滋賀県の賃貸物件おすすめサイト8選 家賃相場と住みやすい街を紹介

滋賀県の賃貸物件おすすめサイト8選、家賃相場と住みやすい街を紹介

京都や大阪へのアクセスの良さと、琵琶湖を中心とした豊かな自然環境。この二つを両立できるのが、滋賀県の大きな魅力です。関西圏へのベッドタウンとして人気が高まる一方で、「実際に住むとしたら、どこがいいのだろう?」「どうやって物件を探せばいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

自分にぴったりの賃貸物件を見つけるためには、まず信頼できる情報源、つまり賃貸情報サイトを上手に活用することが第一歩です。さらに、滋賀県が持つエリアごとの特性や家賃相場、生活のメリット・デメリットを深く理解することで、より具体的で満足度の高い部屋探しができます。

この記事では、滋賀県の賃貸物件探しに役立つおすすめのサイト8選を徹底比較し、それぞれの特徴や使い方を詳しく解説します。さらに、県の基本情報からエリア別の特徴、詳細な家賃相場、住む上でのメリット・注意点、そしてライフスタイル別のおすすめの街まで、滋賀での新生活を始めるために必要な情報を網羅的にご紹介します。

この記事を読めば、数ある選択肢の中からあなたに最適な街と物件を見つけるための、確かな知識と具体的なアクションプランが手に入ります。 ぜひ最後までお読みいただき、理想の滋賀暮らしを実現してください。

滋賀県の賃貸物件探しにおすすめのサイト8選

滋賀県で理想の賃貸物件を見つけるためには、情報収集の入り口となる賃貸情報サイトの選択が非常に重要です。サイトごとに掲載物件数や得意なエリア、検索機能、提供するサービスが異なります。ここでは、全国的に知名度の高い大手ポータルサイトから、滋賀県に特化した地域密着型のサイトまで、特徴の異なる8つのサイトを厳選してご紹介します。それぞれの強みを理解し、複数を組み合わせて活用することで、より効率的に希望の物件に出会えるでしょう。

① SUUMO

特徴 詳細
掲載物件数 業界トップクラスの圧倒的な物件情報量を誇り、滋賀県内の物件も豊富に網羅。
検索機能 「こだわり条件」が非常に細かく設定でき、フリーワード検索の精度も高い。
独自コンテンツ 沿線・駅から探す、通勤・通学時間から探すなど、多様な探し方を提供。
アプリの使いやすさ 直感的で操作性に優れたアプリは、移動中や空き時間での物件探しに最適。
おすすめな人 とにかく多くの物件を比較検討したい人、初めて部屋探しをする人。

SUUMO(スーモ)は、株式会社リクルートが運営する、日本最大級の不動産・住宅情報サイトです。その最大の特徴は、何と言っても圧倒的な情報量にあります。滋賀県内のアパート、マンション、一戸建てまで、あらゆる種別の賃貸物件が網羅されており、「まずはどんな物件があるのか全体像を把握したい」という場合に最適です。

検索機能の充実ぶりも特筆すべき点です。「バス・トイレ別」「独立洗面台」「オートロック」といった基本的な条件はもちろん、「インターネット無料」「ペット相談可」「楽器相談可」「デザイナーズ」など、非常に細かい「こだわり条件」を設定できます。これにより、自分のライフスタイルに合った物件を効率的に絞り込むことが可能です。

また、SUUMOは物件情報だけでなく、住まいに関するお役立ちコンテンツも豊富です。家賃相場情報や、引越しの手続きガイド、インテリアのコツなど、部屋探しから新生活のスタートまでをトータルでサポートしてくれます。特に、滋賀県で初めて一人暮らしをする学生や新社会人にとって、心強い味方となるでしょう。

SUUMOを最大限に活用するコツは、まず豊富な物件情報の中から気になる物件をいくつかピックアップし、自分の中での相場観や譲れない条件を明確にすることです。 その上で、次に紹介する地域密着型サイトと併用することで、より深く、多角的な物件探しが実現します。

② LIFULL HOME’S

特徴 詳細
掲載物件数 SUUMOに次ぐ豊富な物件数を持ち、多様な物件が探せる。
検索機能 「地図から探す」機能や「通勤・通学時間から探す」機能が直感的で使いやすい。
独自サービス 「住まいの窓口」サービスでは、専門アドバイザーに無料で相談が可能。
特集コンテンツ 「家賃相場」や「街の口コミ」など、物件探しに役立つ独自の情報が充実。
おすすめな人 地図を見ながら直感的に探したい人、第三者の客観的なアドバイスが欲しい人。

LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)は、株式会社LIFULLが運営する大手不動産情報サイトです。SUUMOと並び称されるほどの物件数を誇り、こちらも滋賀県の物件探しにおいて欠かせないツールの一つです。

LIFULL HOME’Sの強みは、ユーザー目線に立ったユニークな検索機能とサービスにあります。特に「地図から探す」機能は、航空写真や地図上で物件の場所を確認しながら探せるため、「琵琶湖が見える物件がいい」「駅の南側で探したい」といった、地理的なこだわりを持つ人にとって非常に便利です。また、「通勤・通学時間から探す」機能を使えば、目的地までの所要時間を指定するだけで、候補となる駅やエリアを自動でリストアップしてくれます。

そして、LIFULL HOME’Sが他サイトと一線を画すのが、専門アドバイザーに無料で相談できる「住まいの窓口」サービスです。ハウジングアドバイザーが中立的な立場で、希望条件の整理や不動産会社の選び方、住宅ローンのことまで相談に乗ってくれます。「何から始めたらいいかわからない」「不動産会社に直接行くのは少し不安」と感じる人にとって、心強いサポートとなるでしょう。

物件情報だけでなく、実際にその街に住んでいる人のリアルな声を集めた「街の口コミ」や、詳細な「家賃相場」データなど、意思決定の助けとなるコンテンツが充実している点も魅力です。SUUMOで広く情報を集め、LIFULL HOME’Sで地理的な条件や第三者の意見を参考にしながら絞り込んでいく、という使い方がおすすめです。

③ at home

特徴 詳細
ネットワーク 全国の加盟不動産店との強固なネットワークが特徴。地域密着型の情報に強い。
物件の多様性 新築・中古だけでなく、事業用物件(店舗・事務所など)の情報も豊富。
検索機能 「アットホームであった!」のキャッチコピーで知られ、親しみやすいインターフェース。
独自コンテンツ 不動産売買や土地活用に関する情報も充実しており、将来的な視点でも役立つ。
おすすめな人 地元の不動産会社が持つ掘り出し物物件を探したい人、将来的にマイホーム購入も考えている人。

at home(アットホーム)は、アットホーム株式会社が運営する不動産情報サイトです。SUUMOやLIFULL HOME’Sが「情報ポータルサイト」としての側面が強いのに対し、at homeは全国の不動産会社をつなぐ「情報流通プラットフォーム」としての役割を担っています。そのため、大手だけでなく、地域に根差した中小の不動産会社が扱う物件情報も多く掲載されているのが大きな特徴です。

これにより、他の大手サイトには掲載されていないような、いわゆる「掘り出し物物件」に出会える可能性があります。特に滋賀県のように、地元に強い不動産会社が活躍しているエリアでは、at homeをチェックする価値は非常に高いと言えるでしょう。

また、at homeは賃貸物件だけでなく、売買物件や事業用物件の情報も非常に豊富です。そのため、「まずは賃貸で住んでみて、将来的には滋賀で家を買いたい」と考えている人や、滋賀で開業を考えている自営業の人にとっても、有益な情報を得られるプラットフォームとなります。

探し方としては、希望エリアの不動産会社をat homeで検索し、その会社がどんな物件を扱っているのかをチェックする、というアプローチも有効です。大手ポータルサイトと併用し、地域密着型の情報を補完するという使い方で、物件探しの幅を大きく広げることができます。

