佐賀県の賃貸物件おすすめサイト8選 家賃相場やエリア情報を紹介

佐賀県の賃貸物件おすすめサイト、家賃相場やエリア情報を紹介

佐賀県は、豊かな自然と歴史文化が共存し、福岡市や長崎市といった主要都市へのアクセスも良好な、暮らしやすい県として注目されています。比較的物価や家賃が安く、子育て支援も充実しているため、移住先や新生活の拠点として検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ佐賀県で賃貸物件を探そうと思っても、「どのサイトを使えばいいの?」「エリアごとの家賃相場は?」「自分のライフスタイルに合う街はどこだろう?」といった疑問や不安が出てくるものです。

この記事では、佐賀県での賃貸物件探しを全面的にサポートするため、おすすめの賃貸情報サイトから、エリア別の特徴、家賃相場、物件探しの流れ、契約時の注意点まで、網羅的に詳しく解説します。これから佐賀県で新しい生活を始める方が、最適な住まいを見つけるための羅針盤となることを目指しています。

佐賀県の賃貸物件探しにおすすめのサイト8選

佐賀県で理想の賃貸物件を見つけるためには、まず信頼できる情報源である賃貸情報サイトを効果的に活用することが第一歩です。ここでは、全国的に知名度の高い大手サイトから、地域に密着したサイトまで、それぞれ異なる特徴を持つ8つのプラットフォームを厳選して紹介します。各サイトの強みと弱みを理解し、自分の希望条件や探し方に合わせて使い分けることが、効率的な物件探しの鍵となります。

サイト名 特徴 こんな人におすすめ
SUUMO(スーモ) 圧倒的な物件掲載数と詳細な検索機能。独自の特集やコンテンツが豊富。 幅広い選択肢からじっくり比較検討したい人、物件探しの知識を深めたい人
LIFULL HOME’S(ライフルホームズ) 独自の物件評価スコアや多様な検索軸が魅力。問い合わせ可能な不動産会社数が多い。 客観的な視点で物件を評価したい人、複数の不動産会社に相談したい人
at home(アットホーム) 地域密着型の不動産会社が多く加盟。掘り出し物物件が見つかる可能性も。 大手サイトにはない地域限定の物件を探したい人、地元の不動産会社と繋がりたい人
CHINTAI シンプルで使いやすいインターフェース。女性向けの特集やコンテンツが充実。 スピーディーに物件を探したい人、女性の一人暮らしでセキュリティを重視する人
アパマンショップ 直営店・FC店が多く、店舗での相談がしやすい。キャンペーンが豊富。 オンラインだけでなく店舗で直接相談したい人、お得に契約したい人
いい部屋ネット 大東建託グループの物件が中心。築浅・設備充実の物件が多い。 新築や築浅、最新設備にこだわりたい人、品質の高い管理を求める人
エイブル 仲介手数料が家賃の半月分(税抜)。学生や新社会人向けのサポートが手厚い。 初期費用を少しでも抑えたい人、初めての一人暮らしで不安がある人
さが不動産ネット 佐賀県宅地建物取引業協会が運営。県内不動産会社の物件を網羅。 佐賀県に特化した情報だけを効率的に見たい人、信頼性を最も重視する人

① SUUMO(スーモ)

SUUMO(スーモ)は、株式会社リクルートが運営する、国内最大級の不動産情報サイトです。その最大の特徴は、なんといっても圧倒的な物件掲載数にあります。佐賀県内の物件も豊富に掲載されており、都市部から郊外まで、あらゆるエリア・条件の物件を網羅的に探すことが可能です。

検索機能も非常に優れており、「家賃」「間取り」「駅からの徒歩分数」といった基本的な条件はもちろん、「バス・トイレ別」「独立洗面台」「オートロック」「ペット相談可」といった細かいこだわり条件でも絞り込めます。さらに、「パノラマ・動画あり」でオンライン内見ができる物件や、「新築・築浅」特集など、ユーザーのニーズに合わせた探し方ができるのも魅力です。

また、物件情報だけでなく、「家賃相場」や「住みやすい街ランキング」、引越しのノウハウなど、住まい探しに役立つコンテンツが充実している点も強みです。これから物件探しを始める初心者が、情報収集をしながら自分の希望を固めていくのに最適なサイトと言えるでしょう。

一方で、掲載数が多いために、希望条件が曖昧だと情報過多になり、かえって物件を選びきれないと感じる可能性もあります。事前に「これだけは譲れない」という条件をいくつか決めてから検索を始めると、よりスムーズに理想の物件にたどり着けます。

参照:SUUMO公式サイト

② LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)

LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)は、株式会社LIFULLが運営する大手不動産情報サイトで、SUUMOと並ぶほどの豊富な物件情報を誇ります。HOME’Sの独自性は、多角的な視点から物件を探せる機能にあります。

例えば、「見える!賃貸経営」というサービスから派生した独自の「物件評価スコア」は、家賃の妥当性や将来性などをAIが分析し、物件を客観的に評価してくれるため、物件選びの一つの指標になります。また、「通勤・通学時間から探す」機能では、目的地までの所要時間を指定するだけで、条件に合うエリアの物件を複数提案してくれるため、土地勘のない方には非常に便利です。

さらに、掲載している不動産会社の数が非常に多いのも特徴です。これにより、同じ物件でも異なる不動産会社が扱っているケースがあり、初期費用やサービス内容を比較検討できる可能性があります。

コンテンツ面では、「住まいの窓口」という無料相談サービスを提供しており、専門アドバイザーに物件探しの悩みを対面やオンラインで相談できます。どのエリアに住むべきか、予算はどのくらいが妥当かなど、プロの意見を聞きたい場合に活用すると良いでしょう。SUUMO同様、情報量が多いため、自分なりの検索軸を持つことが重要になります。

参照:LIFULL HOME’S公式サイト

③ at home(アットホーム)

at home(アットホーム)は、不動産情報サービスとしては老舗の一つで、全国の不動産会社が加盟するネットワーク型のサイトです。大手ポータルサイトでありながら、特に地域に根差した中小の不動産会社が多く加盟している点が大きな特徴です。

これにより、SUUMOやHOME’Sといった大手サイトには掲載されていない、いわゆる「掘り出し物」の物件が見つかる可能性があります。特定のエリアに強い地元の不動産会社が、まだ公開していない未公開物件の情報を持っていることもあるため、地域密着型の物件探しをしたい場合には欠かせないサイトです。

