートロック、2階以上、管理人常駐など)が充実しています。防犯や暮らしやすさに関するコラム記事も豊富で、初めて一人暮らしをする女性にとって心強い味方となります。
もちろん、一人暮らし以外のユーザーにとっても使いやすい機能が満載です。物件検索では、地図をなぞってエリアを指定したり、複数の駅を同時に選択して検索したりと、直感的な操作が可能です。物件詳細ページでは、写真だけでなく動画が掲載されている物件も多く、部屋の広さや動線をよりリアルにイメージできます。
また、CHINTAIはエンターテインメントとのコラボレーションにも積極的で、人気タレントを起用したキャンペーンや、ユニークな特集企画を頻繁に実施しています。こうした取り組みが、部屋探しという行為に楽しさをプラスしてくれます。
【CHINTAIがおすすめな人】
- これから一人暮らしを始める学生や新社会人
- セキュリティ面を重視する女性
- 雑誌のような感覚で、楽しみながら部屋探しをしたい人
- 昔から知っている安心感のあるサービスを使いたい人
ターゲットを明確にしたコンテンツ展開と、長年培ってきた信頼性がCHINTAIの強みです。特に、初めての一人暮らしで不安を感じている方は、ぜひ一度使ってみることをおすすめします。(参照:株式会社CHINTAI CHINTAIネット公式サイト)
④ アットホーム
「アットホーム」は、アットホーム株式会社が運営する不動産情報サイト・アプリです。SUUMOやLIFULL HOME’Sが一般消費者向けの広告(BtoC)がメインであるのに対し、アットホームは不動産会社間の情報流通システム(BtoB)を祖業としており、加盟店数の多さが最大の特徴です。
全国の非常に多くの不動産会社がアットホームのネットワークに加盟しているため、特に地域に根差した中小の不動産会社が扱う、いわゆる「掘り出し物物件」が見つかりやすいと言われています。大手ポータルサイトには掲載されていない、その地域ならではの未公開物件に出会える可能性を秘めているのがアットホームの魅力です。
アプリの機能面でも、ユーザーの利便性を高める工夫が凝らされています。例えば、「アットホームであった!」というキャッチコピーの通り、ユーザーが見つけた理想の物件を保存しておくと、似たような条件の物件をプッシュ通知でお知らせしてくれる機能があります。これにより、自分の好みに合った物件を効率的に探し出せます。
また、パノラマ画像や動画が掲載されている物件も豊富で、部屋の内部を詳細に確認できます。不動産会社によってはオンラインでの相談や内見にも対応しており、店舗に足を運ぶことなく部屋探しのプロセスを進めることも可能です。
【アットホームがおすすめな人】
- 大手ポータルサイトでは良い物件が見つからなかった人
- 地域密着型の不動産会社が持つ、隠れた優良物件を探したい人
- 自分の住みたいエリアが決まっている人
- 加盟店数の多さという安心感を重視する人
大手ポータルサイトと併用することで、物件探しの網羅性をさらに高めることができます。特定のエリアでじっくり探したい場合には、アットホームが強力な武器になるでしょう。(参照:アットホーム株式会社 at home公式サイト)
⑤ イエプラ
「イエプラ」は、株式会社エヌリンクスが運営する、他とは一線を画すユニークな賃貸探しサービスです。その最大の特徴は、プロのスタッフとチャット形式でやり取りしながら部屋探しを進められる点にあります。
従来のアプリのように自分で検索条件を入力して探すのではなく、イエプラでは「新宿駅周辺で、家賃8万円以下の1K、バス・トイレ別がいいです」といったように、チャットで希望を伝えるだけ。すると、不動産の専門知識を持ったスタッフが、その条件に合った物件を提案してくれます。深夜0時まで営業しているため、仕事で帰りが遅い人でも、寝る前に布団の中から気軽に相談できるのが大きなメリットです。(参照:株式会社エヌリンクス イエプラ公式サイト)
このチャット形式には多くの利点があります。まず、不動産会社の店舗に行く時間がない、あるいは対面でのやり取りが苦手という人でも、気軽にプロに相談できます。また、自分では思いつかなかったようなエリアや、検索条件では見つけにくい「未公開物件」を提案してもらえる可能性もあります。
さらに、イエプラは不動産会社しか見ることのできないデータベース(REINSなど)にアクセスして物件を探してくれるため、SUUMOなどのポータルサイトには掲載されていない物件情報に出会えるチャンスがあります。おとり物件のチェックも徹底しており、安心して物件の提案を受けられるのも嬉しいポイントです。
気に入った物件が見つかれば、内見の予約から申し込みまで、すべてチャット上で完結させることができます。まさに、自分だけの専属エージェントがスマホの中にいるような感覚で部屋探しができる、次世代型のサービスと言えるでしょう。
【イエプラがおすすめな人】
- 仕事が忙しくて不動産会社に行く時間がない人
- 対面での接客が苦手、プレッシャーを感じる人
- 自分で物件を探すのが面倒だと感じる人
- プロの視点から、自分に合った物件を提案してほしい人
「探す」から「提案される」へ。部屋探しのスタイルを根本から変えたいと考えているなら、イエプラは非常に強力な選択肢となります。
⑥ goodroom(グッドルーム)
