働き方の多様化が進む現代において、オフィスに縛られない自由なワークスタイルを選択する人が増えています。フリーランスや起業家はもちろん、大企業の従業員もリモートワークやサテライトオフィスでの勤務が一般的になりつつあります。こうした流れの中で、新たなワークプレイスとして大きな注目を集めているのが「コワーキングスペース」です。
この記事では、コワーキングスペースの基本的な知識から、メリット・デメリット、そして自分に合った施設の選び方までを網羅的に解説します。さらに、全国に展開する主要なコワーキングスペース25選を、料金や特徴を基に徹底比較します。この記事を読めば、コワーキングスペースのすべてが分かり、あなたに最適なワーキング環境を見つけるための具体的な一歩を踏み出せるでしょう。
目次
コワーキングスペースとは
コワーキングスペースとは、「Co-working(共に働く)」という言葉から生まれた、異なる職業や所属を持つ人々が同じ場所を共有して仕事を行うスペースのことです。単に机や椅子、インターネット環境が提供されるだけでなく、利用者同士の交流を促すためのコミュニティ機能が備わっている点が大きな特徴です。
もともとは、フリーランスやノマドワーカーといった個人事業主が、自宅やカフェ以外の集中できる仕事場として利用するケースが主流でした。しかし、近年では働き方改革や新型コロナウイルスの影響によるリモートワークの普及に伴い、企業のサテライトオフィスやプロジェクト単位での短期的な拠点、あるいは従業員の福利厚生の一環として法人契約するケースも急増しています。
コワーキングスペースは、開放的なオープンスペース(フリーアドレス席)を中心に構成されていることが多く、利用者同士が自然な形でコミュニケーションを取れるような設計がなされています。施設によっては、集中して作業したい人向けの個室ブース、オンライン会議用の電話ブース、打ち合わせに使える会議室、リフレッシュできるラウンジやカフェスペースなど、多様なニーズに応える設備が充実しています。
さらに、多くのコワーキングスペースでは「コミュニティマネージャー」と呼ばれる専任スタッフが常駐しています。彼らは施設の運営管理だけでなく、利用者同士を繋いだり、ビジネスに役立つイベントや勉強会を企画したりと、コミュニティ活性化の中心的な役割を担います。このような偶発的な出会いや情報交換から、新たなビジネスチャンスやイノベーションが生まれることも、コワーキングスペースならではの価値と言えるでしょう。
レンタルオフィスやシェアオフィスとの違い
コワーキングスペースとしばしば混同されがちなワークスペースとして、「レンタルオフィス」や「シェアオフィス」があります。これらは提供するサービスや利用目的が異なり、それぞれの特徴を理解することが、自分に合った環境を選ぶ上で非常に重要です。
項目 | コワーキングスペース | レンタルオフィス | シェアオフィス |
---|---|---|---|
主なスペース形態 | オープンスペース(フリーアドレス)が中心 | 完全個室(専有スペース) | 個室とオープンスペースの併設 |
主な目的 | 仕事、コミュニティ形成、交流 | 集中作業、プライバシー確保 | 集中作業と交流の両立 |
プライバシー性 | 低い(オープンスペースのため) | 高い(施錠可能な個室) | 中程度(個室と共用部がある) |
料金体系 | ドロップイン、月額(フリー/固定)など多様 | 月額(個室単位での契約)が基本 | 月額(個室/フリー)など |
コミュニティ機能 | 非常に高い(イベント等が多い) | 低い(交流は限定的) | 中程度(施設による) |
向いている人 | フリーランス、起業家、交流を求める人 | 士業、スタートアップ、機密情報を扱う企業 | 集中と交流を両立したい人、多様な働き方を求める企業 |
レンタルオフィスは、施錠可能な完全個室の執務スペースを月単位で借りる形態です。主な目的は、プライバシーが確保された環境で集中して業務を行うことです。法人登記や電話番号の取得、秘書サービスなどが付帯していることが多く、スタートアップ企業が本社を構えたり、企業の支店として利用したりするのに適しています。コワーキングスペースのような利用者間の交流を促す機能は限定的で、あくまで「専有のオフィス空間を低コストで借りる」という側面に特化しています。
シェアオフィスは、コワーキングスペースとレンタルオフィスの中間的な存在と言えます。一つの施設内に、レンタルオフィスのような専有の個室と、コワーキングスペースのような共用のオープンスペースやラウンジが共存している形態です。そのため、集中したい時は個室で作業し、気分転換や交流をしたい時は共用スペースを利用する、といったハイブリッドな働き方が可能です。ただし、「シェアオフィス」という言葉の定義は運営会社によって異なり、実質的にコワーキングスペースやレンタルオフィスと同義で使われることも少なくありません。
まとめると、コミュニティや他者との交流を重視し、柔軟な利用を求めるならコワーキングスペース、プライバシーと集中環境を最優先し、長期的な拠点を構えたいならレンタルオフィスが適していると言えるでしょう。どちらの要素もバランス良く取り入れたい場合は、シェアオフィスが有力な選択肢となります。
コワーキングスペースの主な料金プランと料金相場
コワーキングスペースの魅力の一つは、利用者のライフスタイルやワークスタイルに合わせて柔軟な料金プランが選べる点です。ここでは、代表的な3つの料金プランと、その料金相場について詳しく解説します。料金は立地や施設のグレード、付帯サービスによって大きく変動するため、あくまで目安として捉えてください。