サイトのデザインはシンプルで直感的に操作しやすく、物件写真が多く掲載されている傾向があるため、部屋の雰囲気を掴みやすいのも利点です。また、「不動産会社を探す」機能が充実しており、佐賀県内の特定の市町村に強い不動産会社を簡単に見つけることができます。気になるエリアの不動産会社に直接コンタクトを取り、希望を伝えて物件を提案してもらう、といった使い方も有効です。

ただし、全国規模の大手サイトと比較すると、サイト独自の特集コンテンツや読み物はやや少なめです。物件情報をストレートに探すことに特化したサイトと言えるでしょう。

参照:at home公式サイト

④ CHINTAI

CHINTAIは、その名の通り賃貸物件に特化した情報サイトで、長年の実績と知名度を誇ります。全体の物件数はSUUMOなどに一歩譲るものの、シンプルで分かりやすいインターフェースと、ターゲットを絞った特集に強みがあります。

特に、女性の一人暮らしを応援するコンテンツ「Woman.CHINTAI」は、セキュリティ面を重視した物件探しや、おしゃれなインテリアのアイデアなど、女性ならではの視点に立った情報が満載です。佐賀県内で初めて一人暮らしをする女子学生や新社会人にとっては、心強い味方となるでしょう。

検索機能も「沿線・駅から探す」「地図から探す」など基本的な機能は網羅しており、サクサクと軽快に操作できるため、スマートフォンでの物件探しにも適しています。急いで引越し先を見つけたい、あまり時間をかけずに候補を絞りたい、といったニーズにも応えてくれます。

一方で、詳細なこだわり条件の項目は他の大手サイトに比べて少ない場合があります。幅広い選択肢から細かく条件を設定して比較検討したいというよりは、ある程度希望が固まっている人がスピーディーに物件を見つけるのに向いているサイトです。

参照:CHINTAIネット公式サイト

⑤ アパマンショップ

アパマンショップは、全国に広がる店舗網を持つ大手不動産仲介会社であり、その公式サイトでも物件探しが可能です。最大の強みは、オンラインとオフライン(店舗)の連携がスムーズな点です。

サイトで気になる物件を見つけたら、そのまま最寄りのアパマンショップの店舗に来店予約をし、専門のスタッフに相談できます。佐賀県内にも複数の店舗を構えているため、土地勘のない方でも、地域の情報に詳しいスタッフから直接アドバイスを受けながら物件探しを進められます。

取り扱い物件は自社管理物件だけでなく、他の不動産会社が管理する物件(他社物)も紹介してくれるため、選択肢の幅も広いです。また、敷金・礼金0円の「ゼロゼロ物件」や、家具・家電付き物件など、初期費用を抑えたい人や手軽に新生活を始めたい人向けの物件特集も充実しています。定期的に実施されるキャッシュバックキャンペーンなども魅力の一つです。

注意点としては、あくまでアパマンショップという一つの不動産会社のサイトであるため、他のポータルサイトに比べて物件の網羅性では劣る可能性があります。複数のサイトと併用するのがおすすめです。

参照:アパマンショップ公式サイト

⑥ いい部屋ネット

いい部屋ネットは、大手ハウスメーカーである大東建託グループが運営する賃貸情報サイトです。そのため、掲載されている物件は大東建託が施工・管理する物件が中心となります。

大東建託の物件は、築年数が浅く、耐震性や防音性に優れた建物が多いのが特徴です。また、「オートロック」「浴室乾燥機」「インターネット無料」といった人気の設備が標準装備されていることも多く、質の高い住環境を求める人には非常に魅力的です。管理もグループ会社が一貫して行っているため、入居後のトラブル対応などもスムーズであると期待できます。

「DK SELECT」といったブランドを展開し、デザイン性の高い物件や、ライフスタイルに合わせた間取りの提案も積極的に行っています。佐賀県内でも、特に郊外のファミリー向け物件などで多くの供給があります。

デメリットとしては、取り扱い物件が大東建託グループ関連に偏るため、物件のバリエーションという点では他のポータルサイトに劣ります。「新築・築浅で設備の整った物件に住みたい」という希望が明確な場合に、特に力を発揮するサイトと言えるでしょう。

参照:いい部屋ネット公式サイト

⑦ エイブル

エイブルも全国に店舗を持つ大手の不動産仲介会社です。エイブルの最大のメリットは、仲介手数料が原則として家賃の0.5ヶ月分(+消費税)と法律で定められた上限の半額である点です。賃貸契約時の初期費用は大きな負担となるため、この差は非常に大きいと言えます。

学生や新社会人、女性の一人暮らしを応援するサービスも手厚く、「学割」や「女子割」といった独自の割引制度を用意している場合があります(実施状況は店舗にご確認ください)。佐賀大学や西九州大学周辺で物件を探す学生にとっては、有力な選択肢となるでしょう。

公式サイトでは、他のポータルサイトと同様に物件検索ができますが、やはり強みは店舗での対面サービスにあります。経験豊富なスタッフが、予算やライフスタイルに合わせた物件提案はもちろん、初期費用を抑えるための交渉などにも親身になって相談に乗ってくれます。

注意点として、仲介手数料が安い分、全ての物件を紹介してくれるとは限らないという声も聞かれます。しかし、初期費用を少しでも安く抑えたいという明確な目的がある場合には、最初に相談してみる価値のある不動産会社です。

参照:エイブル公式サイト

⑧ さが不動産ネット

「さが不動産ネット」は、公益社団法人佐賀県宅地建物取引業協会が運営する、佐賀県専門の不動産情報サイトです。県内の宅建協会に加盟している約800社の不動産会社が物件情報を登録しており、その信頼性と地域密着度は他の追随を許しません。

大手ポータルサイトには掲載されていないような、地元の不動産会社だけが持つ「隠れた優良物件」が見つかる可能性が最も高いサイトです。広告料がかからないため、不動産会社も気軽に物件を掲載しやすく、情報が新鮮であることも期待できます。

サイトの機能は大手サイトほど多機能ではありませんが、エリアや間取り、家賃といった基本的な条件でシンプルに検索できます。「佐賀県内の物件だけを、余計な情報なしで効率的に探したい」というニーズには最適です。また、運営元が公的な団体であるため、掲載されている情報や不動産会社に対する安心感は抜群です。