「goodroom(グッドルーム)」は、グッドルーム株式会社が運営する、おしゃれなデザイナーズ物件やリノベーション物件に特化した賃貸アプリです。「ふつうの賃貸じゃ、ものたりない。」というキャッチコピーが示す通り、画一的な間取りや内装ではない、こだわりのある暮らしを求めるユーザーから絶大な支持を得ています。
goodroomの最大の特徴は、掲載されている物件のクオリティと、その魅力を伝える写真の美しさにあります。スタッフが実際に物件を取材し、プロのカメラマンが撮影した写真が使われているため、部屋の雰囲気や光の入り方、素材の質感までリアルに伝わってきます。アプリを眺めているだけでも、理想の暮らしを想像してワクワクできるような、雑誌のような作り込みが魅力です。
検索機能もユニークで、「無垢床」「リノベーション」「TOMOS(goodroomオリジナルリノベーションブランド)」「眺めがいい」といった、暮らしの質を高めるためのこだわり条件が豊富に用意されています。一般的なポータルサイトでは埋もれてしまいがちな、個性的でデザイン性の高い物件を効率的に見つけることができます。
また、物件情報だけでなく、暮らしにまつわるコラムや読み物コンテンツも充実しています。おしゃれなインテリアの実例や、街の魅力を紹介する記事などを読んでいるうちに、自分の理想のライフスタイルがより明確になっていくでしょう。
【goodroomがおすすめな人】
- デザイナーズマンションやリノベーション物件に住みたい人
- 内装やデザインに強いこだわりがある人
- ありきたりな部屋ではなく、自分らしい個性的な空間を求めている人
- 部屋探し自体を、雑誌を読むように楽しみたい人
もしあなたが「家はただ寝るだけの場所ではなく、自分らしさを表現する空間だ」と考えるなら、goodroomは最高のパートナーになるはずです。(参照:グッドルーム株式会社 goodroom公式サイト)
⑦ スモッカ
「スモッカ」は、ライフメディアプラットフォーム事業を展開する株式会社じげんが運営する賃貸情報サイト・アプリです。SUUMOやLIFULL HOME’Sといった大手ポータルサイトの物件情報を横断的に検索できるのが特徴ですが、スモッカを唯一無二の存在にしているのが「入居お祝い金」制度です。
これは、スモッカ経由で問い合わせた物件に入居が決まると、最大で家賃1ヶ月分(上限5万円)のキャッシュバックがもらえるという画期的なサービスです。(※適用には条件があります)引越しには何かと物入りで、初期費用は少しでも抑えたいもの。このお祝い金は、新しい家具や家電の購入費用に充てることができ、ユーザーにとって非常に大きなメリットとなります。
なぜこのようなキャッシュバックが可能なのかというと、スモッカが不動産会社から受け取る広告料の一部をユーザーに還元しているからです。掲載されている物件情報は他のポータルサイトと同じでも、スモッカを通して契約するだけでお得になる可能性がある、という点が最大の強みです。
もちろん、アプリとしての基本的な機能も備わっています。検索機能や物件情報の見やすさも標準的で、ストレスなく利用できます。特に初期費用を抑えたいと考えているユーザーにとっては、まずチェックすべきアプリと言えるでしょう。
【スモッカがおすすめな人】
- 引越しの初期費用を少しでも安く抑えたい人
- お得なキャッシュバック制度に魅力を感じる人
- 複数のポータルサイトを横断して効率的に検索したい人
同じ物件を契約するなら、少しでもお得な方が良いに決まっています。賢く部屋探しを進めたい方は、スモッカの利用を検討してみてはいかがでしょうか。(参照:株式会社じげん スモッカ公式サイト)
⑧ エイブル(ABLE)
「エイブル(ABLE)」は、全国に店舗網を持つ大手不動産仲介会社、株式会社エイブルが自社で運営する公式アプリです。ポータルサイトとは異なり、不動産仲介会社が直接運営している点が最大の特徴です。
仲介会社直営アプリならではのメリットは数多くあります。まず、仲介手数料が家賃の半月分(税抜)と法律で定められた上限の半額であることが挙げられます。これは、初期費用を大幅に削減できる大きな魅力です。さらに、学生向けの「学割」や、女性スタッフが対応する「MAISON ABLE」など、独自のサービスも充実しています。
エイブルが管理する自社物件も多数掲載されており、他のサイトにはない独占情報に出会える可能性があります。また、問い合わせから内見、契約までの流れが非常にスムーズで、店舗スタッフとの連携が取りやすいのも強みです。アプリで気になった物件について、そのまま近くの店舗で詳しく話を聞く、といった連携がシームレスに行えます。
アプリの機能としても、希望条件を登録しておくと新着物件を通知してくれる機能や、地図からの検索、通勤時間での検索など、基本的な機能はしっかりと網羅されています。
【エイブルがおすすめな人】
- 仲介手数料を安く抑えたい人
- 学生や女性で、お得な割引や専門サービスを利用したい人
- 信頼できる大手不動産会社に一貫してサポートしてほしい人
- アプリでの検索と店舗での相談をスムーズに連携させたい人
ポータルサイトで広く探しつつ、エイブルのような仲介会社直営アプリで独自のサービスや物件をチェックする、という使い分けも効果的です。(参照:株式会社エイブル ABLE公式サイト)