ドロップイン(一時利用)
ドロップインとは、会員登録をせずに、時間単位や1日単位で都度料金を支払って利用するプランです。出張先で急に仕事をする必要ができた、自宅でのリモートワークに集中できず気分転換したい、あるいは特定のコワーキングスペースを本格的に契約する前のお試しとして利用したい、といった場合に非常に便利です。
- メリット:
- 必要な時に必要なだけ利用でき、無駄なコストがかからない。
- 入会金や月額固定費が不要で、気軽に利用を開始できる。
- 様々な施設を試してみて、自分に合った場所を見つけることができる。
- デメリット:
- 時間あたりの単価は月額プランに比べて割高になる傾向がある。
- 利用の都度、受付手続きが必要になる場合がある。
- 混雑時には利用できない可能性がある。
- 料金相場:
- 時間利用: 1時間あたり500円~1,500円程度
- 1日利用: 1日あたり2,000円~5,000円程度
都市部の駅近など利便性の高い施設や、設備が充実している施設は料金が高めに設定されていることが多く、郊外や地方の施設は比較的リーズナブルな傾向にあります。
月額会員(フリーアドレス)
月額会員(フリーアドレス)は、毎月定額の料金を支払うことで、施設の営業時間内であればいつでもオープンスペースの空いている席を自由に利用できるプランです。週に数回以上コワーキングスペースを利用する人にとっては、ドロップインよりもコストパフォーマンスが高くなります。
- メリット:
- 利用頻度が高ければ、ドロップインよりも1回あたりの利用料金が安くなる。
- 都度の支払いや手続きが不要で、スムーズに利用を開始できる。
- 会員限定のイベントやコミュニティに参加できる機会が増える。
- デメリット:
- 固定の席ではないため、日によって作業環境が変わる。
- 人気の施設や時間帯によっては、好みの席が確保できない場合がある。
- 私物やPCをデスクに置いたまま離席することができない(ロッカーの契約が別途必要な場合が多い)。
- 料金相場:
- 月額: 10,000円~30,000円程度
このプランには、平日のみ利用可能なプラン、土日祝日も利用可能なプラン、24時間利用可能なプランなど、施設によって様々なバリエーションがあります。法人契約で複数の従業員が利用できるプランを提供している施設もあります。
月額会員(固定席・個室)
月額会員(固定席・個室)は、自分専用のデスク(固定席)や、完全に区切られたプライベートな部屋(個室)を月単位で契約するプランです。最も賃貸オフィスに近い利用形態で、高い集中力とセキュリティが求められる場合に適しています。
- メリット:
- 常に同じ席で作業できるため、集中環境を維持しやすい。
- デスクトップPCやモニター、書類などを常に置いておくことができる。
- 個室プランであれば、機密性の高い電話やオンライン会議も気兼ねなく行える。
- 法人登記や住所利用のオプションが付帯していることが多い。
- デメリット:
- 料金がフリーアドレスプランに比べて大幅に高くなる。
- 人気の施設では空きがなく、すぐには契約できない場合がある。
- オープンスペースの利用者との交流機会は減る可能性がある。
- 料金相場:
- 固定席: 月額30,000円~80,000円程度
- 個室(1名用~): 月額50,000円~数十万円程度
個室の料金は、部屋の広さや窓の有無、利用人数によって大きく変動します。敷金や保証金が必要な場合もあるため、契約前には初期費用全体をしっかりと確認することが重要です。これらのプランを比較検討し、自身の利用頻度や目的に最も合ったものを選ぶことが、コストを最適化する鍵となります。
コワーキングスペースを利用する4つのメリット
コワーキングスペースは、単なる仕事場所にとどまらない多くの価値を提供します。ここでは、その代表的な4つのメリットについて、具体的な利用シーンを交えながら詳しく解説します。
① 初期費用や固定費を抑えられる
コワーキングスペース最大のメリットは、事業を始める際や働く場所を確保する際の経済的な負担を大幅に軽減できることです。
通常、事務所を賃貸契約する場合、敷金・礼金・保証金・仲介手数料といった多額の初期費用が発生します。都心部で小さなオフィスを借りるだけでも、数十万から数百万円の初期投資が必要になることは珍しくありません。さらに、デスクや椅子、キャビネットなどのオフィス家具、インターネット回線の敷設工事、複合機のリース契約など、事業を開始できる状態にするまでには追加のコストと時間がかかります。
一方、コワーキングスペースの月額プランであれば、入会金(数千円~数万円程度)と初月の利用料だけで、すぐに事業を開始できます。敷金や礼金は不要な場合がほとんどで、必要最低限のコストでワークスペースを確保できます。
また、月々の固定費(ランニングコスト)の面でも大きな差があります。賃貸オフィスでは、家賃に加えて、水道光熱費、インターネット通信費、共益費などが別途発生します。しかし、コワーキングスペースの月額料金には、これらの費用がすべて含まれていることが一般的です。これにより、毎月の支出を平準化し、資金繰りの見通しを立てやすくなります。これは、収益が不安定になりがちな創業期のスタートアップやフリーランスにとって、非常に大きな安心材料となるでしょう。
② 仕事に必要な設備が整っている
コワーキングスペースには、快適かつ効率的に仕事を進めるために必要なインフラや設備があらかじめ完備されています。