佐賀県への移住を検討しており、まだ土地勘がなく、信頼できる地元の不動産会社と繋がりたいと考えている方にとって、最初にチェックすべきサイトの一つと言えるでしょう。

参照:さが不動産ネット公式サイト

佐賀県の賃貸事情と住みやすさ

都会と自然のバランスが取れた暮らしやすい環境、福岡や長崎へのアクセスも良好な交通網、物価や家賃が比較的安く生活コストを抑えられる、子育て支援制度が充実している

物件探しを始める前に、まずは佐賀県がどのような場所なのか、その魅力や特徴を理解しておくことが大切です。住みやすさは、単に物件の良し悪しだけでなく、その土地の環境や文化、利便性など、様々な要素によって決まります。ここでは、佐賀県の賃貸事情と住みやすさについて、多角的に掘り下げていきます。

都会と自然のバランスが取れた暮らしやすい環境

佐賀県の最大の魅力は、県庁所在地である佐賀市でさえも、少し車を走らせれば広大な佐賀平野の田園風景が広がる、都会的な利便性と豊かな自然が絶妙なバランスで共存している点です。

佐賀市の中心部には、県庁や市役所、商業施設、オフィスビルが集積し、生活に必要なものは一通り揃います。しかし、そこから少し離れるだけで、穏やかな田園地帯やクリーク(水路)が織りなす美しい景観が広がっています。これにより、「普段の生活は便利に、休日は自然の中でリフレッシュ」という理想的なライフスタイルを実現しやすい環境です。

北部は玄界灘に面し、唐津市などを中心に美しい海岸線や景勝地が点在します。夏は海水浴やマリンスポーツを楽しむ人々で賑わいます。一方、南部は有明海に面し、日本一の干満差を誇る独特の干潟が広がっており、ムツゴロウなどの珍しい生き物が生息しています。

気候は全体的に温暖で、年間の平均気温は16℃前後。積雪も少なく、年間を通して過ごしやすいのが特徴です。豊かな自然の恵みを受けながらも、都市機能へのアクセスを失わない。この「ちょうどいい」暮らしやすさが、多くの人を惹きつける理由です。

福岡や長崎へのアクセスも良好な交通網

佐賀県は、九州の主要都市である福岡市と長崎市の中間に位置しており、交通の要衝としての役割も担っています。

【鉄道】
JR長崎本線と唐津線が県内の主要都市を結んでいます。

  • 佐賀駅から博多駅(福岡市)へは、特急かもめ・みどり・ハウステンボスを利用して約40分。通勤・通学圏内として十分に考えられる距離です。
  • 鳥栖駅は九州の鉄道のハブ駅であり、長崎本線と鹿児島本線が交差します。鳥栖駅から博多駅までは快速で約30分と、さらに福岡市へのアクセスが良いのが特徴です。
  • 2022年9月に開業した西九州新幹線により、武雄温泉駅から長崎駅までが約30分で結ばれ、長崎方面へのアクセスも格段に向上しました。

【高速道路】
長崎自動車道が県を東西に横断しており、車での移動も非常にスムーズです。

  • 佐賀大和ICから福岡ICまでは約45分、鳥栖JCTを経由して九州各地へアクセスできます。
  • 鳥栖JCTは、長崎自動車道、大分自動車道、九州自動車道が交わる九州の高速道路網の心臓部であり、週末のレジャーや帰省など、車での遠出に大変便利です。

このように、県内での生活の利便性に加え、近隣の大都市へ気軽にアクセスできる交通網の充実は、佐賀県の大きなアドバンテージです。福岡の商業施設でショッピングを楽しんだり、長崎の観光地を訪れたりといった、アクティブな休日を過ごすことも可能です。

物価や家賃が比較的安く生活コストを抑えられる

生活の基盤となる住居費や食費などの物価が安いことも、佐賀県の住みやすさを語る上で欠かせないポイントです。

総務省統計局が発表している「小売物価統計調査(構造編)」の2022年(令和4年)結果によると、消費者物価地域差指数(全国平均=100)において、佐賀県は97.2となっており、全国平均よりも物価水準が低いことが分かります。特に「住居」の項目は85.5と、家賃や住宅関連費用が全国的に見て非常に安い水準にあることが示されています。
参照:総務省統計局「2022年(令和4年)小売物価統計調査(構造編)調査結果」

この家賃の安さは、生活のゆとりに直結します。同じ家賃予算でも、福岡市内に比べてより広く、より新しい物件に住める可能性が高まります。例えば、福岡市内でワンルームの家賃で、佐賀市なら1LDKの物件が見つかる、といったケースも珍しくありません。

また、佐賀県は農業や漁業が盛んな「食材の宝庫」でもあります。佐賀牛や呼子のイカ、有明海の海苔、新鮮な野菜や果物などが、地元の直売所などで手頃な価格で手に入ります。食費を抑えながらも、質の高い豊かな食生活を送れるのは、佐賀暮らしの大きな喜びの一つです。このように、生活コスト全体を低く抑えられることは、特に若い世代や子育て世帯にとって大きなメリットとなります。

子育て支援制度が充実している

佐賀県は「子育てし大県“さが”」をスローガンに掲げ、県を挙げて子育て支援に力を入れています。これは、移住を検討するファミリー層にとって非常に心強いポイントです。

【医療費助成】
市町によって詳細は異なりますが、多くの場合、子どもの医療費(保険診療自己負担分)は、通院・入院ともに中学校卒業まで助成の対象となります。これにより、子どもの急な病気やケガの際にも、経済的な心配をせずに安心して医療機関を受診させることができます。

【保育サービス】
待機児童問題の解消にも積極的に取り組んでいます。保育所や認定こども園の整備を進めるとともに、地域子育て支援センターを県内各所に設置し、親子が気軽に集える場所や育児相談の機会を提供しています。

【独自の取り組み】

  • 「さが“食と農”絆づくりプロジェクト」: 食育に力を入れ、子どもたちが地域の農産物に触れる機会を創出しています。
  • 「子育て応援の店」事業: 協賛店舗で割引などのサービスが受けられるパスポートを配布し、社会全体で子育て世帯を応援する雰囲気づくりを進めています。
  • 「さが子育て応援アプリ」: 予防接種のスケジュール管理や、地域のイベント情報などを手軽に入手できるアプリを配信しています。