④ CHINTAI

特徴 詳細
ターゲット層 一人暮らしの学生や若手社会人、女性向けの物件探しに強み。
独自コンテンツ 「Woman.CHINTAI」など、女性目線のセキュリティや設備にこだわった特集が豊富。
検索機能 シンプルで分かりやすく、サクサクと物件を探せる。
メディア展開 雑誌やCMでの知名度が高く、親しみやすさがある。
おすすめな人 初めて一人暮らしをする学生や女性、セキュリティ面を重視する人。

CHINTAIは、株式会社CHINTAIが運営する、賃貸住宅情報サービスです。その名の通り、賃貸物件に特化しており、特に一人暮らし向けの物件や、女性をターゲットにした情報発信に強みを持っています。

CHINTAIの大きな特徴は、ユーザーのライフスタイルに寄り添った特集コンテンツの豊富さです。例えば、女性の一人暮らしに特化した「Woman.CHINTAI」では、「オートロック付き」「2階以上」「独立洗面台」など、女性が特に重視する条件で物件を検索できるほか、防犯対策に関するコラムなど、安心して暮らすための情報が満載です。

滋賀県には立命館大学や滋賀大学、滋賀県立大学など多くの大学があり、毎年多くの学生が部屋探しをします。そうした学生にとって、家賃が手頃なワンルームや1Kタイプの物件情報が豊富なCHINTAIは、非常に使いやすいサイトと言えるでしょう。

また、サイト全体のデザインがシンプルで分かりやすく、スマートフォンでも直感的に操作できるため、手軽に部屋探しを始めたい人にもおすすめです。SUUMOやLIFULL HOME’Sで大まかなエリアを決めた後、CHINTAIで具体的な一人暮らし向け物件を探してみる、といった使い分けが効果的です。

⑤ エリッツ

特徴 詳細
地域密着度 京都・滋賀エリアに特化した不動産会社。地元の情報に圧倒的に強い。
店舗ネットワーク 滋賀県内にも多数の店舗を展開しており、対面での相談がしやすい。
管理物件 自社で管理している物件も多く、他サイトにはない独占情報が見つかる可能性がある。
サービス 学生向けの専用サイトや、法人向けの社宅仲介サービスも手掛ける。
おすすめな人 滋賀県内の特定のエリアで探している人、地元の情報に詳しいスタッフに相談したい人。

エリッツは、京都・滋賀エリアを中心に展開する地域密着型の不動産会社です。大手ポータルサイトが全国の情報を広く扱うのに対し、エリッツは地域を限定しているからこその「情報の深さ」が最大の武器です。

滋賀県内、特に大津市や草津市といった湖南エリアに多くの店舗を構えており、それぞれの店舗スタッフが担当エリアの「生き字引」とも言える存在です。ネット上だけでは分からない、例えば「この道は朝夕の抜け道になっていて交通量が多い」「近くのスーパーは品揃えが豊富で安い」といった、生活に直結するリアルな情報を提供してくれます。

また、エリッツは自社で管理している物件も多数保有しています。これは「管理物件」と呼ばれ、入居中のトラブル対応などもエリッツが一括して行ってくれるため、安心感が高いのがメリットです。中には、エリッツでしか紹介してもらえない「専任物件」も存在するため、掘り出し物に出会える確率も高まります。

特に、立命館大学びわこ・くさつキャンパス周辺の物件探しでは、学生向けのサポートが手厚いエリッツは非常に頼りになる存在です。Webサイトで情報を集めるだけでなく、実際に店舗に足を運んで相談することで、より満足度の高い部屋探しができるでしょう。

⑥ アヤハ不動産

特徴 詳細
地元での信頼性 滋賀県を地盤とする「アヤハグループ」の一員であり、地元での知名度と信頼性が高い。
事業の幅広さ 賃貸仲介だけでなく、分譲住宅、リフォーム、土地活用など不動産全般を手掛ける。
物件の質 グループ内で建設や管理を行う物件もあり、質の高い物件情報が期待できる。
独自情報 地元のオーナーとの長年の付き合いから、独自の物件情報を保有している可能性がある。
おすすめな人 滋賀に腰を据えて長く住みたい人、信頼できる地元の企業に任せたい人。

アヤハ不動産は、滋賀県民にはお馴染みの「アヤハグループ」に属する不動産会社です。ホームセンター「アヤハディオ」や、ショッピングセンター「エイスクエア」などを運営するグループの一員であるため、滋賀県内での抜群の知名度と信頼性を誇ります。

アヤハ不動産の強みは、賃貸仲介に留まらない事業の幅広さにあります。新築分譲住宅の販売や中古物件の売買、リフォーム、さらには土地活用のコンサルティングまで、住まいに関するあらゆるニーズに応えられる体制が整っています。このため、「まずは賃貸で暮らし、いずれは滋賀で家を建てたい」といった長期的なライフプランを持っている人にとって、心強いパートナーとなります。

長年にわたり地元で事業を展開してきたことから、地域の物件オーナーとの間に強い信頼関係を築いています。そのため、他の不動産会社では扱っていないような、独自の非公開物件情報を持っている可能性も十分に考えられます。

Webサイトで物件を探すのはもちろんですが、アヤハ不動産の真価は、その地域に根差したコンサルティング力にあります。家族構成やライフプランを伝えた上で、プロの視点から最適なエリアや物件種別を提案してもらうといった使い方がおすすめです。

⑦ クラスモ

特徴 詳細
ネットワーク 関西圏を中心にフランチャイズ展開しており、各店舗が地域に根差している。
店舗の独立性 各店舗が独立した経営を行っているため、地域ごとの特色が出やすい。
サービス 「お部屋探しマニュアル」など、初心者向けのコンテンツも提供。
スローガン 「くらし、もっと、たいせつに」をスローガンに、顧客に寄り添ったサービスを目指す。
おすすめな人 地域に密着しつつも、一定のブランド力がある不動産会社に相談したい人。

クラスモは、関西圏を中心に店舗網を広げている不動産フランチャイズネットワークです。滋賀県内にも複数の加盟店があり、それぞれがその地域に特化したサービスを提供しています。

フランチャイズのメリットは、本部が提供する共通のブランドイメージやシステムを活用しつつも、各店舗は地域に精通した独立した不動産会社であるという点です。これにより、大手チェーンのような安心感と、地元の不動産会社ならではのきめ細やかな対応を両立させています。

クラスモのWebサイトでは、滋賀県内の各店舗が扱う物件を横断的に検索できます。気になる物件を見つけたら、その物件を扱っている店舗に直接問い合わせる形になります。それぞれの店舗が独自の強みや得意エリアを持っているため、例えば「湖南エリアならクラスモ草津駅前店」「湖東エリアならクラスモ彦根店」というように、探したいエリアの店舗に直接アプローチするのが効果的です。

エリッツやアヤハ不動産と同様に、Webでの情報収集と並行して、店舗での対面相談を重視したい人におすすめの選択肢と言えるでしょう。

⑧ LAKELife

特徴 詳細
特化型サイト 滋賀県専門の賃貸情報サイトであり、県内情報に特化している。
情報網羅性 滋賀県内のほぼ全ての市町村をカバーする物件情報を掲載。
検索のしやすさ 市町村別、沿線・駅別、地図からなど、シンプルな検索方法で探しやすい。
独自コンテンツ 滋賀県内の不動産会社を検索できる機能など、地域に特化したコンテンツがある。
おすすめな人 滋賀県内で住むことを決めており、県内の情報を効率的に収集したい人。

LAKELife(レイクライフ)は、その名の通り、琵琶湖のある滋賀県の暮らしに焦点を当てた、滋賀県専門の賃貸情報サイトです。全国展開のサイトとは異なり、滋賀県の情報だけに絞っているため、県内で部屋を探すユーザーにとっては非常にシンプルで使いやすいのが特徴です。

サイトのデザインは分かりやすく、大津市、草津市、彦根市といった主要都市から、高島市や米原市まで、県内の物件を効率的に検索できます。掲載されている物件は、県内の多くの不動産会社から提供されており、網羅性も比較的高くなっています。

大手ポータルサイトでは情報が多すぎて探しにくいと感じる人や、すでにある程度住みたいエリアの目星がついている人にとっては、LAKELifeのような特化型サイトは非常に重宝します。また、サイト内には滋賀県内の不動産会社を検索できるページもあり、ここから地元の信頼できる会社を見つける、といった使い方も可能です。

SUUMOやLIFULL HOME’Sなどの大手サイトと、このLAKELifeを併用することで、メジャーな物件から地域ならではの物件まで、幅広くカバーできるでしょう。

そもそも滋賀県はどんなところ?