⑨ CANARY(カナリー)
「CANARY(カナリー)」は、株式会社カナリーが運営する、比較的新しい賃貸アプリですが、その使いやすさと情報の速さで急速にユーザーを増やしています。元々は不動産会社向けの業務効率化システム(SaaS)を提供していた会社が開発したアプリであり、その知見が活かされています。
CANARYの最大の強みは、情報の鮮度、つまり新着物件の速報性です。不動産会社が物件情報を登録すると、リアルタイムに近い速さでアプリに反映される仕組みが構築されており、「他のアプリよりも早く新着情報が届く」と評判です。良い物件ほど早く埋まってしまう賃貸市場において、このスピード感は非常に重要です。
また、UI(ユーザーインターフェース)が非常にシンプルで直感的なことも特徴です。余計な広告や情報が少なく、物件探しに集中できる洗練されたデザインになっています。AI(人工知能)がユーザーの閲覧履歴やお気に入り登録の傾向を学習し、好みに合いそうな物件を自動で提案してくれる機能もあり、使えば使うほど自分に合ったアプリへと最適化されていきます。
複数の不動産会社に一括で問い合わせができる機能もあり、個別に連絡する手間を省けます。効率性とスピードを重視する現代のユーザーニーズにマッチした、スマートな賃貸アプリと言えるでしょう。
【CANARYがおすすめな人】
- 誰よりも早く新着物件の情報をキャッチしたい人
- シンプルでサクサク動く、操作性の良いアプリを使いたい人
- AIによる物件提案など、最新のテクノロジーを活用したい人
- 効率的に部屋探しを進めたい、タイムパフォーマンスを重視する人
情報過多なポータルサイトに疲れを感じている方や、スピード勝負で優良物件を狙いたい方は、CANARYを試す価値が大いにあります。(参照:株式会社カナリー CANARY公式サイト)
⑩ ミニミニ
「ミニミニ」もまた、全国展開する大手不動産仲介会社、株式会社ミニミニが運営する公式アプリです。エイブルと同様、仲介会社直営ならではのサービスが魅力です。
ミニミニの代名詞とも言えるのが、「敷金・礼金0円(ゼロ・ゼロ)」の物件を豊富に取り扱っている点です。初期費用の中でも大きなウェイトを占める敷金と礼金が不要な物件は、引越し費用を劇的に抑えたいユーザーにとって非常に魅力的です。
さらに、家具・家電付きの物件も多く取り扱っています。ベッドや冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジなどが備え付けられているため、新しく買い揃える必要がなく、身軽に新生活をスタートできます。初めての一人暮らしや、短期の単身赴任などには最適な選択肢と言えるでしょう。
ミニミニが自社で管理している「進化したスーパー君」というオリジナルブランド物件も多数あり、入居者のニーズに合わせてデザインや設備が工夫されています。こうした独自物件はミニミニでしか探せないため、他のアプリと併用する価値は十分にあります。
【ミニミニがおすすめな人】
- とにかく初期費用を安く抑えたい人
- 敷金・礼金0円の物件を探している人
- 家具や家電を新しく購入したくない人
- 初めての一人暮らしや単身赴任で、手軽に引越しを済ませたい人
「初期費用をとことん抑える」という明確な目的があるなら、ミニミニは間違いなくチェックすべきアプリです。(参照:株式会社ミニミニ ミニミニ公式サイト)
目的別のおすすめ賃貸アプリ
ここまで10個のアプリを個別に紹介してきましたが、ここでは「自分の目的を達成するためには、どのアプリを使えば良いのか?」という視点から、おすすめのアプリを改めて整理します。自分のニーズに合ったアプリを組み合わせることで、部屋探しの効率は格段に向上します。
物件数の多さで選びたい人向け
「とにかくたくさんの選択肢の中から、じっくり比較検討して最高の部屋を見つけたい」という、王道の探し方をしたい方には、掲載物件数が豊富な大手ポータルサイトのアプリが最適です。
- SUUMO(スーモ): 業界最大級の物件数を誇り、全国どこでも豊富な選択肢を提供。まずはこのアプリから始めるのが基本です。
- LIFULL HOME’S(ライフルホームズ): SUUMOと双璧をなす物件数。両方を併用することで、国内の賃貸物件のほとんどを網羅できます。
- アットホーム: 上記2つとは異なる不動産会社の加盟網を持ち、地域密着型の物件情報に強い。大手ポータルサイトで見つからない掘り出し物に出会える可能性があります。
これらのアプリを複数利用することで、情報の見逃しを防ぎます。 例えば、SUUMOをメインで使いつつ、LIFULL HOME’Sとアットホームで補完的に検索することで、物件探しの網羅性は最大化されるでしょう。特に住みたいエリアが決まっている場合は、そのエリアに強い不動産会社が加盟しているアットホームで、思わぬ優良物件が見つかることも少なくありません。
チャットで気軽に相談したい人向け
「不動産会社に行く時間がない」「対面での営業が苦手」「自分に合った物件をプロに提案してほしい」と考えている方には、チャット形式で部屋探しができるアプリがおすすめです。