これらの充実した支援制度に加え、豊かな自然環境は、子どもたちがのびのびと育つ上で最高の遊び場となります。公園や広場も多く、都会の喧騒から離れた穏やかな環境で子育てをしたいと考える家庭にとって、佐賀県は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

参照:佐賀県庁「子育てし大県“さが”」公式サイト

佐賀県の家賃相場

賃貸物件を探す上で最も重要な要素の一つが家賃です。佐賀県は全国的に見ても家賃が安い傾向にありますが、エリアや間取りによってその相場は変動します。ここでは、主要なエリア別・間取り別に具体的な家賃相場を見ていきましょう。自分の予算と希望条件を照らし合わせるための参考にしてください。

※家賃相場は不動産市場の動向により常に変動します。ここに記載するデータは、大手不動産情報サイトの公表データを基にした2024年時点での目安です。

【エリア別】佐賀県の家賃相場

佐賀県内でも、利便性の高い都市部と郊外では家賃に差が見られます。ここでは、特に賃貸物件の需要が高い「佐賀市」「唐津市」「鳥栖市」「伊万里市」の4つのエリアの相場を比較します。

エリア ワンルーム/1K/1DK 1LDK/2K/2DK 2LDK/3K/3DK
佐賀市 4.1万円 5.5万円 6.4万円
唐津市 4.0万円 5.0万円 5.8万円
鳥栖市 4.3万円 5.7万円 6.5万円
伊万里市 3.8万円 4.8万円 5.5万円
参照:SUUMO、LIFULL HOME’S等の公開データ(2024年時点)を基に算出

佐賀市

県庁所在地である佐賀市は、県内で最も人口が多く、商業施設や行政機関が集中しているため、家賃相場も比較的高めです。特に佐賀駅周辺は、交通の便が良く、飲食店やショッピング施設も豊富なため人気が高く、相場を押し上げる要因となっています。しかし、それでも福岡市などの大都市圏と比較すれば格段に安価です。中心部から少し離れると、手頃な価格の物件も豊富に見つかります。単身者からファミリーまで、あらゆる層のニーズに応える物件が揃っているエリアです。

唐津市

県北部の中心都市である唐津市は、豊かな自然環境と歴史的な街並みが魅力です。佐賀市や鳥栖市に比べると家賃相場はやや低めになります。市内中心部やJR筑肥線の沿線は比較的人気がありますが、美しい海に近いエリアや、のどかな郊外ではさらに手頃な物件が見つかります。自然に囲まれたスローライフを送りながらも、ある程度の都市機能は確保したいという方におすすめです。

鳥栖市

福岡県との県境に位置し、交通の要衝である鳥栖市は、佐賀県内で最も家賃相場が高いエリアです。その理由は、JRや高速道路網による福岡市へのアクセスの良さにあります。博多まで電車で約30分という立地から、福岡市のベッドタウンとしての需要が非常に高く、それが家賃相場に反映されています。また、大型アウトレットモール「鳥栖プレミアム・アウトレット」があるなど、商業施設も充実しており、生活の利便性も非常に高いです。

伊万里市

「伊万里焼」で知られる伊万里市は、歴史と文化が息づく落ち着いた街です。今回比較した4市の中では、最も家賃相場が低い傾向にあります。交通の便や商業施設の集積度では他の市に劣る面もありますが、その分、静かで落ち着いた生活環境を求める人には最適です。広い間取りの物件でも手頃な家賃で見つけやすく、コストパフォーマンスを重視するファミリー層などには魅力的なエリアと言えるでしょう。

【間取り別】佐賀県の家賃相場

次に、佐賀県全体で見た場合の間取り別の家賃相場を確認します。ライフステージや同居する人数によって、必要な間取りは変わってきます。

間取り 佐賀県全体の家賃相場 主な入居者層
ワンルーム・1K・1DK 3.5万円 ~ 4.5万円 学生、新社会人、単身赴任者
1LDK・2K・2DK 4.8万円 ~ 6.0万円 カップル、新婚夫婦、荷物の多い単身者
2LDK・3K・3DK 5.5万円 ~ 7.0万円 子育て世帯(子ども1~2人)、ルームシェア

ワンルーム・1K・1DK

学生や社会人の一人暮らしに最も選ばれるタイプの間取りです。佐賀県では3万円台後半から4万円台前半が相場の中心となり、非常に手頃な価格帯です。ワンルームはキッチンと居室が一体型、1Kは仕切られているタイプ、1DKは食事スペース(ダイニングキッチン)が確保できる広さがあります。築年数や駅からの距離、設備の充実度によって家賃は変動しますが、予算を抑えたい単身者にとっては選択肢が豊富にあります。

1LDK・2K・2DK

カップルや新婚世帯、あるいは趣味のスペースや仕事部屋を確保したい単身者に人気の間取りです。LDKはリビング・ダイニング・キッチンが一体となった広い空間があり、現代的なライフスタイルにマッチします。2Kや2DKは部屋数が2つあるため、寝室と居室を分けたい場合に適しています。佐賀県では5万円台が中心的な価格帯となり、この家賃で広い居住空間を確保できるのは大きな魅力です。

2LDK・3K・3DK

ファミリー層に最も需要がある間取りです。子ども部屋や夫婦の寝室、リビングを確保できます。佐賀県は持ち家率が高い傾向にありますが、賃貸のファミリー向け物件も豊富に供給されています。家賃相場は5万円台後半から7万円程度で、都市部では考えられないほどのコストパフォーマンスを実現できます。特に郊外では、駐車場付きでこの価格帯の物件が多く見つかります。車社会である佐賀県において、駐車場代込みでこの家賃水準は、子育て世帯にとって大きな助けとなるでしょう。

家賃相場を把握することは、無理のない予算計画を立て、効率的に物件を探すための第一歩です。これらの相場を基準に、自分の希望エリアや間取りの物件情報をチェックしてみましょう。

ライフスタイル別!佐賀県のおすすめエリア

佐賀県と一言で言っても、エリアによって街の雰囲気や特徴は大きく異なります。どこに住むかを決めることは、今後の生活の質を左右する重要な選択です。ここでは、代表的な4つのエリアを挙げ、それぞれのライフスタイルに合わせたおすすめポイントを紹介します。