物件探しを始める前に、まずは滋賀県そのものがどのような場所なのか、全体像を掴んでおきましょう。日本のほぼ中央に位置し、県土の約6分の1を日本最大の湖「琵琶湖」が占める滋賀県。古くから交通の要衝として栄え、豊かな自然と歴史、そして近代的な都市機能が共存する、多彩な魅力を持つ県です。

滋賀県の基本情報

項目 データ 参照元
人口 約140万人 滋賀県推計人口(令和6年5月1日現在)
面積 約4,017k㎡ 国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調
県庁所在地 大津市 滋賀県公式サイト
主要都市 大津市、草津市、彦根市、長浜市、近江八幡市、守山市など
隣接府県 京都府、大阪府、福井県、岐阜県、三重県

滋賀県の人口は約140万人で、近畿地方では大阪府、兵庫県、京都府に次ぐ規模を誇ります。県庁所在地は、京都府に隣接する大津市です。

滋賀県のアイデンティティとも言えるのが、日本最大の湖「琵琶湖」の存在です。琵琶湖は県民の生活用水や産業用水を供給する「水がめ」であると同時に、湖水浴や釣り、ボート、SUP(スタンドアップパドルボード)など、多彩なウォーターレジャーの舞台でもあります。湖岸にはサイクリングロードも整備されており、雄大な景色を楽しみながら体を動かすことができます。

歴史的に見ても、滋賀県(近江国)は重要な役割を担ってきました。京都と東国を結ぶ中山道や東海道が通り、人・モノ・情報が行き交う交通の要衝でした。この地を拠点に全国で活躍した「近江商人」は、「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の精神で知られ、その商才と哲学は現代の滋賀の産業にも受け継がれています。また、織田信長の安土城や、井伊家の彦根城など、数多くの歴史的な遺産が今も県内各地に残っています。

産業面では、高い技術力を持つ製造業が集積しており、県内総生産に占める第二次産業の割合が高いのが特徴です。一方で、豊かな自然を活かした農業も盛んで、特に「近江米」は全国的にも有名なブランド米です。

4つのエリアの特徴

滋賀県は、琵琶湖を中心に大きく4つのエリアに分けられます。それぞれ気候や文化、産業、交通の便などが異なり、ライフスタイルも多様です。自分がどのような暮らしをしたいかを考えながら、各エリアの特徴を見ていきましょう。

湖南エリア(大津市・草津市など)

湖南(こなん)エリアは、大津市、草津市、守山市、栗東市などを含む、滋賀県で最も人口が集中し、発展している地域です。

  • 特徴: 京都・大阪へのアクセスが抜群に良く、JR琵琶湖線(東海道本線)の新快速を利用すれば、大津駅から京都駅まで約10分、大阪駅まで約40分で到着します。この利便性から、京阪神のベッドタウンとして急速に発展しました。
  • 生活環境: 草津駅前には大型商業施設の「エイスクエア」や近鉄百貨店があり、南草津エリアにも商業施設が集積しています。大津市の中心部にも「ブランチ大津京」など新しい商業施設がオープンしており、買い物や食事に困ることはありません。都会的な利便性を求める人にとっては、最も住みやすいエリアと言えるでしょう。
  • 家賃相場: 県内では最も高い傾向にありますが、それでも隣接する京都市内に比べれば手頃な物件が多く見つかります。
  • こんな人におすすめ:
    • 京都や大阪へ通勤・通学する人
    • 都会的な生活利便性を重視する人
    • 転勤などで初めて滋賀に住む人

湖東エリア(彦根市・近江八幡市など)

湖東(ことう)エリアは、彦根市、近江八幡市、東近江市などを含む、歴史と文化の香りが色濃く残る地域です。

  • 特徴: 国宝・彦根城がそびえる彦根市や、近江商人のふるさとであり、水郷めぐりでも知られる近江八幡市など、風情ある街並みが魅力です。名神高速道路や国道8号線が通り、自動車交通の便も良いことから、大手メーカーの工場なども多く立地しています。
  • 生活環境: 各市の中心部には生活に必要な商業施設が揃っており、落ち着いた暮らしができます。湖南エリアほどの都市的な賑わいはないものの、その分、ゆったりとした時間が流れています。歴史散策や古い街並みが好きな人にはたまらない魅力があります。
  • 家賃相場: 湖南エリアに比べると比較的安価になります。
  • こんな人におすすめ:
    • 歴史や文化的な雰囲気が好きな人
    • 落ち着いた環境で暮らしたい人
    • 自動車での移動がメインの人

湖西エリア(高島市など)

湖西(こせい)エリアは、琵琶湖の西岸に位置する高島市を中心とした、自然豊かな地域です。

  • 特徴: 琵琶湖と比良山地に挟まれた風光明媚なエリアで、夏は湖水浴やキャンプ、冬はスキーやスノーシューなど、年間を通じてアウトドア・レジャーを満喫できます。有名な「メタセコイア並木」もこのエリアにあります。
  • 生活環境: 商業施設は限られており、移動には車が必須となります。JR湖西線が通っていますが、本数は琵琶湖線に比べて少なめです。冬は「比良おろし」と呼ばれる強い風が吹き、積雪も多いなど、自然の厳しさも併せ持ちます。
  • 家賃相場: 県内では最も安い部類に入ります。広々とした一戸建ての賃貸なども見つけやすいかもしれません。
  • こんな人におすすめ:
    • 自然に囲まれたスローライフを送りたい人
    • アウトドアやDIYが趣味の人
    • 週末移住やセカンドハウスを考えている人

湖北エリア(長浜市・米原市など)

湖北(こほく)エリアは、長浜市や米原市を含む、滋賀県の北部に位置する地域です。

  • 特徴: 豊臣秀吉が築いた城下町・長浜や、北陸・東海地方への玄関口である米原など、こちらも歴史的に重要な拠点です。米原駅は東海道新幹線の停車駅であり、東京や名古屋方面へのアクセスも良好です。伊吹山や余呉湖など、雄大な自然景観も魅力の一つです。
  • 生活環境: 湖西エリアと同様に、冬の寒さが厳しく、日本有数の豪雪地帯としても知られています。生活には車が欠かせません。長浜市の中心部は「黒壁スクエア」として観光地化されており、活気があります。
  • 家賃相場: 湖西エリアと同様に、比較的安価な傾向にあります。
  • こんな人におすすめ:
    • 北陸や東海地方へのアクセスを重視する人
    • 歴史的な街並みと豊かな自然の両方を楽しみたい人
    • 雪国の暮らしに抵抗がない、または憧れがある人

このように、一口に「滋賀県」と言っても、エリアによって全く異なる顔を持っています。 自分のライフスタイルや価値観と照らし合わせ、どのエリアが最もフィットするかを考えることが、満足のいく物件探しの第一歩となります。