- イエプラ: チャット相談の先駆けであり、代表的なサービス。深夜0時まで対応可能で、忙しい人でも自分のペースで相談できます。不動産会社しか見られないデータベースから物件を探してくれるため、未公開物件の提案も期待できます。
チャット相談のメリットは、時間や場所に縛られずに専門家のアドバイスを受けられる点です。自分の希望をテキストで送るだけで、プロが条件に合った物件を複数提案してくれます。自分で延々と検索するのが面倒だと感じる方や、第三者の客観的な視点を取り入れたい方には最適な方法です。通勤時間や寝る前のリラックスタイムを活用して、効率的に部屋探しを進められます。
仲介手数料を安く抑えたい人向け
引越しには、家賃以外にも敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料、鍵交換費用など、多くの初期費用がかかります。「少しでも初期費用を抑えて、新生活の資金に余裕を持たせたい」という現実的なニーズに応えてくれるアプリも存在します。
- スモッカ: 入居が決まると最大5万円のお祝い金がもらえる制度があり、実質的に初期費用を削減できます。
- エイブル(ABLE): 仲介手数料が家賃の半月分(税抜)と、法律上の上限の半額です。
- ミニミニ: 「敷金・礼金0円」の物件を多数取り扱っており、初期費用を大幅に圧縮できます。
これらのアプリは、それぞれ異なるアプローチで初期費用の削減を実現しています。スモッカはキャッシュバック、エイブルとミニミニは仲介手数料や敷金・礼金そのものの割引・免除です。同じ物件でも、どのアプリ・不動産会社を経由して契約するかによって、支払う金額が変わる可能性があることを覚えておきましょう。気になる物件を見つけたら、これらのサービスで取り扱いがないか確認してみるのも賢い方法です。
おしゃれな部屋やこだわり条件で探したい人向け
「ありきたりの部屋では満足できない」「自分のライフスタイルを表現できる、デザイン性の高い空間に住みたい」という強いこだわりを持つ方には、特化型のアプリがぴったりです。
- goodroom(グッドルーム): デザイナーズ物件やリノベーション物件に特化。プロが撮影した美しい写真で、理想の暮らしをイメージしながら探せます。「無垢床」「コンクリート打ちっぱなし」など、こだわりの条件で絞り込めるのが魅力です。
もちろん、SUUMOやLIFULL HOME’Sといった総合型のアプリでも、「デザイナーズ」「リノベーション」といった条件で検索は可能です。しかし、goodroomは掲載されている物件そのものが厳選されているため、ノイズが少なく、感性に響く物件に効率的に出会える可能性が高いです。まずはgoodroomで理想のイメージを膨らませ、見つからなければ大手ポータルサイトでも探してみる、という使い方がおすすめです。
失敗しない賃貸アプリの選び方
数多くの賃貸アプリの中から、自分に最適なものを選ぶためには、いくつかの重要なチェックポイントがあります。ここでは、アプリ選びで失敗しないために押さえておくべき6つのポイントを詳しく解説します。
掲載物件数の多さ
部屋探しの基本は、できるだけ多くの選択肢の中から比較検討することです。そのため、アプリに掲載されている物件数の多さは、最も重要な指標の一つとなります。物件数が多ければ多いほど、自分の希望条件に合致する物件に出会える確率が高まります。
特に、SUUMOやLIFULL HOME’Sのような大手ポータルサイトのアプリは、全国を網羅する圧倒的な物件数を誇ります。まずはこうした情報量の多いアプリをベースにすることで、相場観を養ったり、自分の希望条件を整理したりする上で有利になります。
ただし、単純な総数だけでなく、「自分が住みたいエリアの物件が豊富かどうか」も重要です。全国の物件数が多くても、希望エリアの掲載が少なければ意味がありません。実際にアプリを使い、自分が探したい駅や市区町村で検索してみて、十分な数の物件がヒットするかを確認してみましょう。アットホームのように、特定の地域に強い不動産会社が多く加盟しているアプリが、希望エリアでは強みを発揮するケースもあります。
検索機能の充実度
理想の物件にたどり着くためには、膨大な情報の中から効率的に候補を絞り込む必要があります。そこで重要になるのが、検索機能の使いやすさと充実度です。
基本的な「沿線・駅」「エリア」「家賃」「間取り」での検索はどのアプリでも可能ですが、差がつくのは「こだわり条件」の豊富さです。
- 設備関連: バス・トイレ別、独立洗面台、温水洗浄便座、システムキッチン、追い焚き機能、浴室乾燥機、宅配ボックス、オートロック、TVモニター付インターホン
- 物件の特性: 2階以上、角部屋、南向き、ペット相談可、楽器相談可、二人入居可、事務所利用可
- 費用関連: 敷金・礼金なし、保証人不要、インターネット無料、フリーレント(一定期間家賃無料)
これらの条件を細かく指定できるアプリほど、自分のライフスタイルにぴったり合った物件を効率的に見つけ出せます。
さらに、「通勤時間検索」や「地図なぞり検索」といったユニークな検索機能も、部屋探しの効率を大きく左右します。特に複数の路線が利用可能なエリアで探す場合、通勤時間で絞り込める機能は非常に便利です。自分がどの機能を重視するのかを考えながら、アプリの検索画面を実際に触ってみることをおすすめします。
アプリの操作性の良さ