利便性を求めるなら県庁所在地の「佐賀市」

「仕事もプライベートもアクティブに、便利な暮らしを送りたい」という方には、県庁所在地の佐賀市が断然おすすめです。

佐賀市は、県の行政・経済・文化の中心地です。佐賀駅周辺には、デパートやショッピングモール「サガハツ」、飲食店街が集積しており、買い物や外食に困ることはありません。県庁や市役所などの官公庁も集中しているため、各種手続きにも便利です。

市内には佐賀大学があり、若者向けの活気あるエリアも存在します。一方で、少し中心部を離れると閑静な住宅街が広がっており、落ち着いた暮らしも可能です。市内を走るバス路線網も発達しているため、車がなくても比較的移動しやすいのも特徴です。

また、佐賀市は「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が開催されることでも有名で、秋には色とりどりの熱気球が空を彩る幻想的な風景が楽しめます。歴史的な名所としては、佐賀城公園や大隈重信記念館などがあり、文化的な散策も楽しめます。

単身者からファミリーまで、あらゆる世代が快適に暮らせるバランスの取れた街、それが佐賀市です。

交通のハブで買い物も便利な「鳥栖市」

「福岡へのアクセスを最優先したい」「休日はショッピングを楽しみたい」という方には、鳥栖市が最適です。

鳥栖市は佐賀県の東端に位置し、福岡県に隣接しています。前述の通り、JR鹿児島本線と長崎本線が交わる鳥栖駅、そして九州の高速道路網の結節点である鳥栖JCTを擁する「交通の要衝」です。JR鳥栖駅から博多駅までは快速で約30分、特急なら20分強で到着するため、福岡市内に通勤・通学する人々のベッドタウンとして絶大な人気を誇ります。

生活の利便性も非常に高く、九州最大級のアウトレットモール「鳥栖プレミアム・アウトレット」や、大型商業施設「フレスポ鳥栖」があり、買い物環境は県内随一です。また、Jリーグ・サガン鳥栖のホームスタジアムがあり、サッカーファンにとっては試合観戦が身近な楽しみになります。

福岡に近い利便性から家賃相場は県内で最も高いですが、それでも福岡市内で同条件の物件を探すよりは安く抑えられます。利便性とコストのバランスを重視するアクティブな単身者やカップルにぴったりのエリアです。

海と自然に囲まれて暮らしたいなら「唐津市」

「都会の喧騒から離れて、海や山の自然を感じながら暮らしたい」という方には、唐津市がおすすめです。

唐津市は佐賀県の北西部に位置し、風光明媚な玄界灘に面しています。国の特別名勝である「虹の松原」や、日本の渚百選にも選ばれた美しいビーチが広がり、サーフィンや釣りなどのマリンアクティビティの拠点として人気があります。

中心市街地には、唐津城がそびえ立ち、歴史を感じさせる城下町の風情が残っています。秋にはユネスコ無形文化遺産にも登録された「唐津くんち」が開催され、街は熱気に包まれます。また、新鮮な海の幸が豊富で、特に「呼子のイカ」は全国的に有名です。地元の食材を活かした美味しい料理を日常的に楽しめるのも魅力です。

福岡市へはJR筑肥線で直通アクセスが可能で、天神や博多まで乗り換えなしで行ける便もあります。自然豊かな環境でのびのびと子育てをしたいファミリーや、趣味の時間を大切にしたい方、リモートワークをしながら穏やかな生活を送りたい方に理想的なスローライフを提供してくれる街です。

伝統文化と静かな暮らしを求めるなら「伊万里市・有田町」

「歴史や伝統工芸に触れながら、静かで落ち着いた日々を送りたい」という方には、伊万里市や有田町がぴったりです。

このエリアは、世界的に有名な磁器「伊万里・有田焼」の産地として知られています。伊万里市の大川内山には、かつての鍋島藩窯の地が広がり、石畳の道やレンガ造りの煙突が独特の景観を作り出しています。有田町には、数多くの窯元やギャラリーが軒を連ね、毎年ゴールデンウィークに開催される「有田陶器市」には全国から多くのやきものファンが訪れます。

このような伝統文化が根付いた街は、全体的に落ち着いた雰囲気が漂っています。派手な商業施設は少ないですが、その分、静かで治安の良い環境が保たれています。家賃相場も比較的安く、広い一戸建ての賃貸物件なども見つけやすい傾向にあります。

ものづくりに興味がある方や、創作活動に集中したいアーティスト、リタイア後の穏やかなセカンドライフを考えている方などにとって、心豊かな時間を過ごせる場所となるでしょう。日々の暮らしの中で、本物の伝統文化に触れられる贅沢がここにはあります。

佐賀県で賃貸物件を契約するまでの流れ6ステップ

住みたいエリアや希望条件を整理する、賃貸情報サイトや不動産会社で物件を探す、気になる物件があれば問い合わせ・内見予約をする、実際に物件を内見する、入居申し込みと入居審査、重要事項説明を受け、賃貸借契約を結ぶ

気に入ったエリアが見つかったら、次はいよいよ具体的な物件探しと契約のステップに進みます。賃貸契約は手続きが多く、初めての方には難しく感じるかもしれません。しかし、全体の流れを把握しておけば、スムーズに進めることができます。ここでは、物件探しから契約完了までの基本的な6つのステップを解説します。

① 住みたいエリアや希望条件を整理する

物件探しを始める前に、まずは自分や家族の希望を明確にすることが最も重要です。この最初のステップを丁寧に行うことで、その後のプロセスが格段に効率的になります。

  • エリア: 先述のエリア情報を参考に、どの市町村に住みたいか、駅やバス停からの距離はどのくらいまで許容できるかを決めます。通勤・通学時間や、周辺の環境(スーパー、病院、公園など)も考慮しましょう。
  • 家賃: 毎月の収入から、無理なく支払える家賃の上限を決めます。一般的に、家賃は手取り月収の3分の1以内が目安とされています。管理費や共益費も忘れずに含めて考えましょう。
  • 間取り: 一人暮らしか、二人暮らしか、家族で住むのか。ライフスタイルに合わせて必要な部屋数や広さを考えます。
  • こだわり条件: 「バス・トイレ別」「2階以上」「オートロック」「ペット可」「駐車場あり」など、絶対に譲れない条件と、できれば欲しい条件に優先順位をつけます。このリストが、物件を絞り込む際の強力な武器になります。