滋賀県の家賃相場

滋賀県で賃貸物件を探す上で、最も気になるのが家賃相場ではないでしょうか。ここでは、滋賀県全体の家賃相場を間取り別に、そして主要な市町村別の家賃相場を比較してご紹介します。これらのデータを参考に、自分の予算に合ったエリアや物件の当たりをつけましょう。

※家賃相場は、不動産情報サイト「SUUMO」および「LIFULL HOME’S」の公表データ(2024年6月時点)を参考にしています。実際の家賃は、物件の築年数、駅からの距離、設備などによって大きく変動するため、あくまで目安としてご覧ください。

【間取り別】滋賀県全体の家賃相場

まずは、滋賀県全体の平均的な家賃相場を間取り別に見てみましょう。一人暮らし向けからファミリー向けまで、どの程度の予算が必要になるかの全体像を掴むことができます。

間取り 家賃相場 主な入居者層 特徴
ワンルーム 4.7万円 学生、新社会人 キッチンと居室が一体。家賃を最も抑えられるが、収納や調理スペースは限られる。
1K/1DK 5.2万円 学生、社会人 キッチンと居室が分かれている。ワンルームより快適性が高く、一人暮らしの主流。
1LDK 6.7万円 社会人、カップル 広いリビングがあり、食事と就寝のスペースを分けられる。ゆとりある一人暮らしや二人暮らしに。
2K/2DK 5.5万円 カップル、新婚 比較的築年数が古い物件に多い間取り。家賃を抑えつつ部屋数を確保したい場合に。
2LDK 7.8万円 カップル、新婚、ファミリー 人気の高い間取り。寝室とリビングに加え、もう一部屋を仕事部屋や子供部屋にできる。
3LDK以上 9.1万円 ファミリー 複数の子供がいる世帯向け。物件数は限られるが、広々とした生活が可能。

参照:SUUMO 家賃相場(滋賀県)、LIFULL HOME’S 家賃相場(滋賀県)

滋賀県の家賃は、全国的に見ると比較的リーズナブルです。特に、隣接する京都市や大阪市と比較すると、同じような条件の物件でも月々数万円の差が出ることが珍しくありません。例えば、一人暮らしに人気の1K/1DKで5.2万円、カップルや新婚世帯に人気の2LDKで7.8万円という相場は、都心部へのアクセスの良さを考えれば非常に魅力的と言えるでしょう。

注意点として、上記はあくまで県全体の平均値です。次に解説するように、利便性の高い湖南エリアと、自然豊かな湖北・湖西エリアでは、家賃相場に大きな差があります。

【市町村別】主要都市の家賃相場

次に、滋賀県内の主要な都市に絞って、一人暮らし向け(1K/1DK)とファミリー向け(2LDK)の家賃相場を比較してみましょう。これにより、どの街が自分の予算に合っているか、より具体的にイメージできます。

市町村名 1K/1DKの家賃相場 2LDKの家賃相場 エリア 特徴
大津市 5.3万円 8.3万円 湖南 県庁所在地。京都へのアクセスが最も良い。エリアが広いため、場所による価格差も大きい。
草津市 5.6万円 8.8万円 湖南 県内で最も家賃相場が高い。新快速停車駅で、駅周辺の商業施設が充実。利便性重視の人に人気。
守山市 5.4万円 8.1万円 湖南 新快速停車駅。草津市よりやや落ち着いた住宅街。子育て世帯にも人気。
栗東市 5.1万円 7.5万円 湖南 名神高速ICがあり車移動に便利。草津・守山に比べると相場は少し下がる。
彦根市 4.6万円 6.5万円 湖東 湖東エリアの中心都市。歴史的な街並みが魅力。湖南エリアより大幅に家賃が安い。
近江八幡市 4.8万円 7.0万円 湖東 新快速停車駅。風情ある街並みと生活利便性が両立。
長浜市 4.4万円 6.1万円 湖北 湖北エリアの中心都市。北陸方面へのアクセスが良い。冬の気候は厳しい。
高島市 4.2万円 6.0万円 湖西 自然豊かな環境。家賃は県内で最も安い水準。車が必須。

参照:SUUMO 家賃相場、LIFULL HOME’S 家賃相場(各市町村)

この表から、いくつかの明確な傾向が見て取れます。

第一に、やはり湖南エリア(大津市、草津市、守山市、栗東市)の家賃相場が突出して高いことです。中でも、再開発が進み商業施設が集積する草津市は、県庁所在地である大津市を上回り、最も高い相場となっています。これは、京都・大阪への交通利便性と、駅周辺の生活利便性の両方を求める需要が集中しているためと考えられます。

第二に、同じ湖南エリア内でも、新快速が停車する草津市や守山市に比べて、普通電車のみが停車する駅が多い栗東市は、やや相場が落ち着きます。「新快速停車駅」であるかどうかが、家賃を左右する大きな要因であることがわかります。

第三に、湖東、湖北、湖西エリアは、湖南エリアに比べて家賃相場が大幅に下がります。特に彦根市や長浜市では、草津市と同じ2LDKでも月々2万円以上の差が出ています。交通の利便性よりも、家賃の安さや広い居住空間を優先したい場合は、これらのエリアが有力な選択肢となるでしょう。

物件を探す際は、これらの相場観を頭に入れた上で、「毎月支払える家賃の上限」を明確にすることが重要です。一般的に、家賃は管理費・共益費込みで「手取り月収の3分の1以内」が無理のない範囲とされています。この基準を元に、どのエリアで、どの間取りの物件を探すかを具体的に検討していきましょう。

滋賀県に住む3つのメリット

京都や大阪へのアクセスが良い、豊かな自然と都会の便利さが両立している、子育て支援が充実している

滋賀県は、なぜこれほどまでに移住先やベッドタウンとして人気を集めているのでしょうか。その理由は、他の地域にはない独自の魅力にあります。ここでは、滋賀県に住むことで得られる代表的な3つのメリットを、具体的なデータや事例を交えながら詳しく解説します。

① 京都や大阪へのアクセスが良い

滋賀県に住む最大のメリットとして、多くの人が挙げるのが京阪神エリアへの圧倒的なアクセスの良さです。特に、県の南部を横断するJR琵琶湖線(東海道本線)の存在が、滋賀県の価値を大きく高めています。

  • 新快速の威力: JR琵琶湖線では「新快速」が運行されており、これが滋賀県民の強力な足となっています。主要駅からの所要時間の目安は以下の通りです。
    • 大津駅 → 京都駅:約10分
    • 草津駅 → 京都駅:約21分
    • 大津駅 → 大阪駅:約40分
    • 草津駅 → 大阪駅:約51分

このように、滋賀県の主要都市から京都へは20分前後、大阪へも1時間以内でアクセス可能です。これは、都心部の混雑した電車に長時間揺られるのに比べ、快適な通勤・通学環境と言えるでしょう。実際に、滋賀県から京都府や大阪府へ通勤・通学する人の割合は非常に高く、滋賀県は名実ともに関西圏の広域的なベッドタウンとしての役割を担っています。

  • 家賃とのトレードオフ: このアクセスの良さは、住居コストの面で大きなメリットを生み出します。前述の通り、滋賀県の家賃相場は京都市内や大阪市内に比べて格段に安価です。例えば、京都駅周辺で1LDKを探すと8万円以上することが多いですが、電車でわずか10分の大津駅周辺なら、6万円台から探すことも可能です。通勤時間を少し延ばすだけで、月々の家賃を大幅に節約し、その分を貯蓄や趣味に回したり、より広い部屋に住んだりすることができます。
  • プライベートの充実: 交通の便の良さは、仕事や学業だけでなく、プライベートの充実にも繋がります。週末に気軽に京都で歴史散策やショッピングを楽しんだり、大阪で最新のエンターテイメントに触れたりすることができます。「普段は滋賀の落ち着いた環境で暮らし、休日は都会の刺激を楽しむ」という、理想的なライフスタイルを実現しやすいのが滋賀県の大きな強みです。