賃貸アプリは、一度ダウンロードしたら引越しが決まるまで、ほぼ毎日使うことになるかもしれません。だからこそ、ストレスなく直感的に操作できるか(UI/UXの良さ)は非常に重要です。
- 動作はサクサク軽いか?:ページの読み込みが遅い、すぐにフリーズするといったアプリは使う気になれません。
- 物件写真は見やすいか?:スワイプでスムーズに写真を切り替えられるか、拡大・縮小はしやすいか。
- お気に入り登録は簡単か?:気になった物件をワンタップで保存できるか、後から見返しやすいか。
- 文字やレイアウトは読みやすいか?:情報が整理されていて、視覚的に理解しやすいデザインか。
これらの要素は、実際に使ってみないと分からない部分も多いです。複数のアプリをダウンロードしてみて、自分が「心地よい」と感じる操作感のアプリをメインに使うのが良いでしょう。どんなに高機能でも、使いにくければ宝の持ち腐れになってしまいます。
サポート体制の手厚さ
アプリはあくまで物件を探すためのツールであり、最終的には不動産会社とのやり取りが発生します。その際に、アプリ運営会社のサポート体制が手厚いかどうかも確認しておきたいポイントです。
例えば、アプリの使い方に関する問い合わせ窓口が用意されているか、トラブルが発生した際に迅速に対応してくれるか、といった点は重要です。イエプラのように、アプリ内で専門スタッフによるチャットサポートが受けられるサービスは、特に初心者にとって心強い存在です。
また、LIFULL HOME’Sのように「おとり物件」の通報制度やパトロールを強化しているアプリは、運営会社がユーザー保護に真摯に取り組んでいる証拠であり、信頼性が高いと言えます。運営会社の企業姿勢や、ユーザーに寄り添う仕組みがあるかどうかも、アプリ選びの一つの基準になります。
口コミや評判の良さ
実際にそのアプリを使ったユーザーの生の声は、非常に参考になります。App StoreやGoogle Playのレビューを確認し、他のユーザーがどのような評価をしているかをチェックしてみましょう。
その際、星の数(総合評価)だけを見るのではなく、具体的なレビュー内容に目を通すことが重要です。
- 高評価のレビュー: どのような点(機能、操作性、物件の質など)が評価されているのかを確認します。
- 低評価のレビュー: どのような不満点(バグ、広告の多さ、おとり物件の存在など)が挙げられているのかを把握します。特に、低評価のレビューに対して運営会社が誠実に返信しているかどうかも、その会社の姿勢を見る上で参考になります。
ただし、口コミはあくまで個人の感想であり、中には偏った意見や不正確な情報も含まれる可能性があることを念頭に置き、複数のレビューを総合的に判断することが大切です。
おとり物件の少なさ
「おとり物件」とは、実際には契約できない架空の物件や契約済みの物件を掲載し、来店を促すための不当な広告のことです。せっかく良い物件を見つけて問い合わせても、「たった今決まってしまいました」と言われ、別の物件を勧められる…といったケースは、ユーザーにとって大きな時間と労力の損失です。
このおとり物件が少ない、または対策に力を入れているアプリを選ぶことは、ストレスのない部屋探しのために非常に重要です。
- LIFULL HOME’S: 掲載情報の正確性を保つための専門チームによるパトロールや、ユーザーからの通報制度を設けています。
- イエプラ: そもそも不動産会社専用のデータベースから物件を提案するため、おとり物件が紛れ込む余地が極めて少ないです。
- 仲介会社直営アプリ(エイブル、ミニミニなど): 自社で管理・募集している物件が中心のため、情報の鮮度が高く、おとり物件の心配が少ない傾向にあります。
アプリを選ぶ際には、こうしたおとり物件対策への取り組みについても、公式サイトなどで確認してみることをおすすめします。
賃貸アプリを利用する3つのメリット
なぜ今、多くの人が賃貸アプリを使って部屋探しをするのでしょうか。そこには、従来の探し方にはなかった、アプリならではの大きなメリットが存在します。ここでは、賃貸アプリを利用する3つの主要なメリットを解説します。
① 時間や場所を選ばずに物件を探せる
賃貸アプリを利用する最大のメリットは、スマートフォンさえあれば、いつでもどこでも部屋探しができることです。
かつては、不動産会社の営業時間内に店舗へ足を運び、ファイルに綴じられた物件情報を見せてもらうのが一般的でした。しかし、仕事や学業で忙しい現代人にとって、平日の昼間に時間を確保するのは容易ではありません。
賃貸アプリがあれば、こうした時間や場所の制約から解放されます。
- 通勤・通学の電車の中で
- 仕事のお昼休憩中に
- 家事の合間のちょっとした時間に
- 夜、ベッドに入ってから寝るまでのリラックスタイムに
このように、日常の「スキマ時間」をすべて部屋探しの時間として有効活用できます。思い立ったその瞬間にアプリを立ち上げ、新しい物件情報をチェックしたり、保存したお気に入り物件を見返したりできる手軽さは、Webサイトにも勝るアプリならではの強みです。この利便性の高さが、忙しい中でも効率的に理想の住まい探しを進めることを可能にします。
② 新着物件の通知をすぐに受け取れる