② 賃貸情報サイトや不動産会社で物件を探す

希望条件が固まったら、いよいよ物件探しをスタートします。主な探し方は2つです。

  • 賃貸情報サイト: SUUMOやLIFULL HOME’Sなどのポータルサイトを活用し、①で整理した条件を入力して検索します。気になる物件があれば、お気に入りに登録してリストアップしていきましょう。複数のサイトを併用することで、より多くの選択肢を得られます。
  • 不動産会社への訪問: 住みたいエリアにある不動産会社に直接訪問して相談するのも有効な方法です。特に「さが不動産ネット」などで見つけた地域密着型の不動産会社は、サイトに掲載されていない未公開物件の情報を持っていることがあります。プロの視点から、自分では思いつかなかったような物件を提案してくれることもあります。

③ 気になる物件があれば問い合わせ・内見予約をする

リストアップした物件の中から、特に「見てみたい」と思うものがいくつか見つかったら、その物件を扱っている不動産会社に連絡を取ります。

問い合わせ方法は電話やサイトの問い合わせフォームが一般的です。その際に、物件がまだ空いているか(申込が入っていないか)を確認しましょう。人気物件はすぐに埋まってしまうことがあります。

空きが確認できたら、内見(室内を見学すること)の予約をします。内見は物件の状態を直接確認できる非常に重要な機会です。複数の物件を同じ日に見学できるよう、効率的にスケジュールを組むのがおすすめです。不動産会社の担当者に希望の日時をいくつか伝え、調整してもらいましょう。

④ 実際に物件を内見する

予約した日時に不動産会社の担当者と待ち合わせをし、物件を実際に見学します。内見は、理想の住まいを見つけるための最終チェックの場です。図面や写真だけでは分からない部分を五感で確かめましょう。

  • 持ち物: メジャー、スマートフォン(写真撮影・メモ・方位磁石アプリ用)、筆記用具、物件の図面などがあると便利です。
  • チェックポイント: 日当たりの良さ、部屋の広さや天井の高さ、収納の容量、コンセントの位置と数、水回りの状態(水圧や臭い)、壁や床の傷など、細かくチェックします。(詳細は後述の「失敗しないための内見チェックポイント」で解説します)
  • 質問: 気になることがあれば、どんな些細なことでも担当者に質問しましょう。「隣や上下階の住人はどんな人か」「インターネット環境はどうか」「ゴミ出しのルールは」など、生活に関わることを具体的に聞くことが大切です。

⑤ 入居申し込みと入居審査

内見をして「この物件に住みたい!」と決めたら、不動産会社に入居の意思を伝えます。すると、「入居申込書」を渡されるので、必要事項を記入して提出します。

申込書には、氏名、住所、勤務先、年収、連帯保証人の情報などを記入します。この情報をもとに、大家さん(貸主)と家賃保証会社が「この人に部屋を貸しても問題ないか(家賃の支払い能力があるか)」を判断する「入居審査」が行われます。

審査にかかる期間は、通常2日~1週間程度です。この間、本人や勤務先、連帯保証人に確認の電話が入ることがあります。無事に審査を通過すると、不動産会社から連絡があり、契約手続きに進みます。

⑥ 重要事項説明を受け、賃貸借契約を結ぶ

審査通過後、契約日を決め、不動産会社で正式な契約手続きを行います。契約時には、宅地建物取引士から「重要事項説明」を受けます。これは、物件の設備や契約条件に関する非常に大切な説明です。

  • 重要事項説明: 家賃や支払い方法、契約期間、更新料の有無、禁止事項(ペット飼育、楽器演奏など)、退去時の原状回復に関するルールなど、契約内容を口頭で説明されます。分からない点は必ずその場で質問し、納得できるまで確認しましょう。
  • 契約書の署名・捺印: 説明内容に同意したら、賃貸借契約書に署名・捺印をします。
  • 初期費用の支払い: 敷金、礼金、仲介手数料などの初期費用を支払います。
  • 鍵の受け取り: 契約が完了し、入居日になったら物件の鍵を受け取ります。

これで一連の手続きは完了です。契約は法的な効力を持つため、内容を十分に理解しないまま署名・捺煙することは絶対に避けてください。

賃貸契約の前に知っておきたい初期費用

賃貸物件を契約する際には、毎月の家賃とは別に、契約時にまとまった「初期費用」が必要になります。この初期費用が予想以上にかかり、予算オーバーになってしまうケースも少なくありません。事前に何にどれくらいの費用がかかるのかを把握し、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。

一般的に、賃貸の初期費用は家賃の4~6ヶ月分が目安と言われています。例えば家賃5万円の物件なら、20万円~30万円程度が必要になる計算です。以下に、主な初期費用の内訳を解説します。

費用項目 目安 概要
敷金 家賃の0~2ヶ月分 退去時の原状回復費用や家賃滞納に備えるための保証金。
礼金 家賃の0~2ヶ月分 大家さんへのお礼として支払うお金。返還されない。
仲介手数料 家賃の0.5~1ヶ月分 + 消費税 物件を紹介してくれた不動産会社に支払う手数料。
前家賃・日割り家賃 家賃の約1ヶ月分 入居する月の家賃。月の途中で入居する場合は日割り計算。
火災保険料 1.5万円~2万円程度(2年契約) 火災や水漏れなどの損害に備えるための保険。加入が義務の場合が多い。
鍵交換費用 1.5万円~2.5万円程度 前の入居者から鍵を交換するための費用。防犯上、必須。
家賃保証会社利用料 初回:家賃の0.5~1ヶ月分 or 3~5万円程度 連帯保証人がいない場合などに利用する会社の利用料。

敷金

敷金は、大家さんに預けておく「保証金」のようなお金です。家賃を滞納してしまった場合の補填や、入居者の過失で部屋を傷つけたり汚したりした場合の原状回復(修繕)費用に使われます。何も問題がなければ、退去時にクリーニング代などを差し引いた残額が返還されます。相場は家賃の1~2ヶ月分ですが、最近は「敷金0円」の物件も増えています。