この「職住隣県」とも言える暮らしやすさが、多くの人を滋賀県に惹きつける最大の要因なのです。

② 豊かな自然と都会の便利さが両立している

滋賀県のもう一つの大きな魅力は、「大自然」と「都市機能」という、一見相反する二つの要素が見事に共存している点です。車を少し走らせるだけで、全く異なる景色と体験が手に入ります。

  • マザーレイク・琵琶湖の恵み: 滋賀県の象徴である琵琶湖は、県民にとってかけがえのない存在です。
    • レジャー: 夏には多くの湖水浴場がオープンし、家族連れで賑わいます。また、バスフィッシングの聖地としても知られ、一年を通して釣り人を楽しませます。近年では、SUP(スタンドアップパドルボード)やカヌー、ウィンドサーフィンといったウォータースポーツも盛んです。
    • 景観: 湖岸には公園やカフェが点在し、美しい湖の景色を眺めながらゆったりとした時間を過ごせます。「琵琶湖テラス」のような絶景スポットからは、雄大な湖と周囲の山々を一望できます。
    • サイクリング: 琵琶湖を一周するサイクリング、通称「ビワイチ」は、全国のサイクリストの憧れです。約200kmのコースは、体力や時間に合わせて部分的に楽しむこともできます。
  • 山のアクティビティも豊富: 滋賀の自然は湖だけではありません。比良山地や鈴鹿山脈、伊吹山など、登山やハイキングに適した山々が連なっています。冬には、箱館山やびわ湖バレイでスキーやスノーボードを楽しむこともでき、オールシーズンでアウトドアを満喫できます。
  • 一方で、買い物には困らない都市機能: 自然が豊かだからといって、生活が不便なわけではありません。特に湖南エリアには、都市型の生活に必要な機能がコンパクトにまとまっています。
    • 大型商業施設: 草津市の「イオンモール草津」や「エイスクエア」、守山市の「ピエリ守山」、竜王町の「三井アウトレットパーク滋賀竜王」など、県内には大規模な商業施設が点在し、休日には多くの人で賑わいます。
    • 日常の買い物: 各駅周辺にはスーパーやドラッグストアが充実しており、日常的な買い物に不便を感じることはほとんどありません。

このように、平日は便利な街で暮らし、週末は雄大な自然の中でリフレッシュする。そんな「オンとオフ」を明確に切り替えられるライフスタイルは、都会の喧騒に疲れた人や、子供をのびのびと育てたいファミリー層にとって、何物にも代えがたい価値を持っています。

③ 子育て支援が充実している

滋賀県は、「子育てしが(滋賀)」というキャッチフレーズを掲げるなど、県を挙げて子育て支援に力を入れています。これは、データにも明確に表れています。

  • 待機児童数の少なさ: 都市部で大きな問題となっている保育所の待機児童ですが、滋賀県は全国的に見ても待機児童数が少ない県として知られています。共働き世帯にとって、子どもを預けやすい環境が整っていることは、移住を決める上で非常に大きな安心材料となります。(参照:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ」)
  • 手厚い医療費助成: 滋賀県では、すべての子どもが安心して医療を受けられるよう、市町と連携して子どもの医療費助成制度を設けています。多くの市町で、所得制限なしに中学校卒業(15歳年度末)まで、または高校卒業(18歳年度末)までの子どもの医療費(保険診療自己負担分)が助成されます。この手厚いサポートは、子育て世帯の経済的な負担を大きく軽減してくれます。(参照:滋賀県公式サイト「子ども医療費助成制度」)
  • 豊かな教育環境: 滋賀県は、琵琶湖を活かした環境学習「湖の子」フローティングスクールなど、独自の教育プログラムを実施しています。また、県内には公園や緑地が多く、子どもたちがのびのびと遊べる場所が豊富にあります。自然とのふれあいを通じて、子どもの豊かな感性や探究心を育むことができる環境です。
  • 移住支援の取り組み: 各市町も独自の支援策で子育て世帯の移住を後押ししています。例えば、移住者向けの住宅取得補助金や、新婚・子育て世帯向け家賃補助などを設けている自治体もあります。

これらの具体的な支援策と、琵琶湖に見守られる穏やかな環境が相まって、滋賀県は「安心して子どもを産み、育てられる場所」としての評価を確立しています。これから家族を築こうと考えているカップルや、より良い子育て環境を求めているファミリーにとって、滋賀県は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

滋賀県に住む前に知っておきたい注意点

多くのメリットがある一方で、滋賀県での暮らしには、事前に知っておくべき注意点も存在します。特に、都市部からの移住を考えている場合、ライフスタイルの変化に対応するための準備が必要です。ここでは、代表的な2つの注意点とその対策について解説します。

車がないと不便なエリアがある

滋賀県での生活を考える上で、最も重要なポイントの一つが「車社会」であるという認識です。京都や大阪などの大都市圏から移住する場合、このギャップに戸惑う可能性があります。

  • 公共交通機関の限界: JR琵琶湖線や湖西線の駅周辺は、電車での移動が便利で、生活に必要な施設も比較的揃っています。しかし、駅から少し離れた郊外の住宅地や、バス路線が発達していないエリアになると、公共交通機関だけで生活するのは非常に困難になります。バスの本数が1時間に1本以下という地域も珍しくなく、最終便の時間も早いため、夜間の外出や急な用事に対応しづらいのが実情です。
  • 車が必須となる具体的なシーン:
    • 買い物: 日用品は近所のスーパーで済ませられても、大型ショッピングモールやアウトレット、品揃えの豊富な専門店へ行くには車が必須です。週末に家族でまとめ買いをするスタイルが一般的になります。
    • 通勤・通学: 勤務先や学校が駅から離れている場合、車通勤・通学が必要になるケースが多くあります。特に、県内に多数立地する工場地帯へ勤務する場合は、ほとんどの人がマイカーを利用しています。
    • 子どもの送迎: 学校や塾、習い事の送迎に車は欠かせません。子どもが複数いる家庭では、時間差で様々な場所へ送迎する必要も出てきます。
    • レジャー: 琵琶湖岸のキャンプ場や山間部のアウトドアスポットなど、滋賀の自然を満喫できる場所の多くは、公共交通機関ではアクセスしにくい場所にあります。
  • 「一人一台」がスタンダードな地域も: このような状況から、滋賀県では「一家に一台」ではなく「成人一人に一台」の車を所有している世帯も少なくありません。夫婦それぞれが通勤に車を使い、場合によっては高校生の子供が免許を取得して通学に使う、といった光景も日常的です。

【対策】
物件を探す際には、「駐車場の有無」と「料金」を必ず確認しましょう。月極駐車場を別途契約する必要があるのか、物件に駐車場が付帯しているのか(1台分か2台分か)は、月々の固定費に大きく影響します。また、内見時には、物件から最寄りのスーパーや駅までの道のりを実際に歩いてみたり、バスの時刻表を確認したりして、車がない場合の生活を具体的にシミュレーションしてみることが重要です。