賃貸市場において、スピードは非常に重要です。特に、家賃が手頃で立地が良く、設備も整っているような「優良物件」は、公開されると同時に多くの人から問い合わせが殺到し、すぐに申し込みが入ってしまいます。のんびり探していては、こうした人気の物件に出会うチャンスを逃してしまうかもしれません。
ここで絶大な効果を発揮するのが、多くの賃貸アプリに搭載されている「プッシュ通知機能」です。
あらかじめ、「〇〇線 〇〇駅」「家賃〇万円以下」「間取り1K」「バス・トイレ別」といった希望条件をアプリに保存しておきます。すると、その条件にマッチする新しい物件がシステムに登録された瞬間に、スマートフォンのホーム画面に通知が届きます。
この機能により、自分で毎日アプリを開いて検索しなくても、条件に合う物件の登場をリアルタイムで知ることができます。通知が来たらすぐに詳細を確認し、魅力的だと感じれば即座に問い合わせのアクションを起こせるため、他の人よりも一歩先んじることが可能です。この速報性は、競争の激しい物件探しにおいて、決定的なアドバンテージとなり得ます。
③ 気になる物件を簡単に比較・検討できる
部屋探しを進めていくと、複数の候補物件が出てきます。「A物件は駅に近いけど家賃が少し高い、B物件は少し駅から遠いけど部屋が広くて安い…」といったように、それぞれの物件に一長一短があるため、じっくり比較検討するプロセスが不可欠です。
賃貸アプリには、この比較検討をサポートするための便利な機能が備わっています。
その代表が「お気に入り機能」です。気になった物件をハートマークや星マークでタップするだけで、専用のリストに簡単に保存できます。これにより、後からいつでも見返すことができ、物件同士の比較が容易になります。スクリーンショットを撮ってスマートフォンの写真フォルダに保存する方法もありますが、アプリのお気に入り機能を使えば、家賃や間取りといった基本情報も一覧で確認できるため、はるかに効率的です。
アプリによっては、お気に入りリスト内でフォルダ分けができたり(例:「第一候補」「内見予定」など)、物件にメモを追加できたりする機能もあります。さらに、お気に入りリストを家族やパートナーと共有できる機能を持つアプリもあり、二人以上で部屋探しをする際に意見交換がスムーズに行えます。
このように、情報を整理し、じっくりと吟味するための機能が充実している点も、賃貸アプリの大きなメリットと言えるでしょう。
賃貸アプリを利用する2つのデメリット
賃貸アプリは非常に便利で強力なツールですが、万能ではありません。利用する上で知っておくべきデメリットや注意点も存在します。ここでは、代表的な2つのデメリットを正直に解説し、その対策についても触れていきます。
① おとり物件が掲載されている場合がある
賃貸アプリを利用する上で、最も注意すべきデメリットが「おとり物件」の存在です。おとり物件とは、前述の通り、実際には契約することができないにもかかわらず、集客目的で掲載され続けている物件のことです。具体的には、以下のようなケースが該当します。
- 成約済み物件: すでに他の人が契約を済ませているのに、掲載を取り下げていない。
- 架空物件: そもそも存在しない好条件の物件を捏造して掲載している。
- 募集意思のない物件: 物件自体は存在するが、大家さんの意向で現在は募集していない。
こうしたおとり物件に気づかず問い合わせをしてしまうと、「申し訳ありません、その物件はたった今決まってしまいまして…」と言われ、別の物件を勧められることになります。これは、ユーザーの期待を裏切るだけでなく、貴重な時間と労力を無駄にする行為であり、宅地建物取引業法で禁止されている不当表示です。
残念ながら、多くの物件情報が集まる大手ポータルサイトでは、おとり物件を100%排除することが難しいのが現状です。
【対策】
- 相場より著しく条件が良い物件は疑う: 周辺の同じような物件と比べて、家賃が異常に安い、礼金・敷金がゼロでフリーレントまで付いているなど、あまりにも好条件すぎる場合は注意が必要です。
- 情報の鮮度を意識する: LIFULL HOME’Sの「情報更新日」などをチェックし、長期間更新されていない物件は避けるのが無難です。
- おとり物件対策に力を入れているアプリを選ぶ: 「失敗しない賃貸アプリの選び方」でも触れたように、LIFULL HOME’Sやイエプラ、仲介会社直営アプリなどを活用するのも有効な対策です。
- 問い合わせ時に確認する: 「この物件は現在も内見・申し込み可能ですか?」とストレートに確認しましょう。返答が曖昧な場合は注意が必要です。
おとり物件の存在をあらかじめ認識し、冷静に見極める目を持つことが、アプリ利用のストレスを減らす鍵となります。
② 実際の部屋の雰囲気が分かりにくい
賃貸アプリに掲載されている写真や間取り図、パノラマ画像、動画は、物件の概要を把握する上で非常に役立ちます。しかし、画面越しに得られる情報には限界があるということも忘れてはなりません。
デジタル情報だけでは伝わりにくい、あるいは意図的に伝えられていない重要な要素が数多く存在します。
- 日当たり: 写真は明るく加工されている可能性があります。時間帯による日の入り方の違いは、実際にその場に行かないと分かりません。