礼金

礼金は、その名の通り、大家さんに対して「部屋を貸してくれてありがとう」というお礼の意味で支払うお金です。敷金とは異なり、退去時に返還されることはありません。昔からの慣習として残っているもので、相場は家賃の1~2ヶ月分です。近年では、空室対策として「礼金0円」の物件も多く、特に佐賀県のような地方ではその傾向が強いです。

仲介手数料

仲介手数料は、物件の紹介や内見の手配、契約手続きなどを行ってくれた不動産会社に支払う成功報酬です。法律(宅地建物取引業法)で上限が「家賃の1ヶ月分 + 消費税」と定められています。エイブルのように「家賃の0.5ヶ月分」としている会社もあり、不動産会社によって異なります。

前家賃・日割り家賃

賃貸契約では、家賃は前払い(当月分を前月末までに支払う)のが一般的です。そのため、契約時には入居する月の家賃を「前家賃」として支払います。月の途中で入居する場合は、その月は入居日から月末までの日数分を「日割り家賃」として支払い、さらに翌月分の家賃も合わせて請求されることが多いです。

火災保険料

賃貸物件では、火災保険(家財保険)への加入が契約の条件となっていることがほとんどです。これは、万が一火事を起こしてしまった場合の損害賠償や、自分の家財道具を火災・水漏れ・盗難などから守るためのものです。保険料は2年契約で15,000円~20,000円程度が相場です。

鍵交換費用

防犯上の観点から、入居者が変わる際には必ず鍵(シリンダー)を新しいものに交換します。そのための費用は、原則として新しい入居者が負担します。料金は鍵の種類によって異なりますが、15,000円~25,000円程度を見ておくと良いでしょう。

家賃保証会社利用料

近年、連帯保証人の代わりに「家賃保証会社」の利用を必須とする物件が非常に増えています。これは、入居者が万が一家賃を滞納した場合に、保証会社が大家さんに家賃を立て替えて支払うサービスです。利用するためには、初回に保証料として家賃の50%~100%、または数万円の定額を支払う必要があります。また、1年ごとに更新料がかかるのが一般的です。

これらの初期費用を合計すると、かなりの金額になります。物件探しの際は、家賃だけでなく「敷金・礼金がゼロか」「保証会社の利用は必須か」といった点も必ず確認しましょう。

失敗しないための内見チェックポイント

部屋の中のチェック項目、建物の共用部分のチェック項目、周辺環境のチェック項目

内見は、物件選びの成否を分ける最も重要なプロセスです。図面や写真では伝わらない「実際の住み心地」を肌で感じる貴重な機会です。後悔しないためにも、チェックすべきポイントを事前にリストアップし、漏れなく確認しましょう。

部屋の中のチェック項目

まずは、これから毎日過ごすことになる部屋の中を細かく見ていきます。

日当たり・風通し・眺望

  • 日当たり: 南向きが最も日当たりが良いとされますが、時間帯によって光の入り方は変わります。 可能であれば、日中の明るい時間帯に内見するのがベストです。窓の大きさや方角、周辺の建物の影響で日差しが遮られていないかを確認しましょう。洗濯物を干すベランダの日当たりは特に重要です。
  • 風通し: 複数の窓を開けて、空気がスムーズに流れるかを確認します。風通しが悪いと、湿気がこもりやすく、カビや結露の原因になります。
  • 眺望: 窓からの景色も、毎日の気分を左右する要素です。目の前に大きな建物があって圧迫感がないか、不快なものが見えないかなどをチェックします。

収納スペースの広さと数

  • クローゼット・押入れ: メジャーを持参し、奥行き、幅、高さを実際に測ることをおすすめします。手持ちの収納ケースや衣装ダンスが収まるかを確認しましょう。棚やハンガーパイプの有無も重要です。
  • その他の収納: 玄関のシューズボックス、キッチンの吊戸棚、洗面台の下など、備え付けの収納がどれくらいあるかを確認します。自分の荷物量を想定し、十分なスペースがあるかを見極めましょう。

コンセントやテレビアンテナ端子の位置

  • コンセント: 生活動線をイメージしながら、「どこに」「いくつ」コンセントがあるかを確認します。特に、ベッド、テレビ、デスク、冷蔵庫、電子レンジなどを置きたい場所にコンセントがないと、延長コードだらけの見苦しい部屋になってしまいます。
  • テレビ・ネット端子: テレビアンテナ端子やLANケーブルの差込口の位置も重要です。家具の配置を大きく左右するため、必ず場所を確認しておきましょう。

水回りの設備(キッチン・トイレ・風呂)の状態

  • キッチン: シンクの広さや蛇口の水圧、コンロの種類(ガスかIHか)、調理スペースの広さ、収納量などをチェックします。冷蔵庫や食器棚を置くスペースもメジャーで測っておきましょう。
  • トイレ・風呂: 清潔感はもちろん、実際に水を出してみて、水圧や排水のスムーズさを確認します。シャワーヘッドの高さや浴槽の広さも見ておきましょう。追い焚き機能や浴室乾燥機の有無は、生活の快適性を大きく向上させます。
  • 臭い: 排水溝からの嫌な臭いがないかも、重要なチェックポイントです。

壁や床の傷・汚れ

  • 壁紙(クロス)の剥がれや変色、床(フローリングなど)の傷やへこみなどを細かくチェックします。入居前からあった傷や汚れは、スマートフォンのカメラで日付が分かるように撮影しておくと、退去時の原状回復トラブルを防ぐのに役立ちます。

建物の共用部分のチェック項目

部屋の中だけでなく、建物全体の管理状態も住み心地に影響します。共用部分は、大家さんや管理会社の姿勢が現れる場所です。

廊下・階段・エレベーター

  • 清掃が行き届いているか、電球が切れたままになっていないか、私物が放置されていないかなどを確認します。共用部分が綺麗に保たれている物件は、管理体制がしっかりしている証拠です。

ゴミ捨て場の清潔さ

  • ゴミ捨て場の状態は、入居者のマナーを映す鏡とも言えます。分別ルールが守られているか、カラス対策(ネットなど)がされているか、悪臭がしないかなどをチェックしましょう。24時間ゴミ出し可能かどうかも、生活スタイルによっては重要なポイントです。