まず、ビジネスの生命線とも言える高速で安定したWi-Fi環境と、各席に完備された電源は、どのコワーキングスペースでも標準装備です。これにより、PC一つあればすぐにでも仕事に取り掛かれます。
さらに、多くの施設では以下のような設備が共用で利用できます。
- プリンター・複合機・スキャナー: 自前でリース契約すると高額になる複合機を、使った分だけの従量課金制(例:モノクロ1枚10円)で利用できます。
- フリードリンク: コーヒー、お茶、水などが飲み放題のドリンクサーバーが設置されており、仕事の合間のリフレッシュに役立ちます。施設によっては、本格的なコーヒーマシンや多彩な種類のドリンクを提供している場所もあります。
- 会議室・ミーティングスペース: プロジェクターやホワイトボードを備えた会議室を、時間単位で予約して利用できます。クライアントとの打ち合わせやチームでのディスカッションに最適です。
- 電話・Web会議ブース: 周囲を気にせずに通話やオンライン会議ができる、防音性の高い個室ブースです。リモート会議が日常的になった現代において、非常に重宝される設備です。
- モニター・文房具の貸し出し: デュアルディスプレイで作業効率を上げたい場合に便利な外部モニターや、ホワイトボードマーカー、各種文房具などを無料で貸し出している施設も多くあります。
これらの設備をすべて自分で揃える手間とコストを考えれば、コワーキングスペースを利用する利便性の高さが理解できるでしょう。
③ 新たな人脈やビジネスチャンスが生まれる
コワーキングスペースは、多様なバックグラウンドを持つ人々が集まる「知の交差点」です。この環境が、予期せぬ人脈形成や新たなビジネスチャンスの創出に繋がることがあります。
オープンスペースで隣り合わせたエンジニアとデザイナーが意気投合し、新しいプロジェクトを立ち上げる。ランチタイムの雑談から、互いのクライアントを紹介し合う関係に発展する。施設が主催する交流イベントで出会った起業家から、資金調達に関する貴重なアドバイスをもらう。これらは、コワーキングスペースでは日常的に起こりうるシナリオです。
こうしたセレンディピティ(偶発的な幸運)を促進するのが、コミュニティマネージャーの存在です。彼らは利用者一人ひとりの事業内容や探しているスキルを把握し、「〇〇さん、こんな面白いことをしている人がいるので紹介しますよ」といった形で、人と人とを繋ぐハブの役割を果たします。
また、多くの施設では、専門家を招いたセミナー、スキルアップのための勉強会、利用者同士の親睦を深める懇親会など、多彩なイベントが定期的に開催されています。こうした場に積極的に参加することで、業界の最新トレンドを学んだり、孤独になりがちな個人事業主が同じ志を持つ仲間を見つけたりすることができます。 このようなコミュニティ機能は、従来のオフィスや自宅での作業では決して得られない、コワーキングスペースならではの強力な付加価値です。
④ 法人登記や住所利用ができる
多くのコワーキングスペースでは、オプションサービスとして法人登記や住所利用のプランが提供されています。これは特に、フリーランスやスタートアップにとって大きなメリットとなります。
個人事業主として活動を始める際、自宅の住所を事業所の所在地として登録することに抵抗を感じる人は少なくありません。自宅住所を名刺やウェブサイトに公開することは、プライバシーやセキュリティの観点からリスクが伴います。
そこでコワーキングスペースの住所利用サービスを活用すれば、月額数千円程度の追加料金で、都心の一等地などのオフィス住所を自社の住所として利用できます。 これにより、クライアントに対する信頼性を高めることができます。
また、事業を法人化する際には、法務局に本店所在地を登記する必要があります。この際にも、コワーキングスペースの住所を利用できる「法人登記プラン」が役立ちます。自宅での登記を避けたい場合や、バーチャルオフィス(住所貸し専門のサービス)よりも信頼性の高い拠点を持ちたい場合に最適です。
さらに、これらのプランには郵便物や宅配便の受け取り・転送サービスが付帯していることがほとんどです。これにより、外出中や出張中でも重要な郵便物を見逃す心配がありません。一部の施設では、来客時の受付対応や電話応対代行といった秘書サービスも提供しており、小規模なチームでも大企業のようなしっかりとした事業基盤を整えることが可能です。
コワーキングスペースを利用する3つのデメリット
多くのメリットがある一方で、コワーキングスペースには特有のデメリットや注意点も存在します。これらを事前に理解し、対策を講じることが、快適な利用に繋がります。
① 情報漏洩のリスクがある
コワーキングスペースの多くは、不特定多数の人が出入りするオープンスペースを基本としています。この開放的な環境は交流を促す一方で、情報漏洩のリスクを内包していることを認識しておく必要があります。
具体的には、以下のようなリスクが考えられます。
- PC画面の覗き見(ショルダーハッキング): 背後や隣の席からPCの画面を覗き見られ、機密情報や顧客情報が漏れてしまう可能性があります。
- 会話の盗み聞き: 電話やオンライン会議、あるいは同僚との打ち合わせの内容が、意図せず周囲の人に聞かれてしまうことがあります。特に、新製品の開発情報や個人情報を含む会話には細心の注意が必要です。
- 書類やデバイスの紛失・盗難: 少し席を離れた隙に、デスクの上に置いていた重要書類やスマートフォン、PCなどが盗難に遭うリスクもゼロではありません。