- 騒音・周辺環境: 線路や幹線道路からの騒音、近隣の工事の音、隣人や上階の生活音などは、写真では分かりません。また、周辺にどのような施設があるか(スーパー、コンビニ、飲食店、病院など)も、自分の足で歩いて確認することが重要です。
- 臭い: カビ臭さ、タバコの臭い、排水溝の臭いなど、嗅覚に関する情報は現地でしか確認できません。
- 細かな傷や汚れ: 写真では綺麗に見えても、実際には壁紙の剥がれやフローリングの傷などが目立つ場合があります。
- 広さの感覚: 間取り図の畳数表記だけでは、天井の高さや梁の有無による圧迫感など、実際の体感的な広さは分かりにくいものです。
【対策】
このデメリットに対する唯一かつ絶対の対策は、「必ず内見(内覧)をすること」です。アプリはあくまで候補物件を絞り込むためのツールと割り切り、最終的な契約の判断は、必ず自分の目で現地を確認してから行いましょう。オンライン内見も便利ですが、可能であれば一度は現地に足を運び、五感で部屋の状態や周辺環境を確かめることが、入居後の「こんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐ最も確実な方法です。
賃貸アプリで理想の物件を見つけるコツ
便利な賃貸アプリも、ただ漠然と使っているだけではその真価を発揮できません。ここでは、アプリを最大限に活用し、数多くの物件の中から理想の一部屋を見つけ出すための、より実践的な5つのコツを紹介します。
複数のアプリを併用する
最も基本的かつ効果的なコツが、複数の賃貸アプリをダウンロードして併用することです。一つのアプリだけに絞ってしまうと、情報が偏ってしまい、思わぬ掘り出し物を見逃すリスクがあります。
アプリによって、以下のような違いがあるからです。
- 掲載物件の違い: SUUMOにしか載っていない物件、アットホームでしか見つけられない地域密着型の物件、ミニミニの敷金礼金0の独自物件など、アプリごとに得意な領域や独占情報があります。
- 機能性の違い: 通勤時間検索が便利なアプリ、チャット相談ができるアプリ、お祝い金がもらえるアプリなど、機能やサービスも様々です。
おすすめの組み合わせは、「大手総合アプリ+特化型アプリ or 仲介会社直営アプリ」です。
例えば、
SUUMO
+LIFULL HOME'S
(網羅性を高める)SUUMO
+goodroom
(おしゃれな部屋も探したい)LIFULL HOME'S
+エイブル
(仲介手数料も抑えたい)SUUMO
+イエプラ
(自分で探しつつプロにも相談したい)
このように複数の視点を持つことで、より多角的に物件を探すことができ、理想の部屋に出会える確率が格段に上がります。
検索条件を少し広げてみる
理想の条件を追い求めるあまり、検索条件を厳しく設定しすぎていませんか?「完璧な物件」は、なかなか見つからないものです。もし検索結果が少ない、あるいは良い物件が見つからないと感じたら、設定した検索条件を少しだけ広げてみることを強くおすすめします。
- 「駅徒歩5分以内」 → 「駅徒歩7分以内」にしてみる。2分歩くだけで、家賃が下がり部屋が広くなる物件が見つかるかもしれません。
- 「家賃8万円以下」 → 「家賃8.2万円以下」にしてみる。管理費込みで考えると、結果的に安くなる物件が隠れている可能性があります。
- 「築10年以内」 → 「築15年以内」にしてみる。築年数が古くても、リノベーションされていて新築同様に綺麗な物件は数多く存在します。
すべての条件を満たす物件を探すのではなく、自分の中で「これだけは譲れない条件」と「妥協できる条件」の優先順位付けをすることが重要です。条件を少し緩和するだけで、これまで表示されなかった魅力的な物件が突如として現れることは、部屋探しではよくあることです。
気になる物件はすぐに問い合わせる
「これは良いかもしれない」と感じる物件を見つけたら、迷わず、すぐに問い合わせのアクションを起こしましょう。「もう少し考えてから…」「他ともっと比較してから…」と躊躇している間に、他の誰かに先を越されてしまう可能性があるからです。特に、条件の良い人気物件は競争率が高く、スピードが勝負を分けます。
問い合わせは、必ずしも内見の申し込みである必要はありません。「まだ募集中ですか?」「初期費用の概算を教えていただけますか?」といった、簡単な質問からでも大丈夫です。問い合わせをすることで、不動産会社に「この物件に興味がある顧客」として認識してもらえます。
多くのアプリでは、物件詳細ページからワンタップで問い合わせフォームに移動できます。その際に、自分の名前や連絡先だけでなく、内見希望日時をいくつか候補として伝えたり、質問事項を具体的に記載したりすると、その後のやり取りがスムーズに進みます。
不動産会社の評判も確認する
賃貸アプリは物件を探す入り口ですが、実際に契約のやり取りをするのは、その物件を取り扱っている不動産会社(仲介会社)です。物件そのものが良くても、担当する不動産会社の対応が悪ければ、部屋探しのプロセス全体が不快なものになってしまいます。
気になる物件を見つけたら、その物件情報を提供している不動産会社の名前を確認し、評判を調べてみることをおすすめします。Googleマップでその会社の店舗名を検索すれば、ユーザーからの口コミや評価を確認できます。
- 良い口コミ: 「丁寧に対応してくれた」「親身に相談に乗ってくれた」など。