冬の寒さや積雪に備えが必要な地域がある

「滋賀県は関西だから温暖」というイメージを持っていると、冬の厳しさに驚くことになります。特に、県の北部と西部では、本格的な冬対策が必須です。

  • エリアによる気候の大きな差: 滋賀県の冬の気候は、エリアによって大きく異なります。
    • 湖南・湖東エリア: 大津市や草津市など県の南部では、年に数回雪が積もる程度で、日常生活に大きな支障が出ることは比較的少ないです。しかし、油断は禁物で、数年に一度は大雪に見舞われることもあります。
    • 湖北・湖西エリア: 長浜市、米原市、高島市といった県の北部・西部は、日本海側気候の影響を強く受けるため、豪雪地帯に指定されている地域もあります。冬になると毎日のように雪が降り、数十センチ、時には1メートルを超える積雪も珍しくありません。
  • 「伊吹おろし」「比良おろし」という季節風: 湖北エリアでは冬に「伊吹おろし」、湖西エリアでは「比良おろし」と呼ばれる、冷たく乾燥した強い風が山から吹き下ろします。この風により、体感温度は実際の気温よりもさらに低く感じられます。
  • 必要となる具体的な備え:
    • スタッドレスタイヤ: 11月下旬から12月上旬には、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)への交換が必須です。雪が降らない日でも、早朝や夜間は路面が凍結(アイスバーン)する危険性があります。ノーマルタイヤでの冬の走行は非常に危険です。
    • 除雪用具: 豪雪地帯に住む場合は、スノーショベルやスノーダンプといった除雪用具の準備が必要です。朝、出勤・通学する前に、自宅の玄関先や駐車場の雪かきをするのが冬の日常となります。
    • 水道管の凍結対策: 外気温が氷点下になると、屋外に露出している水道管や給湯器が凍結・破裂する恐れがあります。夜間に水を少しずつ流し続けたり、水道管に保温材を巻いたりといった対策が必要です。
    • 服装・暖房: 断熱性の高い服装や、滑りにくい冬用の靴が欠かせません。また、賃貸物件を選ぶ際には、断熱性や気密性の高さ、暖房設備(エアコンだけでなく、石油ファンヒーターやガスファンヒーターが使用可能かなど)も重要なチェックポイントになります。

【対策】
自分が住みたいと考えているエリアが、どの程度の積雪がある地域なのかを、不動産会社やハザードマップなどで事前に確認しましょう。特に湖北・湖西エリアの物件を検討する場合は、冬の生活について具体的な質問(除雪は誰が行うのか、駐車場の除雪状況など)を家主や管理会社にしておくことが、後々のトラブルを防ぐ上で重要です。

【データで比較】滋賀県の住みやすい街ランキングTOP5

滋賀県内で特に「住みやすい」と評価されているのはどの街なのでしょうか。ここでは、不動産・住宅情報サイトなどが公表している「街の住みここちランキング」のデータを基に、常に上位にランクインする人気の5つの市をピックアップし、その魅力と特徴を比較・分析します。

※ランキングや各指標は、大東建託株式会社が発表する「いい部屋ネット 街の住みここちランキング2023<滋賀県版>」などを参考に構成しています。

順位 市町村名 総合評価(偏差値) 評価される主な因子
1位 大津市 66.0 生活利便性、交通利便性、行政サービス、親しみやすさ
2位 草津市 65.6 生活利便性、交通利便性、将来性
3位 守山市 61.8 静かさ治安、交通利便性、親しみやすさ
4位 栗東市 60.1 交通利便性、生活利便性
5位 彦根市 56.4 生活利便性、親しみやすさ

参照:大東建託 賃貸未来研究所「いい部屋ネット 街の住みここちランキング2023<滋賀県版>」

やはり、上位4位までを湖南エリアの市が独占しており、交通の便や生活利便性が住みやすさに直結していることが明確にわかります。それでは、各市の詳細を見ていきましょう。

① 大津市

県庁所在地としての風格と、京都に隣接する利便性を兼ね備えた、滋賀県の中心都市。

  • 交通利便性: なんといっても京都への近さが最大の魅力です。JR大津駅から京都駅までは2駅・約10分。京阪京津線を利用すれば、京都市営地下鉄に直通で京都市中心部へもアクセスできます。通勤・通学の利便性は県内随一です。
  • 生活利便性: 大津駅や膳所(ぜぜ)駅、石山駅周辺には商業施設が集積しています。また、琵琶湖畔には「ブランチ大津京」や「Oh!Me大津テラス」といった新しい複合施設も誕生し、買い物や食事の選択肢が豊富です。県庁所在地であるため、行政機関や文化施設、病院なども充実しています。
  • 多様な住環境: 大津市は市域が広く、エリアによって全く異なる顔を持っています。琵琶湖の美しい景観を楽しめる湖岸エリア、閑静な住宅街が広がる山の手エリア、歴史的な風情が残る坂本エリアなど、多様なライフスタイルに対応できる選択肢の多さが特徴です。
  • 注意点: 市内での移動は坂道が多いエリアもあるため、場所によっては電動アシスト自転車や車があると便利です。また、観光シーズンは道路が混雑することもあります。

② 草津市

人口増加率も高く、若さと活気に満ちた滋賀県で最も勢いのある街。

  • 交通利便性: JR琵琶湖線の「新快速」停車駅であり、京都・大阪方面へのアクセスが非常にスムーズです。駅の利用者数も滋賀県内で最も多く、交通のハブとなっています。
  • 生活利便性: 駅周辺の発展は目覚ましく、まさに「コンパクトシティ」と言えます。駅西口には大型商業施設「エイスクエア」、東口には近鉄百貨店や飲食店街が広がり、日常の買い物から休日のショッピングまで、駅周辺ですべてが完結します。医療機関も充実しており、生活する上での利便性は非常に高い評価を得ています。
  • 将来性: 立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)があり、若い世代が多く住むことから、街全体に活気があります。人口も増加傾向にあり、今後もさらなる発展が期待されています。この「将来性」への期待感が、住みここち評価を押し上げる大きな要因となっています。
  • 注意点: 利便性が高い分、家賃相場は県内で最も高くなっています。また、駅周辺は朝夕のラッシュ時や週末に人や車の混雑が見られます。

③ 守山市

交通の便と穏やかな住環境を両立した、特に子育て世帯から絶大な支持を集める街。

  • 住環境: 草津市の隣に位置しながら、駅周辺を離れると田園風景も残る、のどかで落ち着いた雰囲気が魅力です。市内には大小さまざまな公園が点在し、子どもがのびのびと遊べる環境が整っています。「静かさ治安」の評価が高いことからも、安心して暮らせる街であることがうかがえます。
  • 交通利便性: 草津市と同様に「新快速」停車駅であり、交通の便も良好です。駅前には「西友」や複合施設「チカ守山」があり、日常の買い物には困りません。
  • 子育て支援: 守山市は子育て支援に非常に力を入れており、医療費助成の拡充や、多彩な子育てサポート事業を展開しています。こうした行政サービスの手厚さが、ファミリー層からの高い評価に繋がっています。
  • 注意点: 草津市に比べると大型商業施設の数は少なく、専門的な買い物やエンターテイメントを求める場合は、草津や京都まで足を延ばす必要があります。

④ 栗東市

JRAトレーニング・センターで知られる、車社会に適したバランスの取れた街。

  • 交通利便性: JR栗東駅は新快速は停車しませんが、普通電車で草津駅まで1駅・約4分とアクセスは良好です。それ以上に大きな強みが、名神高速道路「栗東インターチェンジ」の存在です。車での移動がメインのライフスタイルの人にとっては、京阪神方面、名古屋方面のどちらへもアクセスしやすく、非常に便利な立地です。
  • 生活利便性: 駅周辺や国道沿いにスーパーやドラッグストア、飲食店などがバランス良く配置されており、日常生活に不便はありません。大きな商業施設はないものの、隣接する草津市や守山市へのアクセスも容易です。
  • 住環境: 市内には企業の事業所や工場も多く立地していますが、基本的には穏やかな住宅街が広がっています。家賃相場も草津市や守山市に比べると手頃になるため、コストを抑えつつ湖南エリアの利便性を享受したいというニーズに応えてくれます。
  • 注意点: 駅からの距離がある物件も多いため、車の所有を前提として考えた方が良いでしょう。

⑤ 彦根市

国宝・彦根城をシンボルとする、歴史と文化が息づく湖東エリアの中心都市。

  • 住環境: 城下町の風情が残る美しい街並みが最大の魅力です。市の中心には彦根城がそびえ、その周囲には歴史的な建造物を活かしたカフェやショップが並ぶ「キャッスルロード」などがあり、散策するだけでも楽しめます。湖南エリアの喧騒から離れ、落ち着いた暮らしをしたい人に最適です。
  • 生活利便性: 彦根駅周辺には「ビバシティ彦根」といった大型商業施設があり、湖東エリアにおける商業の中心地となっています。大学や病院なども揃っており、生活基盤はしっかりと整っています。
  • 親しみやすさ: 観光地でもあることから、地域住民の地元への愛着が強く、「親しみやすさ」の評価が高い傾向にあります。地域のお祭りやイベントなども盛んです。
  • 注意点: 京都・大阪へのアクセスは、湖南エリアに比べると時間がかかります(彦根駅から京都駅まで新快速で約50分)。冬は雪が積もる日も多くなります。

ライフスタイル別|あなたに合う滋賀県の街は?