これらのリスクを軽減するためには、利用者自身のセキュリティ意識が不可欠です。PCには覗き見防止フィルターを装着する、離席する際は必ず画面をロックする、機密性の高い会話は個室の会議室や電話ブースを利用する、重要な書類は施錠可能なロッカーに保管するといった対策を徹底しましょう。また、施設を選ぶ際には、監視カメラの設置状況や入退館管理システムの有無など、セキュリティ対策がしっかりしているかを確認することも重要です。
② 周囲の音や会話が気になる場合がある
コワーキングスペースは「共に働く」場所であり、利用者同士のコミュニケーションやディスカッションが活発に行われることも少なくありません。この活気ある雰囲気が魅力である一方、静かな環境で集中して作業したい人にとっては、周囲の話し声や物音がストレスになる場合があります。
特に、電話やオンライン会議の声、利用者同士の談笑、キーボードを強く叩くタイピング音などは、集中力を削ぐ要因となり得ます。施設によっては「サイレントエリア」や「集中ブース」といった静かな作業専用のスペースが設けられていることもありますが、すべての施設に完備されているわけではありません。
この問題への対策としては、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンやヘッドホンを持参することが最も手軽で効果的です。音楽を聴いたり、環境音を流したりすることで、周囲の音を遮断し、自分だけの世界に入り込むことができます。
また、施設選びの段階で、ドロップインや見学を利用して、実際の音環境を自分の耳で確認することが非常に重要です。利用者の会話のボリューム、BGMの有無や音量、施設全体の雰囲気などをチェックし、自分が快適に過ごせるかどうかを見極めましょう。自分が求める静かさと、その施設のコンセプトが合致しているかを確認することが、契約後のミスマッチを防ぐ鍵となります。
③ 人気の施設は混雑することがある
駅からのアクセスが良い、設備が充実している、料金がリーズナブルといった人気のコワーキングスペースでは、時間帯や曜日によって非常に混雑し、席を見つけるのが困難になることがあります。
特にフリーアドレスプランの場合、出社時間が集中する平日の午前中や、集中力が高まる午後の時間帯に席が埋まりやすくなる傾向があります。ようやく空いている席を見つけても、電源が遠かったり、隣の席との間隔が狭かったりと、快適とは言えない環境で作業せざるを得ない状況も考えられます。
また、会議室や電話ブースなどの共用設備も、利用者が多い時間帯は予約で埋まってしまい、使いたい時に使えないという事態も起こり得ます。
こうした混雑を避けるための対策としては、以下のようなものが考えられます。
- 利用する時間帯をずらす: 可能であれば、比較的空いている早朝や夕方以降の時間帯を狙って利用する。
- 複数拠点が利用できるプランを契約する: 一つの拠点が混んでいても、近隣の別の拠点に移動できるプランであれば、柔軟に対応できます。
- 施設の混雑状況をリアルタイムで確認する: 施設によっては、ウェブサイトや専用アプリで現在の混雑状況を公開している場合があります。
- 固定席プランを検討する: 常に自分の席が確保されている固定席プランに切り替えることも、根本的な解決策の一つです。
施設見学の際には、スタッフに「どの時間帯が混み合いますか?」と質問してみるのも良いでしょう。自分のワークスタイルと施設の混雑のピークが重ならないかを事前に把握しておくことが大切です。
失敗しないコワーキングスペースの選び方7つのポイント
数多くのコワーキングスペースの中から、自分にとって最適な一ヶ所を見つけ出すのは簡単なことではありません。ここでは、契約後に「こんなはずではなかった」と後悔しないための、7つの重要なチェックポイントを解説します。
① 利用目的と頻度を明確にする
まず最初に、「自分がなぜコワーキングスペースを使いたいのか」という目的と、「週に(月に)何日、何時間くらい利用するのか」という頻度を具体的に考えましょう。これが、最適なプランと施設を選ぶための最も重要な土台となります。
- 目的の例:
- 集中できる作業場所の確保: 自宅では集中できないため、静かな環境で黙々と作業したい。
- コミュニティへの参加・人脈形成: 異業種の人と交流し、新たなビジネスチャンスを探したい。
- コスト削減: オフィスの賃料や固定費を抑えたい。
- 企業のサテライトオフィス: 従業員の多様な働き方を支援したい。
- 打ち合わせ場所の確保: クライアントと打ち合わせができる場所が欲しい。
- 頻度の例:
- 毎日利用: メインの仕事場として、ほぼ毎日利用する。
- 週に2〜3回利用: リモートワークと出社のハイブリッド。
- 月に数回利用: 出張時や、気分転換したい時だけ利用する。
例えば、「静かな環境で集中したい」が目的なら、コミュニティが活発な施設よりも、サイレントエリアが充実している施設が向いています。「人脈形成」が目的なら、イベントが頻繁に開催される施設を選ぶべきです。
利用頻度によって、最適な料金プランも変わります。毎日利用するなら月額会員、月に数回ならドロップインや回数券がお得になるでしょう。この「目的」と「頻度」の掛け合わせで、選択肢を大きく絞り込むことができます。
② 料金プランと総額費用を確認する
ウェブサイトに表示されている月額料金の安さだけで判断するのは危険です。契約前に必ず、初期費用と月々のランニングコストを含めた「総額費用」を確認しましょう。
チェックすべき項目は以下の通りです。
- 初期費用:
- 入会金・登録料: 契約時に一度だけ支払う費用。
- 保証金・敷金: 退去時に返還されることが多いですが、高額になる場合もあります。特に個室契約では必須の場合が多いです。