- 悪い口コミ: 「連絡が遅い」「しつこい営業をされた」「説明が不十分だった」など。
もちろん、口コミは個人の主観ですが、複数の人から同様の悪い評価が投稿されている場合は、注意が必要かもしれません。信頼できる不動産会社とパートナーシップを組むことが、満足のいく部屋探しにつながります。
必ず内見して最終確認する
アプリでどれだけ情報を集め、比較検討したとしても、それはあくまで机上の空論です。最終的な契約の意思決定は、必ず自分の足で現地を訪れ、内見をしてからにしましょう。これは、理想の物件探しにおける鉄則です。
内見時には、あらかじめチェックリストを用意していくと、確認漏れを防げます。
- 部屋の内部: 間取り、日当たり、コンセントの位置と数、収納の広さ、水回りの状態(水圧、臭い)、携帯の電波状況
- 共用部: エントランス、廊下、ゴミ置き場、駐輪場などの清掃状況や管理状態
- 周辺環境: 駅からの実際の距離と道のり(坂道、夜道の明るさなど)、スーパーやコンビニの場所、騒音や臭いの有無
自分の五感をフル活用し、「この部屋で毎日生活する自分」を具体的にイメージすることが重要です。少しでも違和感や不安があれば、その場で不動産会社の担当者に質問し、解消しておきましょう。この最後のひと手間が、入居後の後悔を防ぎ、心から満足できる新生活のスタートを可能にします。
賃貸アプリに関するよくある質問
最後に、賃貸アプリを利用する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。疑問点を解消し、安心してアプリでの部屋探しをスタートさせましょう。
賃貸アプリは無料で使えますか?
はい、ほとんどの賃貸アプリは、ダウンロードから物件の検索、問い合わせまで、すべて無料で利用できます。
アプリの運営会社は、ユーザーからではなく、物件情報を掲載する不動産会社から広告料を受け取ることで収益を得ています。そのため、ユーザーは物件を探す段階では一切費用を支払う必要がありません。
ただし、注意が必要なのは、これはあくまで「アプリの利用」が無料であるということです。実際に物件を契約する際には、もちろん家賃や管理費のほかに、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料、鍵交換費用といった初期費用が発生します。 アプリが無料だからといって、引越し自体が無料でできるわけではないので、その点は混同しないようにしましょう。
おとり物件とは何ですか?見分ける方法は?
おとり物件とは、前にも述べた通り、集客目的で掲載されている「実際には契約できない物件」のことです。ユーザーからの問い合わせを獲得するために、意図的に魅力的な架空の物件や成約済みの物件を掲載し続ける悪質な手口です。
おとり物件に引っかからないためには、その特徴を知り、見分ける目を養うことが重要です。
【おとり物件の典型的な特徴・見分け方】
- 相場より家賃が異常に安い: 周辺の同程度の物件と比べて、明らかに安すぎる場合は要注意です。
- 好条件が重なりすぎている: 新築、駅徒歩1分、デザイナーズ、敷金礼金ゼロ、ペット可など、あり得ないほど好条件が揃っている。
- 物件の写真が少ない、または不鮮明: 内装の写真が1枚しかない、外観の写真だけ、画像が荒いといったケースは疑わしいです。
- 住所の詳細が最後まで明かされない: 「〇〇市〇〇町」までしか記載がなく、問い合わせても正確な場所を教えてくれない。
- 情報更新日が古い: 何週間も、あるいは何ヶ月も情報が更新されずに掲載され続けている。
これらの特徴に複数当てはまる場合は、おとり物件の可能性が高いと考えられます。問い合わせの際に「この物件は現在も紹介可能ですか?」と確認し、返答が曖вле昧だったり、来店をしきりに促されたりする場合は、深入りしないのが賢明です。
いつから物件探しを始めるのがベストですか?
物件探しを始めるタイミングは、早すぎても遅すぎてもうまくいきません。一般的に、入居したい日の1ヶ月半~2ヶ月前から探し始めるのがベストなタイミングと言われています。
- 早すぎる場合(3ヶ月以上前): 多くの物件は、入居者が退去する1ヶ月ほど前に募集が開始されます。あまり早く探し始めても、実際に住める物件はほとんど市場に出ていません。また、良い物件が見つかっても、大家さん側は空室期間を短くしたいため、長期間の予約(おさえ)はできないことがほとんどです。
- 遅すぎる場合(2週間前など): 気に入った物件が見つかっても、申し込み、審査、契約といった手続きには通常1~2週間かかります。内見のスケジュール調整も必要になるため、直前すぎると選択肢が狭まったり、慌てて妥協した物件を選んでしまったりする可能性があります。
物件探しは、時期によっても特徴があります。
- 1月~3月: 新生活を始める学生や社会人が多いため、物件数が最も多くなりますが、競争も最も激しくなります。
- 4月~8月: 引越しシーズンが落ち着き、物件数は少なくなりますが、競争が少ないため、じっくり探したり、家賃交渉がしやすくなったりする可能性があります。
- 9月~10月: 企業の転勤シーズンで、再び物件の動きが活発になります。
これらの時期的な特徴も考慮しつつ、自分の引越したい時期から逆算して、計画的に物件探しをスタートさせましょう。