一人暮らしにおすすめの街、カップル・新婚におすすめの街、ファミリー世帯におすすめの街

滋賀県には個性豊かな街が数多く存在します。ここでは、これまでの情報を基に、「一人暮らし」「カップル・新婚」「ファミリー」という3つのライフスタイル別に、特におすすめの街とその理由を具体的に提案します。

一人暮らしにおすすめの街

一人暮らしの部屋探しでは、「通勤・通学の利便性」「家賃の手頃さ」「周辺の飲食店の充実度」などが重要なポイントになります。

  • 【学生向け】南草津(草津市):
    • 理由: 立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)の最寄り駅であり、学生向けのワンルームや1Kのアパート・マンションが非常に豊富です。駅周辺には飲食店やカラオケ、スーパーなどが集積しており、アルバイト先も見つけやすい環境です。家賃相場は学生街ということもあり、草津駅周辺よりはやや手頃になります。多くの学生が住んでいるため、初めての一人暮らしでも安心感があります。
  • 【社会人・利便性重視派】草津駅周辺(草津市):
    • 理由: 京都・大阪への通勤を考えるなら、新快速停車駅で商業施設も充実している草津駅周辺が最もおすすめです。仕事帰りに買い物や食事を済ませることができ、都会的な生活を送りたい人に最適です。家賃は高めですが、その分の利便性は十分に得られます。
  • 【社会人・コスパ重視派】大津駅・石山駅周辺(大津市):
    • 理由: 京都へのアクセスを最優先しつつ、家賃を少しでも抑えたい人におすすめです。特に石山駅は新快速停車駅でありながら、草津市に比べて家賃相場が落ち着く傾向にあります。京阪電車も利用でき、交通の選択肢が多いのも魅力です。京都の職場までドア・トゥ・ドアで30分以内、という生活も十分に可能です。

カップル・新婚におすすめの街

二人暮らしを始めるカップルや新婚世帯では、「お互いの通勤の便」「休日の過ごしやすさ」「将来の子育て環境」などを考慮に入れると良いでしょう。

  • 【バランス重視派】守山市:
    • 理由: 新快速停車駅であるため二人の通勤利便性を確保しつつ、草津市ほどゴミゴミしていない落ち着いた住環境が魅力です。駅周辺にはスーパーや飲食店があり、普段の生活には困りません。琵琶湖岸にも近く、休日にはサイクリングや湖岸のカフェでのんびり過ごすことができます。将来的に子どもが生まれても、そのまま住み続けられる安心感があります。
  • 【おしゃれな暮らし派】近江八幡市:
    • 理由: 歴史的な街並みとモダンなカフェやショップが共存する、独特の雰囲気が魅力です。休日は水郷めぐりを楽しんだり、古い建物をリノベーションしたお洒落なカフェで過ごしたりと、二人だけの時間を豊かに彩ってくれます。新快速停車駅なので、通勤の便も確保されています。「ラ コリーナ近江八幡」のような人気スポットも近く、訪れる友人にも自慢できる街です。
  • 【アクティブ派】大津京駅周辺(大津市):
    • 理由: 目の前には琵琶湖が広がり、マリンスポーツの拠点も近くにあります。また、比良山地へのアクセスも良く、登山やハイキングが好きなカップルにはたまりません。駅前には大型商業施設「ブランチ大津京」があり、日常の利便性も高いです。JR湖西線で京都駅まで約11分と、アクセスも良好。都会の便利さとアウトドアライフを両立させたい二人にぴったりの街です。

ファミリー世帯におすすめの街

ファミリー世帯にとって最も重要なのは、「子育てのしやすさ」です。公園の多さ、学校や病院へのアクセス、行政のサポート体制などが街選びの決め手となります。

  • 【子育て環境 最優先派】守山市:
    • 理由: 前述の通り、子育て支援が手厚く、待機児童も少ないため、共働き世帯でも安心して暮らせます。市内には大きな公園が多く、車で少し行けば「びわこ地球市民の森」のような広大な自然公園もあります。穏やかな住環境と治安の良さも、子育てファミリーにとっては大きな安心材料です。
  • 【利便性と教育重視派】草津市・南草津エリア:
    • 理由: 塾や習い事の選択肢が豊富で、教育熱心な家庭にとっては魅力的な環境です。イオンモールなどの大型商業施設が近くにあるため、休日の家族サービスにも困りません。交通の便が良いことから、父親の通勤負担を軽減できるというメリットもあります。活気のある環境で、子どもに様々な経験をさせたいと考える家庭に向いています。
  • 【のびのび自然派】高島市(安曇川エリアなど):
    • 理由: 豊かな自然環境の中で、子どもをのびのびと育てたいと考えるファミリーにおすすめです。広い庭付きの一戸建て賃貸なども見つけやすく、家庭菜園やDIYを楽しむ暮らしも実現できます。夏は琵琶湖で泳ぎ、冬は雪遊びと、四季の変化を肌で感じながら成長できます。ただし、生活には車が必須であり、親の働き方も含めたライフスタイルの大幅な見直しが必要になります。

滋賀県で希望の賃貸物件を見つける4つのステップ

住みたいエリアの条件を洗い出す、払える家賃の上限を決める、譲れない設備や条件をリストアップする、複数の賃貸サイトで物件を比較検討する

自分に合ったエリアの目星がついたら、いよいよ具体的な物件探しです。やみくもに探すのではなく、順序立てて進めることで、効率的に理想の物件に出会うことができます。ここでは、物件探しを成功させるための4つのステップを解説します。

① 住みたいエリアの条件を洗い出す

まずは、あなたが「どこに」住みたいのか、その条件を具体的にすることから始めます。

  • 通勤・通学時間: 毎日のことなので、最も重要な条件の一つです。「電車での乗車時間30分以内」「会社の最寄り駅まで乗り換え1回まで」など、具体的な上限を決めましょう。
  • 最寄り駅からの距離: 「徒歩10分以内」が一般的に人気の条件ですが、坂道の有無や道中の明るさなども考慮に入れると良いでしょう。不動産広告の「徒歩◯分」は、80mを1分として計算したもので、信号待ちや坂道は考慮されていません。実際に歩いてみるのが一番です。
  • 駅の種類: 「新快速停車駅」にこだわるのか、「普通停車駅」でも良いのかで、家賃相場は大きく変わります。
  • 周辺環境: 「静かな住宅街」「スーパーやコンビニが近い」「公園が近くにある」「病院が近い」など、自分のライフスタイルに必要な施設をリストアップします。
  • 優先順位をつける: 全ての条件を満たすエリアはなかなかありません。「これだけは絶対に譲れない」という条件と、「できれば満たしたいが、妥協もできる」という条件に分けて、優先順位を明確にしておくことが、スムーズな意思決定に繋がります。