- 月額費用:
- 基本料金: 契約プランの料金。
- オプション料金: 以下のような追加サービスの料金を確認します。
- 法人登記・住所利用
- 郵便物受け取り・転送
- ロッカー利用
- 複合機利用(従量課金)
- 会議室利用(会員でも有料の場合、無料時間が設定されている場合など様々)
- 電話番号取得・転送
一見、月額料金が安く見えても、必要なオプションを追加していくと、別の施設よりも高額になってしまうケースがあります。自分が必要とするサービスをリストアップし、複数の施設で総額の見積もりを比較検討することが賢明です。
③ 立地やアクセスの良さを確認する
どれだけ素晴らしい施設でも、通うのが億劫になるような場所では長続きしません。自宅や主要な取引先からのアクセスは、非常に重要な選定基準です。
- 最寄り駅からの距離: 毎日通うことを考えると、駅から徒歩5分以内が理想的です。雨の日や荷物が多い日のことも想定しましょう。
- 利用する路線の利便性: 乗り換えが少ないか、ラッシュ時の混雑はどの程度かなども考慮に入れると良いでしょう。
- 周辺環境: 昼食をとる飲食店、ちょっとした買い物ができるコンビニやスーパー、仕事帰りに立ち寄れるジムや銀行などが近くにあると、生活全体の利便性が向上します。
特にフリーランスや営業職の方は、クライアント先への移動も考慮して立地を選ぶと、移動時間を短縮でき、業務の効率化に繋がります。実際に利用する時間帯に、自宅から施設まで一度足を運んでみて、通勤のストレスがないかを確認することを強くおすすめします。
④ 設備やサービスの内容をチェックする
仕事の効率は、利用できる設備に大きく左右されます。自分が仕事をする上で「絶対に必要」なものと、「あったら嬉しい」ものをリストアップし、施設の設備と照らし合わせましょう。
- 必須レベルの設備:
- 高速で安定したWi-Fi
- 席数に対して十分な数の電源
- 業務効率を上げる設備:
- 貸し出しモニター(特にデザイナーやエンジニア)
- ホワイトボード、プロジェクター(打ち合わせが多い場合)
- 電話・Web会議ブース(オンラインでのコミュニケーションが多い場合)
- プリンター・複合機
- 快適性を高めるサービス:
- フリードリンクの種類(コーヒーの質、お茶の種類など)
- 施錠可能なロッカー
- 飲食可能なスペース
- 休憩・リフレッシュスペース(ソファ、テラスなど)
例えば、Web会議が多いにもかかわらず専用ブースがない施設では、周囲に気兼ねしてしまい、スムーズなコミュニケーションが取れません。自分のワークスタイルを具体的に想像し、必要な設備が過不足なく揃っているかを、見学時に実物を見て確認することが重要です。
⑤ セキュリティ対策は万全か確認する
機密情報や個人情報を扱う業務を行う場合、施設のセキュリティ対策は最重要項目の一つです。
以下の点をチェックしましょう。
- 入退館管理: 24時間利用可能な施設の場合、夜間や早朝の入退館はどのように管理されているか(ICカード、暗証番号、生体認証など)。部外者が容易に入れない仕組みになっているかを確認します。
- 監視カメラ: 共有スペースや出入り口に監視カメラが設置されているか。トラブル発生時の記録が残るため、防犯効果が高まります。
- 施錠可能なスペース: 個室はもちろん、フリーアドレス利用者向けに施錠可能なプライベートロッカーが用意されているか。ノートPCや貴重品を安全に保管できます。
- Wi-Fiのセキュリティ: 暗号化方式(WPA2やWPA3など)がしっかりしているか。ゲスト用Wi-Fiと会員用Wi-Fiが分離されているかなども確認できるとより安心です。
- シュレッダーの有無: 機密書類を破棄するためのシュレッダーが設置されているかも、地味ながら重要なポイントです。
安心して仕事に集中するためにも、物理的・情報的の両面からセキュリティレベルの高い施設を選ぶように心がけましょう。
⑥ コミュニティや施設の雰囲気が合うか確認する
スペックや条件だけでは分からないのが、その場の「空気感」です。自分とその施設のカルチャーが合っているかどうかは、継続して利用する上で非常に大切です。
- 利用者層: 利用している人の年齢層や職種はどうか。学生や若者が多いのか、ビジネスパーソンが多いのか。
- 雰囲気: 利用者同士の会話が多く活気がある雰囲気か、あるいは全員が静かに集中している雰囲気か。
- コミュニティマネージャーの存在: スタッフは親しみやすく、相談しやすいか。利用者同士の交流を積極的にサポートしてくれるか。
- イベントの頻度や内容: 開催されるイベントは、自分が興味を持てるものか(ビジネス系セミナー、技術勉強会、懇親会など)。
- インテリアやデザイン: 自分が長時間過ごす空間として、快適に感じられるデザインか。
これらはウェブサイトの情報だけでは判断できません。必ず一度はドロップインで数時間利用してみるか、無料の見学ツアーに参加して、五感で雰囲気を感じ取ることが不可欠です。「なんとなく居心地が良い」「ここにいると仕事が捗りそうだ」といった直感を大切にしましょう。
⑦ 法人登記や郵便物受け取りが可能か確認する
法人化を考えている起業家や、事業用の住所が必要なフリーランスの方は、法人登記や住所利用サービスの有無と、その詳細を必ず確認してください。
- 対応プラン: どの月額プランに契約すれば、法人登記が可能になるのか。フリーアドレスプランでは不可で、固定席や個室プランの契約が条件となっている場合が多いです。
- 料金: 登記サービスの月額料金はいくらか。基本の月額料金に含まれているのか、別途オプション料金が必要なのかを確認します。