駐輪場・駐車場

  • 自転車や車を持つ予定がある場合は必須のチェック項目です。駐輪場に屋根があるか、整理整頓されているか。駐車場のスペースは、自分の車のサイズで問題なく停められるか、出し入れはしやすいかなどを確認します。

周辺環境のチェック項目

最後に、物件の周りの環境を自分の足で歩いて確認します。これは、曜日や時間帯によって印象が大きく変わるため、慎重なチェックが必要です。

駅やバス停までの距離と道のり

  • 物件情報に記載されている「徒歩〇分」は、不動産広告のルール(80m=1分)で計算された時間であり、信号待ちや坂道は考慮されていません。実際に歩いてみて、体感的な時間や道のりの安全性を確認しましょう。特に夜道を歩くことを想定し、街灯の多さや人通りも見ておくと安心です。

スーパーやコンビニなど商業施設の有無

  • 毎日の生活に欠かせないスーパー、コンビニ、ドラッグストアなどが、どのくらいの距離にあるかを確認します。実際に店舗を覗いてみて、品揃えや価格帯が自分に合っているかも見ておくと良いでしょう。

周囲の騒音や治安

  • 騒音は、生活の質を大きく下げる要因になります。線路や幹線道路、工場、学校、飲食店などが近くにないか、地図と現地で確認します。
  • 可能であれば、平日の昼間と、夜間や休日の両方の時間帯に周辺を歩いてみるのが理想です。昼は静かでも、夜になると居酒屋の客の声が響く、といったケースもあります。周辺の建物の様子や、ゴミのポイ捨てがないかなど、街全体の雰囲気から治安の良し悪しを判断しましょう。

佐賀県の賃貸に関するよくある質問

ペットと一緒に住める物件、学生向け一人暮らし物件の探し方、初期費用を安く抑える方法、駐車場付き物件の多さと注意点

最後に、佐賀県で賃貸物件を探す際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。物件探しや契約時の参考にしてください。

ペットと一緒に住める物件はありますか?

はい、佐賀県にもペットと一緒に住める賃貸物件は数多くあります。 SUUMOやLIFULL HOME’Sなどの賃貸情報サイトでは、「ペット相談可」「ペット可」といった条件で絞り込んで検索できます。

ただし、ペット可物件にはいくつかの注意点があります。

  • 敷金が通常より1ヶ月分多くなったり、退去時の修繕費用が高くなることが一般的です。
  • 飼育できるペットの種類(小型犬のみ、猫は不可など)や頭数に制限がある場合が多いです。
  • 契約時に「ペット飼育細則」といった覚書を交わす必要があります。

トラブルを避けるためにも、内見の際に、ペットに関するルールを不動産会社に詳しく確認することが重要です。最近では、ペット共生型マンションなど、ペットのための設備(足洗い場など)が整った物件も増えてきています。

学生向けの一人暮らし用物件を探すポイントは?

佐賀大学や西九州大学などに通う学生向けの物件を探す際のポイントは以下の通りです。

  • エリア: 大学まで自転車や徒歩で通える範囲で探すのが基本です。佐賀大学であれば本庄町や鍋島、西九州大学であれば神埼市などが人気のエリアです。
  • 家賃: 学生向けの物件は、3万円台~4万円台のワンルームや1Kが中心です。親御さんの仕送り額やアルバイト代などを考慮し、無理のない予算を立てましょう。
  • 設備: 「インターネット無料」の物件は、通信費を節約できるため学生に非常に人気があります。また、初めての一人暮らしで不安な場合は、「オートロック」や「モニター付きインターホン」など、セキュリティ設備が整った物件を選ぶと安心です。
  • 探し始める時期: 推薦入試などの合格発表が始まる12月頃から物件探しが活発化し、一般入試の合格発表後の2月~3月がピークになります。良い物件は早く埋まってしまうため、合格が決まったらできるだけ早く動き出すことをおすすめします。

初期費用を安く抑える方法はありますか?

家賃の4~6ヶ月分にもなる初期費用は、大きな負担です。少しでも安く抑えるためには、以下のような物件や方法を検討してみましょう。

  • 敷金・礼金0円(ゼロゼロ)物件を探す: 最も効果的な方法です。家賃2ヶ月分以上の節約につながります。
  • フリーレント物件を探す: 入居後、一定期間(0.5~2ヶ月程度)の家賃が無料になる物件です。引越し直後の出費が多い時期に非常に助かります。
  • 仲介手数料が安い不動産会社を選ぶ: エイブルのように、仲介手数料が家賃の0.5ヶ月分(+税)の会社を選ぶと、費用を抑えられます。
  • 月の後半に入居する: 月の初めに入居すると、日割り家賃と翌月分の前家賃で約2ヶ月分の家賃が必要になる場合があります。入居日を月末近くに設定すれば、支払う日割り家賃が少なくなり、初期費用を抑えられます。不動産会社に家賃発生日(入居可能日)を交渉してみるのも一つの手です。
  • 火災保険や保証会社を自分で選ぶ: 不動産会社指定のものではなく、自分でより安いプランを探して加入できる場合があります。ただし、大家さんの承諾が必要なため、契約前に必ず確認しましょう。

車を持つ予定ですが駐車場付きの物件は多いですか?

はい、佐賀県は車社会であるため、駐車場付きの賃貸物件は非常に豊富です。特に、佐賀市郊外やその他の市町村では、駐車場が1台分、あるいは2台分無料で付いている物件も珍しくありません。

物件情報サイトで検索する際は、「駐車場あり」の条件で絞り込みましょう。注意点としては、以下の点が挙げられます。

  • 駐車料金: 物件の敷地内にある駐車場でも、家賃とは別に月極で料金(月額3,000円~8,000円程度が相場)がかかる場合があります。無料か有料か、料金はいくらかを必ず確認しましょう。
  • 駐車場の場所とサイズ: 敷地内のどの位置にあるか、屋根はあるか、自分の車のサイズ(特に車高や車幅)で問題なく停められるか、内見時に必ず確認が必要です。

もし希望の物件に駐車場がなくても、周辺に月極駐車場があれば契約は可能です。不動産会社に近隣の月極駐車場の空き状況や相場を調べてもらうと良いでしょう。車は佐賀での生活を豊かにする便利なツールです。駐車場事情もしっかり考慮して、最適な物件を選びましょう。