② 払える家賃の上限を決める

次に、経済的な条件を固めます。家賃は毎月発生する最大の固定費なので、慎重に設定する必要があります。

  • 「手取り月収の3分の1」の法則: よく言われる目安ですが、これはあくまで一般的な基準です。例えば、車を所有している場合は駐車場代や維持費がかかりますし、趣味にお金を使いたい人、将来のために貯蓄をしたい人もいるでしょう。
  • 「総家賃」で考える: 重要なのは、家賃だけでなく管理費(共益費)も含めた「総支払額」で考えることです。家賃が安くても管理費が高い物件もあるため、必ず総額で比較検討しましょう。
  • 初期費用も忘れずに: 賃貸契約時には、敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、保証会社利用料、火災保険料などで、家賃の4〜6ヶ月分程度の初期費用がかかります。この費用も念頭に置いた上で、無理のない家賃上限を設定することが大切です。

③ 譲れない設備や条件をリストアップする

住みたいエリアと家賃の上限が決まったら、次は物件そのものに求める条件を整理します。

  • 間取りと広さ: 「寝室とリビングは分けたいから1LDK以上」「在宅ワーク用のスペースが欲しいから2DK以上」など、自分の暮らし方をイメージしながら必要な間取りを考えます。
  • 必須の設備: 「バス・トイレ別」「独立洗面台」「2口以上のガスコンロ」「室内洗濯機置場」「エアコン付き」「オートロック」「宅配ボックス」など、生活の快適性を左右する設備をリストアップします。
  • あると嬉しい条件: 「2階以上」「南向きのバルコニー」「ウォークインクローゼット」「インターネット無料」「ペット相談可」など、必須ではないけれど、あれば嬉しい条件も挙げておきましょう。
  • ここでも優先順位を: 全ての希望を叶える完璧な物件は、予算内で見つけるのは困難です。「これがないと絶対に無理」という条件と、「あればラッキー」という条件を自分の中で仕分けしておくことで、内見時の判断がしやすくなります。

④ 複数の賃貸サイトで物件を比較検討する

いよいよ、この記事の冒頭で紹介したような賃貸サイトを使って、具体的な物件を探し始めます。

  • 複数サイトの活用: SUUMOやLIFULL HOME’Sといった大手ポータルサイトと、エリッツやアヤハ不動産のような地域密着型サイトを併用するのが最も効果的です。サイトによって掲載されている物件が異なったり、独占物件があったりするため、複数の情報源を持つことで見逃しを防げます。
  • 検索条件の入力: ステップ①〜③で整理した条件を入力して、物件を絞り込みます。最初は条件を少し広めにして検索し、ヒットした物件数を見ながら徐々に条件を厳しくしていくと、相場観が掴みやすいです。
  • 問い合わせと内見: 気になる物件が見つかったら、不動産会社に問い合わせて内見(室内見学)の予約をします。内見は1日に3〜4件程度に絞るのがおすすめです。
  • 内見時のチェックポイント:
    • 室内: 日当たり、風通し、収納の広さ、コンセントの位置と数、水回りの状態(水圧や臭い)、携帯電話の電波状況。
    • 共用部: 廊下や階段の清潔さ、ゴミ置き場の管理状況、駐輪場の整理整頓具合。
    • 周辺環境: 周囲の騒音(昼と夜で確認できるとベスト)、近隣の建物の状況(日当たりを遮らないか)、夜道の明るさ。

これらのステップを丁寧に進めることで、後悔のない、満足度の高い物件選びができるはずです。

滋賀県の賃貸探しに関するよくある質問

最後に、滋賀県での賃貸物件探しにおいて、多くの人が抱く疑問についてQ&A形式でお答えします。

滋賀県の治安は良いですか?

A. 全体的に見れば、滋賀県の治安は比較的良好と言えます。

滋賀県警が公表しているデータによると、刑法犯認知件数は年々減少傾向にあり、人口あたりの犯罪発生率も全国平均を下回っています。特に、郊外の住宅地や農村部は非常に穏やかで、安心して暮らせる環境です。

ただし、どの地域でも言えることですが、エリアによる差は存在します。大津市や草津市の駅周辺の繁華街など、人が多く集まる場所では、窃盗(特に自転車盗)や軽犯罪の発生率は他のエリアより高くなる傾向があります。

治安を重視する場合の対策としては、

  • 内見時に周辺環境をよく確認する(街灯の多さ、夜道の人通りなど)。
  • オートロックやモニター付きインターホン、2階以上の部屋など、セキュリティ設備が整った物件を選ぶ
  • ハザードマップだけでなく、各市町村が公表している「犯罪発生マップ」なども参考に、エリアごとの犯罪発生状況を確認する
    といったことが有効です。不動産会社のスタッフに、地域の治安について率直に尋ねてみるのも良いでしょう。
    (参照:滋賀県警察 滋賀の犯罪情勢)

物件探しの初期費用はどれくらい必要ですか?

A. 一般的に「家賃の4ヶ月分〜6ヶ月分」が目安とされています。

例えば、家賃8万円の物件を契約する場合、32万円〜48万円程度の初期費用が必要になる計算です。主な内訳は以下の通りです。

項目 内容 目安
敷金 家賃滞納や退去時の原状回復費用に充てられる保証金。 家賃の0〜2ヶ月分
礼金 大家さんへのお礼として支払うお金。返還されない。 家賃の0〜2ヶ月分
仲介手数料 不動産会社に支払う手数料。 家賃の0.5〜1ヶ月分 + 消費税
前家賃 入居する月の家賃。月の途中で入居する場合は日割り計算。 約1ヶ月分
保証会社利用料 連帯保証人がいない場合などに利用する保証会社への費用。 家賃の0.5〜1ヶ月分 or 年間数万円
火災保険料 火災や水漏れなどの損害に備える保険。加入が義務付けられていることが多い。 1.5万円〜2万円(2年契約)
鍵交換費用 防犯のために、前の入居者から鍵を交換するための費用。 1.5万円〜2.5万円

最近は、初期費用を抑えられる「敷金・礼金ゼロ(ゼロゼロ物件)」も増えています。ただし、こうした物件は退去時にクリーニング代などの名目で別途費用を請求されるケースや、その分家賃が相場より少し高めに設定されている場合もあるため、契約内容をよく確認することが重要です。

良い物件が見つかりやすい時期はありますか?

A. 物件の「量」と「質」を考えると、一長一短があります。時期ごとの特徴を理解して動くのがおすすめです。

  • 【繁忙期】1月〜3月:
    • メリット: 転勤や進学、就職に伴う引越しが集中するため、市場に出回る物件の数が最も多くなります。選択肢が豊富なので、希望に合った物件に出会える可能性も高まります。
    • デメリット: 探している人も多いため、良い物件はすぐに埋まってしまいます。競争率が高く、家賃交渉や初期費用の交渉はほとんど期待できません。不動産会社も多忙なため、じっくり相談する時間が取りにくい場合もあります。
  • 【閑散期】6月〜8月:
    • メリット: 引っ越す人が少ないため、空室期間が長引いている物件の家賃交渉や、フリーレント(一定期間の家賃が無料になる)などのサービス交渉がしやすくなります。不動産会社も時間に余裕があるため、親身に相談に乗ってくれることが多いです。
    • デメリット: 市場に出回る物件の数が少なく、選択肢は限られます。掘り出し物が見つかることもありますが、根気強い探索が必要です。
  • 【第2の繁忙期】9月〜10月:
    • メリット: 秋の転勤シーズンにあたり、再び物件の動きが活発になります。1〜3月ほどではありませんが、比較的多くの物件の中から選ぶことができます。
    • デメリット: 夏の閑散期に比べると、交渉の余地は少なくなります。

結論として、たくさんの物件の中から選びたいなら1月〜3月、交渉をしながらお得に契約したいなら6月〜8月が狙い目と言えるでしょう。自分の引越しスケジュールと照らし合わせ、最適なタイミングで物件探しを始めることが成功の鍵となります。