- 郵便物サービスの詳細:
- 受け取り: 郵便物や宅配便を受け取ってもらえるか。
- 通知: 郵便物が届いた際に、メールなどで通知してくれるか。
- 転送: 指定の住所に転送してくれるか。その際の頻度(週1回、月1回など)と料金(実費のみか、手数料がかかるか)を確認します。
- 直接受け取り: 施設に立ち寄って直接受け取ることは可能か。
これらのサービスは、事業の信頼性を担保し、円滑な運営を支える重要な機能です。契約前にサービス内容の細部までしっかりと確認し、疑問点はすべて解消しておくようにしましょう。
【料金で比較】コワーキングスペースおすすめ25選
全国に展開する主要なコワーキングスペースの中から、特におすすめの25サービスをピックアップしました。それぞれの特徴や料金プランを比較し、あなたにぴったりの場所を見つけるための参考にしてください。
※料金や拠点数は2024年6月時点のものです。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。
サービス名 | ドロップイン料金目安 | 月額料金目安(フリー) | 拠点数(国内目安) | 特徴 |
---|---|---|---|---|
WeWork | 要問い合わせ | 約40,000円〜 | 約40拠点 | 高いデザイン性、グローバルなコミュニティ |
Regus | 要問い合わせ | 約20,000円〜 | 約170拠点 | ビジネス特化、個室が豊富、世界中に拠点 |
いいオフィス | 約550円/時〜 | 約22,000円〜 | 1,000拠点以上 | 国内最大級の拠点数、リーズナブル |
BIZcomfort | 約330円/時〜 | 約2,200円〜 | 150拠点以上 | 24時間365日利用可能、静かな集中環境 |
.andwork | 約660円/時〜 | 約16,500円〜 | 約20拠点 | 提携ホテル併設、宿泊と連携した働き方 |
basispoint | 約550円/時〜 | 約21,780円〜 | 約10拠点 | 会議室が充実、駅近で利便性が高い |
ZXY | 従量課金制 | 法人契約のみ | 300拠点以上 | 法人向け、首都圏中心に多数展開 |
NewWork | 法人契約のみ | 法人契約のみ | 900拠点以上 | 東急運営、法人向けサテライトオフィス |
① WeWork (ウィーワーク)
世界中に拠点を展開する、コワーキングスペースの代名詞的存在。洗練されたデザイン性の高い空間と、活発なグローバルコミュニティが最大の特徴です。フリードリンクにはビールも含まれるなど、ユニークなサービスも魅力。起業家やクリエイターが多く集まり、ネットワーキングを重視する方に最適です。
- 料金プラン: ドロップインは一部拠点のみ。月額プランはフリーアドレスの「All Access」が中心。
- 参照: WeWork Japan公式サイト
② Regus (リージャス)
世界120カ国以上で展開するワークスペースの最大手。コワーキングスペースだけでなく、プライベートオフィスやバーチャルオフィスなど、ビジネス向けの多彩なプランを提供しています。信頼性と格式を重視する法人や士業の方に人気です。
- 料金プラン: コワーキングメンバーシップは月額制。ニーズに応じた柔軟なプランが特徴。
- 参照: リージャス公式サイト
③ いいオフィス
「どこでもいい仕事。」をコンセプトに、全国47都道府県に1,000以上の拠点を展開する日本最大級のネットワーク。直営店だけでなく、カフェやホテル、スナックなど多種多様な空間が加盟しており、気分に合わせて場所を選べます。リーズナブルな料金設定も魅力です。
- 料金プラン: ドロップイン、月額プラン共に利用可能。月額プレミアムメンバーは全拠点が使い放題。
- 参照: いいオフィス公式サイト
④ BIZcomfort (ビズコンフォート)
「24時間365日使える」をコンセプトに、全国に拠点を拡大中。静かに集中できる「サイレントブース」や食事・通話が可能な「カフェブース」など、目的に応じてエリアが分かれているのが特徴。低価格な「ライトプラン」から全国の拠点が使えるプランまで選択肢が豊富です。
- 料金プラン: ドロップイン可能。月額プランは拠点ごとのプランや全拠点プランなど多彩。
- 参照: BIZcomfort公式サイト
⑤ .andwork (アンドワーク)
「The Millennials」などのライフスタイルホテルに併設されたコワーキングスペース。宿泊施設と連携し、「泊まる」「働く」「遊ぶ」がシームレスに繋がる新しいワークスタイルを提案します。出張が多い方や、非日常的な空間で働きたい方におすすめです。
- 料金プラン: ドロップイン、月額プランを提供。ホテル宿泊者は無料で利用できる場合もあります。
- 参照: .andwork公式サイト
⑥ basispoint (ベイシスポイント)
都心部の主要駅近くに拠点を構え、アクセスの良さが魅力。特に会議室の設備が充実しており、打ち合わせでの利用に定評があります。ドロップイン利用者が多く、気軽に立ち寄れる雰囲気です。
- 料金プラン: ドロップインは30分単位から。月額プランもフリーアドレス、固定席など複数あります。
- 参照: basispoint公式サイト
⑦ co-ba (コーバ)
「あらゆるチャレンジを応援する」をコンセプトに、全国各地に展開する起業家やクリエイター向けのコワーキングスペース。各拠点が地域に根ざした独自のコミュニティを形成しているのが特徴で、ローカルな繋がりを求める方に最適です。
- 料金プラン: 拠点により異なる。ドロップイン、月額プランが基本。
- 参照: co-ba公式サイト
⑧ ZXY (ジザイ)
株式会社ザイマックスが運営する法人向けのサテライトオフィスサービス。首都圏を中心に300以上の拠点を展開しており、15分単位で利用できる従量課金制が特徴です。個人での契約はできず、法人契約が必須となります。
- 料金プラン: 法人契約のみ。初期費用+利用時間に応じた従量課金。
- 参照: ZXY公式サイト
⑨ NewWork (ニューワーク)
東急株式会社が運営する法人向けサテライトオフィス。全国の直営店と提携店合わせて900以上の拠点が利用可能。駅直結など利便性の高い立地が多く、企業の働き方改革をサポートします。こちらも法人契約専用です。
- 料金プラン: 法人契約のみ。月額固定プランが中心。
- 参照: NewWork公式サイト
⑩ Work Styling (ワークスタイリング)
三井不動産が展開する法人向け多拠点型サテライトオフィス。セキュリティが高く、質の高いサービスが特徴です。個室中心の「FLEX」と、オープンスペースの「SHARE」があり、用途に応じて選べます。
- 料金プラン: 法人契約のみ。10分単位の従量課金制。
- 参照: Work Styling公式サイト
⑪ H¹T (エイチワンティー)
野村不動産が運営するサテライト型シェアオフィス。首都圏や大都市圏を中心に展開し、質の高い設備と快適な空間を提供しています。個人向けプラン「H¹T for individual」も提供開始され、個人事業主も利用しやすくなりました。
- 料金プラン: 法人向けと個人向けプランがあり、いずれも従量課金制が基本。
- 参照: H¹T公式サイト
⑫ The Company (ザ・カンパニー)
福岡発のグローバルなコワーキングスペース。国内外に拠点を持ち、特にアジア圏との繋がりが強いのが特徴です。多様な職種の人々が集まり、活発なコミュニティが形成されています。
- 料金プラン: ドロップイン、月額プラン(フリー、固定、個室)を提供。
- 参照: The Company公式サイト
⑬ Fabbit (ファビット)
「スタートアップ企業・ベンチャー企業の支援」をテーマにした施設。インキュベーション機能も持ち、資金調達やビジネスマッチングのサポートが充実しています。大手企業との連携も強く、成長を目指す起業家に最適です。
- 料金プラン: 月額プランが中心。フリースペースから個室まで対応。
- 参照: Fabbit公式サイト
⑭ SERVCORP (サーブコープ)
最高級のサービスと設備を誇るハイグレードなワークスペース。バイリンガルの秘書サービスなど、グローバルビジネスをサポートする体制が整っています。都心の一等地に拠点を構え、企業のブランドイメージ向上にも貢献します。
- 料金プラン: コワーキングメンバーシップは月額制。バーチャルオフィスも人気。
- 参照: サーブコープ公式サイト
⑮ OpenOffice (オープンオフィス)
リージャスが運営する、よりリーズナブルな価格帯のブランド。ビジネスに必要な設備をシンプルにまとめ、コストを抑えてオフィスを持ちたい方に向けたサービスです。
- 料金プラン: リージャス同様、柔軟な月額プランを提供。
- 参照: オープンオフィス公式サイト
⑯ CROSSCOOP (クロスコープ)
新宿、渋谷、六本木など都心に拠点を置くレンタルオフィス・コワーキングスペース。特にアジア展開に強く、シンガポールやバンコクにも拠点があります。海外進出を考える企業に心強い存在です。
- 料金プラン: 月額プランが中心。コワーキングから個室まで幅広い。
- 参照: CROSSCOOP公式サイト
⑰ LEAGUE (リーグ)
「BEYOND THE OFFICE」をコンセプトに、クリエイティブな空間を提供するコワーキングスペース。銀座や新宿に拠点を持ち、カフェのような居心地の良い空間が特徴です。
- 料金プラン: ドロップイン、月額プラン(フリー、固定)があります。
- 参照: LEAGUE公式サイト
⑱ DMM.make AKIBA
ハードウェア開発に特化した、モノづくりのためのコワーキングスペース。3Dプリンターやレーザーカッター、工作機械など、最新の機材が豊富に揃っており、試作品開発から量産までをサポートします。
- 料金プラン: 月額会員制。機材利用のためのテックスタッフも常駐。
- 参照: DMM.make AKIBA公式サイト
⑲ CASE Shinjuku (ケースシンジュク)
高田馬場にある、Web制作やIT系のフリーランスが多く集まるコワーキングスペース。勉強会やイベントが活発で、スキルアップや情報交換の場として機能しています。
- 料金プラン: ドロップイン、月額プラン(フリー、固定)を提供。
- 参照: CASE Shinjuku公式サイト
⑳ IMPACT HUB Tokyo (インパクトハブ東京)
社会課題の解決を目指す「社会起業家」のためのグローバルなコミュニティ。目黒に拠点を置き、同じ志を持つ仲間との出会いや協業の機会が豊富にあります。
- 料金プラン: コミュニティへの参加を重視した月額プランが中心。
- 参照: IMPACT HUB Tokyo公式サイト
㉑ GEEK GARAGE (ギークガレージ)
エンジニアやクリエイターの「秘密基地」をコンセプトにしたスペース。集中できる環境と、技術的な相談ができるコミュニティが魅力です。
- 料金プラン: ドロップイン、月額プランがあります。
- 参照: GEEK GARAGE公式サイト
㉒ ONthe UMEDA (オンザウメダ)
大阪・梅田にある大型コワーキングスペース。多彩なゾーンが用意されており、集中、交流、リラックスなど、目的に合わせて場所を選べます。関西のビジネスパーソンや学生に人気です。
- 料金プラン: ドロップイン(時間制)、月額プランがあります。
- 参照: ONthe UMEDA公式サイト
㉓ HafH (ハフ)
厳密にはコワーキングスペース専門ではありませんが、「旅のサブスク」として知られ、提携する国内外の宿泊施設を定額で利用できるサービス。多くの提携施設にコワーキングスペースが併設されており、旅をしながら働く「ワーケーション」に最適です。
- 料金プラン: 月額制のサブスクリプションモデル。
- 参照: HafH公式サイト
㉔ Karigo (カリゴ)
主にバーチャルオフィス(住所貸し)サービスを提供する企業ですが、一部の拠点でコワーキングスペースも運営しています。低コストで住所を確保しつつ、時々作業スペースも利用したい、というニーズに応えます。
- 料金プラン: バーチャルオフィスプランに、コワーキング利用オプションを追加する形が基本。
- 参照: Karigo公式サイト
㉕ anshin (アンシン)
こちらもバーチャルオフィスを主軸とするサービス。渋谷や銀座など都心の一等地の住所を格安で利用できます。コワーキングスペースも併設しており、郵便物を受け取りに来たついでに仕事をする、といった使い方が可能です。
- 料金プラン: バーチャルオフィス月額プランと、従量課金のコワーキング利用。
- 参照: anshin公式サイト
コワーキングスペースに関するよくある質問
最後に、コワーキングスペースの利用を検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
ドロップインとは何ですか?
ドロップインとは、月額契約を結ばずに、利用したい時だけ時間単位や1日単位で料金を支払ってコワーキングスペースを利用する仕組みのことです。「一時利用」や「ビジター利用」とも呼ばれます。
入会金や月額固定費がかからないため、非常に気軽に利用できるのがメリットです。以下のような方におすすめです。
- 出張先や外出先で急に仕事をする場所が必要になった方
- 月額契約するほど頻繁には利用しない方
- 自宅以外で気分転換に仕事をしたい方
- 月額契約を検討している施設の雰囲気を、まずはお試しで体験してみたい方
利用方法は施設によって異なりますが、一般的には受付で簡単な手続きと支払いをするだけですぐに利用を開始できます。
見学はできますか?
はい、ほとんどのコワーキングスペースで見学が可能です。多くの施設では、ウェブサイトの専用フォームや電話で無料の見学ツアーを予約できます。
見学は、施設の雰囲気や設備を自分の目で確かめる絶好の機会です。ウェブサイトの写真や情報だけでは分からない、実際の音環境、利用者の様子、スタッフの対応、清潔感などを肌で感じることができます。
見学時には、本記事で紹介した「失敗しないコワーキングスペースの選び方7つのポイント」をチェックリストとして持参し、一つひとつ確認することをおすすめします。疑問に思ったことは、遠慮せずに案内のスタッフに質問しましょう。その対応からも、施設の質をうかがい知ることができます。
法人登記は本当に可能ですか?
はい、多くのコワーキングスペースで法人登記は可能ですが、全ての施設やプランで対応しているわけではありません。
一般的に、法人登記はオプションサービスとして提供されており、フリーアドレスプランでは利用できず、固定席プランや個室プランの契約が条件となっている場合がほとんどです。これは、事業の実体があることを示すために、専用のスペースが必要とされるためです。
法人登記を検討している場合は、以下の点を確認することが不可欠です。
- 法人登記が可能なプランとその月額料金
- 登記サービスにかかる追加のオプション料金
- 契約期間の縛り(最低契約期間が設けられている場合がある)
- 許認可が必要な業種(士業、建設業、古物商など)に対応しているか
契約後に「登記できなかった」という事態を避けるためにも、事前に施設側に自社の事業内容を伝え、登記が可能かどうかを明確に確認しておきましょう。
まとめ
コワーキングスペースは、もはや一部のフリーランスや起業家だけのものではありません。多様化する働き方を支える社会インフラとして、あらゆるビジネスパーソンにとって有力な選択肢となっています。
この記事では、コワーキングスペースの基本から、レンタルオフィスとの違い、料金体系、メリット・デメリット、そして具体的な選び方までを詳しく解説しました。
重要なポイントを改めて整理します。
- コワーキングスペースの価値: コスト削減や充実した設備に加え、コミュニティ機能による人脈形成やビジネスチャンスの創出に大きな魅力がある。
- 料金プランの選択: 自分の利用目的と頻度を明確にし、ドロップイン、フリーアドレス、固定席・個室の中から最適なプランを選ぶ。
- 失敗しない選び方: 料金だけでなく、立地、設備、セキュリティ、そして施設の雰囲気といった多角的な視点から、自分に合うかどうかを慎重に見極める。
数多くの選択肢の中から理想のワークスペースを見つけるための最善の方法は、まず気になる施設をいくつかピックアップし、実際にドロップインや見学で訪れてみることです。自分の目で見て、肌で感じることで、ウェブサイトだけでは得られないリアルな情報が得られます。
本記事が、あなたのワークスタイルをより豊かに、そしてビジネスをさらに加速させるための最適なコワーキングスペース選びの一助となれば幸いです。